今朝Yさんの話。「私の夫は、床屋に行っても、買い物をしても お金を払ってこない。私がいつもあとから払いに行っていた」と。
子どもの頃を思い出した。毎年夏休みは 父母の実家の会津で過ごした。
母の実家には毎日魚屋さん、八百屋さんが、リヤカーをひいてやってきた。
魚屋さんは調理場で魚をさばいて帰って行く。床屋さんも来た。祖父は
四畳半ほどの鏡の間で床屋さんに髪を刈ってもらう。祖母は日本髪の
髷を結ってもらっていた。
隣りはヤクルトの販売店。窓から手を出せば、ヤクルトをもらえた。
どれも支払は月末払い。そこで生まれ育った従兄弟は この世に“お金”
というものが存在することを、小学校2、3年まで知らなかったようだ。
向かいの駄菓子屋で欲しいものがあれば「これちょうだい」で、お金を
払わないで 貰ってこれたからだ。
こんな話も。戦争中「牧原」という将校が会津の連帯に赴任してきた。 「牧原」というと、どこでもツケがきくので、料亭でさんざん飲み食い したようだ。その請求書がわが家にきた。覚えのない請求に、 調べてみると、同姓の将校とわかったそうな。