現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

12/31 紅白歌合戦

2008-12-31 12:17:47 | 虚無僧日記
中日新聞の「政治風刺漫画」は実に面白い。
作者は佐藤正明。いつも感心する。
12/31の内容は、その名も『こう吐く歌合戦』。
トップは麻生総理「勝ち目の勝ち目の曲がり角
叫びだ叫びだ落ち目どき、あ、太郎か、あー太郎よー  
北風ピープー吹いている」

これに対して野党党首の面々は
「チャンスマン、さあ立ち上がれよ
 チャンスマン、今飛び出そうぜ」と合唱

「手をつなごう、ボクと、追いかけよう夢を、二人なら」と
手をつないでデュエットするのは、渡辺造反議員と小澤党首。

「私の過去など知りたくないのォ、済んでしまったことは
しかたないじゃないの」と歌うのはブッシュ大統領。

田母神空幕将も登場「バカにしないでよ、そっちのせいよ
村山のことば プレイバック、プレイバック」

それぞれメロデイも知っているので笑える。元歌を知らない
若い世代には「なんのこっちゃ??」なのだろう。

逆に今年の紅白歌合戦で歌われる歌で、私が知っているのは
9曲しかない。歌えるのは「さそり座の女」と「北の漁場」
くらい。紅白も遠くなりにけり。

12/29 寒風の中

2008-12-31 11:58:52 | 虚無僧日記
中日新聞「けさのことば」。高濱虚子の『虚子句集』より
 『寒風を衝いて行くより外(ほか)はなし』
 『寒風に向(むか)ひて老いを忘れをり』

12/30 名古屋も最低気温が零下になった。
懐も寒し、家に居ては暖房費もかさむ。まさに
「寒風を衝いて行くより外なし」、虚無僧に出る。

往来は、車も人通りもパタッと無い。こんな時期
名鉄前を歩いているのは、10代のヤングばかり。
寒風の中で尺八を吹いていると、たしかに“老い”を
忘れる。

塾帰りの小学生の男の子が5人、私を取り囲んで興味
深げに偈箱の中をのぞく。一人が「おい、みんなも
入れろ」と。その声で、みな財布の中をまさぐる。
入れてくれたのは、5円玉3個に1円玉3個。
虚無僧に喜捨することを教わったわけでもないだろうに、
そういう気持が自然と沸き起こることに感動である。

さてさて、彼ら“おりこうさん”の子供達。家に帰って
親になんて話すんだろう。「今日ね、顔隠して笛吹いてる
変な坊さんがいてね、お賽銭入れてあげた」。すると親は
どう反応するんだろう。「それはいいことしたね」と云うのか。
「なんてバカなことしたの」と叱る親もいそうだ。子どもの
純真な芽を大人が摘まなければいいがと願う。




現代は開戦前夜?

2008-12-29 23:20:07 | 社会問題
「太平洋戦争前夜と今の政治情勢が似通っている」という。
経済の行き詰まりによる閉塞感。食料自給率4割という不安。
総裁がコロコロ変わる。誰が総理になっても同じという政治
不信。そして一部経済評論家とマスコミの煽動だ。

「石油が枯渇する、ガソリンが 200円/L になる」と全評論家が
口々に唱えたが、「3ヶ月後に原油価格が1/4。単価が 90円台に
まで下落する」とは誰も予想しなかった。真実を知らされない
国民もバカになって便乗貧乏を気取っている。「欲しがりません
買う(勝つ)までは」だ。






あの戦争はなんだったのか

2008-12-29 21:58:56 | 虚無僧日記
保坂正康著の『あの戦争はなんだったのか』が、TBS系列で
TVドラマ化された。ビートたけしが東条英機を演ずるという
ので見た。いささか太り気味の東条だが、ニュアンスは通じた。
内容は、「東条は、天皇の聖旨を受けて戦争回避に務めたが、
大勢に抗しきれず、やむなく開戦に踏み切った」というもの。
天皇の戦争責任を“無”とし、東条の立場も擁護する内容だ。

「あの戦争は、人口の大爆発が原因だった」というのが私の
歴史認識だ。幕末の人口は3,000万人。それが太平洋戦争
前 9,000万人と3倍にも膨れ上がっていた。江戸時代でさえ
飢饉に喘いでいたのが、イッキに非生産人口が6,000万人も
増えたのだから、活路を満州という新天地に向けざるを得な
かった。そして東南アジアからも米を輸入する必要に迫られて
いた。その輸送手段として石油が欲しかった。それを武力で
略奪しようとしたからアメリカが怒った。
海上封鎖、石油の輸出ストップという制裁に、今度は日本人
1億が“火の玉”となって怒り戦争に突入した。それを煽った
のはマスコミであり、徳富蘇峰のような一部の言論人であり、
思い上がった軍の参謀だ。アメリカの挑発に乗せられ、東条も
世論を押さえ切れなかった、“やむをえず”という点では
田母神論文も間違ってはない。ただ問題は飢餓と貧困を打開
するために、武力による略奪以外に道は無かったのかだ。

結果をみれば、結局、東南アジアからの輸送船は2,000隻も
沈められ、米も石油もほとんど日本に運ばれなかった。
日本人の戦没者 310万人のうち2/3は 餓死と病死だという。
日本人のために命を奪われたアジア人は1,000万人以上という。

現在、日本は1億2,000万人の食料の6割を諸外国からの略奪に
よらずに平和裡に輸入している。まさに「いったいあの戦争は
なんだったのか」である。
「戦争があるから軍隊が必要」ではなく、「軍隊があるから戦争に
なった。軍隊が無くとも平和裡に飢餓は克服解消できた」のである。

師走 2

2008-12-29 21:56:24 | 虚無僧日記
今年もいよいよあと2日で暮れる。
鼠年、還暦。尺八始めて50年、一路を名乗って
10年目の節目。今年は、能楽堂での「一路会
公演」を成し遂げ、最高の年だった。来年は
もっといい年だそうな。

この年末は、忘年会も 5件あった。忘年会に
行く金があったこともスバらしい。車も換えた。

部屋も片付き、支払もすべて終え、また一文無し
になった。「江戸っ子は宵越しの銭は持たねぇん
だい」と強がりいって、またいつもと同じく、
ゼロからのスタートを迎える。

貯蓄ゼロの世帯が25%、4人に1人とか。仲間が
増えて心強い。


12/25 クリスマス・ディナーショー

2008-12-25 23:48:20 | 虚無僧日記
12/25 多治見市の「セラミック・パーク(岐阜県現代陶磁器
博物館)」内にあるレストラン・クレイでのディナー・ショーで
薩摩琵琶の糸井藍水さんと尺八の共演。
クリスマスの日に「琵琶と尺八」とは酔狂な。はたしてお客
は来るのだろうか。セラミック・パークは、多治見市郊外の
山中、広大な敷地の中に建つ巨大な建物だった。人影も
無く ガランとしている。
6時になってようやく 30名ほどが どこからともなく 現われ
テーブルについた。なんともうすら寒い。
食事が終わりかけた7時から、まず尺八でロシア民謡なぞを、
そして糸井さんの琵琶で『那須与一』。その後『雪女』を上演。

クリスマスには不相応な内容だが、今年のクリスマスは
バカ騒ぎする気にもなれない状況だ。こういう演目を静かに
聴くのもよかったようだ。若い女性も半数。初めて耳にする
琵琶と尺八で、結構喜んでもらえた。レストランのオーナーも
満足してくれたようで、「6月の蛍祭りの時にも是非」と言って
くれ、5万円もいただいた。これではレストランは赤字だろう。
私の名前で集客できるほどの有名人にならねば申し訳ない
と思う。来年がんばろう!





師走

2008-12-24 10:32:54 | 虚無僧日記
年賀状も出した。大掃除もした。こんな気分で
年末を過ごせるのは生まれて初めて。

さてさて師走(しわす)に し忘れたことは?
礼状を出すことだ。年始に「今年こそはマメに
礼状を出す」と決意したが、結局1枚も出せな
かった。

徳川家康は、諸将に宛てて1万5千通もの手紙を
出したという。関が原の勝敗を分けたのは、事前
の手紙作戦による根回しだ。秀吉も家康も、家臣
だけでなく、諸大名の家族構成、縁戚関係まで
承知していた。それが出世する要件の一つ。

他人の名前や顔、履歴が覚えられない、フォロー
ができないようでは、明日は無いと心しよう。



源清麿

2008-12-24 10:31:30 | 虚無僧日記
TV「開運なんでも鑑定団」でまた『源清麿』が出た。
幕末の刀工だが、42歳で自殺しており、作品はきわめて
少ない幻の刀工で、本物なら2,000~5,000万はする。

「正宗、虎徹に並ぶ幻の名刀にビックリ値」というので
期待して見たが、偽物で評価額は 20万円。
以前にも出た。研ぎに出したら砥ぎ師に「1,000万で
譲ってくれ」と言われたというが、贋作で 30万。
今回も 銘がどう見ても稚拙だ。ネットで検索すると
本物はしっかり堂々としている。
ところがオークションで「源清麿」が3振りも出て
いる。18~20万円の安値。もし本物だったらすごい
掘出し物。でもどうやら「贋作」と知って、控えめに
値を付けていると思ったほうがよさそう。

今回の出品者は「子供がいないので、甥っ子姪っ子に
それぞれ譲ってやろうと何本も買い集めた。ところが
甥姪はちっとも喜んでくれない」と。まさに私もそうだ。
娘が結婚したら、婿殿に引き出物として持たせてやろうと
思ったが、娘たちは「結婚に“切れる”物は縁起悪い」と
拒絶。
150万で買った「兼定」は、別の刀屋で鑑定してもらったら
15万。200万で買った「会津三善長道」は 40万でしか引き
取れないとのこと。愕然。退職金をあてにして刀など
買ったから自己破産する羽目になった。

高くついた。刀よくカッタ(買った)な。高カッタな。

開運なんでも鑑定団

2008-12-24 10:30:59 | 虚無僧日記
12/23放送、TV「開運なんでも鑑定団」出張鑑定で
京都の『洛中洛外図屏風』が出た。200万円の高値。
描かれている人物の装束は江戸初期、元禄頃のもの
だが、しかし、虚無僧が二人描かれていて、天蓋を
被っているので江戸中期享保の頃となる。

棟方志功の色紙絵に60万円。
原爆の図で有名な丸木位里の「梅の図」に200万円。

母方の祖父の家には、横山大観の「富士山」、伊藤
深水、小川芋銭の掛け軸などがあった。大観は「駄作が
多い」と言われており、評価は期待できない。
芋銭は本物なら2,000万とも云うが、町の骨董屋に見せ
たら「贋作」という。安く買い叩こうという魂胆では
ないかと疑いたくなる。

以前「お宝鑑定団」で、一休の書が出た。鑑定士は
「一休の書はもっと柔らかいです」と言って、贋作と
決め付けた。柔らかいのは良寛だ。一休の字体はごつく
荒々しく自由闊達。良寛と間違えていないか? だが、
「一休の書」というのは ネットオークションでも
よく出るが、まずは偽物。

「源為朝」の絵が出たことがあった。鑑定士は絵の
内容がわからず、ただの「武者絵」として片付けて
しまった。あの図柄は、「八丈島に流された為朝が、
平家の軍船を一本の矢で沈めた」という故事に基づく
ものだ。出品者に教えてあげようと、即TV局に
電話をいれたが、「あの番組は下請けの会社が、
事前に収録編集したもので、TV局ではわからない」
との つれない返事だった。

格差社会

2008-12-23 20:48:13 | 社会問題
株価暴落で、株など持っていない吾れは、金持ちとの格差が
縮小したかとほくそ笑む。しかし株価下落で嘆いているのは
中産階級らしい。ホントの金持ちは、意にも介していないという。

三越にはいった。クリスマス商戦だというのに客は少ないが
三越は客層が違う。ルイ・ヴィトンなどは、結構 賑わっている。
クリスマス・プレゼントか。
宝石売り場では、特別ケースの中の目玉のネックレスは0が
8つ。もう桁がわからん。ケタ ケタ ケタ たけ!、目玉が飛び
出る。“億”の値段だ。

有名陶工の作品展示場では、ぐいのみでも万単位。百万円以上
のもある。常連客がそれを無造作に手にとって店員と商談して
いた。買う人がいるのだ。展示商品の最高価格は棟方志功の
陶板画 1,480万円。唖然。私は30年前、露天で1,000円で買った。
その後、棟方志功の偽物が大量に出回っていることを知った。

次にペルシャ絨毯の展示会場にはいる。最高値は2,500万円。
最低でも500万。私が金持ちに見えたか、かっこいい外人の
販売員が私にピッタリ寄り添って、流暢な日本語でしきりに
説明してくれる。目の保養と思ったが、どっと疲れた。

帰り、カーマでカーペットを見る。5,550円。それでも買えず
にあきらめた。買わんでよかった。Sさんがくれた。2,500万の
ペルシャ絨毯が買える身分より、欲しいものが即、喜捨して
いただけるという幸せに感謝。心ますます豊か。