現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

向田邦子の残したもの

2009-06-25 09:34:16 | 社会問題
向田邦子の「スペシャルドラマ傑作選」DVD 10巻を借りて
きて観あさった。昭和の初めから終戦までの、さまざまな
家族のドラマ。各巻、母と三人娘が中心。
役者は、田中裕子、樋口可南子、加藤治子、岸恵子に藤村
志保、森繁まで出ていて、贅沢な配役だが、どうも軽い。
泣ける話でも泣けない。昭和は遠くなったか。

向田邦子は、3,000本ものテレビ、ラジオドラマを書いた
という。絶頂期に乳癌に罹り、癌の転移を恐れながら
“生き急いでいた”ともいう。飛行機嫌いだったが、
退院後は、世界各地を飛び回り、最後は事故を予期して
いたかのように、部屋を整理して旅立った。
父親は保険会社の支社長で、ワンマンな亭主関白だった
ということを知って、改めて見直してみると。

戦争の黒い影が忍び寄る中でも、自由恋愛、不倫、父親の
愛人問題、泥棒や詐欺師の登場など、今と変わらぬ人間
模様の中で、人々は、家族の絆を確かめ合いながら、夢と
希望をもって、はつらつ生きていたことを知る。

現代は、家族のタガもはずれ、無秩序、無規範、何をやっても
許される自由の中で、無気力、引きこもりといった不自由な
閉塞感があるように思える。


(追補)
「あ・うん」の中で、琴の師匠として富成清女さんが実名で
 出演していて、突然現代に呼び戻された。いや逆か? 一般の
 人は、地歌筝曲は“戦前の遺物”として観ているのだろう。
 「地歌筝曲ってなあに?、なんて読むの」という人が大半
 なのだから。

35,000年前の尺八

2009-06-25 09:10:59 | 尺八・一節切
3万5千年前の笛発見=ワシ骨やマンモス牙製、独の洞穴で-音楽のある社会築く(時事通信) - goo ニュース

中国では1万年前の、鶴や猿の足の骨で作った縦笛が
何本か出土している。今度はドイツで35,000年前の物。
鷲の骨らしい。歌口はケーナと同じ。正に尺八の元祖だ。

私は「長さが1尺8寸だから“尺八”」という定説を
否定している。尺八の中国音は「チーパ」。
チューブ、チューバ、ケーナと同意義の「管」が語源と
考えている。さらにチューブの語源は「動物の脛の骨」
だそうだ。

「チーパ」に中国で「尺八」と漢字を当てたため、後世の
日本人が勝手に「1尺8寸」と勘違いしたのだ。1尺8寸
の長さにこだわる人は、いろいろ理屈をつけて論
12本の尺八を作る」とあって、「尺八の基準を1尺8寸と
する」という記述は存在しない。
尺八は古代から長短さまざまな物が有ったのだ。
今回ドイツで発見された物も、途中で折れているが
21cmと短い。折れた部分を想定しても30cm位か。

警察発表を鵜呑みにするメディア

2009-06-24 15:16:36 | 社会問題
取り調べは全て録画の国から日本の刑事システムを見ると――JAPANなニュース(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース

 足利事件に関連して、英国のフィナンシャル・タイムズ(FT)と
 ロイター通信が、日本の刑事訴訟制度の問題点を指摘。

 ・ロイターは「日本では、自分で自分の無実を証明できなければ、
  釈放されない」と。

 ・FTは「日本のメディアは“警察が逮捕する被疑者は有罪に違いない”
  と当たり前のよう思い込んでしまい、検証も不十分だ」と手厳しい。

足利事件に関連して、中日新聞の編集長も
「菅家さん逮捕時の新聞を見ると、警察発表を疑わず、読者に対し、
いかに悪い男であるかを印象付ける記事になっている。これからは、
警察発表を鵜呑みにせず、メディアとしての検証も行い、中立性を
保つ報道にしていかなければ」とコメントしていた。

英国人はさらに「裁判員制度」についても、「お上の云うことは
なんでもごもっともと受け入れる日本人だから、素人の裁判員は
プロの判事の云うことに素直に従うだけだろう」と批判している。
なるほど、裁判員に選ばれて、個人的な意見を言っても“どうせ
無駄だろう”という空気は、想像がつく。

無料体験レッスン

2009-06-24 09:13:59 | 虚無僧日記
6/23「邦楽ラウンジ」の無料体験レッスンに、お二人みえた。
一人は付き添い。「65歳で年金暮らしとなり、何か趣味でもと
通信講座でプラスチック尺八を購入した。吹き方を教えてほしい」
とのこと。

一応、音が鳴らせるまで指導した。「それでは、これで練習して、
吹けるようになったら習いにきます」でサヨナラ。「自己流で
始めると、口のカタチ、尺八の持ち方など、変な癖がついて、
直すのに時間がかかるから、最初が肝心」と説明しても、もう
習いに来る気はないようだ。

琴のKさんも、「無料体験ばかり廻っている人もいて、その後、
来ない人が多い」とぼやいていた。無料体験で集めても、残る
人は稀。生徒さん獲得にあの手この手だが、これといった良策
はないものよ。

努力を忘れるまで

2009-06-24 08:48:35 | 虚無僧日記
「一路先生は全然違いますよ。せんだみつおとは」と、
“宴の桜”さんからコメントをいただいた。自虐的な
私に、いつも力強く励ましの言葉を掛けていただく。
ありがとうございます。

「一休語り」の講演で、「暗を明に変える。過去を捨て
きれば、生き方楽になる」と人に説いている私だが、
それは自分に言い聞かせる言葉でもある。

かつて、25年前、尺八1レッスン1万円、演奏は1舞台
7万円いただいていた私。このところ老人ホームへの
ボランティアばかり。先日は交通費として1,000円いた
だいた。1,000円でも、今の私にはありがたい。
“捨てきれば、必要な額だけは入る”から金に困って
はいないが、つい過去と比較する心が出る。

盲目の辻井伸行さんのCDが、売り上げ25万枚を超え、
オリコンでも2位にランクされたとのこと。私のCDは
せいぜい1,000枚だ。その差250倍。でも、辻井さんは
私の250倍以上、いや1000倍以上の努力をしてきた。

今日の中日新聞の人生訓「一に努力、二に努力、三に
努力、努力努力で、努力を忘れて到達点に達する」と。
努力を忘れるには、まだまだ早い。がんばろう!

老人ホームで

2009-06-23 22:15:51 | 虚無僧日記
6/21 名東区の有料老人ホームに招かれて行く。
月に一度の「誕生会」とのことで、広いホールに
60名ほどの入所者が集まっていた。車椅子の人も
10人ほど。

尺八で童謡などを吹くと、みなさん口ずさんで歌って
くださる。歌詞カードがなくとも歌えるからいい。
車椅子で眠っている人がいると、職員がしきりに
起こそうとしていた。

私への気遣いかと思い「いいですよ、寝たい方は
どうぞお休みください」と『子守唄』なんぞで
時間をつないだ。一番うけるのは『青い山脈』だ。
みなで手拍子もしてくれる。

帰宅しての後、阪野さんから、意外な指摘を受けた。
彼女は今、療養士の資格を得るために、専門学校に
通っており、先日施設で実習を受けてきたばかり。
それで、彼女が言うには、

寝ている人を寝たままにしておいてはいけない。
職員は起こすのも仕事。イベントを開いて、さま
ざまな人に来てもらうのも、お年寄りに刺激を与える
ため。だから、我々は、相手の心を気遣ってはいけ
ないのだと。自分でやれることはやらせ、手助け
してはいけないと、ひとつ教えられた。


こどもにも負ける尺八家

2009-06-23 21:47:14 | 虚無僧日記
6/20 早朝4時から朝起会。6時終了後に「父の日の催し」
として、尺八伴奏で童謡の替え歌を歌ってもらう。

帰宅して、午前中は長縄氏、加藤氏と「三重奏」の特訓。
尺八家はリズムもピッチも悪い。息継ぎが下手。暗譜も
できない。音楽以前の問題で特訓特訓。

午後から東急ホテルでのY・H家の結婚式に、鈴花と
子供たちが歌うので、手伝いに行く。鈴花の甥っ子
(14歳)のピアノ伴奏に合あわせて、「いきものがかり」
の『気まぐれロマンティック』をフルコーラスで歌う。
軽快なピアノの前奏に会場からどよめきが起こる。
子供たち全員暗譜で歌う。ピアノも譜面無しだ。これ
には脱帽。

後で聞けば、各自100回は練習してきたとのこと。
やはり練習量か。


「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

一休と虚無僧」で別にブログを開いています。

日記@BlogRanking

父の日に歌う歌は?

2009-06-23 21:39:44 | 虚無僧日記
この数日間、イベントが続き大忙しだった。
6/19(金)夜は、岐阜県瑞浪市の「ミュージアム中仙道」で
「琵琶と尺八」。演奏終了後食事をしてから、マイクロバス
で蛍を見に行くツアー。山奥の田んぼに舞う蛍火に感動。

夜11時に帰宅して、翌朝の朝起き会での「父の日の催し」の
準備で徹夜する。「母さんの歌」はたくさんあるが、みんなで
口ずさめる「父さん」の歌が思いつかない。四苦八苦して
替え歌を作る。

「小鳥はとっても歌が好き、母さん呼ぶのも歌で呼ぶ、チチチチチ」を
「子供はとっても歌が好き、父さん呼ぶのも歌で呼ぶ、ちちちちち」

「象さん、象さん、お鼻が長いのね」を
「父さん、父さん、お華が高いのね。そうさプライドも高いのさ」
「父さん、父さん、だあれが好きなぁの。そうさ母さんが好きなのよ」

子供からみた父親を歌った歌がないとは。いかに家庭内で
父親の影が薄いか。歌からも感じられる。

足利事件 菅家さん

2009-06-23 20:44:55 | 社会問題
足利事件 菅家さん「許す気になった」 県警本部長「心からおわび」(産経新聞) - goo ニュース

足利事件の菅家さん。出所時の「取調べに当たった警察官、
検事、判事を絶対に許さない」との思い痛いほど判る。
その菅家さんが、県警本部長の「心からのおわび」に「許す
気になった」と、これも感動だ。
県警本部長の謝罪はブログでも「今までの謝罪会見の中で
一番心がこもっていた」「心からの謝罪だった」という声が
多く書き込まれていた。

同日、北朝鮮に拉致された蓮池さんの会見発表もあった。
「北朝鮮に拉致されたことを、空白の時間とは思っていない。
朝鮮語を学べたし、それで朝鮮語の通訳や本の翻訳で身を
立てることができた。拉致という得がたい体験を生かして
社会に役立ちたい」と、そのような内容だった。すばらしい!。

菅家さんも蓮池さんも、不遇な事件に巻き込まれなかったら、
無名の一市民で人生を終わっていたかもしれない。それが、
一躍有名人となり、多くの支援者を得て、思いもかけない
ドラマティックな人生を送れるのだ。

過去を恨み、人を憎んで一生を終えるより、未来に希望と夢を
もって生きる。まさに「暗を明に変える生き方」と、学ばせて
もらった。
 


小原役の萩原聖人に感動

2009-06-23 20:19:33 | テレビ・映画・芸能人
6/21 テレ朝 『刑事一代』の放映終了後から、2チャンネル
はじめ各ブログに、一斉にコメントが書き込まれた。
その中で、渡辺謙の演技もさることながら、犯人小原保役
の萩原聖人への絶賛が多く見られた。私も全く同感だった。

あの、拗ねた、ふてぶてしい、それでいておびえた態度は
演技とは思えない、リアリティがあった。

ネットで調べてみれば、彼の生い立ち、そして役者として
知られた頃の1993年、暴力事件で不当逮捕、取調べを
受けた体験があの演技を生んだのか。平塚八兵衛役の
渡辺謙は演技力がすばらしかった。萩原聖人は演技を
超えいた。

実は、私は萩原聖人のことを全く知らなかった。「冬の
ソナタ」のぺ・ヨンジュンの吹き替え役と知ってビックリ。
「あれはミスキャストだ。本人と全くイメージが違う」と
思ったのは私だけか?