現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

「竹内明彦」氏 訃報 

2014-05-28 09:37:24 | 虚無僧日記
「竹内明彦」氏の訃報について、慶応中等部のクラス会幹事
からメールで知らせてきました。

通夜:5月28日(水)18:00~

葬儀:5月29日(木)11:00~

会場:いずもホール浜松 弐番館 浜松市中区住吉1-11


「竹内明彦」君の略歴

・ 1947年東京生まれ。
・ 慶応中等部、高校、慶応大学工学部卒、ヤマハに勤務
・ 1970年より浜松市在住。
・ 1962年より三味線を故五世杵家彌七に、
・ 1964年より笛及び囃子を故望月太意五郎に師事。
・ 1966年頃より作曲を故野村豊、故杵屋栄三郎に学ぶ・。

・ 1988年より6年間、浜松市青年婦人会館主催の横笛教室講師。
・ 1991年より1995年まで薬師寺、延暦寺、東大寺などで行われた
世界的打楽器奏者ツトム・ヤマシタの供音式にて、笛(能管)を担当。
・ CD「太陽の儀礼Part I」(校正出版社)に笛で参加。
1997年教育映画「規矩術」のサウンドトラック録音に笛(能管、篠笛)、小鼓で参加。
・ 1998年4月テレビ東京「人間劇場」の音楽を箏曲家「てん・仁智」と共演、テレビ東京系で放映。
・ 1999年てん・仁智氏のリサイタルにて三味線で共演。「松竹梅」等を演奏。
・ 2007年映画「ひぐらしのなく頃に」の劇中神楽演奏に参加。
・ 大阪芸術大学非常勤講師


健康寿命 男女共「浜松市」が1位

2014-05-27 22:44:52 | 虚無僧日記
健康寿命、浜松市が1位 最も短いのは… 大都市別集計(朝日新聞) - goo ニュース

「健康寿命(生活に支障なく過ごせる期間)」の
20大都市別調査で男女とも浜松市が1位。
男性(73歳)、女性(76歳)とのこと。

ちなみに、20都市中、最も短いのは、男性が
大阪市(68歳)、女性は堺市(72歳)。

あぁそれなのに、浜松市に住む「竹内明彦」君。
66歳で逝く。


都道府県別のトップは、男性が愛知の(72歳)、
女性が静岡の(75歳)。

名古屋に住む私、尺八寿命(尺八を吹ける期間)は 
72歳までか。あと数年の命。悔いを残さずに
引退せねばと思う。


ジャズシンガー「鈴木重子」さん

2014-05-26 20:51:09 | 虚無僧日記
平成5年に名古屋に来た時以来、お世話になっている
鈴木さん。その姪子さんが、ジャズシンガーの「鈴木
重子」さんと知ってびっくり。

その「鈴木重子」さんのことが、朝日新聞に3回に
わけて、大きく取り上げられていた。

浜松市出身。東大・法学部卒。ジャズシンガーとして
1995年にデビュー。アメリカの「ブルーノート・
ニューヨーク」にて、日本人ヴォーカリストとして
初デビューし、NHKでもしばしば出演している。

“天は二物を与えず”どころじゃない、三つも四つも
持っている。身長171cmの長身。ルックスもいい、
おっとり、ほんわかな話し口調は、“癒し系の歌手”
として話題となった。

子供の頃から、ピアノ、絵画、書道、能、バレェ、水泳・・・・と、
あらゆる習い事をし、小中高校と 無遅刻無欠席、成績は
“オール5”。

「なにもかも恵まれた人生」とうらやましくも思っていた。
ところが、である。朝日新聞の記事を読んで、これまた
びっくり。親や先生の期待に応えようと、ご本人は
重圧に苦しんでいた。ひとり傑出していれば、学校で
いじめにも遭う。「学校は 私にとって 戦場だった」と。

東大法学部ならば、当然、弁護士を目指して司法試験に
挑戦しなければ・・と 自分を追い込んだが、法律に
興味がもてず、2年留年。卒業後も2年間、学習に
取り組むが、やがて「六法全書」を見るだけで吐き気が。
そして、「マンションの9階から飛び降りたら、これで
もう勉強しなくてすむ」と、そこまで追い詰められ、
はじめて挫折を体験する。

そんな中、歌っている時だけは、心が休まる。自分の
生きる道はこれかも、と歌手デビューするが、これも
そうカンタンではない。肩肘張って、緊張して歌う
ことで 腰痛になった。「腰痛の原因は“緊張しすぎ”」と
アドバイスを受け、リラックスして歌うように。

そうした、心のしばりをすべて解き放った時、声も
変わり、いまの「鈴木重子」が誕生した。

なるほど、「力まない、自然体、無駄な力を抜くほど
よく響き、相手の心にはいっていく」という話。
これは、尺八にも通じる。

もうひとつ。アメリカで学んだという「非暴力コミュニ
ケーション」。対立しあう場でも、相手を批難せず、
互いが大事にするものを明確にし、つなうがりを感じ
ながら対話していく」という手法。「怒りや悲しみを
取り除こうとせず、抱きしめるように味わう」という
言葉に、感心させられた。



朋友「竹内明彦」君  訃報

2014-05-26 19:32:05 | 虚無僧日記
「竹内明彦」君が亡くなったとの知らせに愕然。
慶応中等部、高校で同級生だから、まだ66歳。

長唄三味線の家元の血筋であり、長唄三味線だけでなく、
能にも造詣深く、能管や鼓にも長けていた。私が
中学以来 尺八に勤(いそ)しんだのも、彼の影響大。

彼は、中等部ではワグネルソサイェティに所属し、
トランペットを吹いていたから、和洋両刀。そして、
工学部に進み、ヤマハに勤め、浜松に転居した。

ヤマハでは管楽器の構造の研究に携わっていたようだが、
邦楽関係者との付き合いも広く、会社公認で、イベントの
企画なども行っていた。私も随分、尺八の仕事を紹介
してもらい、随分お世話になった。

ヤマハを退職してからは「大阪芸大」に講師として
迎えられ、これから、真価を発揮するものと、期待
されていたところだった。

管楽器の専門誌『パイパース』に、和楽器奏者13名
のインタビュー記事を載せたのは、彼の一大業績。
和楽器の全てに精通している豊富な知識が有り、
そのインタビュー記事は、実に奥深い内容となった。

思えば、中学から50年、半世紀もの付き合いと
なった朋友は 彼一人。いずれ 私も そちらへ、ゆ(逝)く。

5月28日(水)通夜、29日(木)告別式
「いずもホール・浜松」にて



「竹竹の会」伊那の「かんてんパパ」で

2014-05-26 09:17:55 | 虚無僧日記
「タケダケの○○です」と電話が入った。「武田家?」
おっと「竹竹(たけだけ)の会」でした。長野県内の
尺八愛好家の会。毎年、尺八だけの演奏会を開き、
今年 21回。過去2回 参加させていただいた
ことがあり、今回も、参加させていただくことと
なりました。

5月31日(土) 13:30~16:30
会場は、伊那市の「かんてんパパホール」

皆さん ものすごく上手い。プロ、アマの境が無い。何を
もってプロと言えるのか、考えさせられてしまう会である。

そこへ、プロとして参加させてもらうからには、段違いの
力量を見せ付けなければと、諸井誠の『竹籟五章』で
エントリーさせていただいた。

超 難曲である。6月29日の「大河内淳矢」君との
『鹿の遠音』もあるから、ネプチューンのスーパー尺八を
思い切って、手直しすることにした。地が厚く塗って
あるので、中を大幅に削ってみた。音が抜けるような
気がしてきた。

ものすごい音量なので、家(マンション)では吹けない。
それで、虚無僧に出て、雑踏の中で試し吹きをすることに。
昨日よりは、また一段と良くなった気がする。




会いたい人に出会える不思議

2014-05-26 00:06:11 | 虚無僧日記
虚無僧で立っていると、会いたい人に会える不思議を
何度も体験している。今日は、大須から栄まで歩いて、
二人の人に出会った。

お一人は「小○○」さん。尺八を修理したので、誰かに
音量を聞いてもらいたいと思って、ふと「小○○」さんの
顔が浮かんだ。先日、ライブをさせていただいたお店の
店主で、演歌尺八の達人。

そしたら、なんと道でバッタリ。奥様と散歩中とのこと。
さっそく、ひと吹きして 音量を聞いてもらった。
「この雑踏の中でよく響く」とのこと。

「小○○」さんと会話している時、すてきな女性が
「あら!」と声をかけてくれた。元 勤めていた会社の
事務員さんだった。

もうびっくり。実は、彼女のことは、時々思い出す。
会社が倒産する前のメチャクチャな時。私も荒(すさ)んでいた。
Nさんには、ずいぶん支えられ、お世話になった。
いつか会って、お礼を言いたいと思っていたが、咄嗟のことで、
しどろもどろ。

15年ぶりに会うのに、全然変わってなかった。いや、
勤めていた頃より若々しく、輝いていた。今 幸せそうで
なにより。


つい先日、もう一人の事務員さんにも会った。お孫さんと
一緒だった。もう そんな お歳かと思ったが、彼女も
全然変わっていなかった。

そして、もう おひと方。今度尺八演奏の仕事をいただいた
名古屋フォーラムの「○谷」さんも、私の教え子でした。

なんか、15年前のサラリーマン時代の記憶が、今 蘇って
きた。そういえば、29日(木)同期会でした。


◆第一生命のサラリーマン川柳から

「教え子が 上司になって 倍返し」

いや報復ではなく、彼女たちに救われている私です。


「大河内淳矢」君、故郷に錦を飾る

2014-05-25 21:23:08 | 虚無僧日記
先日、「大河内淳矢」君が 名古屋にみえました。
19歳で わが一路会に入会し、尺八を習い始めて
わずか半年後には『春の海』を大舞台で吹いた
という伝説の人。

それが 彼の人生にとって 良かったのか 悪かったのか。
就職を棒に振って、桐朋音大の邦楽科に進み、「NHK
邦楽技能者育成会」にも入って、尺八のプロとして
修行すること7年。

その彼が、来月6月29日、故郷の西尾市文化会館で
リサイタルを開きます。大ホール、1200席です。
尺八で 1,200人も集められるのか。一路会全員を
動員してもせいぜい10名。申し訳ないと思っていたところ、
ところがところが、もうチケットは完売とのこと。
唖然。彼の小中学校の同級生たちや、両親をはじめ
親戚中が応援してくれているとのこと。まさに彼の
人柄です。

1,200人も集めたら、西尾市では一躍 有名人です。
尺八をやっていて良かったと思える瞬間でしょう。



人気ブログランキングへ

生活・文化 ブログランキングへ

尺八のパワーアップ

2014-05-25 21:15:35 | 虚無僧日記
来月6月29日、西尾市文化会館大ホールでリサイタルを
開く「大河内淳矢」君。

「プログラムには載せませんが、サプライズで、師匠
(私一路)に登場していただき、一緒に『鹿の遠音』を
吹いてください」とのこと。うれしいやら、気恥ずかしいやら。

それで、下合わせにみえたというわけですが、7年ぶりに聴く、
彼の尺八の音と、パワーには圧倒されました。さすがプロ。

彼の尺八は「泉州」銘。三塚氏の尺八。三塚氏の尺八も
随分進化している。音色、ボリュームともにすばらしい。

私の尺八は ネプチューンの「スーパー尺八」。手孔が大きい。
名古屋では一番と自負していたが、全く井の中の蛙。
あれから毎日 尺八の中を削ったり塗ったり。修理しては
虚無僧に出て、人混みの喧騒の中で試し吹きをしています。


尺八は吹くものに非ず

2014-05-25 20:27:46 | 尺八・一節切
「尺八は、吹くものに非ず」。以前に書いた再掲です。

尺八は、強く吹けば吹くほど、息の風音がシャーシャー
いって、音にはなりません。その意味で、お弟子さんには
「尺八は 吹いたら 鳴らない。もっと、そっとそっと」と
教えています。

『邦楽ジャーナル』、「三塚幸彦」氏の「目から鱗の
尺八上達術」は、毎回、私の思うところと同じで、
お弟子さんに「ホラ 見なさい。ここにもそう書いて
あるでしょう」と、利用させていただいています。

「抵抗感と息の向き」では、
「尺八は、素人が吹くと、フウーと息が抜けていく
ような感じですが、プロは 音に力があります。
吹く時、唇に「抵抗感」を感じます」と。

私も同じですが、このことをお弟子さんに話しても、
なかなかその「抵抗感」がつかめないようです。

三塚氏は「吐き出した息が歌口で引き裂かれることで
音が出る とか、管の中に空気が流れることで 音が
出る と勘違いしている人がいます」と。

まさに そうなのです。尺八の管内に、プロは息を
吹き込んではいないのです。

管尻の穴に ティッシュを充てて、手孔を全部ふさいだ
筒音を出します。プロはティッシユが揺れません。

以前、CMで、民謡歌手の金沢明子が、大音声を
張り上げて歌っても、“口の前に立てたロウソクの
炎が揺れない”というシーンがありました。あの
CMは意外にも みなさん見知っているようです。

尺八も同じです。プロの息は管の中を吹き抜けては
いないのです。

最近の研究で、尺八の発音のメカニズムは、吹き口を
下唇で充分にふさぎ、息を歌口に当てることで、歌口の
裏側に真空状態ができ、中の空気が激しく渦巻くことで
振幅が起こるとのこと。歌口が振動して鳴るというのも
勘違いです。

では、どうしたら「管内の空気を振動させれるのか」。
要は、腹筋を使って、喉の奥から強く吐き出そうと
する息を唇で止めているのです。これが“抵抗感”です。

ですから、腹筋と唇の周りの頬の筋肉を強くする
ことです。


人気ブログランキングへ

生活・文化 ブログランキングへ

千日回峰行の「酒井雄哉」師、修行も利他行

2014-05-25 13:15:16 | 虚無僧日記
天台宗・比叡山延暦寺の荒修行「千日回峰行」を二度
貫徹したことで知られる「酒井雄哉(ゆうさい)」師。

1926年(大正15年) 生。 2013年(平成25年)昨年 87歳で
他界された。

1回目の千日回峰行は、1973年(昭和48年)に開始し、
1980年(昭和55年)10月に満行した。この行の様子は
1979年(昭和54年)1月5日、NHK特集『行~比叡山・
千日回峰~』で放送され、私も見て知ってはいた。

その酒井氏。ネットで調べると、なんと、昭和16年
(1941年)慶應義塾に入学。落第生で卒業が危ぶまれため、
予科練に入隊。特攻撃隊員として終戦を迎えた。

戦後はラーメン屋を開業するが火事で焼けてしまい、
菓子屋、証券会社代理店など職を転々とするが、
いずれもうまくいかず、妻は結婚2ヶ月目で自殺
という暗い過去を負っている。

NHK特集でも「“何をやってもダメ、何の能力もない
自分だから、こうして生きる他は無い」というような
ことを話されていた。

「千日回峰行」を終えて「大阿闍梨」となって、人々の
尊崇を受けるようになっても、驕らず、誇らず、温和な
人柄だった。

また、酒井師の言葉に「こうしてお参りしてくださる方々に
支えられて生かされている。私には、この方たちの幸せを
祈ることしかできない。だから ひたすら祈るのです」と。

「寺は、世間からの脱落者が、逃げ込む場所。修行は、
自分のためだけにするもの」と思っていたが、修行も
「人の為にする利他行」なのだと教えられた。


さて、虚無僧の私。昨日、名古屋駅前で立っていると、
「天台宗の○○阿闍梨です」と名乗られ、手を合わせて
「ナムナムナムナム・・・」とお経を唱えられた。

(げっ、本物!?)。ここで言葉を発するとボロが出る。
ひたすら尺八を吹く。そして ご喜捨いただいた。
布施をいただいた時に唱える経文もあるようだが、
虚無僧はひたすら尺八を吹くのみ。それでいいのだ。。

つづいて、品の良いご年配のご婦人が「お願いします」と
布施を出された。「皆様の平和と幸せを祈らせていただきます」
と呟くと、「ありがとうございます」と言われて立ち去られた。

虚無僧最後の人「谷狂竹」も「自分は尺八を吹くしか能が無いから、
人々の心を安寧を願って尺八を吹く」というようなことを
言っていた。私も今 同じ気持ちに なってきた。



人気ブログランキングへ

生活・文化 ブログランキングへ