日々是マーケティング

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CMでも負け?-NTTドコモVSソフトバンク-

2007-09-22 22:41:29 | CMウォッチ
産経新聞にテレビCMの高感度調査結果が掲載されていた。

この調査結果をみると、ドコモよりもソフトバンクのほうが、全体的に高感度がよいようだ。
ソフトバンクの仕掛けた「価格競争」では、完全に他社が追従する結果となってしまっている。
auも遂に(?)、基本料金の実質的な値下げをはじめた。
ソフトバンクの「想定外」のときとは違い、CMの最後に契約時の注意事項がテロップとして出される。
テレビCMもシンプルに、「誰でも割」ということだけを言っている。
その意味で、受け手である生活者には「分かりやすい」CMとなっている。

それに対して、ドコモのCMは変に懲りすぎているような気がする。
割引プランのCMにしても、「話半分に聞いといて」といわれても、それが「割引プラン」と言うイメージが持ちにくい。
そもそも「話半分」という言葉の本来的意味から考えれば、「半額割引」には結びつかないような気がするのだ。
なぜなら「話半分」というのは、「大げさな作り話だから、まともに取り合わないでくれ」という意味だからだ。
他にも「半分」を言いたいが為に、無理な演出や言葉遊びが目立つ。

「反撃してもいいですか?」と、宣言をしてから次々と打ち出されるテレビCMは、今の生活者マインドにも合っているとは思えない。
実際、潜在的な顧客の掘り起こしとして考えられたはずの「ゲーム機能」などは、ゲームの内容ではなくその機能そのもののあり方が大いに疑問だった。
携帯電話を振ってゲームをするよりも、「Wii」でテレビ画面に向かって家族や友人と一緒にゲームをしたほうが、遥かに楽しいし「ゲーム本来の楽しさ」が味わえると言う、「当たり前の感覚」がスッポリと抜け落ちていた。

その後の「薄型携帯」の発売でも、「薄い」と言うコトを強調したいが為の演出だったはずなのに、「そんなコトはないでしょう」という感覚にとらわれるような内容となってしまっていた。
余りにも「言いたいこと」に対して凝った演出や、仕掛けをしているのだ。
それが「面白くないCM」という印象になったり、「で、何?」という印象になってしまっているのだ。
それが「いつになったら、反撃をするの?」と、言われてしまう結果となってしまっているのではないだろうか?