今日の『東京新聞』のコラム。
<俺は殺されることが 嫌ひだから 人殺しに反対する、従つて戦争に反対する、自分の殺されることの 好きな人間、自分の愛するものゝ 殺されることのすきな人間、かゝる人間のみ戦争を 讃美(さんび)することが出来る>
▼白樺派の作家、武者小路実篤の詩「戦争はよくない」の一節だ。自分は殺されたくない。愛する人が殺されるのを見たくもない。夫や子を戦場には行かせたくない。そんな思いこそは、戦争を防ぎ、不幸にして起きた戦争を終結させる最大の力だ
▼米軍の無人機のパイロットたちを送り出す妻が、夫の戦死を案ずることはないだろう。無人機が飛ぶのは米国から一万キロも離れた戦場の上空だが、操縦は本土の基地で行う。仕事を終えたら、テレビの連続ドラマに間に合うようにマイホームに帰る
▼そんな戦争の新しい形を支えているのが人工知能だ。『ロボット兵士の戦争』(P・シンガー著)によれば、米国内で人工知能研究に費やされる資金のうち、八割は米軍が提供しているという
▼自ら敵を探し、仕留める。当然ながら、何の疲労も葛藤も感じないまま。そんなロボットの開発は凍結すべきだとの勧告が
国連に出された。勧告は「ロボット兵器に殺人を許すことは、命の重みを軽んじかねない」と指摘する
▼<殺されることが嫌ひ>という感情こそは、ロボット開発に必要な「安全回路」だろう。
こういう文は読んでいて安心できる。まったくまっとうな感情であり、思考である。これを「極左」というなら、「極左」こそまっとうだということである。
<俺は殺されることが 嫌ひだから 人殺しに反対する、従つて戦争に反対する、自分の殺されることの 好きな人間、自分の愛するものゝ 殺されることのすきな人間、かゝる人間のみ戦争を 讃美(さんび)することが出来る>
▼白樺派の作家、武者小路実篤の詩「戦争はよくない」の一節だ。自分は殺されたくない。愛する人が殺されるのを見たくもない。夫や子を戦場には行かせたくない。そんな思いこそは、戦争を防ぎ、不幸にして起きた戦争を終結させる最大の力だ
▼米軍の無人機のパイロットたちを送り出す妻が、夫の戦死を案ずることはないだろう。無人機が飛ぶのは米国から一万キロも離れた戦場の上空だが、操縦は本土の基地で行う。仕事を終えたら、テレビの連続ドラマに間に合うようにマイホームに帰る
▼そんな戦争の新しい形を支えているのが人工知能だ。『ロボット兵士の戦争』(P・シンガー著)によれば、米国内で人工知能研究に費やされる資金のうち、八割は米軍が提供しているという
▼自ら敵を探し、仕留める。当然ながら、何の疲労も葛藤も感じないまま。そんなロボットの開発は凍結すべきだとの勧告が
国連に出された。勧告は「ロボット兵器に殺人を許すことは、命の重みを軽んじかねない」と指摘する
▼<殺されることが嫌ひ>という感情こそは、ロボット開発に必要な「安全回路」だろう。
こういう文は読んでいて安心できる。まったくまっとうな感情であり、思考である。これを「極左」というなら、「極左」こそまっとうだということである。