グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

あんこさんとゾウ

2022年08月27日 | 歴史・文化
今、大島町の役場1階で「あんこさんとゾウ」という企画展をやっています。

主催は上野動物園や大島動物公園などを運営する(公財)東京動物園協会なのですが、伊豆大島ジオパーク推進委員会が共催。伊豆大島ジオパーク認定ジオガイド3期生で、動物園協会職員の方が中核になって企画されたそうです。
前から見に行こうと思っていましたが、ようやく時間ができたので先日行って来ました。

入り口を入るとすぐにド〜ンと実物大のゾウの写真!

なかなかの迫力です!

戦時中の猛獣処分により、ゾウのいなくなった上野動物園に、戦後「はな子」というアジアゾウが贈られたのだそう。

上野動物園では、日本中の子どもたちにゾウを見せるため、移動動物園で各地を回り、その最終地が伊豆大島だったのだそうです。


当時の伊豆大島は、噴火の真っ最中。

その時の溶岩は人の集落までは流れてこなかったし、噴火はどちらかというと観光資源で溶岩灰皿作りが流行った年でもありました。

溶岩灰皿の作り方を書いてある展示は、「これからも使えるレシピ」みたいなリアル感があって、面白かったです。

はな子の背中に乗って一緒に写っている女性「あんこさん」から、伊豆大島ならではの、あんこ文化も紹介。

「働き者」「力持ち」「器量よし、愛嬌よし」のあんこさん!
きっと観光に来た人たちにとって、魅力的だったことでしょう〜。

島の人が何人も、当時の「はな子の思い出」を語っているのも楽しかったです。

写真展示だけでなく、タッチパネルを使って長めのメッセージを聞くことができました!!

ゾウのはな子の年齢と、伊豆大島での出来事をリンクさせているのも楽しかったです。

はな子が4歳で大島に来た時は、大島は噴火の真っ最中だったとは!
はな子が8歳の時、6つの村が合併し「大島町」になったのですね!
16歳の時に大島一周道路が開通!
18歳の時に元町大火で多くに家が焼ける!
39歳の時に割れ目噴火で全島民が1ヶ月当該避難!
63歳で伊豆大島がジオパーク認定!
66歳の時に大規模な土砂災害!
というように、はな子の歴史が伊豆大島に住む人の暮らしとリンクして、とても身近に感じました。
はな子は、2016年に69歳で亡くなっています。

展示は、ゾウ飼育の課題やチャレンジなどの現場も伝え

最後のパネルには、たぶん、この展示で一番伝えたかったメッセージが…

「動物園があるということは、その国が平和であるということ」

楽しく展示を見ながら、島の文化や人の暮らし、動物園のあり方などにも触れることができ、最後のパネルでジーンとしました。

ジオガイド養成講座の中で、みんなで学び合った「楽しくて、自分ごととして引き込まれて、心に残る伝え方」
それらが揃った、とても素敵な展示でした💘

大島での会期は8月31日までなので、あと4日間あります。大島在住でまだご覧になっていない方は、ぜひ見に行ってみてください。

また、展示は今後、以下の場所でも見られます。都内在住の方はチャンスがありましたらぜひご覧ください〜。
2022年9月13日(火)~12月4日(日) 9時30分~17時
 井の頭自然文化園 ゾウ舎
2022年12月20日(火)~2023年2月12日(日) 9時30分~17時
 上野動物園 ゾウのすむ森

「あんこさんとゾウ」企画展の詳細はこちらでご確認いただけます😊

(かな)
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