ラスキは、イギリスの政治学者である。もうずっと過去の人である。
http://kotobank.jp/word/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%AD
さてそのラスキの著書(『信仰・理性・文明』。これは岩波書店から1951年に中野好夫訳で刊行されているが、丸山が書評を書いたときには出版されていないので、原書読んだのだろう。原書Faith, Reason, and Civilisationは1944年。)を、丸山真男が書評している。「西欧文化と共産主義の対決」(『現代政治の思想と行動』所収)である。書かれたのは、1946年。しかしその内容は、ラスキの著書の内容も含めて、現在にも生きる内容である。
まず指摘しておきたいことは、第一次大戦と第2次大戦の間、ラスキは「快楽の組織されたる外面化」に言及している。つまり「戦間期」の社会状況としてこういうことを書いているようなのだ。
「ヴェルサイユ条約から第2次大戦までの20年間は、理性とか規準とか、計画し予測する能力とかが、ともかく通用していた世界から、不合理、暴力、価値の絶えざる逆転、未来の不可測性と浮動性の支配する世界への急速な堕落の時代」
これって、今のことじゃないのか、と思ってしまう。
ラスキは、その背景に知識人の堕落を想定しているようなのだ。
「19世紀の傑出した知識人は、バイロンであれ、ディッケンズであれ、スコットであれ、バルザックであれ、みな大衆の生活の切実な課題と取り組み、同時代の人々の思想と感情に決定的な影響を与えた。さればこそ、大衆はバイロンの死に人格的損失を感じ、ディッケンズのうちに星とたわむれる巨人の姿を謙虚に承認したのである。それはまさにデモクラシーの勃興期に於ける知識人と大衆との美しき結合であった。・・・・(ところが)インテリは大衆に呼びかけることを止め、社会的革新への関心も打ち捨て、次第に支配階級の添え物に成り下がったのである。それは知識人の最高の任務を裏切ることであり、この任務を怠ったことが、ドイツの、イタリーの、フランスの悲劇を招来したのである。」
この言説は、現在にも通じる主張でもある。
しかし現在は、知識人の地位が低下し、「知」を尊重しない風潮、それは特にインターネット世界の書き込みに端的に現れているが、それが力を持っている。
書店のでも積まれている本には、根拠なき放言を書き散らしたものが多い。そういう本が売れている。
歴史は繰り返す、このことを、丸山真男を読んでいて感じる。ずっと前にこの本を読んだときに、感じなかったことを感じている。恐ろしいことだ。
http://kotobank.jp/word/%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%82%AD
さてそのラスキの著書(『信仰・理性・文明』。これは岩波書店から1951年に中野好夫訳で刊行されているが、丸山が書評を書いたときには出版されていないので、原書読んだのだろう。原書Faith, Reason, and Civilisationは1944年。)を、丸山真男が書評している。「西欧文化と共産主義の対決」(『現代政治の思想と行動』所収)である。書かれたのは、1946年。しかしその内容は、ラスキの著書の内容も含めて、現在にも生きる内容である。
まず指摘しておきたいことは、第一次大戦と第2次大戦の間、ラスキは「快楽の組織されたる外面化」に言及している。つまり「戦間期」の社会状況としてこういうことを書いているようなのだ。
「ヴェルサイユ条約から第2次大戦までの20年間は、理性とか規準とか、計画し予測する能力とかが、ともかく通用していた世界から、不合理、暴力、価値の絶えざる逆転、未来の不可測性と浮動性の支配する世界への急速な堕落の時代」
これって、今のことじゃないのか、と思ってしまう。
ラスキは、その背景に知識人の堕落を想定しているようなのだ。
「19世紀の傑出した知識人は、バイロンであれ、ディッケンズであれ、スコットであれ、バルザックであれ、みな大衆の生活の切実な課題と取り組み、同時代の人々の思想と感情に決定的な影響を与えた。さればこそ、大衆はバイロンの死に人格的損失を感じ、ディッケンズのうちに星とたわむれる巨人の姿を謙虚に承認したのである。それはまさにデモクラシーの勃興期に於ける知識人と大衆との美しき結合であった。・・・・(ところが)インテリは大衆に呼びかけることを止め、社会的革新への関心も打ち捨て、次第に支配階級の添え物に成り下がったのである。それは知識人の最高の任務を裏切ることであり、この任務を怠ったことが、ドイツの、イタリーの、フランスの悲劇を招来したのである。」
この言説は、現在にも通じる主張でもある。
しかし現在は、知識人の地位が低下し、「知」を尊重しない風潮、それは特にインターネット世界の書き込みに端的に現れているが、それが力を持っている。
書店のでも積まれている本には、根拠なき放言を書き散らしたものが多い。そういう本が売れている。
歴史は繰り返す、このことを、丸山真男を読んでいて感じる。ずっと前にこの本を読んだときに、感じなかったことを感じている。恐ろしいことだ。