浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

ラスキ

2014-01-14 22:07:46 | 読書
 ラスキは、イギリスの政治学者である。もうずっと過去の人である。

http://kotobank.jp/word/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%AD

 さてそのラスキの著書(『信仰・理性・文明』。これは岩波書店から1951年に中野好夫訳で刊行されているが、丸山が書評を書いたときには出版されていないので、原書読んだのだろう。原書Faith, Reason, and Civilisationは1944年。)を、丸山真男が書評している。「西欧文化と共産主義の対決」(『現代政治の思想と行動』所収)である。書かれたのは、1946年。しかしその内容は、ラスキの著書の内容も含めて、現在にも生きる内容である。

 まず指摘しておきたいことは、第一次大戦と第2次大戦の間、ラスキは「快楽の組織されたる外面化」に言及している。つまり「戦間期」の社会状況としてこういうことを書いているようなのだ。

 「ヴェルサイユ条約から第2次大戦までの20年間は、理性とか規準とか、計画し予測する能力とかが、ともかく通用していた世界から、不合理、暴力、価値の絶えざる逆転、未来の不可測性と浮動性の支配する世界への急速な堕落の時代」

 これって、今のことじゃないのか、と思ってしまう。

 ラスキは、その背景に知識人の堕落を想定しているようなのだ。

 「19世紀の傑出した知識人は、バイロンであれ、ディッケンズであれ、スコットであれ、バルザックであれ、みな大衆の生活の切実な課題と取り組み、同時代の人々の思想と感情に決定的な影響を与えた。さればこそ、大衆はバイロンの死に人格的損失を感じ、ディッケンズのうちに星とたわむれる巨人の姿を謙虚に承認したのである。それはまさにデモクラシーの勃興期に於ける知識人と大衆との美しき結合であった。・・・・(ところが)インテリは大衆に呼びかけることを止め、社会的革新への関心も打ち捨て、次第に支配階級の添え物に成り下がったのである。それは知識人の最高の任務を裏切ることであり、この任務を怠ったことが、ドイツの、イタリーの、フランスの悲劇を招来したのである。」

 この言説は、現在にも通じる主張でもある。

 しかし現在は、知識人の地位が低下し、「知」を尊重しない風潮、それは特にインターネット世界の書き込みに端的に現れているが、それが力を持っている。

 書店のでも積まれている本には、根拠なき放言を書き散らしたものが多い。そういう本が売れている。

 歴史は繰り返す、このことを、丸山真男を読んでいて感じる。ずっと前にこの本を読んだときに、感じなかったことを感じている。恐ろしいことだ。





 
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沖縄・名護市長選

2014-01-14 14:55:47 | メディア
 名護市長の稲嶺進さんの当選を心から祈る。すでに選挙カンパは送った。おそらく反対陣営は、莫大なカネをつかって稲嶺さんの追い落としをはかってくるだろう。

 沖縄の基地なき発展は、辺野古への新基地建設を阻止できるかどうかにかかっている。卑劣な判断をした仲井真・沖縄県知事に対する最大の抗議として、稲嶺さんの当選を期待している。

 作家・目取真俊さんのブログを紹介する。

http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/687e4f999678d2e9fa3900fe0941225a

 ついでに『東京新聞』社説。


名護市長選 「辺野古」問う重い判断

2014年1月14日


 沖縄県の名護市長選は、米軍普天間飛行場の同市辺野古沿岸部への移設の是非が大きな争点だ。仲井真弘多県知事による県内移設容認に対する最初の審判でもある。市民の重い判断を注視したい。

 十二日に告示された名護市長選は任期満了に伴うもので、十九日に投開票が行われる。日米両政府が普天間飛行場の「県内」移設条件付き返還で合意した一九九六年以降、五回目の市長選である。

 現職で、再選を目指す稲嶺進氏(68)は前回、辺野古への県内移設反対を掲げ、容認派だった当時の現職を破った。

 当時は鳩山由紀夫首相の民主党政権が二〇〇九年衆院選の公約に掲げた「国外・県外」移設の検討中という状況だ。沖縄県へのさらなる米軍基地集中は拒否するという民意を後押ししたのだろう。

 今回は状況が全く違う。安倍内閣が辺野古移設を強力に推進し、仲井真知事も昨年十二月、沿岸部の埋め立てを承認した。

 稲嶺氏は今回の出陣式で「日本の民主主義を問う一大決戦」と述べた。その矛先はまず日米両政府と仲井真知事に向けられている。

 地元自治体の反対を一顧だにせず、両政府による辺野古移設強行は民主主義といえるのか、県外移設を掲げて当選した仲井真知事の埋め立て承認は公約違反ではないのか、ということだ。

 仲井真知事に対し、県議会は辞職要求決議案を可決した。海外の有識者ら二十九人も知事の承認を批判する声明を発表した。公約を撤回するのなら、辞職して県民に信を問うべきでなかったか。今回の市長選では、知事判断の妥当性も問われることになる。

 たとえ辺野古移設を推進する新人で前沖縄県議の末松文信氏(65)が勝利しても、米軍基地をめぐる問題が解決されるわけではない。

 普天間返還が実現しても、その基地負担は辺野古にのしかかる。日米安全保障体制の恩恵を国民が等しく享受しながら、その負担を沖縄という一地域に押し付けていては民主主義国家とは言えまい。

 沖縄に次いで米兵らの犯罪が多い神奈川県で、〇八年からの五年間に一般刑法犯として起訴された米軍人・軍属とその家族は送検されたうち一割に満たないことが本紙の調べで分かった。背景には日米地位協定の制約がある。

 在日米軍基地問題は突き詰めれば日本の主権の問題だ。今回の市長選は名護市民のみならず、すべての日本国民にも、民主主義のありようを問うているのである。


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これでよいのか!

2014-01-14 14:49:39 | 読書
 日本の経済政策は、輸出を基調とする大企業優先に特化している。たとえば自動車の輸出が減ると、減税や新車購入に対する補助金を出したり、そして円安にふれるようにする。

 円安になると、海外にほとんど依存する石油や天然ガスなどの輸入価額が増大し、国内向けの需要に対応して生産している中小企業などが物価高により影響を受ける。一般の人々の生活も物価高で影響を受ける。一部の輸出大企業に勤める者たちだけが、円安の恩恵を受ける。

 今日の『東京新聞』夕刊の記事。


過去最大の経常赤字 5928億円、11月国際収支

2014年1月14日 夕刊

 財務省が十四日発表した二〇一三年十一月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は五千九百二十八億円の赤字で、比較可能な一九八五年以降で最大の赤字額となった。原油などの輸入が膨らんで貿易赤字が拡大したのが主因だ。投資に伴う所得収支の黒字によっても補えず、日本経済の外貨を稼ぐ力の衰えが鮮明になった。

 経常赤字は二カ月連続。これまで最大の赤字額だった一二年一月の四千五百五十六億円を更新した。一三年一~十一月の累計の経常収支の黒字額は四兆円弱にとどまっている。

 十二月も低迷が見込まれ、一三年全体の経常収支は年間で過去最少だった一二年の四兆八千二百三十七億円の黒字を下回るのがほぼ確実だ。

 輸出から輸入を差し引いた一三年十一月の貿易収支は一兆二千五百四十三億円の赤字だった。赤字額は十一月としては最大、全月でも三番目の大きさ。

 輸出は前年同月比17・6%増の五兆六千三百十六億円、輸入は22・1%増の六兆八千八百五十九億円。火力発電の燃料に使う液化天然ガス(LNG)や原油を中心とした輸入が、自動車をはじめとする輸出の伸びを上回って増加している。

<国際収支> 日本と海外とのさまざまな経済取引を集計した統計。モノやサービスの取引を示す「経常収支」と、直接投資や証券投資などの「資本収支」に大きく分かれる。経常収支は、輸出入の差額である「貿易収支」、輸送や海外旅行などの動きを示す「サービス収支」、利子や配当の受け払いに関する「所得収支」などで構成される。

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