グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

最近、話題の?キセルガイ

2010年07月28日 | 哺乳類、爬虫類、他

 毎日、暑い日が続いています。それでも本土に比べ涼しい大島なのですが、暑いものは暑いです。

 しかし、未だに「ホ~ホケキョ」とウグイスの鳴き声が聞こえてきます。
春先には、実をつけていた木々も今はジッと暑さに耐えているようです。
春に実をつけるというと、人気なのはクワです。
甘味の強い、独特な味は正に春の味覚です。
そんな、クワの木が好きなのは、我々だけではありません。

それは、こいつです↓


と言ってもこいつが好きなのは、実じゃありません。
大島にはどこにでもクワが生えていますので、食べ物には困らないしょう。
名前は「ヒカリギセル」といいます。
先週、ご紹介した「ハコネギセル」に比べ、大きさが2~3cmと小さく
体色も淡い黄色味がかった茶色で、光沢があります。
東北から関東・中部地方まで広く分布している貝で、大島にも分布しています。

タイトルの「最近、話題?」とは何の事か?というと
この貝、実は肝臓病に効くとして、健康食品としての需要が増加しているそうなのです。
桑の木やその近くについている、小さなキセルガイにまさかそんな効果があるとは思いませんでした・・・

需要が増加と言っても、専門で採って商売にしている人も少ないのか
農林水産省で、養殖技術の確立を目指しているそうです。
しかし、生態が良く分かっていないのか、食性や繁殖等様々な実験が行われ
今現在では、ほぼ確立されているようです。

調べてみると、粉末にして販売されているらしいのですが
なんて商品名で、どこから販売されているのか?全く分りませんでした。
誰かご存知の方がいたら教えて下さい。

しかし、養殖技術が確立したというのは、非常に嬉しいことです。
こういう貝は、乱獲されるとすぐに絶滅の危機に瀕するでしょう。
実際、岩手県では準絶滅危惧種に指定されているそうです。

しかし、このヒカリギセルにも天敵がいます。
それは、大島にも生息するムネクリイロボタルの幼虫の餌になるそうです。
ホタルの仲間は、結構、陸性の貝を餌にする場合が多いのです。
ムネクリイロボタルは、大島にもそこそこ生息しているので、ヒカルギセル等の陸性貝も豊富なんでしょう。

いや~ ムネクリイロボタルは、よっぽど肝臓が丈夫なんでしょうね~
(そんな訳ないか・・)



 

 

コメント
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