今日は“奇跡が起こらない限り(起こっても!?)4時間連続乗務になってしまう某地区巡回バス4連発を含むコース”だった。これは、平日ダイヤに1つ、休日ダイヤに2つあるのだが… 私の場合“運良く”休日ダイヤにハマり、これで3回目になる。
が、過去2回と違って、今朝の点呼では「30分以上の休憩が取れなかったら、電話をして休憩してきて下さい」と言われたので、私は「逆に… 30分以上の休憩が取れた運転士さんっていないですよねぇ? だったら休憩してきますよ。万が一、奇跡が起こって休憩できたら電話します」と言って出撃した。
さて、その某地区巡回バス1周目… 前回同様、途中で何度も時間調整停車しながら“順調に”走ることができ、終点の1つ手前のバス停を定刻で通過して、終点某駅の降車停で降車客扱い後、待機場所に移動してバスを止めたのが“次の発車の11分前”だった…
そこで私は「前回は1回目と2回目が上手く行き、3回目で10分以上の休憩時間を確保できずに涙を飲んだが、今回はゴールデンウイーク中だし… 奇跡が起こることを期待して、発車時刻ギリギリになってから(10分以上の停止時間を作ってから)動きだそうか…」と思った。
しかし「今回も、そんな野望のせいでイライラ&カリカリしながら運転したくないし… 30分の休憩を取ってから回送で帰ると言ってきたんだし…」と思い直して、10分以上の停止時間を待たずに再びバスを動かして、自ら“未練”を断ち切ったのだった…
さてさて、某地区巡回バス4連発終了後… そこで30分の休憩を取ってしまうと、今度は“営業所の食堂(定食360円)の営業時間に間に合うかどうか”になってしまい… 私は「結局、回送でイライラ&カリカリ… それは嫌だから、コンビニで弁当でも買って来るか!」と思った。
その時、ちょっと前に情報誌か何かで“某駅の近くに美味しいパン屋さんがある”という記事を見たことを思い出したのだが… そこはテキトーな私… 「こっちだっけ?」と右へ曲がって歩き出し、「なさそうだなぁ~ あっちだっけ?」と引き返したりして…
で、探すこと数分… ひっそりと営業しているパン屋さんを発見した。「名前も覚えてないけど… 多分、そうだろう」と思って入った第一印象は「狭っ!」であった。普通にあるはずのトレーもトングもなく… ケーキ屋さんのように、ガラスケースの中にパンが並んでいた。
すぐに店員さんが「○○が焼きたてですが、いかがでしょうかぁ~」と言ったので、初めての焼きたてパン屋さんで“緊張していた”私は「じゃあ、○○と…」と言いながら驚いた。そのパンが290円と表示されていたから…
ザッと見たところ、どのパンも高くて緊張感アップ… すべてのパンを吟味する余裕もなく… だからと言って、1個だけというわけにもいかず… 私は「(○○の横の)△△と… (その下の)◇◇を下さい」と言った。
すると、レジで「○○と△△と◇◇で… 830円になります」と言われて、私は改めて驚いたのだった… パン3個で800円… その帰り、動揺していた私は“毎日、お茶などを水筒に入れて持って来ていること”を忘れて、自販機でお茶を買ってしまったのだった…
ちなみに… その30分の休憩は、あくまでも会社の都合によるものなので“時間外労働”ということになり… 500円くらい(?)の臨時収入となる。が、食堂の定食360円で済むはずが、パン3個で830円ということで… ほとんどチャラだな! あ、いや… 平常心を失ったまま買ってしまったお茶の120円が無駄だなぁ~ ハハハ…
ウチの営業所のやり方では、ほとんどの運転士が自分の担当コースを30日間で一回りする。つまり、今月1日から二回り目に突入したところである。が、4月の頭は“学生が春休みだった”ので、まだまだ朝夕の乗客が少なかったのだが… 今月1日&2日の平日は、やはり普通に遅れてしまった…
また、先月末… 初めて私に回ってきたコースの前半は、営業所前ターミナルを起点にA駅を3往復&B駅を1往復というもので、既に走った運転士さんから「走りっぱなしですよ」と聞いたことがあったので… その日、私は到着から発車までの“表面上の”休憩時間を見たのだが… 3分、5分、4分、17分、3分、14分、12分だった。
私は「ありゃまぁ… 確かに休憩時間がちょっと… 10分未満は休憩時間として計算されないらしいけど… 17+14+12=43分(乗降停と待機場所との移動時間を除いた実質休憩時間は37分以下)あるから大丈夫か! ま、遅れなければの話だけど…」と思った。
その日は雨… 強くなったり弱くなったりを繰り返し… 所々、道路の左端には大きな水溜まりがあり… 歩行者がいた場合には、減速しなければいけなかった。そのせいで、いつもならばブォ~ンと行ける青信号を行けなかったことも一度だけあった。
バス停でICカードに入金する時、シワクチャの千円札がなかなか入らず、目の前の信号が赤になってしまったことが一度… 通勤(買い物?)マイカーが多くて1回の青信号で行けなかったことも二度あった。私が「イレギュラーだな」と思ったのは、それくらい…
にもかかわらず、知らないうちにバスは遅れていて、問題の休憩時間は… 1回目は12分(実質10分ギリギリ!)になってしまった。2回目だけは予定通り16分(実質14分)だったけれど… 3回目は元々12分(実質10分!)しかなかったので、ちょっと遅れただけなのに9分(実質7分)になってしまい… ジ・エンドとなった。
私は「営業所へ電話して、指示を仰ぐのだろうか? 私から“3分くらい遅れて(休憩時間が10以上になってから)発車します”と言えばいいのだろうか? 目の前で乗客が待っているのに!? そんなバカな!」と思って、そのまま何事もなかったかのように乗り場へ着けて発車した…
この4月のダイヤ改正後、多くの運転士さんが「えらい(疲れる)」と言っているということは、こういう状況が増えている可能性があると思った。まだ、ウチの営業所は委託元の考えもあるから、好き勝手にできないけれど… 完全弊社の営業所は、推して知るべしである。
上の方は「お客様」「安全」とか言っておきながら「ダイヤをキツくしろ」と命令し、それに従ってダイヤを作った人間が高評価を受けて出世する… ほとんどバスを運転しない人間… つまり、お客様から遠い存在だけで話が進んでいるのだ。そう、先祖代々…
だから、バスが遅れてきた場合などに、同じ“被害者”である運転士に文句を言うのはお門違いというもので… 普段から「こんなんで走れるか!」とダイヤに関して不満を持っているところへ、乗客から「何分、遅れとるんだ!」などと言われると、ついついヒートアップしてしまうことも… あるかもしれない。
最近、テレビも新聞も… 「バス(運転士)が警察に捕まったぞぉ~!」なんて弱い者イジメばかりやっているけれど… たまには上の方をイジメてやって下さいよぉ~! 案外、上の方もMだったりして!? 涙を流して喜ぶかもよ! ハハハ…
一昨日、朝6時半頃に営業所前ターミナルを出て、ちょっと遠回りの某駅行き… ただ早朝だからなのか、ゴールデンウイーク中で休みの人もいるのか… とても順調に走ることができ、途中で何度か時間調整停車をして… 終点の2つ手前のバス停でも時間調整停車をした。
そのバス停を定刻で発車したら、前方の信号が赤に変わってしまったけれど… 「その次のバス停で、またまた時間調整停車をするよりはいいかな」と思った。信号が青になり、その先の交差点を右折して… 終点の一つ手前のバス停に到着した。
いつの間にか(たまに、押された音が耳に入らないことがある!)降車ボタンが押されていたので、バスを止めてから中扉を開けると、スーツ姿の男性と学生さんの2人がササッと降りて、サササ~ッとバスの後ろから道路を渡って行ったのである。私は「駅でもないのに、何を慌てて…」と思ったのだが…
ボケな私は、扉を閉めてからバスを発車させようと前を見て… そこでようやく気が付いた。数十メートル前方の交差点で、こちらを向いて信号待ちをしている☆☆駅行きのバスがいることに… そう、その2人はバスの乗り継ぎをしたかったのである。しかも、そんな際どいタイミングで…
いやぁ~ 知ってしまったからには、意識せざるを得ないわけで… 今後はプレッシャーを感じながら走らなくてはいけないなぁ~! えっ!? つい数分前のことを忘れる奴が、再び同じコースをやることになる1か月後に覚えているはずがないだろうって? ハハハ… おっしゃる通りで…
きっと、次回はバスが少し遅れてしまい、☆☆駅行きのバスが目の前で発車して… 「あ~ぁ…」なんて溜め息が聞こえてきたりして!? ちょっと心配になった私が時刻表を調べたところ、同じ☆☆駅行きが15分後にもあるので… 多分、2人は… 基本的には、そのバスに乗るつもりなんだよ。うん、一昨日は“たまたま”間に合いそうだったから走ったんだよ。うん、そういうことにしておこう! ニャハハ…
夕方の某港発… 数名の乗車があった後、まだ乗り場には2人の女性(お婆さんとおばさん… 母子か?)が立っていた。そして、若い方の女性が「このバスは××駅へ行きますか?」と言ったので、私は「いえ、行きません…」と答えた。
すると、2人の女性はバス停の時刻表を見ながら話し合っていたのだが… 「今は、※時※分だね」「このバスが※分の地下… 地下… あぁ、地下鉄○○駅行きでしょ」という会話が聞こえてきてしまったのである。いや、地下鉄を“地下”で切って読む人を初めて見たなぁ~! バスで地下へ… 楽しそう! やってみたい!
さて、バスは順調に進み、あるバス停に到着… そこには、携帯で電話中の若い女性が立っていた。私は「この年頃… この風貌… バスに乗る前に電話を切ってくれるだろうか?」と思いながら前扉を開けた。
すると、その女性はすぐに電話を切ってバスに乗り、運賃箱の前に立ったのだが… 一瞬の沈黙の後、「やっぱりいいです」と言ってバスから降りて行った… な、な、なんで!? その左手には携帯、右手にはスーパーのレジ袋… 加えて、とてもラフな格好…
きっと、バス停1区間か2区間の距離にあるスーパーまで徒歩で出掛けて… その帰りに電話をしながら歩いていたら… 通勤か通学の癖が出て、ついついバス停で立ち止まってしまい… そのまま電話を続けていたに違いない。
そして、電話を切ってバスに乗ったところで我に返り、今は定期券を持っていないことを思い出したのだろう。ん? 運転士の顔を見て、身の危険を感じて逃げたんじゃないかって!? おいおい、ワシは冬眠から覚めたクマかよ!
今日の早朝… まだ朝の7時前だから? ゴールデンウイーク中の平日ということで、休みの人もいるから? なぜか分からないけれど、乗客も交通量もやや少なめ… 途中で何度も時間調整停車をしながら某駅へ向かっていた。
そして、あるバス停で30~40秒の時間調整をしていたら、20~30m後方の信号が変わり、横断歩道を渡っているお爺さんの姿が右ミラーに映ったので、私は「ひょっとして…」と思いながら、お爺さんを凝視した。
が、ちょっと距離があったし… ミラー越しということもあってか、お爺さんの顔がハッキリと見えず… こちらを見ているような見ていないような… ただ、歩き続けていたので「乗客ではなさそうだ」と思った。
しかぁ~し! 発車時刻まで10秒となった時、横断歩道を渡り切ったお爺さんが、急に走り出したのである。多分、最初は「バスが来とるけど、すぐに発車しちゃうよなぁ…」と思っていたけれど、「まだ発車しんなぁ…」「ひょっとして乗れるかも…」「おっ! 乗れるがやぁ~」と気持ちが変わったに違いない。
お爺さんは、フラつきながらバスに乗り込むと「ハァ… すいませんね… すぐそこまでだけど…」と言いながらフリーパスを見せたので、私は「はい、どうぞ」と答えながら「なるほど… 歩いて行っても良かったけど、バスに乗れるなら乗って行こうと思ったのか!」と納得した。
ところが、バスが発車しても降車ボタンは押されず… 私が「すぐそこって、次だよなぁ~? どうしようかなぁ…」と思っていたら、ちょうどバス停で待っている人がいたので、私は迷うことなくバスを止めることができた。
結局、お爺さんはそこでは降りず、その次のバス停で降りて行ったのだが… フリーパスで乗る人たちにとっては“1区間・2区間、当たり前ぇ~!”なので、2区間も乗るのに「すいません」と言ったお爺さんがとても良い人に思えて、私は癒されたのだった…
今日の夕方… 午後5時頃のA駅発B駅経由某所行きで、発車時刻になったのでエンジンを掛けて扉を閉めようとしたら、右から一人のお婆さんが急ぎ足っぽい感じで歩いてきた。私は「ま、ここは慌てても仕方がないから…」と思って、確認のために「某所行きです」と言った。
お婆さんはゆっくりと乗り込んで、買い物バッグの中からゴソゴソとフリーパスを取り出し、私に見せながら「すぐそこ… 一つ目で降りるけど…」と言ったので、私は「へぇ~ わざわざ“すぐそこ”と言ったのは本日2人目だ。珍しいこともあるもんだ」と思いながら「ありがとうございます」と言った。
バスが発車してすぐに降車ブザーが鳴り、私は「今回はハッキリと“一つ目”と言っていたから、本当に1区間で降りるんだぁ~」と思いながら「次、止まります」と言った。そして、2人の乗客が待っていた一つ目のバス停で止まって、両扉を開けたのだが… お婆さんが車内通路を前の方へ歩いてきたので、私は「えっ!? 完全弊社のバスと勘違いしてるのかな? 乗ってくる人とぶつかっちゃうけど…」と思った。
すると、お婆さんが私に握り拳を差し出したので、私が「な、な、何事か!?」と驚いていると、その手には“スッキリのど飴3個”が握られていたのだった… 予想外の展開に、私はちょっとオロオロしながら「あ、あ、ありがとうございます」と言いながら受け取り、歩道を歩いて行くお婆さんを見送った… 今日は、お年寄りに2度も癒された珍しい日だった。