現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

9月の雨

2009-09-30 07:14:54 | 虚無僧日記
9月30日。今日も朝から雨。

9/30は昭和区の白山神社の祭礼がある日。箏の梶田昌艶先生が
毎年奉納演奏をされるのだが、この日は決まって雨が降る。過去
何回か私も参加させてもらっているが、その日は雨が降らないか、
雨の日でも、私の出番になると止むのだ。今日は私は出演しない。
裏方のお手伝い。だからきっと雨。

『9月の雨』といえば太田裕美の歌を思い出す。私の好きな歌だ。

「September rain rain 9月の雨は“せつなくて”」といつも
口ずさんでいた。歌詞をあらためて検索してみたら「冷たくて」
二番は「優しくて」だった。

  季節に褪せない心があれば 人ってどんなに しあわせかしら
  ライトに浮かんで流れる傘に あの日の二人が見える気もした

歌詞の内容は、やっぱり“せつない”。
この歌を歌うと、残暑も終わり、秋たけなわとなる。

生命保険セールス

2009-09-29 09:22:09 | 虚無僧日記
日本生命が『保険のひみつ』というマンガ本を出した。
学研の「まんがでよくわかるシリーズ」の46巻。
生命保険の仕組みとセールス活動について、小学生向けに
わかりやすく解説したもので、この本は、全国の小学校と
主な公立図書館に贈呈されるという。

中を見て驚いた。保険会社の営業部長の名前が「牧原」に
なっているのだ。私の名前だ。「牧原」姓はあるようで無い。

私は、中堅保険会社で教育と広報畑に携わってきた。
毎年、全生保で25万人が入社し、25万人が辞めていくという
生保セールス。40年で1,000万人、4人に1人の女性が生保
セールスを体験していることになる。

その90%が挫折して辞めているのだから、生保セールスは
難しい、“生保セールスが勤まれば、どんな営業もできる”
などと云われたものだが、とんでもない誤解だ。

9割の職員が、“お願いセールス、お涙頂戴、もみ手セールス”
で、“自分のためのセールス”をやってきたから成功しなかった。
しかしそれだからこそ、まともに商品説明をし、お客様のために
商品設計ができれば、一躍トップになれる。「あなたは、他の
人とは違うわね」と信頼されれば、次々に契約いただけるのだ。

「生命保険は今や9割の人が加入しているから、これ以上勧める
のは難しい」といわれるが、これも逆。生命保険は、車を買い換え
るのと同じように、数年もすれば家族の状況も変わり、ニーズに
合わなくなる。
今まで5~6万も保険料を払っていた方が、生活設計に合った
商品設計で、月々3万円で済む様になるならば、納得して契約
される。

「こんなカンタンなことはない」と私は説いてきた。そして3,000人を
養成したが、私の意を体して、私の期待に応えてくれたのがR子。
彼女は今N生命で活躍している。給料はご主人よりはるかにいい。
子供達を立派に大学に進学させた。経済的に余裕があれば家庭も
円満になる。

私の保険会社での半生は、この日本生命の『保険のひみつ』という
マンガ本の中に「牧原部長」として名を留めえた。人知れぬ私の
ヒミツでござる。



民自再生

2009-09-29 08:36:54 | 社会問題
中日新聞 9/29 の「佐藤正明氏の政治風刺漫画」

谷垣新総裁が『民自再生法手続き』と書かれた書類を
持って「これはどこへ出したらいいんだろうね」と。
笑える。
総理でない総裁は、河野洋平氏以来とか。河野太郎氏が
総裁に選ばれたら、親子二代、総理でない総裁になった。

歴史は繰り返すとも云うが、自民の再生はあるのか。
再生の方向も見えない。

邦楽の低迷も著しい。今人気の「津軽三味線」も「太鼓」も
もちろん「二胡」も「邦楽」の範疇には入らないものだ。
邦楽以外のものが、邦楽に成り代わって、今、圧倒的
支持を得ている。「世の中に必要とされるものだけが
“伝統”として残る」の明言もある。

私の尺八も、本来の尺八ではない。そこそこに仕事がくる。
“本来の尺八”では食べていけない。多くの人に“必要と
される良き伝統”を、私も苦慮して模索している。

一絃琴と

2009-09-29 06:57:27 | 今後の予定
10月23日(金)津市のリジョンホールで、荒井真道さんの
「一絃琴リサイタル」が催される。昼夜2回公演。
真道さんは天台真盛宗本願寺の尼僧なので、入場料は
無料、ということもあるが、過去3回とも1,000人を超える
来場者で立ち見も出る超満員。この人気はなんなのだ。
邦楽の世界では考えられない。

そんな大舞台に尺八伴奏で参加させていただけることは
実に光栄。ギャラも2桁と破格。先日下合わせを行った。

真道さんの3人のお弟子さんも、すっかり上達してきた。
第一部、40分、10曲を通してイッキに演奏する。皆、全曲
暗譜には驚く。もともと譜面が無く、口伝で少しずつ覚えて
いくのだという。

二部は真道さんのオリジナル作品3曲を通しで40分。
これももちろん譜面無し。

毎回1,000人以上を集める真道さんの一絃琴は、従来の
一絃琴とは全く違う。従来の一絃琴の人たちは、「一絃琴は
人に聞かせるために弾くものではありません」などと、陰で
中傷しているらしいが、そんな批判もものともせずに“わが
道を行く”真道さんの生き様に、私も真剣にならざるを得ない。




中古レコード

2009-09-28 05:07:32 | 虚無僧日記
ヤフー・オークションで古いSP盤レコードが次々に出てくる。
都山流尺八の流祖中尾都山、琴古流の池田晴風、民謡の
菊池淡水、ヒャラーリヒャラリーコで一世を風靡した福田蘭童
などなど、邦楽史に残る名人の演奏レコードが出ている。
吉田晴風と宮城道雄の『残月』など、貴重なものだ。

以前なら、なかなか手にはいらなかったものが、オークションで
1,000円ぐらいで出ている。しかし、入札する人はいない。

私の師である堀井小二朗のレコードもあった。なぜか7,800円と
飛び切り高額だ。残念ながら今の私には買えない。

山口五郎の幻の名曲『秋に寄す』もあった。今度11月3日に
演奏する予定なので、1,000円、即入札した。

私の最初の師、古賀将之氏のレコードもあった。堀井小二朗
門下のライバル大友竹邦のレコードも出ている。慶応の後輩
松居和のデビュー、『将軍』まである。そういえば、私が初めて
吹き込んだ『白い曼殊沙華』も、以前出ていたっけ。

中古レコードとCD

2009-09-28 03:56:04 | 虚無僧日記
ヤフーオークションで、「一節切」の競り合いを見ている間、
中古レコードを見ていて、ついつい次々と入札してしまった。
誰も入札しないものだから、私が落札したはずだが、以前は
落札と同時にメールがはいったのだが、一件もはいらない。
やはり私のパソコンが不具合なのだろうか。
入札してもメールが届かないので「悪い入札者」の烙印を
押されたらしく、IDを変えての入札だった。

ちなみに、応札したレコードは

山口五郎の「鶴の巣篭り」と「秋に寄す」。各1,000円
武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」。800円
村岡実のCD「民謡集」と「演歌集」。各1,000円

他にも入れた気がするが、覚えていない。
全部で5,000円ほどだが、マネージャーになんと言い訳して
請求しようか。怖い。




詩吟の世界

2009-09-27 21:05:03 | 虚無僧日記
9/27 「愛知県吟舞道文化連盟」の大会で尺八伴奏を
務めてきた。詩吟や詩舞の各流派が集まって「愛知県
文化連盟」なのだろうが、名前とはうらはら、わずか 6
団体で会員数50名あまり。1団体10名もいないのだ。
「京都市詩吟文化連盟」をはじめ、各流派会長を来賓
に迎えて、あわせて100吟。“万歳”三唱の掛け声も
空しい。

800席の大ホールで、観客は出吟者の100名足らず。
出吟者以外の観客はゼロ。空席ばかりの客席に向かって、
京都からみえた来賓が、挨拶で「硬直した詩吟ばかり
やっていたのでは、吟界に明日はない。一般客が呼べる
ような詩吟にしていかなくては」と一喝するも、詩吟界の
凋落は止めようもない。尺八伴奏の仕事もジリ貪。

先日詩吟伴奏の大御所、船川利夫氏がなくなった。
一時代の幕が降りたか。

昨日の箏のライブといい、硬直化した演奏では、観客を
呼べない。かといって、奇をてらう演奏は邦楽界からも
ソッポをむかれ、ますます孤立化した狭い世界となる。

客観的、普遍的に求められる真の芸術は何かという
難しい命題だ。


まちかど音楽祭

2009-09-27 20:19:48 | 虚無僧日記
9/26、市民会館隣りの音楽練習施設「音楽プラザ」に
入ったら、1階ロビーで、丁度3時から「箏の演奏」が
あるという。

演奏するのは、名古屋音楽大学の筝曲専攻科に在籍する
4人の学生。うち1人は男性。外人ぽい顔付きのイケメン。
女の子もなかなか かわいい。

演奏は 『千鳥の曲(手事)』 『砧』と 『さらし』の3曲のみ
で、丁度30分。
技量のほどは、まあそこそこ。観客はわずか10人足らず。

隣りの市民会館大ホールでは、中部地区の高校音楽祭と
やらで、1000人を超える高校生の熱気が溢れていた。

このままでは、箏に明日は無いか。

一節切

2009-09-26 19:40:22 | 虚無僧日記
9/25 山水氏から電話で目が覚めた。
ヤフー・オークションに「一節切(ひとよぎり)」が
出たとのこと。受話器を握りながらパソコンを開く。
かなりの詳細写真がアップされている。

「是」の銘がある。戦国から江戸時代初期の作者
とのこと。製作年代が判明している良品だ。

金泥で文字も書かれている。後でわかった。「頻伽」
の崩し字だ。「迦陵頻伽(かりょうびんが)」辞書を
ひくと「極楽浄土に住むという声の美しい鳥。顔は
美女、姿は孔雀か鸚鵡のように美しい鳥」「雅楽の
曲名、舞楽の楽器の名にもなっている」とのこと。

ただいま10万近くまで競り上がっている。誰の手に
落ちるのだろうか。

10/3 犬山で「名月の宴」

2009-09-25 22:54:57 | 今後の予定
8月まで、尺八の仕事は全然入っていなかったのだが、
虚無僧の旅から帰って、俄然忙しくなった。思ったことが
すぐ叶うのである。

「犬山で仕事がないか?」と思っていたら、木曽川の鵜飼の
行事の中で「秋の名月コンサート」の仕事が舞い込んできた。
10月3日(金)の夜、屋形舟の中で演奏するのだそうだ。犬山市
の観光行事だから、半年以上も前から決まっていそうな話だが、
2週間前になって来たのだから驚き。「観光案内」パンフレット
には「10/3 名月コンサート」として食事付き乗船料3,800円と
載っているのだが、演奏者がなかなか決まっていなかったようだ。

なにせ、川面に浮かべた屋形舟の上で、立奏で演奏するというの
だから、揺れるだろうし、船酔いしないか、不安である。

それに木曽川は、この時期、夜になると空気が冷え、露がすごい。
放射冷熱で、音が上空に逃げ、響かない。お筝や三味線には
最悪の条件だ。筝のパートナーは、経験豊かな笹野大栄さん。
さて、どうなりますやら。


願いが叶ったのは、
11月3日「短歌会館」
来年(H22)の10月11日(月・祝)「能楽堂」と、今頃申し込みに
行って、幸運にもこの日がとれたのだ。空いていたことが
不思議なくらいでござる。