「世界経済は1990年代以来、今日に至るまで、連続的な金融・通貨危機に襲われ続けている。これら危機の多くは、タックス・ヘイブンを舞台に、非生産的なマネー・ゲームに狂奔するヘッジ・ファンドその他の投機マネーが引き起こしたものである。その淵源をさかのぼれば、新自由主義の下で規制から解き放たれた人間の強欲(グリード)がある」と、著者は正当なことを指摘する(225)。
おそらく現在の日本の株価を押し上げたり、押し下げたりしているのも、そうした強欲に端を発する者・機関が蠢いているのだろう。
世界の富裕者は、世界の巨大企業は、課税から逃れるために、タックス・ヘイブンを利用する。そうして本来払わなければならない税金を払わない。所得税や法人税が、平等という観点からもっともあるべき税であるが、しかしそうした税の支払いを嫌う面々が、タックス・ヘイブンを利用して、納税逃れをする。
その実態が、詳細に記されている。
志賀氏は、官僚としては珍しい正義感の持ち主であって(といっても現在は官僚ではない)、世界の富裕者や大企業のマネーゲームや税逃れを厳しく追及してきた人だ。
タックス・ヘイブンの背後には、ウォールストリートやシティがいて、彼らもそれを利用しているという。またタックス・ヘイブンは椰子の実がなるところだけではなく、ヨーロッパや大西洋上の島や、アジアにも点在して、そうしたカネをかくまっている。
著者は、官僚時代に見聞きしたことを、きちんとわかりやすく書き上げている。
富裕者の税逃れの対策として、消費税があたかも特効薬であるかのような、といってもやむなくという点を指摘しながら記述をしているが、これとて富裕者の強欲を一般庶民が肩代わりするという側面を持つのではないか。
本書は、タックス・ヘイブンとは何か、どこにそれがあるか、どうしたらマネーゲームとその演出者たちを規制できるか、を記している。
私たちは、こういう現実を知らなければならない。
この本もお薦めである。
おそらく現在の日本の株価を押し上げたり、押し下げたりしているのも、そうした強欲に端を発する者・機関が蠢いているのだろう。
世界の富裕者は、世界の巨大企業は、課税から逃れるために、タックス・ヘイブンを利用する。そうして本来払わなければならない税金を払わない。所得税や法人税が、平等という観点からもっともあるべき税であるが、しかしそうした税の支払いを嫌う面々が、タックス・ヘイブンを利用して、納税逃れをする。
その実態が、詳細に記されている。
志賀氏は、官僚としては珍しい正義感の持ち主であって(といっても現在は官僚ではない)、世界の富裕者や大企業のマネーゲームや税逃れを厳しく追及してきた人だ。
タックス・ヘイブンの背後には、ウォールストリートやシティがいて、彼らもそれを利用しているという。またタックス・ヘイブンは椰子の実がなるところだけではなく、ヨーロッパや大西洋上の島や、アジアにも点在して、そうしたカネをかくまっている。
著者は、官僚時代に見聞きしたことを、きちんとわかりやすく書き上げている。
富裕者の税逃れの対策として、消費税があたかも特効薬であるかのような、といってもやむなくという点を指摘しながら記述をしているが、これとて富裕者の強欲を一般庶民が肩代わりするという側面を持つのではないか。
本書は、タックス・ヘイブンとは何か、どこにそれがあるか、どうしたらマネーゲームとその演出者たちを規制できるか、を記している。
私たちは、こういう現実を知らなければならない。
この本もお薦めである。