浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】鳩山由紀夫・金平茂紀・屋良朝博『対米従属を問う』(旬報社)

2013-06-01 20:08:30 | 日記
 鳩山由紀夫はもと総理大臣。普天間基地移設問題について、彼は県外移設を唱えた。しかし結局、わけがわからないことを言って辺野古移転に「転向」、そして総理を辞任。民主党政権ができたときは、多くの国民に期待を与えたのに、その後、菅、野田と続き、結局民主党でも自民党でも大して変わらないという「現実」を突きつけた。

 そして今は、選挙では信任されなかったのに、選挙制度で勝利した自民党の天下である。自民党の天下ということは、対米隷属度がアップしているということでもある。

 この本のなかに、イタリアの航空安全局の高官から、「(日本の)主権は大丈夫か」といわれたということが書かれている。日本の領土・領海の上には、当然領空がある。しかし日本の中には、日本の領空といえないところがたくさんある。アメリカ軍の管制下にある、たとえば「横田ラプコン」という米軍管制の空域は、1都8県にわたる広域のものであるが、民間機はこの空域を避けて飛んでいる。日本の領空は、アメリカに提供されているのだ。

 ついでに言っておけば、今、何人の外国人が日本に在住しているか、正確には答えられない。なぜか。米軍人・軍属は、日本に入国するときに入管を通過しないからだ。米軍人軍属は、米軍基地に自由に降り立つ。あたかも国内にいるときのように。

 日本の主権は、米軍の存在によって大きく制約されている。官僚はもとより、日本国民もそれにたいして疑問を持たないようだ。アメリカに隷従することがその体質となっているともいえる。

 「尖閣諸島」という居住に適さない島々について、中国に対しては居丈高に叫ぶ政府や日本人は、沖縄にある米軍基地や、領空に対する主権放棄、治外法権の米軍人軍属の存在については批判をしない。中国や韓国などアジア諸国に対しては居丈高に対応し、アメリカに対しては卑屈になる日本人の意識を、ボクは「日本的帝国意識」と規定しようと思う。



 金平さんはTBSの「報道特集」のキャスターである。彼は「日本という国および国民にまで浸透した「属国根性」というか、逆に言えば何から何までアメリカという国の意向に沿って決まっていく国のありようを、マスメディアの立ち位置にいたるまで思い知った」と語っている。

 また金平さんは、「北方領土」に関する「4島一括返還」という、ロシアが決して受け入れないことをひたすら主張する日本政府の背後にアメリカの意図を感じ、その主張と異なる対応をした外交官を放逐する「チカラ」におそろしさを感じるという。

 そしてメディアの役割に言及する。

 「メディアの役割は、宣伝やPRだったり、広報をすることではありません。「ほんとうはこういうことだけれども、これについてどう考えますか」というアジェンダというか、議題をきちんと設定し、そのために材料を国民に提供すること」なのだと。

 残念ながら、多くのメディアはそうした役割を果たさないで、あろうことか扇動の役割を担っている。金平さんのようなジャーナリストは少ない。

 すぐに読める本だ。買わなくてもよいが、読んでみる価値はある。


 
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自らを鼓舞する

2013-06-01 07:10:17 | 日記
 ボクには、自分自身が弱気になったときに口ずさむうたがある。「ワルシャワ労働歌」である。その歌詞を掲げる。


暴虐の雲 光ををおおい
敵の嵐は荒れ狂う
ひるまず進め我らが友よ
敵の鉄鎖をうち砕け

自由の火柱輝かしく
頭上高く燃えたちぬ
いまや最後の闘いに
勝利の旗はひらめかん

起て同胞(はらから)よ
行け闘いに
聖なる血にまみれよ

砦の上に我らの世界
築き固めよ勇ましく


 
 勤務先の問題点を指摘する新聞記事の連載が始まったその日の朝、情報を提供したのはおそらくボクであろうと多くの人は思うはずだ。ボクは「敵地」に乗り込む気持ちでハンドルを握った。勤務先に着くまで、ボクはこの歌を歌い続けた。

 この歌をうたうと、なぜか力が湧き上がるのだ。

 どんな曲か、下記のブログでこの曲を聴くことが出来る。

 http://blog.goo.ne.jp/19471218/e/903291935698995bda7bf49c98d0011b

 おそらくボクは、友人の死にあうときも、この曲を頭の中で歌うはずだ。耐えられない現実に耐えるため、力を湧き上がらせなければならない。

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