現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

死ぬ時は死ぬがよろしい

2021-02-22 19:01:42 | 心の問題

「日日是好日」と書いた木板をいただいた。

「ひび」ではなく「にちにち これ こうじつ」と読むそうな。

「辞書を引くと『毎日が平和で楽しい日々であること』と解説されているが、そんな能天気な話ではない。

これは唐の高僧雲門禅師の公案で、厳しい禅の悟りの心境である。良寛は『災難に遭う時は 災難に遭うがよく、死ぬ時が来たれば死ぬがよく候』と言ったごとく、災い、艱難辛苦に逢おうとも、平然と受け入れる心があっての『日日好日』なのだ」と。

私も 良寛の悟り「死ぬ時が来れば死ねばいい」それでいい。医者も要らん。坊さんも要らん。

先日、ある詩吟の会の宗家が亡くなられた。それまで医者にかかったことがないほど元気だったが、急に元気がなくなり検査をしたら、癌が全身に廻り、もう手遅れとのこと。手術もせず2ヶ後に亡くなった。葬儀は多くの会友に見送られて旅発った。

うらやましい“佳き人生”だった。


年とったと嘆くな、なれない人もいるのだ

2021-01-29 00:37:40 | 心の問題

「A子さんが亡くなった」との知らせ。まさか!? なぜ!? 信じられないお思いで告別式に参列した。「密葬」ということで、身内の家族 十数人ばかりの寂しい葬儀だった。

まだ結婚して3年。結婚式に招かれたのはつい昨日のような気がする。遺影は結婚式の時の花嫁姿だった。両親の悲しみは尋常でなかった。出棺の時間が過ぎても、いつまでも棺にとりすがって泣き崩れるばかり。

お母さまの話では、「前日の夜、実家に来て、両親と一緒に食事をして別れた」という。その翌朝、布団の中で 眠ったまま起きなかった。

「そういえば・・・前日の 食事の時、遺言のような言葉をチラつかせていた。死を予感して、両親に別れを告げにきたのか?」ともささやかれる。

仕事と家との両立で過労死か。ストレスを抱えていたのか? さては自殺か? とも推測される。


長寿社会、超高齢化といえども、こうして若くして亡くなる人もいるのだ。こんな川柳があった。

年とったと 嘆くな後期高齢者、なれない人のことを思えば


「茗荷」の語源は、江戸時代の落語から

2020-06-18 11:23:45 | 心の問題

今朝6時、以前 2013年7月に書いた「茗荷」についての記事に 120件ものアクセスがあった。はて? 今日は名荷の日でもあるか? と調べてみたが不明。ではその記事を再掲させていただくことに。

お釈迦様の弟子の中でも特に優れた「十大弟子」の一人「周利槃特」のお話。「周利槃特」を「シュリハンドク」と読むのは日本語読み。中国音では「スリハンドク」。サンスクリットでは「チューダパンタカ」と発音するようです。


「シュリハンドク」は、自分の名前すら覚えられなかったので、お釈迦様は、ハンドクに、名前を書いた木札を与え、「いつも背中にさしておくように」と命じます。

そしてハンドクが亡くなり、その墓の周りに不思議な草が生えてきました。その草を食べるとみなバカになるので「茗荷(みょうが)」と名づけられた。

★「茗荷」とは、「ハンドクが、自分の名前も覚えられないので、前の書いた木札を背に(にな)っていた」という故事に由来する。

 

どの本にもインターネットのサイトにも、そのように書かれていますが、“ちょっと待って”です。

インドに漢字は無いため、「名を荷う」=「茗荷」という名前が生まれるはずはありません。中国語にもありません。インドや中国では「茗荷」を食べる習慣はないそうです。

「茗荷」という漢字を充てたのは『庭訓往来』(1350年頃)。

そして、江戸落語の『茗荷宿』で一般に流布されたようです。

その話は、「強欲な宿屋の主人が、茗荷を食べるともの忘れがひどくなると聞いて、宿泊客が財布を忘れていくように、料理にたくさん茗荷を入れて出したところ、翌朝、宿の主は宿代を請求することを忘れ、客は宿代を払うのを忘れて出立してしまったというもの。

茗荷」の二字の双方の「草冠(くさかんむり)」を取れば「名は何?」。どうやら「和製漢字」で「ハンドク」が「名前も覚えられなかった」というのは、日本人の創作だと考えられます。

むろん、茗荷には「モノ忘れ」になるような成分はありません。むしろ、生姜(しょうが)の仲間ですので、脳に刺激を与え、活性化する働きがあるとのこと。とんでもない濡れ衣です。

江戸時代以前、「みょうが」は「神仏の加護を得る“冥加”」に通じることから、武家の家紋として好んで使われました。

ことほど左様に「仏典に書かれている」という話は、ほとんど日本人の創作なのです。


「敵がいる」

2020-02-16 12:00:20 | 心の問題

小話
「お~い、小遣いくれよ、男は外に出たら7人の敵がいるんだからな」
「なに言ってんのよ、7人の敵と私一人、どっちが怖いと思ってんの!」

「朝日新聞」デジタルのシリーズ「敵がいる」の記事が結構面白かった。

1.「在日攻撃 牙をむく言葉」(4/28)
2.「北朝鮮 触れられぬ空気」 (4/29)
3.「沖縄攻撃 ゆがみ増幅」 (4/30)
4.「監視強まる生活保護」 (5/ 1)
5.「加害者を潰せ 正義暴走」(5/ 2)

最近の世相は「すぐキレル」。韓国や中国との確執。
本土と沖縄の意識の差。生活保護世帯に向けられる
監視の目。そして、何か事が起きれば、「訴えてやるぅぅ!」。
ネットでの誹謗中傷、袋叩き、いじめは 度を越えて、
「集団ヒステリー」になっている。

「戦後」が「太平洋戦争前」の状況に似てきたとも。
平和が長引けば、みな飽きてきて刺激を求めるものなのか。
刺激=ストレスが無いと早く死ぬ。「適度のストレスは必要」とも。








独立して起業家に三人の女の敵

2020-02-16 03:58:15 | 心の問題

「半導体新聞の記者」という「泉谷渉」氏の記事から。

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大企業のサラリーマンだった飯塚哲哉氏(現ザインエレクトロニクス社長)。
独立して「ベンチャー企業」を起こそうとして、まず三人の女性と
戦わなければならなかった。

飯塚氏は、東芝の半導体技術部門のトップという要職にありながら、
ファブレス半導体ベンチャーを起こし、ひとつの歴史を作った人物。

会社を辞めてベンチャーを起こそうとすると、まず、近く結婚を控えた
娘さんが反対する。

「私は有名な電機メーカーの部長の娘として、晴れの結婚式に望むのよ。
わけのわからないベンチャー企業の娘として嫁にいくのは屈辱よ。
お父さん、お願いだから会社を辞めないでちょうだい」

次ぎに奥さんも、
「私は安定して成長株の大手電機メーカーに勤めるエリートと
結婚したのです。部長にまで上りつめてくれたのに、それを捨てて、
わけのわからない中小企業のオヤジになるなんてとんでもない」

そして母親からも強烈パンチ。
「爪をともすように節約をして、3度の食事も切り詰めながら、
塾に通わせたのは何のため。東大を出て、有名会社に入って、
出世もして、これからの親孝行を期待していたのに、裏切りだわ」

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ぎゃはははは。よく判ります。大手?保険会社を退職して虚無僧に
なった私。まずは妻から「三行半(みくだりはん)=離婚届」。

娘は、「父親の職業が『虚無僧』なんて 恥ずかしくて紹介できない」と、
結婚式にも呼んでくれませんでした。

そして母親。「慶応まで出したのに、親の遺言だと思って、頼むから
やめてくれ」と。NHKの取材を受けて、全国放送で流れると
なった時、NHKにまで電話をして「放送中止」を訴えた母でした。


そこで、またまた「きみまろ」のギャグ

「次男坊よ。おまえはね、私のオッパイをチュッチュ チュッチュと
吸って大きくなったのよ。それが今、あんな嫁のオッパイを 毎晩毎晩
吸っているなんて。ゆるせない。あれはなんだったの、リハーサル?
これ、オッパイじゃない、しっぱい(失敗)」。




親鸞会

2020-02-05 18:45:04 | 心の問題

五木寛之氏は、「『親鸞』をインターネットで、誰でもが
自由に、無料で読めるようにしたい」と語っていた。
五木寛之氏の『親鸞』は、多くの親鸞ファンを作った。
浄土真宗にとっては、ありがたい“神様”のような存在だ。

ところが、梅原猛も指摘しているが、「悪人でも『南無
阿弥陀仏』と一回でも唱えれば、極楽往生できる」という
のであれば、「窃盗、人殺しをしてもかまわない」という
危険な思想を生む。その解釈を巡って、さまざまな教義が
立てられ、教団が分裂し、対立している。東と西本願寺の
対立。さらに「親鸞会」と本願寺との醜い争いもある。

現在の浄土真宗系の坊さんは髪も剃らない。戒を犯して、
肉食、飲酒、妻帯もはばからない。普段、法を説くこと
もせず、葬式に多額の金を要求する。「これがまことに
親鸞の教えなのだろうか」と誰しもが思う。

それは、日蓮宗でも同じ。創価学会、顕正会などが、
日蓮正宗と対立し、誹謗中傷し合って、お互い「地獄に
堕ちろ!」とののしりあっている。

こんな仏教界に、庶民はますます冷ややかだ。それでも、
それぞれの会に入信する人がいるのも不思議。病める
現代社会なのか。


骨肉の争いの源氏と親鸞 

2020-02-04 20:52:34 | 心の問題

当家の祖は「新羅(しんら) 三郎義光」であると伝えられて
いるので、源氏びいきだったが、義光を知れば知るほど、
源氏の血塗られた系譜におぞましさを感じる。

新羅三郎義光は、源氏の棟梁八幡太郎義家の弟である。
義家亡き後、源氏の棟梁の座を奪おうとして、策略をもって
義家の嫡流義忠と義綱を殺すが、陰謀が露見して関東に逃れる。
妻が常陸の国の豪族の娘であったため、常陸に勢力を張って
いった。義光は、甥の義国(足利・新田氏の祖) とも争いを
起こしている。平安末期に源氏が衰退したのは、義光に始まる
一族同士の抗争がすさまじかったからである。

親鸞の母が義朝の娘とするならば、親鸞の祖父義朝は、父
為義を殺している。父親殺しの大罪人だ。叔父にあたる頼朝は
弟の義経を殺す。親鸞の生きた時代は、誰もが平気で人を殺し、
人を欺き蹴落とさなければ生きていけない末法の時代だった。

誰もが「死後は地獄に堕ちる」と懼れていた。だからこそ、
「悪人正機説」が人々の救いとなって、信徒を集めたのだ。
今日いろいろな人が『歎異抄』を解説しているが、そのこと
を五木寛之はしっかり語ってくれている。

しかし、「人を殺さなければ殺される。だから殺していい?。
殺しても救われる。極楽往生できる?」と解釈されては、甚だ
親鸞も困った。『歎異抄』を紐解くのは難しい。


「野口雨情」の“孤愁”

2020-02-02 18:33:16 | 心の問題

「野口雨情」の画像検索結果

「野口雨情」は1882(明治15年)生、1945(昭和20年)歿。
63年の生涯で、2千もの詩を作りました。

代表作は、『十五夜お月さん』『七つの子』『赤い靴』

『青い眼の人形』『シャボン玉』『こがね虫』『あの町

この町』『雨降りお月さん』『証城寺の狸囃子』

『波浮の港』『船頭小唄』・・・・・。

どれも、老健施設での演奏のベスト・ナンバーです。

これらの歌は、お年寄りの方は 歌詞カードがなくても、
自然に口を突いて歌ってくれます。時には涙も流してくれます。


野口雨情の詩の多くが、「はぐれる、一人ぼっち、消える」という「はかなさ、孤独感、不安」がにじみ出る歌です。

生まれてまもなく七日目に夭折した娘を思って作ったのが『シャボン玉』とか。

「シャボン玉消えた 飛ばずに消えた 産まれてすぐに こわれて消えた」の詩にドキッとさせられます。

『 雨降りお月さん』

雨降りお月さん 雲の蔭
お嫁にゆくときゃ 誰とゆく
ひとりで からかさ さしてゆく
傘ないときゃ 誰とゆく
シャラシャラ シャンシャン 鈴つけた
お馬にゆられて 濡れてゆく

 
『十五夜お月さん』

十五夜 お月さん 御機嫌さん
婆やは お暇(いとま)とりました

十五夜 お月さん 妹は
田舎へ貰らわれて
ゆきました


お嫁にゆくのに「ひとりでゆく」とは なん悲しいことだ。婆やもいなくなり、妹も貰われて行ってしまった。

『赤い靴はいてた女の子』は「異人さんに連れられて行っちゃた。(異国では)迷子になったらなんとしょう。わたしは言葉がわからない」と。
私は子供の頃、外人を見ると“人さらい” と恐怖心を抱いたものだった。子供心にも「不安」や「恐怖心」を煽る歌詞が、なぜこんなに流行ったのだろう。今の世の中、これを 子供に歌って聞かせる親はいなかろう。

ところが、 今、老人ホームでは 一番うける歌になっている。幼い頃の記憶、辛い過去を思い出し、また “老い先 独り の 孤独感 ”を感じているからだろうか。


求めない

2020-01-03 19:03:45 | 心の問題

信州伊那谷に住む詩人、加島祥造の詩『求めない』。

45万部の大ベストセラー詩集だそうだ。

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「ほんの3分でも 求めないでいてごらん 

 不思議なことが起こるから 

 求めない すると何かが変わる   

 求めない すると 心が広くなる  

 求めない すると 恐怖心が消えていく  

 求めない すると ひととの調和が起こる  

 求めない すると 待つことを知るようになる

 迷った時、苦しくなった時、自分にささやいてみる」

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人に「あれやって欲しい」と期待したり、求めると、

やってもらえなかった時、小言や愚痴になったり、不平不満となる。

夫婦、家族も、円満な家庭を築こうと思ったら、“相手に求めない” 心だ。

 

 昨年暮れ、ネットの占いで「宝くじが当たる」と出た。

「江戸っ子は宵越しの銭はもたねぇ」私。毎年、大晦日には所持金ゼロ。

カードローンの限度額24,000円引き出して80枚買った。

結果は???、当たった。3,000円が2枚で6,000円。

300円が8枚=2,400円で、合計 8,400円。

回収率 35% 確かに「当たった」が、借金が 15,600円増えた。

それだけじゃない。

宝くじで100万円くらい当たると勝手に思い込んで、ネットで

いろいろ入札してしまった。請求額ウン万円。シェー!!

「求める」と正にロクなことない。

今年こそ「求めない」生き方に徹しよう。

 

 


誰のせいでもありゃしない

2019-11-14 18:30:33 | 心の問題

 

ラジオから尾藤イサオの歌が流れていた。

 誰のせいでもありゃしない、
 みんな おいらが 悪いのさ

なつかしい。
60年代、安保闘争で荒れた時代だったが、「みんな自分が
悪い」と自己批判する自虐的な時代でもあった。

20年ほど前、名古屋のライブハウスに尾藤イサオが出演する
というので見にいった。30年前そのままのスタイルに驚きと
賞賛だった。
何曲か熱唱したあと、突然ばたりと倒れた。しばらく動かない。
「もう歳か?、ホンとに倒れたのか?」いつまでも起き上がら
ない。観客が不安にかられた頃、「明日のジョー」のイントロで、
ビンボウダンスのような姿勢から起き上がる。見事な演出に
やんやの拍手喝采だった。

「立ち上がれ~」の明日のジョーは、バブルはじけて、濡れ
落葉となった団塊の世代に、励ましの応援歌のように聞こえた。

今は、何もかも「あんたが悪い」と他を非難する時代になって
しまった。尾藤イサオの「みんな おいらが 悪いのさ」は、
新鮮に心に響いた。

日曜劇場 / ノーサイド・ゲーム(2019年7月放映、TBS) に

木戸祥助(日本蹴球協会・専務理事)役で出演していた。

御年76歳。まだまだご健在。