浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

消えた「不戦の誓い」

2014-01-09 10:36:15 | 政治
 自民党は「戦う」気持ちだ。現在を「戦間期」と表現することが多くなった。なぜなら安倍政権は、戦争を行う態勢づくりに躍起になっているからだ。

 このままでは、自衛隊員が戦闘を行うことが、必ずでてくる。戦争とは破壊と殺人である。自衛隊にそういうことをさせてよいのかが問われる時となった。

 以下は『日経新聞』記事。


自民、靖国巡り「不戦の誓い」削除 運動方針最終案

2014/1/8 19:23

 自民党は8日、2014年の運動方針の最終案を発表した。靖国神社について「参拝を受け継ぎ、国の礎となられた方々に対する尊崇の念を高め、感謝の誠をささげ、恒久平和への決意を新たにする」と明記した。例年とほぼ同じ内容。原案にあった「不戦の誓いと平和国家の理念を貫くことを決意し」との表現は削除した。党内で「不戦の誓いをする所ではない」などと反発が出たため。首相は参拝後、記者団に「不戦の誓いをした」と発言。政府は米側に同様の説明をしている。

 運動方針は、憲法改正の機運を高めるため「全国で対話集会を行う」とした。機密を漏洩した公務員らへの罰則を強化する特定秘密保護法では「国民の理解を得るため、必要性を丁寧に説明していく」と明記した。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選挙制度

2014-01-09 09:21:32 | 読書
 今月号の『世界』は、小選挙区制度に焦点をあてている。当然である。この制度が導入を前提にして出現したときから、小選挙区制度は、民意をそぎ落とし、保守的な政治勢力が政権を運営する方向にならざるを得ないということは指摘されていたのである。従って、今更小選挙区制度は・・・という議論がおこなわれても、大きな問題をはらむ選挙制度であることはすでにわかっていたはずだ。

 そこでもう一度、山口論文から引用する。

 政治の学問的観察をもとに、実践的、規範的な提言をするとき、政治という活動は単純化される。・・・問題は、単純化という知的作業に伴う制約や限界を自覚するかどうかである。その点を顧みれば、私自身の議論も含めて、単純化に対する懼れを持たず、「こうして、こうすりゃ、こうなる」という安直な議論が多かったような気がする。

 おそらく山口二郎は反省しているのだろう。だがボクは彼を信用できない。なぜか。彼の議論は、この論文では最初に「社会科学としての政治学」について論じてはいるのだが、「社会科学」とはまったくいえないような、きわめて主観的なものであったということができる。彼は、政権交代をさせるべきだ、そのためには小選挙区導入という「政治改革」が必要だと説いた。きわめて「単純化」した議論であった。「制約や限界を自覚」するどころか、小選挙区制に対する批判を無視したのである。そしてその結果彼は「幻滅」した。
 ボクは彼の議論は致命的な欠陥を持っていると思う。つまり極めて主観的だということだ。「社会科学としての政治学」を論じる資格はない「学者」であるということだ。それはこの論文にも見て取れる。

 多くの批判的な言説を無視し、みずからの願望を「単純化」して小選挙区制導入の旗振り役をし、今度は安倍政権が誕生して悪政の限りをつくしていると知ったときに「幻滅」を公表する。そして「絶対に譲れない政治的価値について考えることこそ、政治学の課題である」と、今度は非実践的な思考に陥る。

 『世界』今月号には、他の学者の論文が掲載されている。中北浩爾、中野晃一両氏の議論は具体的で、また本質的な議論を行っている。山口は、こうした論文を読み、学ぶべきである。中野論文には、イギリスの小選挙区制の実態が具体的に記されているが、山口もイギリス政治を研究してたはずだ。

 中野は、こう記している。

 イギリスの場合、戦後を通してこんにちに至るまで18回総選挙があったなかで、第一党が過半数の議席を獲得できなかったことは2回だけで、残り16回は過半数の議席を制しているが、実際には第一党が有効投票の過半数を得票したことはただの一度もない。

 つまり民意をそぎ落とす選挙制度のおかげで、得票率が少なくても第一党が多数の議席を獲得し、政権を維持することができたのである。山口はそういう選挙制度であることを知っていながら推進したのであり、その結果が自らの意に沿わないと「幻滅」する。果たしてこれが学者の議論と言えるのか。

 今、『世界』が、山口にこうした主観的な論文を書かせていることに疑問をもつ。山口も
少しは謙虚におのれの議論を反省してみたらいかがか。山口の論文より、中北、中野の論文が何倍も有益である。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする