浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

貧困

2014-01-28 22:52:03 | 日記
 ボクが『子どもの貧困 Ⅱ』(岩波新書)を購入したと書いたら、貧困問題に関する本についての照会があった。もちろんこの著者・阿部彩がかつて出した『子どもの貧困』(岩波新書)は、良い本であった。このブログでも紹介した記憶がある。

 「子どもの貧困」を考える際、子どもの貧困を取り巻く状況というのを考えるべきだと思う。

 子どもの貧困は、その子どもの親の貧困、つまり大人の貧困があるということ、ではその大人はなぜ貧困に陥ったのかを考えると、そこに貧困の連鎖があることに気づく。つまり社会全体の問題としての貧困問題が現れてくる。

 ただ日本の社会では、貧困は表に出てくることはなかった。高度経済成長により、しばらく社会の表面から貧困問題は見えなくなっていた。もちろんなかったわけではないが、社会問題となるような「量」はなかったといってよいだろう。

 では、今なぜかくも「貧困」がクローズアップされるのかというと、貧困に苦しむ人々の「量」が増え、それに伴い日本社会の「質」も変わってきたからだ。いや「量」の増加と「質」の変化とは、同時的であったように思う。

 その背景にあるのは、新自由主義にもとづく経済政策の展開である。ボクは決してこの人の名、ミルトン・フリードマンを忘れるなと言い続けたが、「現在の貧困」をつくりだした新自由主義とはいかなるものかを知るためには、デヴィッド・ハーヴェイの『新自由主義』(作品社)をまず読むべきだ。そしてポール・クルーグマンの『格差はつくられた』(早川書房)など。

 貧困の現状を知ることは必要だが、その貧困をつくりだしたものがなんであるのかを知っていないと、どうしたらよいのかはわからない。しかしそれでも、『子どもの貧困 Ⅱ』は、副題に「解決策を考える」とあるが、具体的な処方箋をつくることは、簡単にはできない。

 ボクたちは政治権力を掌握しているわけではないし、たとえ掌握していても、簡単に解決できるとは思わない。

 なぜか。そこにそれぞれの生き方があるからだ。

 食料品を買うストアに行く途中に、パチンコ店がある。そこの駐車場は、いつもいっぱいだ。ボクはそれを文化的貧困だと思うが(ボクは宝くじ以外の賭け事はしない)、そういうところにカネを費消する人がたくさんいるようなのだ。それぞれがもつカネをどう使うかは、個人の自由である。それによって貧困に陥るのも、自由ではある。

 某弁護士から、「パチンコ売春」ということばを聞いたことがある。パチンコでカネを使い果たした女性が、パチンコで遊ぶカネを得るために売春するというのだ。パチンコによる貧困、という問題もあるのだ。

 社会を改良していくことは、とてもとてもエネルギーがいる。学び、考え、行動し・・・・それでも、社会は少ししか変わらないだろう。だが、その少しの改良を求めて、人間は努力してきたのだ。時に、その積み上げてきた努力を一瞬のうちに消しさることがあったとしても。

 「貧困」問題を考えるということは、社会構造や社会のあり方、経済政策、法律や制度、人間の生き方などを総合的に考えていくことなのだ。それはまさに、自分自身の生き方を考えることでもある。

 自分自身の生を、社会の貧困を減じることに役立つようにしたい、そういう人が増えていけば、社会は変わっていくと思う。

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【本】井上智勝『吉田神道の四百年』(講談社)

2014-01-28 13:31:32 | 読書
 いろいろなことを学ばせてもらった。学ばせてもらったこと。

 吉田神道(唯一神道)とはどのような神道であるのか。
 神社への位階付与はどのようになされるのか。
 吉田神道が地域の神職とどのように結びついていたのか。
 吉田神道がどのように勢力を広げていったのか。
 吉田神道に対する勢力はどのようなものがあったか。
 一村一社などの神社統合は、近世でも行われていた。

 これらのことが、京都弁や名古屋弁をとりまぜた引用で、たいへんわかりやすく書かれていた。

 幕末期、遠州地方では吉田神道との連携により、神職のヨコのつながりができていったが、その吉田神道がどのように地域と結びついていたのかがよくわからなかったが、この本でなるほど、と思った。ただし、この遠州地域の神職と吉田神道とが具体的にどういう関係をもっていたかはまだ調べてみないとわからない。理解の入口に立ったということだ。

 一般的に、寺院の研究はあんがいあるのだが、神社についての研究はあまりないので、とても参考になった。

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The New York times におけるNHK会長

2014-01-28 11:13:32 | メディア
 以下にニューヨ-クタイムズが、NHK会長の発言をどのよう伝えたか、全文を載せさせていただく。こういうかたちで、世界にながされているということを、井の中の蛙の日本人は知るべきだ。


Japan Official Under Fire for Saying Public Broadcaster Won’t Criticize Government
By MARTIN FACKLERJAN. 27, 2014

TOKYO — The head of Japan’s influential public broadcaster drew sharp criticism(鋭い批判を浴びた) on Sunday for saying that the broadcaster would refrain from criticizing(批評を避ける)
the right-leaning government(右寄りの政権) on such delicate issues as visits to a
controversial(意見の分かれる) shrine honoring war dead. He also said his nation should not be singled out(特別に扱われる) for forcing women into sexual servitude(性的隷属) during World War II.

The newly appointed chairman of the public broadcaster, NHK, Katsuto Momii, made the comments
during his inaugural news conference(就任の記者会見) on Saturday.

Other members of the news media in Japan quickly complained that NHK, widely
seen as the nation’s most influential news broadcaster, appeared to be under political pressure
to adhere to(忠実に守る) the government’s nationalist line on wartime and other issues.


Mr. Momii, a former corporate executive, was selected chairman last month by a 12-member board of governors, four of whom were named last year by the government of Prime Minister Shinzo Abe.

While the publicly funded NHK is nominally independent from the government,members of its
governing board are named by the government and approved by Parliament.

Many liberals fear that Mr. Abe will try to drive Japan to the right as he
tried to do during his first term as prime minister. His government has begun to slowly make
some moves in that direction, including a proposal that textbooks be rejected if they do not
teach patriotism in a way officials deem(判断する) proper. Mr. Abe also recently visited a Tokyo shrine that pays homage(敬意) to the country’s war dead, including war criminals — angering the Chinese and South Koreans who say such visits signal a lack of repentance for Japan’s wartime atrocities.


Mr. Momii also drew criticism from the South Korean news media for his comments about the women
forced to work in wartime brothels(売春施設); many of the women were Korean. Many South Koreans say these so-called comfort women should be compensated as victims of imperial Japan’s
brutal early 20th-century colonization of the Korean Peninsula.

Some members of the Abe government say that the women were no more than common prostitutes, a
view disputed by many historians.

On Saturday, Mr. Momii said that “all nations” ran military brothels during the war, and
questioned South Korean demands that Japan compensate surviving comfort women, most of them now
in their 80s and 90s.

“It is puzzling for Koreans to say that Japan was the only nation that forcibly took them,”
Mr. Momii said. “Give us money, compensate us, they say. But this was all resolved by the
Japan-Korea peace treaty. Why are they reviving this issue? Isn’t it strange?”

Mr. Momii was referring to the 1965 treaty that normalized relations between the two nations,
when the Japanese government says it resolved all issues of compensation related to the war.
Many South Koreans say the comfort women were not covered by the treaty because their existence
was not known until more recently.


Mr. Momii also said that it was ”only natural” for NHK to follow the Japanese government
position in international broadcasts on issues such as maritime territorial disputes with China
over islands in the East China Sea that both countries claim.


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