書棚を整理していて、野坂昭如の『パンパン・ガール』が出てきた。
「パン・パーン」鉄砲の音? ではない。「男が駄目だったんだから、
今度は女が頑張るしかない。これもお国のため」と、アメさん相手に
春を売る話。したたかと云えば したたかだが、それだけではない
さまざまな事情に、心も重くなる。
アメリカ軍の進駐に対して、時の日本政府(内務省)は、8月18日、
終戦わずか3日後に、各都道府県知事に占領軍向けの「慰安施設」を
設置するよう秘密指令を出した。そして5千万円(今のお金で
500億円)を融資することとし、特殊慰安施設教会RAA(リクリエーション
&アミューズメント・アソシエーション)が設立され、協会名で
「職員」募集の広告が打たれた。
政府公認、警察公認とあって、応募する女性が列を成した。
従業員は一日最低15人、最高60人までのアメリカ兵を相手にした。
結局 この施設はマッカーサーの指示で 翌年3月閉鎖され、
町に「パンパン」があふれることになった。戦後、米兵に
よって殺された日本人女性は5千人にのぼるともいう。
彼女たちは、カタギの日本女性を守るために、身を挺して、
アメ公と戦ったのだ。
野坂昭如の『パンパン・ガール』は、戦前、戦中、そして
戦後、「お国のため」と頑張った一女性をモデルに描いたもの。
その末路は 悲しく哀れ。
森村誠一の『人間の証明』、松本清張の『ゼロの焦点』も、
かつて「パンパン」であった過去を知られたくないがゆえの
殺人事件。今の時代なら、「娼婦で何が悪い」と開き直れた
ことだろう。
そんな時代に起きたのが、「東電OL殺人事件」の被害者 W.Y.。
慶応卒で東電の管理職にまで上り詰め、年収1,000万はあった。
金のためにやむを得ずの売春ではなかった。彼女が退社後、毎夜
渋谷で売春をしていたことは、東電の周囲の社員も、家族(母と妹)も
知っていたというから驚き。心の闇は探れない。野坂昭如の小説
の世界だ。
「パン・パーン」鉄砲の音? ではない。「男が駄目だったんだから、
今度は女が頑張るしかない。これもお国のため」と、アメさん相手に
春を売る話。したたかと云えば したたかだが、それだけではない
さまざまな事情に、心も重くなる。
アメリカ軍の進駐に対して、時の日本政府(内務省)は、8月18日、
終戦わずか3日後に、各都道府県知事に占領軍向けの「慰安施設」を
設置するよう秘密指令を出した。そして5千万円(今のお金で
500億円)を融資することとし、特殊慰安施設教会RAA(リクリエーション
&アミューズメント・アソシエーション)が設立され、協会名で
「職員」募集の広告が打たれた。
政府公認、警察公認とあって、応募する女性が列を成した。
従業員は一日最低15人、最高60人までのアメリカ兵を相手にした。
結局 この施設はマッカーサーの指示で 翌年3月閉鎖され、
町に「パンパン」があふれることになった。戦後、米兵に
よって殺された日本人女性は5千人にのぼるともいう。
彼女たちは、カタギの日本女性を守るために、身を挺して、
アメ公と戦ったのだ。
野坂昭如の『パンパン・ガール』は、戦前、戦中、そして
戦後、「お国のため」と頑張った一女性をモデルに描いたもの。
その末路は 悲しく哀れ。
森村誠一の『人間の証明』、松本清張の『ゼロの焦点』も、
かつて「パンパン」であった過去を知られたくないがゆえの
殺人事件。今の時代なら、「娼婦で何が悪い」と開き直れた
ことだろう。
そんな時代に起きたのが、「東電OL殺人事件」の被害者 W.Y.。
慶応卒で東電の管理職にまで上り詰め、年収1,000万はあった。
金のためにやむを得ずの売春ではなかった。彼女が退社後、毎夜
渋谷で売春をしていたことは、東電の周囲の社員も、家族(母と妹)も
知っていたというから驚き。心の闇は探れない。野坂昭如の小説
の世界だ。