現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

虚無僧の貸衣装

2016-03-24 20:03:23 | 虚無僧日記

『郷土研究』76-6 No.10   P.8

「うき世漫談」十 市橋鐸

(一)妙な商売 イ 乞食の衣装貸し

 「右や左のダンナ様」と あわれみを乞うている路傍の

乞食の衣装が、借り物と気づいてた方は少ないだろう。

あわれさを ひきたたせる為に 幼い子供を連れているのも

あった。あの子供は借りものだよと教わったことがあるが、

あのほろ汚い服装までが、商売人からの借りものとは

知らなかった。

貸衣装屋には、乞食の他に、托鉢坊主、西国巡礼、虚無僧

などのものもあった。上物は一日8銭、下等の物は4銭位い。

この値段は大正の初め頃の相場で、当事の小遣いが5厘くらい

だった時代である。

乞食も自前で出ると、「浮浪罪」といってお巡りさんに捕えられ、

拘留されるが、「衣装屋から借りたもの」 と言えば、何の

咎めもなかった。

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これに似た話が 『三曲』 にもあった。

四国巡礼に行くと、乞食、巡礼、虚無僧の貸し衣装屋があった。

虚無僧の装束は一番高いが、虚無僧の格好で行くと、喜捨して

いただく 額も多い。乞食には5厘、巡礼には1銭、虚無僧には

5銭。 しかし、喜捨する方も心得ていて、虚無僧が来ると

「一曲お願いします」と催促する。ちゃんと尺八が吹ければ

本物。尺八が吹けない 偽虚無僧は、逃げていった、と。


10年後には消える職業

2016-03-23 10:02:23 | 虚無僧日記

中日新聞 3/22 に「2030年、お寺が消える日」というショッキングな記事。

寄稿者は、若手僧侶の「松本紹圭」氏。 要旨は

人工知能(A I) やロボットが人間の仕事にとって代わりつつある。

消える職業は、ドライバー、農作業、レジ係、配達員。コールセンター、

経理、窓口担当、外回り営業など。

 

先日、NHKの「クローズアップ現代」でもとりあげていた。

「働いて収入を得る」という常識が崩れ、「働かないで収入を得る」時代に

なったと。パソコンひとつで収入が得られる。外国の例で、宅配便会社も

正規社員のドライバーはいない。ネット上で配信すれば、それを見て、

契約社員がマイカーで荷物を取りに来、配達する。

同様にタクシー会社も、オフィスも自前の車もドライバーもいない。

ネット上ですべてやりとり。ロシアでもそうだった。モスクワでは

ほとんど白タクで、ネットで申し込む。

 

名古屋では、今あちこちのコインパーキングに、カーシェアリングの

車が停めてある。会員登録すれば、事前にカードが送られて来、その

カード枚で、近くのパーキングから車に乗り、必要な時間だけ利用して

返せばいい。代金はカード決済。レンタカー会社はオフィスも受付もいらない。

同様に、マンションの空き室を旅行者に提供するビジネスもある。

宿泊利用者はネッで申し込み、暗証番号でマンションの一室に入る。

貸し倉庫もそうだ。営業マンも窓口の人もいない。

自動販売機などもそのひとつだろう。

 

さて、冒頭の中日新聞の記事では、「僧侶も安閑としていられない」と。

読経などはA I ロボットにとって代わられても不思議ではない。

葬儀や法事は「やらねばならないもの」から「やりたい人がやるもの」に

なりつつあると。

我が家もそうだ。もともと神道なので、檀家など無いから、父のお骨は

共同墓地の「永代供養墓」に納めてしまった。いずれ母も私もそこに入る。

といっても家族一緒ではない。次々と他人様のお骨が納められてくるから、

離れ離れ。もし、将来、わが子たちが墓参りなどしたければ、三人の

指定番号を入力すると、「父と母と私の位牌」が画面に並んで表示される。

ま、わが子共たちが墓参りに来ることなど考えられない。

 

さてさて、尺八家も不要になってきた。尺八を習いたければ、もうネットで

YouTubeで十分。尺八を極めても、レコーディングの仕事はもう無い。

全部コンピュータで 完璧にできてしまう。

そういえば、将棋も碁もA I が人間を破ったとか。そうなるとプロ棋士も

碁士もいなくなるのか。

 

 


日本は神代の昔からフリーセックス

2016-03-22 17:22:17 | 虚無僧日記

16世紀に日本に来た宣教師「ルイス・フロイス」が、日本の女性に

ついて、こんなふうに書いている。

「日本人は、処女の純潔を少しも重んじない。それを欠いても

結婚できる。また、意のままに いつでも離別する。妻は

そのことで 名誉を失わないし、すぐ再婚できる。また、

しばしば 妻が夫を離別する。日本では、夫婦別々に

自分の財産を所有している。時には妻が夫に高利で

金を貸し付ける」と。

 

さらに、未婚の女性も既婚女性も、親や夫に断りなく

一日でも数日でも一人で好きなところに出かける自由を

もっている」とも。

後円融天皇の后が 足利義満の邸宅(金閣寺)に泊りにいって

一ヶ月も御所にもどらなかった。それで、後小松天皇は、

足利義満の子とも疑われている。義満が、自分は

後小松天皇の父親で「上皇」であると主張した根拠にも

なっている。

8代将軍「足利義政と日野富子」の時代。応仁の乱が起こり、

天皇も后も、主だった公家・女官はみな「室町の花の御所」に

閉じこもって、五年間もの間、一歩も門の外に出なかった。

庶民の疲弊など省みず、昼夜、后妃から下人まで酒池肉林の

乱交パーテイ。中世とはフリーセックス公然の時代だった。

一休も「妻に飽きて、少年を愛す」と公然と詩にしてる。

蜷川新右衛門の妻に横恋慕して「今夜どうだい」と誘った話まで、

江戸時代に創られている。

 

その慣習に留めを刺したのが、徳川2代将軍「秀忠」。

秀忠の妻は「お江与。彼は恐妻家であり、「一夫一婦制」を

守った。(「お江」に内緒で、腰元に産ませたのが、後の会津藩祖

保科正之だが・・・)。そして、娘「和子」を後水尾天皇の妃として

入内させるにあたり、風紀の乱れを理由に、万里小路 他、天皇

側近の公家6名を追放している。公家たちは「フリーセックスは

源氏物語以来の公家の風習なのに」とぼやいたとか。

かくして、江戸幕府によって、儒教的な倫理観が、日本人に強制

されることととあいなった。しかし、日本人の古来の性(サガ)。

今日の風紀の乱れは、フロイスが驚いたように、世界の注目する

ところとなっている。

(追記)

ネット上で、ある外人が「日本女性はイエローキャブ(タクシー)。

白人が言い寄れば、カンタンに乗せてくれる」と、ガイドブックに

書いて問題になっている。


落語「地獄八景亡者の戯(たわむれ)」

2016-03-21 17:39:16 | 虚無僧日記

今日は「彼岸の中日」であったか。お彼岸にちなんで「あの世の話」。

 

あのよォ。あの世ォォォよ。あの世にも歓楽街があり、芝居小屋も

あれば 寄席もあるんだってよォ。歌舞伎の忠臣蔵をやれば、

初代から歴代の団十郎が勢ぞろいして、比較して見れるってもんだ。

寄席では、三遊亭円朝に文楽、志ん生、円生。上方落語なら春団治。

「桂米朝」はまだ来ませんか。よう見なはれ「近日来演」と書いて

ありますがな。

上方落語の『地獄八景亡者の戯(たわむれ)』で、そう云って

観客を笑わせていたのは桂米朝さん。

上方落語は滅びるといわれた時代に噺家となり、多くの噺を

掘り起こし、つくり直して、命を吹き込んだ。

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落語界の浮き沈みも激しい。もう40年前だったか、私が

上野の本牧亭で前座に出たことかあった。お客は二人。

真打登場となっても観客は数名。本牧亭も末広亭も無くなった。

名古屋の大須演芸場もつぶれたが、今新装なって、盛り返して

いるらしい。

つぶれるには理由があった。旧態依然、時代に合わせて

改革する努力がないと、賞味期限切れで廃れる。

「桂米朝」は起死回生の立役者だったようだ。

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ところで、ケータイが出始めたころ。落語界の〇〇師匠。

当時は羽振りも良くて、あちらの方も お盛ん。いつも

どこに行ったか、居場所がわからない。それでケータイを

持たせた。ある晩、彼女と よろしくやっている最中に

ケータイが鳴った。師匠  「誰だ、こんな夜更けに」。

「ワタシよ」と山の神。師匠あわてて「おお、お前、よく

ここが判ったな!」。 (このオチおわかり?)

もうこんなネタも通用しなくなったか。

 

ケータイ自体が「ガラけー」なんていわれて、スマホにとって

変わられた。ようやくそのガラケーを持つことになった私。

人に見せるのも気恥ずかしい。遅れてるぅ。片足半分、あの世に

突っ込んでるのだ。


「新老人革命」 五木寛之

2016-03-21 17:27:22 | 五木寛之

五木寛之の『老人こそがすべての主役・新老人の思想』


「日本は今、とんでもない超・老人大国に突入しようと
している。かつての老人像と全く違う「新老人」の
思想が必要。それは未来に不安と絶望を抱きながらも、
体力・気力・能力は衰えず、アナーキーな思想を
もった新老人階級の出現である」と。

そして「新老人の五つのタイプ」とは

1.肩書き志向
2.モノ志向
3.若年志向
4.先端技術志向
5.放浪志向

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まさに、その通り。
今の世の中、65歳以上が25%。4人に1人。
10代、20代の若者を上回る。ならば「市場」は
“プアー(貧乏)な 若者”より “リッチな老人”を
ターゲットにした方がよい。

“若々しい老人” “アナーキーな老人” “自分の
面倒は自分でみる、自立した老人” “放浪志向の老人”
まさに“わが虚無僧の生き方”じゃ。

これを読んでわが輩は、ますます“体力・気力・能力”
充実したでござる。


大河の一滴

2016-03-21 17:23:33 | 五木寛之

大須の古本屋で五木寛之の『大河の一滴』が目に
止まった。50円。すぐ買い求めた。

五木寛之という人、私とそっくりだ。冒頭いきなり
「私はこれまでに二度、自殺を考えたことがある」で
始まる。その当時は真剣だったが、今思い返して
みるとどうしてあれほどまでに自分を追いつめて
いたのか不思議な気がしないでもない。しかしあの
経験をばかげたことだなどとは考えてはいない」

から、生と死、「釈迦は究極のマイナス思考から
出発した」とか、「反常識の進め」。

「腹いっぱい食べるのは10代20代、60歳過ぎたら、
腹五分、1日一食半でいい。医者にはいかない。
検査も受けない。薬もむやみに飲まない。悪い
ところを探そうとするのが理解できない。すぐ医者
や薬に頼ろうとする安易さが気に食わない」とまで
言い切っている。

私の好きな「屈原」の話も出てくる。「濁った河の
水で冠を洗おうとするから苦しむのだ。濁った水では
沓(くつ)を洗えばいい。河の水が清くなったら冠を
洗えばいい」という漁夫の忠言にうなづきながらも、
べきらの淵に身を投じたという屈原の話だ。

五木氏は「屈原に共感しながらも、漁夫の言葉に
なにか大きなものを受け取る気がする」と。



岡 〇〇様から 詩が送られてきました

2016-03-19 05:06:49 | Weblog

広島を旅した時、知り合った岡弘子様から詩が送られてきました。

  虚無僧

  人や車の往来の激しい橋の上に
  虚無僧が一人佇んでいた
  風に吹きちぎられた尺八の調べに 
  知らず知らず招き寄せられたのは
  好んで尺八を吹いていた父のことを 
  思い出したからであろうか
   
  轟音を上げて通り過ぎるダンプカーの振動が
  まっさかさまに私を 奈落へ突き落とそうとしたとき
  澄み渡る音色は あたかも父の腕(かいな)のように
  危うく私を抱きとっていた

 
  来世に跨る橋に立って
  無明の闇路を辿るものたちを
  慈しむように奏でる九孔の尺八

  はていずこより来たりて 
  いずこへ立ち去ろうとするのか
  時空をさすらい歩いて 
  ふと辿りついた橋は 
  折りしも落下しきりの  
  桜の季節であった 



金持ち けんかせず

2016-03-17 19:00:21 | 心の問題

人の悪口を言ったり、人を恨んだりしていると、ツキは
まわってこない。ほんとにその通り。
ツキを呼ぶには、運気の強い人、金持ちでも人格すばらしい
人と交わること。

会員制の高級フィットネスクラブ。Sさんに連れていってもらった。

さすが世界が違う。
受付嬢もインストラクターも常にニコニコ、ニコニコ笑顔。
メンバーの方に失礼のないように、細心の目配り気配り。
タオル一本落としても、サッと替わりを持ってくる。

会員になるには、まず200万円。今入会したくとも30人待ち。
そして一回利用するごとに3,000円。ビジターの私は1万円。
フィットネスで汗を流したら、サウナにお風呂、プールもある。
泳ぎ疲れたら、リラクゼーションルームで音楽を聴きながらひと
眠り。一日いてもいい。時間制限なし。メンバーの方々も皆さん
品良く、ニコニコ、怒るような顔の人はいない。こんな人たちも
いるのかとホットする気持ちになる。若い人も多いのに驚いた。
平日なのに、ここは別世界。極楽じゃぁ。

でも一日いたら飽きた、なんて贅沢?。やっぱり娑婆が面白い。
貧乏性だが、こういう世界に連れて行ってもらえる立場にいられる
ことが幸せである。金持ちの世界と貧乏の両極を行ったり来たり。

一休の「有漏路(うろじ)より無漏路(むろじ)へ」ウロウロを体験
できる環境に身を置くことが、虚無僧の生き方なのだ。

         




思わず笑ってしまった地名

2016-03-15 10:56:26 | 地球人類の問題

地名を検索していたら、「面白い地名」が わんさわんさ。

「珍小島(ちんこじま) 北海道洞爺湖町」

「エロマンガ島(バヌアツ)」

「スケベニンゲン(オランダ)」

「キンタマーニ(インドネシア共和国)」

「アホ(アメリカ)」

「チンポー湖(鏡泊湖)中国」

「アフォバッカ(スリナム共和国)」

「マダカシラ(インド)」

「すんじゃた(住道矢田)大阪」

「がっかり(岩手県)」

「ヤリキレナイ川(北海道)」

「むかつく(向津具)(むかつく)山口県}

「パンテイ(マレイシア)」

「シリフケ(トルコ)」

こんな話題は「キラーイ(ハンガリー)」という方に、最後

「オカタイナ(ニュージーランド)」。


「暗」を「明」に「ネガポ辞典」

2016-03-08 21:18:30 | 虚無僧日記

「愛想が悪い」「キモい」「ムカつく」などといったネガティブな言葉を、                                           ポジティブに変換してしまう「ネガポ辞典」が話題らしい。

例えば「愛想が悪い」→ 「媚を売らない」「他人に流されない」

“物は言いよう”。消極的に解釈するよりはポジティブに                                                   捉えられた方が人生ずっと楽しくなる。                                                              まさに「暗を明に転ずる」、これぞ虚無僧の「明暗道」に通じる。

 オンチ    → 誰にもマネできないアレンジ

緊張感がない → 肩の力が抜けている

ぐうたら   → 自分の気持ちに正直

計画性がない → 行動力がある

変態     → ある種の知識に精通している


結婚できない → 一生トキメキ


「ネガポ辞典」はiPhoneアプリとして2011年6月にリリースされ、                                               現在までに約28万ダウンロード(androidアプリを合わせて)を記録。                                          さらに2012年、『ネガポ辞典』として主婦の友社から出版され、                                               11万部を超えるベストセラーになっている。