2週間 虚無僧“ 行乞”。“修行”と書くのはやめた。
今また借金地獄の私。所持金ゼロ。とにかくお金が欲しい。
“どんとぽっちぃ” である。チラシ配りでも 皿洗いでも
仕事はいくらでもありそうだが、「尺八以外に 吾を生かす道は 無し」
などと こだわっているから 地獄から這い出れないでいる。
谷狂竹と同じ。「尺八吹くほかに能は無し。きょうちく恐縮」。
さて、「最近は布施くださる方も居なくなった」とか、
「栄はダメ。名古屋駅に客をとられて、地盤沈下。人通りも少なくなって
布施してくれる人もいない」「外国人が増えたが、外国人は全くダメ」。
「若い女性がめっちゃ増えた。彼女たちは、全く虚無僧には縁がない」
などなど、つぶやくところだが、「絶対に・・・ない」ということは
「ない」ということを悟る日々でござる。
まず栄で、外国人(白人系)のすてきな若い女性が二人、通り掛けに
それぞれが スッと、1000円札を入れてくれた。
名古屋駅では、若い20代の日本人女性が近寄ってこられ、
「どのように(すればいいんですか)? お参りするんですか」と
手を合わせられる。「いえいえ、私の方が地獄で仏に会った心地です。
あなたは私にとって観音様です」というと、布施された後、彼女は
「ありがとうございます」とニコニコ笑顔。そして10mほど行って、
また、大きな明るい声で「ありがとう!」と手を振ってくれました。
地下の商店街を歩いていたら、スラリとしたモデルさんのような女性に
「すみません」と後ろから呼び止められ、私はドギマギ。
「虚無僧さん めずらしいですね。初めてみました」。そして喜捨された後、
「写真撮ってもいいですか」と、スマホでパシャリ。
「大事にとっておきます」と言い残し、身をひるがえして去って行きました。
また、高校生の女の子が「これ貯金箱?」と。「いえ賽銭箱です」。
それで布施してくれた。「これはリコーダー?」「あなたはおりこうだぁ、
これは尺八だぁ」と ダジャレで返す。
高校生の3人組の一人が「なんで顔隠してるんですか」と聞いてくる。
「恥ずかしいから」「うそぉ」「見たい?」「うん、見たい見たい」
「見て驚くなぁ」と天蓋をちらりと上げる。そして話がはずむ。こんな
若い子と会話ができるのも コスプレ虚無僧だからか。
とにかく、2週間で10人の若い女性に喜捨いただいた。それも4人は千円札。
これまで20年間で 布施していただいた若い女性は10人ほどしかいないのに、
この2週間で10人とはすごいことなのです。
実は 胸ドキドキ、胸キュンの私なのですが、まぁ 楽しい毎日でござる。