グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

陸上に棲む貝達

2010年07月21日 | 哺乳類、爬虫類、他

すっかり夏の陽気です。
とにかく毎日暑い・・・ 少し動くと汗をかき、水分補給が欠かせません。
我々人間よりも乾燥が大嫌いな生き物が身近にもいました。
それがこれ↓

これは、陸に棲んでいる貝の仲間(キセルガイ)です。
先週、陸に棲んでいる貝の代表選手「カタツムリ」について基本説明をしました。
なので、今回から大島に生息している詳しい種類を1種づつ書いて行きましょう。
実は、大島で発見した陸産貝達を詳しい方に精査して頂いています。
そちらの感謝の意味もこめ、この場を借りて発表して行きます。

まず、陸産貝という聞きなれない言葉から説明します。
書いて字の如し、陸に棲んでいる貝の事です
貝と言えば海に生息している種類が殆どです。日本だけでざっと5000種以上はいるでしょう。
これに後鰓亜綱のウミウシを入れれば、その数はいくつまで昇るか検討も付きません。
しかし、陸上にも実は数多くの種類が生息しています。
日本には亜種も含め約190種以上いると言われています。
陸で生活するからには、鰓ではとても都合が悪いです。なので、みんな肺を持っています。
先週も書きましたが、これらを「有肺類」と言います。

では、有肺類は全て陸産貝と言えるのか?というと非常に疑問です。
何故なら、過去にこのブログで連載されていた「磯の貝達」シリーズで紹介されたカラマツガイや
オカシイノミガイなんかも「有肺類」になります。
これは、有肺類でありながら海の側(近海)に棲んでいます。
これらは、陸産貝とは表現し難いので、ここでは仲間外れにします(笑)

さて、前置きはこれ位にして、具体的な種類を紹介して行きます。
第一回目の今日は、上の写真の貝「ハコネギセル」です。
大きさは、4cm程までなる大型のキセルガイです。このキセルガイを一番身近で見る気がします。
店の外シャワーや器材洗い用の水槽等にくっついているのは、全てハコネギセルです。
それだけでなく三原山のカルデラ内で発見したのもこのハコネギセルでした。

ハコネギセルは、その名の通り「箱根」が模式産地になっています。
なので、学名の種小名も「hakonensis」となっています。
伊豆半島や関東地方にも広く分布しており、
特徴は、何と言ってもこの赤茶褐色をして色合いです。大島では他にはこういう色のキセルガイを見た事がありません。

大島で既に調査、発見されているキセルガイ科の貝は全部で4種
●ハコネギセル
●ヒカリギセル
●ヒクギセル
●ヒロクチコギセル

今後、何種出現するか楽しみですね。
「陸産貝」は決して、自然豊かな場所にしか居ないという生き物ではありません。
庭の石や朽木をちょっと捲って見て下さい。きっと捲った石や木の裏側に付いていますよ。


 

コメント
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