現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

ねりさし

2008-07-31 07:17:59 | 虚無僧日記
9/23能楽堂での一路会公演に、竹坐師をゲストに迎える。
曲名を伺うと「ねりさし」とのこと。私は興奮を覚えた。

S40年代のいつだったか、NHK FM「現代の日本音楽」で、
海童道(わだづみどう)の「ねりさし」を聞いた。その激しい
超絶技巧に、めまいがするほどであった。テープの回転を
早めたり、音量アップするなど、録音技術で操作しているの
ではないかと疑いたくなるほどの、人間技では不可能な
超絶技巧なのである。

海童道はめったに人前で演奏することはなかったので、
生の演奏は、ほとんど誰も聞いたことがない。伝説の人
なのである。最近中村明一がCDを出し、一部で絶賛を
浴びているが、私の記憶とは全然違う。後にも先にも、
吹ける者のない曲であり、私の究極の目標曲なのだ。

一足先に挑戦される竹坐師の演奏、楽しみである。

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三谷

2008-07-31 00:45:22 | 尺八・一節切
「三谷」という曲も尺八本曲に多い。
琴古流の「三谷菅垣」はじめ、虚無僧本曲では
「越後三谷、奥州三谷」がある。
それぞれ、越後の、奥州のある地方の三つの谷
と云うくらいの解説しかない。
「神保三谷」は、新潟の神保政之助(1841-1914)が
得意としていた「三谷」という意味。

「山谷」と書くのもある。曲調が高い部分と低い
部分が山と谷のように3回繰り返されるからとか。

「産安」と書いて「安産の祈りを込めた曲」とか。
こうなると当て字のすごさだ。これは海童道の曲。
いろいろあるが、どうもしっくりこない。

「サンヤ」に仏教的な意味があるのではないかと
思ってネットでひいてみた。ジャーン!
「SUNYA」はインドサンスクリット語で「空虚」と
出た。これだ! と喜んだが、

su-nya スーニャ、シューニャと読むらしい。私には
sun-ya サンヤと読めるのだが、いかに。

ところで、ゼロの発見はインド。「空虚sunya」の概念
があればこそ、ゼロが生まれたそうな。

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鈴慕・鈴法・礼法

2008-07-30 18:04:40 | 虚無僧日記
9/23の能楽堂公演に向けて、プログラムを作成中。
曲目解説で、私見を明らかにしたいと思う。

まず「鈴慕」「鈴法」「礼法」「恋慕」について。
「鈴慕」と付ける曲はたくさんある。これは虚無僧が
祖師と仰ぐ普化禅師の“鈴を慕う”という意味だろうが、
“鈴を慕う”なら、漢文的には『慕鈴(ぼれい)』だ。
そこで、「祖師の鈴の法」の意で「鈴法」となったか。

さらには「礼法」というのもある。当て字の好きな日本人
である。それぞれに意味があって面白い。

「虚空鈴慕・飛鳥鈴慕・伊予鈴慕・越後鈴慕・奥州鈴慕・
 九州鈴慕・筑紫鈴慕・流し鈴慕・義経鈴慕・松風鈴慕・
 宮城野鈴慕・陸奥鈴慕・北国鈴慕・葦草鈴慕・」

「伊豆鈴法・京都鈴法・芳谷鈴法・紫鈴法」

「伊予恋慕・歌恋慕・恋慕流し」

「禮法」

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古伝三曲

2008-07-30 11:07:14 | 虚無僧日記
虚無僧にとって、最も大切な曲は、いつの頃からか、
「虚鈴(きょれい)」「虚空」「霧海篪(むかいじ)」の三曲
となった。
「虚鈴」は、由良興国寺の開祖法灯国師が、鎌倉時代に、
中国から伝えたとか、「虚空」「霧海篪」は、弟子の
虚竹が伊勢の朝熊山に参篭の折、霧の中から聞いた音曲
だとか、伝説が作られている。

しかし、江戸時代初期の『糸竹初心集』には、「れんぼ
流し・京れんぼ」という曲名があって、古伝三曲の名は
無い。
古伝三曲が、文献で確認できるのは、1732の『尺八伝来記』
である。これには「霧海篪(むかいじ)」を筆頭に「虚空」
「虚鈴」の順。その他は現在では聞かれない曲ばかり。
その中に「武田恋慕、鳴渡(門?)恋慕」など〇〇恋慕という
のが16曲もある。虚無僧の流しの曲は、古くは「恋慕」だった
というのが私の考えだ。

「恋慕」では、虚無僧にはふさわしくないとのことで、「恋慕」
が普化の鈴を慕う「鈴慕」、さらには「鈴法」「礼法」と、
それらしく、もったいつけたのであろう。
しかし、虚無僧は、再仕官するまでの仮の姿、未練たらしい
方が似合うと、私には思える。

紫恋慕

2008-07-30 10:55:56 | 虚無僧日記
「紫鈴法」という曲がある。一休作と云われる。
他の虚無僧本曲とは異なる不思議な曲だ。
伝承によって、陽音階、陰音階、陰陽混合の三
通りがあるのだ。この曲名も変である。

紫は京都大徳寺のある地名「紫野」であろう。

一休は、大徳寺の華叟から印可状を受けたが、それ
を破り捨てた。やむなく、兄の養叟が大徳寺を継ぐ
のだが、一休は、この養叟を「禅を金で売る者」と
激しく非難する。
大徳寺の開祖大灯国師は20年、加茂の河原で乞食の
行をして悟りを開いた。しかるに今の大徳寺の僧は、
衣食住なんら不自由せずにのうのうと暮らしていて、
戦乱飢饉にあえぐ人々を救おうともしない、という
怒りだ。

やがて、大徳寺は応仁の乱で焼失する。大徳寺を継ぐ
真の禅者は自分しかいない、との思いが強い一休で
ある。81歳になって、天皇の勅請を受けるカタチで、
大徳寺の住持となり、大徳寺を再建するのである。

そのことを鑑みれば、この曲は、大徳寺とその開祖
大灯国師を恋い慕うという意味で『紫恋慕』とする
べきである。

そして「明にも暗にもこだわることを捨てよ」、と
説いた一休である。明にもあらず暗にもあらずの
陰陽ごちゃまぜの吹き方こそ、一休作とするに
ふさわしいといえよう。
『紫恋慕』は、一休の禅を受け継ぐわが一路会の
テーマ曲である。

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汚名挽回

2008-07-27 08:47:15 | 社会問題
7割の人が「憮然=腹立て」と誤用、文化庁の国語世論調査(読売新聞) - goo ニュース

「議論が煮詰まる」「さわり」は正解だったが、
「憮然」「檄を飛ばす」は、私もあやしくなっていた。

先日、ラジオで「新米の女子アナが、原稿を読み間違え、
さらに『汚名挽回ガンバリます』と、恥の上塗りをしていた」
という話を聞いた。一瞬意味が判らなかった。

その日、教育テレビの「日本語で遊ぼ」だったか、再放送
番組でわかった。
「汚名挽回」は、正しくは「汚名返上」で、「名誉挽回」と
混同されているが、「汚名挽回」で正しいと思っている人
が半数近くに達しているから、それはそれでいいではないか」
と結論づけていた。NHKも時代の波に逆らえないか。

虚無僧も托鉢僧も一緒にされる時代。司会者に「きょむそう
さんの登場です」と云われる時代。私などもう化石人間だ。

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和歌山市六十谷

2008-07-27 08:29:37 | 虚無僧日記
「交番所長、替えないで」毒入りカレー被害者らが嘆願書(朝日新聞) - goo ニュース

毒入りカレー事件から10年。もう記憶も薄れがちに
なったが、「六十谷」の文字をなつかしく見た。
「むそた」と読む。S51~53年、初めての転勤で、
家族でそこに住んでいた。紀ノ川沿いの新興住宅地
だった
長女は、有功(いさお)幼稚園に通った。事件のあった
隣り町だ。

4軒長屋、関西では「文化住宅」というが、壁の隙間
からはお隣りさんが覗けた。話し声はつつぬけ。そんな
長屋の人たちは本当に良く面倒をみてくれ、夏には、
八世帯そろって、海に遊びに行ったりした。猪豚の
バーベキューも、釣りに連れていってもらって、鯖を
100匹も釣ったことも、楽しい思い出として鮮明に記憶
している。地域の結びつきが強い町だった。

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九木神社で奉納演奏

2008-07-27 05:11:06 | 虚無僧日記
7/25(金)は、三重県尾鷲市の隣り、九木湾に
ある九木神社の大祭に招かれて行ってきた。
伊勢正洲会の浜田氏からのお誘い。

ここは九鬼水軍の発祥地だった。ひと昔前まで
は、海から船でしか行かれなかったという僻地だ。
九鬼氏は、江戸時代になると九木と改めさせられ、
鳥羽と京都府綾部に転封となった。鳥羽には、
朝熊山金剛鉦寺がある。虚無僧ゆかりの地。そこ
のご領主だった。綾部からも詩吟のご一行が、
貸切バスでやってきていた。

私は詩吟の伴奏と、「九木湾を望む」と題して、
尺八を一曲吹かせていただいた。
九木家の現代の当主は、なんと熊野本宮の宮司
さんだった。

尺八あればこそ、このようなご縁がいただけた。

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アクアビクス

2008-07-27 04:45:37 | 虚無僧日記
ホテル・マリオットの17階。ここが名古屋駅の上
とは思えない秘密の場所に、プールとフィットネス
のクラブがある。会員権は200万円。ホテルに宿泊
すれば利用できる。でも5,000円。プールもフィット
ネスも10人くらいしか利用していない。インストラク
ターが何から何まで、付きっ切りでサービスしてくれ、
とてもリッチな気分が味わえる。

プールで「アクアビクス」なるものを体験した。
女性インストラクターの掛け声に合わせて、
水中で体を動かすのだ。リズミカルな音楽に
乗って、1時間無心で体を動かす。この間、何も
考えなかった。まさにこれぞ「無の境地」。
得がたい体験だった。

ヨガも初めて体験した。女性インストラクター
の姿、カタチが実に美しい。指先まで“力”では
なく“気”が張り詰めている。これこそが、
尺八の演奏にも求められる仕草だ、と大いに
参考になった。

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この世の極楽?

2008-07-27 04:30:57 | 虚無僧日記
恐るおそる、1週間ぶりにブログを開く。
実は、この1週間、“極楽”に行っていた。

三日三晩、ホテルに閉じこもりで原稿書き。
9/23「能楽堂」での公演のプログラム作りや、
9/27「一休語り」のシナリオ作成と、仕事が
たまっていたからだ。

名古屋駅の上のホテル・マリオット47階。
コンシェルジュ・フロアー。舌噛みそうな。
眺めはいい。冷房は効いている。ラウンジで
ドリンク、軽食、飲み放題、食べ放題。

疲れたら、プールにはいり、フィットネスで
汗をかき、ストレッチやヨガのレッスンも受け
られる。まさに天国。いつもは、このホテルの
真下で虚無僧している私だが、これも社会勉強
とのぞいてみることに。

それにしても、ここに毎日来ているリッチな人
たちがいることに驚く。格差社会を見せ付け
られ、また金持ちの方々から“運気”をいただ
いた。

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