週間新潮の中吊り広告に「田宮二郎」の名が。
ドラマ『白い巨塔』や 『クイズタイムショック』の司会で人気絶頂にあった
二枚目俳優の「田宮二郎」が亡くなったのは ’78年12月28日のこと。
43歳。“猟銃による自殺”という発表は、世間に大きな衝撃を与えた。
私も鮮明に記憶している。というのは、前年の10月に、千代田生命と
1億5千万の生命保険契約を結んでいたからだ。躁うつ病で苦しんでいて、
その半年前の3月に、精神科医の斎藤茂太から躁鬱病と診断された。
そして、安田生命とも1億5千万の保険契約を締結していた。
千代田と合わせて3億円。当時としては最高加入限度額。
「躁うつ病」と診断されたことを隠しての契約だから「告知義務違反」で
契約は無効となる。また2年以内の自殺だから保険会社の免責で、
どちらにしても保険金は支払われないはず・・だったが、なぜか
安田生命は全額を支払った。それで千代田も払う羽目になった。
このことが「有名人だから払うのか」とマスコミを騒がすこととなった。
当時の千代田としての苦しい答弁は「躁うつ病と診断されたのは、
保険契約の後、精神病者の自殺率は高く、精神病による自殺だから、
死亡原因は精神病による死。よって病死である」と。
ま、これ以降、精神病の人、ノイローゼ、躁うつ病も生命保険には
はいれない、契約不可となった。
さて、その田宮二郎の死因だが、「M資金に手を出し、脅迫されていた」
しかし、死の前日まで明るく、普通にふるまい、自殺の兆候(意思)は
無かった。また、第一発見者の付き人の証言では、発見したとき、
猟銃は抱えておらず、足元の方にあった。それまで、猟銃は奥さん
に取り上げられ、隠されていて、本人も「どこにあるか知らない」と
言っていた。などから、田宮二郎は自殺ではなく、何者かに殺された
という説が浮上してきた。自殺ではなく、他殺、殺されたのなら、
たとえ躁鬱病であったとしても保険金はおりる。
追記、田宮二郎の息子で俳優の「田宮五郎」も昨年47歳の若さで
死んでいる。死因は不明とのこと。