グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

ここ1週間の山歩き

2010年03月11日 | ツアー
この1週間、ほぼ毎日山を歩きました。

悪天候続きの1週間だったので、今日の晴天が、まるで天国のように感じられました。

前半はTBS〝しっとこ″の取材に同行しました。
番組スタッフの方々は、下見に4日、本番に2日、合計6日も山を歩き、熱意をもって取材をして下さいました。

下見の時から風が強く、裏砂漠では風が吹きつける中、長時間撮影されていました。
この、風にたなびくスタッフの方たちの服や髪をご覧ください。

この時、天気予報は南西風7m。
下ではあまり強い風ではなかったのですが、外輪山の稜線はかなりすごい風でした。
姿勢を低くしていないとヨロけるほどで、この風の中で撮影を続けるスタッフの方たちのプロ根性には感心しました。

そしてアナウンサーの方を迎えての本番の日の裏砂漠は、北東風10mの強風、霧で真っ白でした。
う~ん、テーマは“春の大島”なんですが…。

でも強い風が霧を運び、一瞬海が見えました。これは感動的な光景でした。

ちょうど海に太陽の光がさして、銀色に輝いて見えたのです。
晴れた日に青い海を見るより、神秘的な感じがしました。

〝しっとこ″の今回の撮影は、大島の自然の中での遊びとして、エコツアー、ダイビング、
バイク、宿での食事やエステ、などを紹介してくれます。

今週の土曜日、3月13日の朝7時30分~9時までのどこか10分ぐらい(多分8時ごろ?)に放送されます。
お時間のある方はぜひご覧ください。

私も、悪天候の中で頑張ってくれたスタッフの方々の苦労の末の作品を、楽しみに待ちたいと思います。

火曜日は、大学生4名を半日ツアーにご案内しました。
10時ごろから雨の予報だったので、車での移動をメインにすることにして、最初に裏砂漠に向かいました。

しかし…またまた霧。
寒くて何も見えないうえ、アラレまで降りだしました。この時は霧も晴れず、ず~っと、白と黒の世界でした。

お客様は「これはこれで貴重な体験かも。」と言ってくださいましが、さすがにアラレは痛いですね(笑)。

こういう天候の時、樹海は本当に快適です。強風でも雨でも歩ける、全天候型の森です。
参加されたお客様は、イヌツゲがクネクネ曲がりながら株立ちする樹形を楽しんでいらっしゃいました。

次回は是非お天気の良い日に、三原山をご案内したいです。

そして今日。
毎日1万歩、歩くようにしているとおっしゃっていた70歳代のご夫妻と半日山を歩きました。

風は弱く、空は青く、本当に快適な1日で、久しぶりに開放感を味わいました。

この1週間、悪天候の中を歩いたおかげで、裏砂漠が強風の時どういう状態になるのか、
南西風、北東風とも体感できて、とても勉強になりました。

でも何よりもの収穫は、晴天をありがたく思う気持ちが倍増した事かもしれません(笑)。

大島の中では春が一番後にやってくる三原山も、イタドリが赤い芽を出し始め、
カジイチゴやアシタバがツヤツヤした明るい緑の葉を伸ばしています。

コケリンドウも咲き始めました。


これから歩くたびに三原山の春を見つけていけるのが楽しみです。
できれば、やさしい風の吹く、明るい日差しの中で歩きたいな~。

(カナ)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春をいただきました!

2010年03月10日 | 植物
海岸沿いを歩いていると最近目に付く新芽。
上の写真のボタンボウフウの新芽です。
なんかやわらかくておいしそう・・・
そんな衝動にかられ、新芽を摘み摘み。
試食分くらいは集まったので、満足。
おうちに帰って早速調理。
まずは水洗いして、お湯で茹でて。
それから油炒めにしてみました。



さてお味は・・・

葉は柔らかく、茎はほっこりとした食感で、歯ざわりはとてもいい感じ。
味は苦味が少し気になったので、濃い目の味付けにしたら
おいしくいただけました。

これからいろいろな物が(新芽が)いただける時期になってきます。
あー、楽しみですね。

(のり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

成虫越冬と蛹越冬

2010年03月09日 | 
 春になったと思ったら急にまた寒くなったりしている伊豆大島ですが、着実に春はやってきています。

 夜になると道路上をヒキガエルが闊歩し、3月だと言うのにアオバズクが鳴いています。
アオバズクは普通、南西諸島以外では夏鳥ですが、三宅島では越冬するそうです。その三宅島から近いからなのか、はたまた伊豆大島でも人知れず越冬しているのか、例年初認が3月半ばと本州の記録と比べて一ヶ月以上も早いのです。

 いきなり話がズレましたが、今日はアオバズクのお話ではありません。(写真がないので。)

まずはこの写真をご覧下さい。(窓が開かないのでガラス越しの画像ですみません。)



・・・なにこれ?木の枝?

…と思いますよね。

本当は全体をもっと綺麗に撮りたかったのですが、ちょっとガラスが開かなくて…(^▽^;)
よく見ると脚とかあるんですよ。



実はこれ、ハネナガモクメキリガという蛾なんです。
パッと見は枯れ枝にしか見えません。見事な擬態に感心しました。
枝がポキッと折れた部分まで表現しています

ちょっと感動して写真を専門家の方に送って同定して頂きました。

本州、四国、九州、対馬、屋久島、沖縄本島から確認されていますが、南方系の種類のようで、本州北部など一部の地域では準絶滅危惧種の指定を受けている地域もあるようです。
サクラやツバキが幼虫の食樹らしいので、伊豆大島はパラダイスかも?
(時々大規模に農薬が撒かれますが…。)
 
この蛾を撮った時、実はまだ2月でした。ちょっと暖かい日の夜に明かりに飛来したようです。この蛾は秋に羽化して成虫のまま冬越しをして、春暖かくなるのを待って活動を再開するという生活パターンを持っています。今頃どこかで仲間とであって卵を残せているでしょうか?

このハネナガモクメキリガのように、成虫で越冬するタイプの虫は意外と少なくなく、伊豆大島では冬でも気温が上昇するとナナホシテントウやヒメマイマイカブリなどがウロウロしていることがあります。

なのでとっても個人的ですが、これらの昆虫を見ても厳密には「春が来たなぁ」とはあまり思いません(^▽^;)

 そこで昨日見つけたのがこれ。



ルリシジミです。虫に詳しい方にはよく知られている全国的普通種です。伊豆大島にもいっぱい居ます。でも彼らは春もっとも早く現れるチョウであるとされています。(地域にも寄りますが)

このチョウが見られると嬉しい理由は、彼らが蛹で越冬し、春に羽化する虫だからでしょう。蛹で越冬し、年3-4回、3-11月にかけて現れ、集落付近や明るい草地などで見かけます。

 チョウの仲間にもタテハチョウの仲間のように成虫で越冬するものも居ますが、やはり春に羽化するチョウが現れると、「春が来たなぁ~」って思いますね。

(あまの)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

白菜のおまけ

2010年03月08日 | 
            
家庭菜園で頂いた立派な白菜今日は何を作ろうかな…白菜を一枚、二枚 やっぱりいた今日のおまけは“ヨトウ虫”でした。
夜盗蛾、もしくは夜活動するイモムシたちをヨトウ虫と言います。
 お食事時間は夜で、昼間何んとも無い植物が次の日には茎が食べられてしまっていたりするので対策は夜懐中電灯を持って割り箸でつまむ(素手でつまんでもいいのですが)

葉先は虫食いの穴が空いてました。食べカスも有りました

              

白菜の中から出されて丸くなってしまいました。昼だから寝ている?

頂き物の野菜には結構色々な子(嫌いな方も多いと思いますのでほどほどで)が付いていますが、それは農薬がかかっていない証拠でもあります。

去年の冬台所によわよわしいモンシロチョウが床を這っていました。何処から這入って来たのかな?こんなに寒いのに? と虫籠に入れて保護しました。どうやらキャベツか菜の花と一緒にやって来て我が家で羽化したようでした。(茹でないで良かった)  (しま)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨の樹海

2010年03月07日 | ツアー
 昨日は雨の中、樹海をご案内してきました。
ゲストはとても仲の良い美人姉妹さん^^
雨だとの予報を知っていて、自前のレインスーツを用意して来て下さいました!

雨でもしっかりしたレインスーツがあれば怖いものなしですねっ、
今日はすっかり冷え込んでしまいましたが、昨日は気温がまだ暖かかったので、とても快適にツアーを行う事が出来ました。

お客様を元町のお宿からピックアップした場合は、元町から傾斜のきつい坂を登って一気に山頂口駐車場までいける御神火スカイラインを通って山へ向かいます。

カーブを2つほど越えたあたりからすでにキリが出ていました。
その後キリは濃くなっていくばかり。
山頂口に着いた時にはもう、そこにバスが停まっているのがどうかも分からない程に真っ白な世界になっていました。

こうなると三原山登山はお客様もすっきり納得のうえで中止となる場合が多いです。
その代わりになるとっておきの探索コースをご用意できていますからね^^♪
まぁ、昨日の場合は宿でお会いした時から「登山じゃなくても自然が楽しめれば」という事だったので、そのまま迷わず樹海入口のほうへ移動です。

通常、山にキリがかかっていて三原山(内輪山)が全く見えないねぇ・・という日でも、そこから樹海入口までの道路を難なく車で走れるのですが、昨日は今までにないぐらいの濃霧で対向車がもしいても本当に隣にくるまで分からないのではないかな、と思うほどでした。
レンタカーで知らない道だとしたら絶対諦めて折り返しているのでしょうね。
私達にとっては何度も何度も通っている道なので、ゆっくり進めば大丈夫。
でもいつもよりも道が長く感じましたっ。
無事に樹海入口に着き、歩き始めます。
キリをあまり通さず見通しの効く樹海には鳥たちが避難しに来ていて時々かわいい声を聴かせてくれています。


写真でしか説明できない三原山周辺の植生から、このような森になるまでの遷移についてご説明をしながら、新しい発見を求めて進みます。

あ、こんな所で人の声!?
な~んだカナさん♪
そう、別便でグローバルから樹海にご案内をしている西谷が後ろから追いついてきましたっ。
この日はTBSの「知っとこ」という番組の取材班を、この悪天候でも番組に絵として成り立つ大島をご案内出来るよう、予定にはないコースを西谷がご案内していたのでした。

取材班とは先へ後へと入れ替わりながら樹海散策を終え、もう少し標高の低い場所へと移動し、別の植生をもう少しご案内をしてツアーを終了としました。

たくさんの地域を回っている方で、かなり色々な植物を知ってらして、興味深く見ていただけました!
宿題もあります^^
解明出来たら掲示板のほうへ載せさせていただきますね。
Aさん、ありがとうございました!!

*ここ数日かけて取材をしている「知っとこ」は、土曜日の朝7時半からの番組です。
9時までの間のほんの10分程度ですが、たくさんの苦労がぎゅっと詰まっていると思いますので、もしチャンスのある方はご覧下さい。
木曜日の西谷の日記で詳しくふれてくれるかもしれません♪

(友)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しい季節の到来!

2010年03月06日 | 
今日は啓蟄です。
春の暖かさを感じて冬ごもりしていた虫が外に這い出てくるころですね。
『啓』には『ひらく、開放する、(夜が)明ける』などの意味、『蟄』には『冬ごもりのために虫が土の下に隠れる、とじこもる』という意味があります。

雨が降る中、小さな生き物たちを探しに出掛けてみました。
昨日の伊豆大島の最高気温は19.6度だったので朝のうちは暖かい大気が満ちて、たくさんの出会いがありました。

見つけた順にご紹介していきます。


ツヤアオカメムシ

本当にツヤツヤ!!
翅の端っこが透明になっているのがお洒落ですね。




ツマグロオオヨコバイ

ブーーーンと飛んできて、シュタッ!と降り立ちました。
この虫を見るとなぜか南国を思い浮かべます。




ゴミグモの仲間

ゴミになりきってます。
このあと雨が強くなったら巣をかけた葉っぱに避難していました。




ナメクジ

調べてみるとナメクジにもいくつか種類があるそうです。
きっとナントカナメクジでしょう。




お馴染み!ダンゴムシ

オカダンゴムシでしょうか?


帰化動物だと言われています。





ヒメグモの仲間かな~?

体長5ミリほどです。





まさか!!
昨日があんなに暖かかったから?

これは去年の抜け殻(アブラゼミ)ですね。
しかしこんなに綺麗に残っているなんて。





オテアゲガ・・・?

いや・・・そういう名前じゃなくて・・・(汗)
調べても名前のわからない『お手上げ』のガです。


道路でこのガを見つけて「あ、そうだ。昨日はあんなに暖かだったから自販機を調査すればもっとたくさんガがいるかも!」と思い、そのあとは自販機めぐりです。
夜間も明るい自動販売機には夜行性の虫たちが集まってくるのです。

さて、その成果は・・・

まずは『あさの』の自販機。

いました!
クサカゲロウの仲間

クサカゲロウにもいくつか種類があるのです。
目がとても美しいですね。
レースのような翅も!





マエアカスカシノメイガ

これは新鮮!
もっと寒い時期にも見かけました。


このあと大島公園の自販機に行きましたが、なにもいませんでした。
夜間は照明を点けていないのかも。


なんかハムシ?
私の車に付いていました。

ほんの2ミリほどの小さな小さな甲虫です。
雨に負けるな!


次は『げんろく』の自販機。


ハマキガの仲間っぽい(笑)

模様に特徴があるので調べればわかると思ったんですが・・・わからず!!





ナカウスエダシャク(たぶん)

雨降る中の『売切』が哀愁を誘いますが、このあと素晴らしい出会いが!





トビモンオオエダシャク!!

こんなところにいたらジュース買いに来た人に踏まれちゃうよ!



ってことで・・・



救出~

近くの草地に放しました。




そしてこのあと『やすとく』の自販機で更なる感動が私を待っていました。





イボタガ

キターーーーーッ!!

ずっと出会いたかったガのひとつです。
念願叶いました。

人の行き来がある場所にじっとしていたのでこちらもすぐさま救出。
あぁー、踏まれたあとに発見したんじゃなくてよかったー。


どうですかー!!
なんて素晴らしい翅でしょう。
自然はよくもまあこんなデザインを思いつきますね!
ただただ感動。


顔はかな~りガングロです。
このイボタガも藪にそっと置いてきました。



最後の自販機は『ささき』です。




えー、オテアゲガです(笑)

なんかキリガっぽいんだけど・・・
ガは姿かたちはよく似てるのに違う種類ってことがよくありますから。


顔はこんな。

一体どちらさんでしょうか?






はい、今日は次でおしまい。
本当はもっと探したかったのですが雨が強くなってきたので断念しました。

カタツムリの1種です。

普通にカタツムリと言っていますが正式名称は『マイマイ』です。
マイマイはたくさんの種類があって、調べてみましたが「これだ!」というものがわかりませんでした(涙)

やっぱり雨が似合いますね。



その他にも写真に撮ることはできませんでしたけどいろいろな虫を見つけました。
これからどんどん季節が進んで虫たちがじゃんじゃん出てきますね!
楽しみです。




本文中で名前が間違っているものがあればご指摘ください。
私もまだまだ勉強中です。
また「これは○○ですよ~」と教えて下さるのもありがたいことです。



そうそう、今日はツバメが2羽やってきました!!
今年の初確認です。
これからの鳥たちにも期待しましょう。



     がんま
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晴天の旅行者

2010年03月05日 | 植物
 いや~今日は暖かでした。
外で作業をしていて汗をかきました。
えっ、4月下旬の気温ですか・・・!?

 このところ、一日おきに寒暖が繰り返されている伊豆大島です。
明日は、また寒くて天気も下り坂、午後は雨とか。

 さて、クイズです。
タイトルの「晴天の旅行者」という異名を持つ植物はなんでしょう?
世界各地に分布し、英語では「地上の星」と呼ばれているらしい。
中島みゆきの楽曲でプロジェクトXの主題歌。(そうじゃないって)

 この処の異常な暖かさと雨のせいか、
夏から秋に出現するはずの、この植物があちこちで見られます。

 冒頭の写真、左側の枯れ葉は関係なく、
右側の丸いもの。大島には噴火の時に出来る「豆石」という、
火山灰と雨粒が一緒になって作った「雨の化石」がありますが、
それとも違います。もう少し大きくて直径2センチくらい。
卵のような・・・幼菌のうちは食べられるそうです。
この時は、中身は白くて堅いです。



 切通しや土地境界の土手などで、
土が露出した場所に発生する「ツチグリ」です。
クリといっても樹木の栗ではなくて、
ドングリなどに似ているところから名付けられました。
これはまだ開きかけのところ。
大島は年間降水量2500~3500ミリの
温暖多雨多湿の島。キノコの仲間も元気です。

成熟して湿気を吸って外皮がはがれると、



 こんな風に土の斜面で星型に開きます。
・・・だから「地上の星」と。
それが更に湿度を得て、外皮の先端で爪先立つように、
海のタコのようになって地面から離れます。



 上の写真は、土手からころげ落ちて側溝の縁に集まっていたツチグリたちです。



 土手にへばり付いている若そうなのを1つ、
そっと掘り採ってみると根っ子がありましたが、
これは、根状菌糸という、切断されることの多い部分です。
どうもツチグリは樹木の根と共生(寄生)している
菌根菌のようです。



 袋を切って中身を見ると、フカフカで、
細かなスポンジかワタのようです。
この仲間は「腹の中に胞子を抱えたキノコ」の意味で腹菌類といいます。
キツネノチャブクロやフクロツチガキが同じ仲間です。



 中の丸い部分(子実体)の頂きに空いた穴から煙のような胞子を出します。
その瞬間を撮影に成功! したと思ったんですが、
写ってますか?!(汗) 左手でツチグリをつついて、
右手でカメラのシャッターを押してたもので・・・(涙)
褐色の煙が出ていると思って見て下さい。(笑)



 さてさて、長くなってしまいました。
最後はクルマの中に置いて乾燥させてみたもの。
タイトルの「晴天の旅行者」とは、外皮が乾くと、
閉じて丸く球状になって風に吹かれて地上を移動して行くことから、
こう呼ばれるそうです。
移動して胞子をばらまくとは、あっぱれな! 天晴れなキノコじゃ!!

(なるせ)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風景が語る物語

2010年03月04日 | 火山・ジオパーク
昨日のツアーは山が霧だったために、元町溶岩流まで足をのばしました。
その時、溶岩流の景色を見ながら、不思議な思いにとらわれました。

黒い溶岩の上に生えているのはススキが1箇所だけ。
後は黒々とした溶岩に、わずかにコケと地衣類が観察できるだけです。

「???」
カルデラ内の1986年に流れ出た溶岩や裏砂漠のスコリア(火山礫)の上にはハチジョウイタドリが
パッチを作っているのに、何故この場所には何も無いのでしょう?
ここでは他の場所よりも大きい10~30cmぐらいの溶岩がガラガラしていますが、
その事と何か関係があるのでしょうか?

すごく不思議に思って、今朝、元町溶岩流の上の方にある元町林道北線の火口周辺を調べに行ってきました。

火口の上の細かいスコリアの上には、ハチジョウイタドリが芽を出しはじめ、オオバヤシャブシが花をつけていました。
春らしい明るい風景です。


溶岩が流れ下った場所を少し登ってみたら、元町溶岩流と同じぐらいの大きさの溶岩でできた一角がありました。
この写真をご覧下さい。

溶岩の上にはコケが付いていますが、まだ他の植物はほとんど成長していません。
噴火後23年の年月が流れているというのに…。

そのすぐ下の場所は土ができていて歩きやすく、様々な植物が生えていました。
土の層はごく薄く、1cm掘っただけで4~5cm大のスコリアが何個も出てきました。

小さな粒の火山礫の上は植物にとって不安定で生きにくいとはいえ、
大きくてガラガラ崩れる溶岩の上より少しはマシな環境のようです。

この場所は溶岩止めの工事が施され、スコリアが下に転がらないようになっているため
より土壌が安定したのでしょう。

元町の溶岩流は目が粗すぎて、イタドリの種は奥深くまで落ちてしまい、
太陽の光が届かなくて発芽できなかったのかもしれませんね。

ちなみに噴火の際、大きな溶岩はあまり遠くに飛べないと言われています。
元町溶岩流のガラガラは、まとまって流れてきた溶岩の上部が風化し崩れたものなのでしょう。
「火の川」の光景が目に浮かぶような気がします。

様々な生き物の命が、風や土壌やその他の自然条件によって影響を受け、違う景色を作っていくのですね。

火山や植物を知れば知るほど、「ここは噴火の時、こんな事が起こっていたのではないか?」とか
「その後、植物達はこんなふうに戦いを繰り広げていたのではないか?」と想像できるようになりました。

一つの風景の奥に長い歴史やドラマがある事に気づくたびに、野外を歩く楽しさが増すような気がします。

(カナ)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今日の勉強会

2010年03月03日 | 今日の大島
みなさん、こんばんは。
今日はスタッフの勉強会に参加して来ました。
場所は大島南部のトウシキ周辺。

まずはトウシキで溶岩流のお勉強。
海の波が岩の穴から私たちの方へ吹き寄せるポイント。
一見、波に侵食されて岩に穴が開いたのかと思いきや、
どうやら両側から寄せてきた溶岩がぶつかり合ったところらしい。
すごい、溶岩流で出来た地形!

その足元には粘土化した溶岩の土。
よく見ると玉砂利みたいなものがたくさん。
これは「まめいし」と言って、噴煙が上がっているときに雨が降ると
その雨粒に煙がくっつき出来たものらしい。
指先ほどの小さい土ころだが、地面にしっかりくっついていて、
はがすとしっかりと硬い。

その後、波浮港で鳥の観察。
このブログでも何度も紹介されているシノリガモも見れました。
水面をスイスイ泳ぎながら、時々水中を覗いては餌を探していました。
カニがお好きなようです。
その他にはオオセグロカモメやウミネコがいました。
その中に混ざってシロカモメもいました。
鳥に詳しいスタッフが少し興奮気味だったので、
きっと大島ではめずらしいのでしょう。

今日もいろいろな発見のある一日でした。

(のり)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桜の木の下で

2010年03月02日 | 
 今日の伊豆大島はどんよりとした雲がひろがりすっきりしませんでした。
 しかし昨日はちょっと風がありましたがスカッと晴れて気持ちの良い天気でした。

 今伊豆大島ではオオシマザクラが花盛り。ヤブツバキも引き続き咲いています。また野生種ではありませんが梅や桃も咲いていたりしてまさに花盛りです。

 昨日は天気が良かったので(?)オオシマザクラの木の下に腰を下ろしてみました。大きな木の枝はしだれ気味に下がり傘のようになっていました。その中に入るとまるで包み込まれているかのような不思議な感覚です。
 
 目の前の茂みでガサゴソと音がするな、と思ったら目の前1,5mほどのところにイタチが顔を出しました。私と目が合って両者びっくり。イタチは踵をかえして逃げて行ってしまいました。

 この日は暖かかったので、冬鳥のアカハラがさえずりの練習をしている声が遠くから聞こえてきました。彼らももうすぐ北へ渡りをはじめることでしょう。

 桜の木の下にいると、いつもやってくる鳥がいます。

一つはヒヨドリ。



鳥へんに卑しいと書いてヒヨドリ…。かわいそうに…(笑)
しかし実際、結構食いしん坊で餌台でも他の鳥を追い払ったり、他の鳥の餌を強引に横取りしたりとやんちゃし放題です。
 そのくせ(?)大の甘党で果物や花の蜜が大好き。だから蜜がたっぷりのツバキも桜も大好物です。でも花ごと食いちぎったりまだ開いていないつぼみに穴を開けたりするので人間には嫌われがちです…。(^▽^;) 

 

 しかし花にとってはヒヨドリはただの厄介者でもないようです。よく見るとどの個体もみんな花の花粉で顔が黄色くなっています。こうやって花から花へと花粉を運び、受粉に一役かっているんですね。

 このヒヨドリですが、北海道から沖縄までどこにでも分布し繁殖している鳥ですが、実は外国にはほとんど分布していない鳥で、ほぼ日本固有種と言っていいくらい世界的には珍鳥です。みなさんもヒヨドリを大事にしましょう。(?)


↑桜に囲まれたヒヨドリ。かわいいでしょう?(^▽^;)

 ところが伊豆大島のヒヨドリには大きな謎があって、冬の間は島中ヒヨドリだらけなのに、4月頃から急激に個体数が減って夏にはほとんど居なくなってしまうのです。そしてまた秋9月ごろになると大挙して渡ってくるのです。

 伊豆大島でまったく繁殖していないわけではないのですが、わずか数つがいに過ぎないと思われます。なぜこの島では繁殖しないのか?!
個人的にはタイワンリスが生息しているせいではないかと推測しています。巣を壊されたり卵を食べられたりするのではないかと…。

 さて、もう一種類の鳥が群れで飛んできました。



メジロです。日本産野鳥の中でも三大甘党の一角です。メジロたちもまた顔中花粉だらけで大騒ぎです。


おりゃーっ


とりゃーっ

次から次へと花に顔を突っ込みひっきりなしに鳴き交わしながら私の周りを通り過ぎていきます。こちらがじっとしていれば手が届きそうなところまで近づいてきます。



ちょっと休憩中。

しばらく座っているだけでたくさんの命を感じることが出来、静かにしていると小さな彼らから命の息吹を感じることもできます。それは鳥達だけでなく自分を包み込んでいる大きな桜の木からも伝わってくるのだと思いました。

たまには、こういうのもいいな。

毎日のんびりしてるけど(^▽^;)

(あまの)

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする