「津軽のかまり」見てきました。
今日の津軽三味線ブームの火付け役となった高橋竹山のドキュメンタリー映画。
「かまり」とは「匂い」。津軽の匂いを感じさせるような三味線の音色をという
竹山の想いを伝える映画。
竹山は生涯にわたって津軽にこだわった。「津軽の匂い」に命を懸けた。
竹山の三味線に津軽の泥くささが薄れてきたという批評が出まわったことがあった。
竹山は「とんでもねえ」と一蹴した。「そういうことを言う奴が、いったいどのくらい
津軽をわかっているんだ。土くさい、泥の中を這いずりまわっている津軽だけが
津軽ではない。そこには風もあれば、波の音もあるし、雪の美しさもあれば、
静寂もある。ほんものには洗練された美しさがあるとも。
竹山の三味線には一音一音に色がある。人間の魂の響きがある。
最近の若者の津軽三味線は 速弾きコンクール。速く弾くだけだったらカンタン。
ゆっくり一音一音に匂いを込める方がむずかしいと。
私も同感。とにかく竹山の最初のバチ音から 涙があふれ出た。