日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

トヨタとマツダ、対照的な色づかい

2015-09-30 19:07:05 | CMウォッチ

Yahoo!のバナー広告には、多くの企業の「今」を見る時がある。
特に、自動車メーカーのバナー広告は流される量も多いため、頻繁に目にするコトになる。
最近では、「排ガス規制」の問題が取り上げられたVWの広告が、まったく見られなくなってしまった。
その前には、トヨタの外国人役員の問題が発生した時も、パタとみるコトがなかった。一応、問題の決着がついたとたんに、頻繁に見るようになった。
そう考えると、Yahoo!などのポータルサイトに表示されるバナー広告は、テレビCMと同様に「その時々の企業を映す鏡」のようになってきているような気がする。

今、頻繁に流される広告の中で、印象的なのはおそらくマツダだと思う。
深い赤色の車種を並べている、というだけでもこれまでのマツダのイメージとは、ずいぶん違う印象を与えているように感じる。
一方「変わった色を使っているな~」という印象があるのが、トヨタだ。
7月に発売をした「シエンタ」に続き、今月発売した「マークX」も、CMとして使用している色は「黄色」だ。
先ほど、トヨタのHPを見たら限定として「86」も黄色のボディーカラーを発売したようだ。

以前拙ブログでも書いたコトがあると思うのだが、「色のイメージ」というのはその色を見た相手に対してだけではなく、発信者にとっても大きな心理的なものを表現しているコトが多い。

例えば、選挙のポスターなどを見るとわかると思うのだが、なぜか「紺(系)の背広に赤いネクタイ、白いワイシャツ」が使われるコトが多い。
「紺と白」で清潔感を出し、「赤」で挑戦や前進といった前向きな印象と「決意」を印象付けるため、と言われている。

その視点で見ると、マツダが積極的に「赤系」の色をCMなどに使う、というのはこれまでのマツダのイメージから脱却したい、という思いがあるだけではなく、新しいチャレンジをする企業というイメージを創りたいという気持ちの表れのような気がする。
その一つが新しい「クリーディーゼル」であり、バナー広告で見られるような「独自の技術」ということなのだろう。

一方「黄色」という色を使うトヨタは、どうなのだろうか?
多くの人にとって「黄色」という色は、「注意」という印象があると思う。
様々な色の中で、意外に目立つ色というのが「黄色」だからだ。
また「元気な色」という印象があるのも「黄色」だろう。
とすれば、トヨタが最近打ち出している「スポーツ」という、躍動感などを示すために積極的に起用しているのかもしれない。

マツダは自社のイメージを変えるために「赤系色」を多用しているのに対して、「黄系色」を使うトヨタはクルマを「移動手段」としではなく、「躍動感のある移動体」としたいのかもしれない。
そのメッセージが生活者に伝わるか、どうかは別の問題として・・・。
なぜなら、町中を走っているクルマの多くの色は「白・シルバー・黒」が、圧倒的に多いように思えるからだ。


ペットブームの陰で・・・

2015-09-29 21:15:55 | アラカルト

我が家は古い集合住宅なので、当然のことながらペットを飼ってはいない。
ただ、最近のペットブームを見て「凄いな~」と思うことがあった。
それは、仕事の都合で出かけていたある事務所近くに、1年ほど前、突然ペットショップができたときのコトだ。
路面店なので、人通りの多い側には「人気の犬種」のゲージがおかれ、道行く人が立ち止まっていた。
私も立ち止まり「かわいいな~」と眺めていたのだが、そのゲージの上には「月々のお支払いプラン」が、表示してあり「ペットといえども、商品なのだな~」と感じていた。

そのような「お店」で販売される、ペットは「商品」として流通している。
時々、新聞などで「犬・猫のブリーダーの管理の悪さから、周辺住民に迷惑をかけている」という話題が、登場するが「商品」として流通という点では、ほとんど報道されていなかった。
その「商品として流通するペット」について、朝日新聞に掲載されていた数字を見て、驚く半面「その程度なのか?」という疑問を持ったのだ。
朝日新聞:犬猫2万匹、流通過程で死ぬ 国内流通で初めて実数判明

数年前に、日本で飼われている犬の数が新生児の数を抜いた、と話題になったが、それよりもはるかに多い数の犬や猫が飼い主と出会う前に亡くなっているのだ。
それらの処分方法(犬・猫好きの方にとっては嫌な表現だともうが、あえて使わせていただく)などは、この記事ではわかっていない。
そしておそらくこの2万匹よりも多い数の犬や猫が、野良化したり殺処分をされたりしているのでは?と、想像する。
他にも、我が家のような「ペット飼育不可」だろうな~と思われる集合住宅などでも、ペットを飼っていらっしゃる方もいらっしゃる。
このような場合、飼い主のモラルということが度々指摘されるのだが、そのモラルが向上している・・・という話はあまり聞くコトがない。

流通過程で食べられなくなる食品とペットは同じだとは思わないが、「商品」として見るとその扱いは同じような感覚になってしまうのだろうか?
そしてその感覚の延長として、気軽にペットを飼っている・・・という傾向はないだろうか?

ちなみに、上述したペットショップは、半年ほどで撤退してしまった。
「ペット販売」というビジネスの気軽さというか、ある種の責任感の無さというのも感じた。
ペットブームをうんぬんする気はないが、そのブームの陰にある問題ということも、考えなくてはならないという気がする。


「人」を思うデザインは、美しい

2015-09-26 22:52:54 | アラカルト

先日、元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さんが、乳がんに罹患しているコトをブログで公表し、現在入院をされている。
手術は無事成功し、順調に回復されているようだが、これから先いろいろなコトが待っている。
その一つが、下着の問題だ。
拙ブログに来られる方の多くが、男性のようなので女性の下着といっても、ピンと来ないと思う。
「乳がん」の手術をした後というのは、手術痕の保護、その後の放射線治療と手術をしていない側の乳房のコトを考えたブラジャーが、必要になる。「医療用ブラジャー」と呼ばれるものだ。

ただ「医療用ブラジャー」というのは、お世辞にも「おしゃれ」とは言い難い。
「乳房喪失」という、強い身体的喪失感で打ちひしがれている時、「いかにも医療用」というブラジャーをする、というのは「あぁぁぁ、私は乳がん患者なのだ。綺麗なレースが付いたステキなブラとは縁がない身になったのだ」と、改めて感じる瞬間でもある。
そんな患者の気持ちを、英国のファッションデザイナー、ステラ・マッカートニーさんが「おしゃれをして!」と、「医療用ブラジャー」を発表していると、朝日新聞の「ファッション」記事に掲載されていた。

朝日新聞:バリアフリーを美しく 下着や義足の開発にデザイナー

ステラ・マッカートニーと名前を聞いて、オヤ?!と思われた方もいらっしゃると思う。
ポール・マッカートニーさんのお嬢さんで、母親であるリンダ・マッカートニーさんは乳がんで亡くなられている。
がん患者遺族だからこそ、「ステキなブラジャーを身に着けてほしい」という気持ちが、デザインに表れているような気がする。

他にも紹介されている「スポーツ用義足」を見ると、「義足」そのもののデザインが、シャープで躍動感があるように感じる。違う言い方をするなら「義足」がアスリートのような印象すら受ける。
もし、このような発想で、日々使う義足がデザインされたら、義足を使っている人達の気持ちも変わるのではないか?という気がしてくる。
もっと「街中へ出ていきたい!」という、気持ちになるのでは?

その「もっと街中へ出ていきたい!」という気持ちにさせるデザインが、ヤマハ発動機の「電動車いす」だと思う。
最近では、「電動車いす」を使って買い物をしたりする人の姿を、当たり前のように見るようになった。
以前のような違和感を、健常者も車いす利用者も持つコトが無くなりつつある、と感じている。
しかし、あの「無骨」で「重々しい」車いすというのは、おしゃれではない(と思っている)。
利用者視点という点では、あのようなデザインでなくては、難しいのかもしれない・・・と思いつつも、クルマをはじめとする「モビリティー」のデザインが、どんどん変化しているのに、「車いす」というモビリティーは大きな変化をしてこなかったような気がする。

ステラ・マッカートニーの「医療用ブラジャー」にしても、「スポーツ用義足」やヤマハ発動機の「電動車いす」にしても、それらのモノを使う人に対しての「思い」や「愛情」のようなモノがあり、「バリアフリー」という言葉のバリアを軽く飛び越えてしまうような美しさがある。
もしかしたら、デザインを美しくするのは「人を思う気持ち」かもしれない・・・と、感じさせるデザインだと思う。


マツダは大丈夫かな?

2015-09-25 21:33:34 | ビジネス

VWの「排ガス不正」は、ドイツの自動車メーカーにとって大きな衝撃となった。
衝撃だけではなく、独車全体に対する疑惑となってしまったようだ。 

Yahooニュース(時事通信):「独BMWも11倍超過」=欧州排ガス基準ー米NPO調査
疑惑を受けたBMW側は、すぐに「不正はない」と反論をしているが、反論できる第三者による具体的なデータが出ていないためだろう、株価が一時暴落したようだ。

VWもBMWも「排ガス規制」で問題になったのは、ディーゼル車だった。
いわば「クリーンディーゼル」を謳い文句に、積極的に売り出していた車種だ。
このような問題が起きると、「クリーンディーゼル」を謳うクルマ全体に、疑惑の念が抱かれるようになる。
ただ、欧州車を中心にディーゼル車への期待は大きいようだ。
事実、今日の日経新聞には、ジャガーが「クリーンディーゼル車」を発売する、という記事があった。
日経:輸入各社が相次ぎ新車 ジャガーはディーゼル車発売

「クリーンディーゼル」のイメージが悪くなったことで、とばっちり?を受けそうなのだが、マツダだろう。
ご存じのように、マツダは昨年ディーゼル車を久しぶりに発表し、人気を博している。
日本の自動車メーカーの中でも、元気があると感じさせるのがマツダ。
テレビCMなどでも、イメージよりも「クルマ作りにかける想い」を出すコトで、技術の高さから生まれた「クリーンディーゼル」を伝えて、成功をしている。
(もう一つ注目する点は、CMで使用しているクルマのカラーがすべて「赤系」という点だ。「赤系」のカラーイメージは、「挑戦」や「決意」といった、積極果敢な気持ちを表現する色と言われている。それだけマツダが力を入れた技術のクルマである、ということでもある)

もちろん、マツダは「排ガス規制」の不正はしていないと思っているし、信頼をしている。
ただ、今回の騒動は「クリーンディーゼル」というクルマ全体の、イメージダウンを招くだけの大きな問題なのだ。
ディーゼル車をつくっていないメーカーであっても、「日本のすべてのクルマは、排ガス規制を順守している」ということを、国内だけではなく国際市場にも訴えていくコトが必要だと思う。
むしろ、早い段階で訴えるコトで「日本車の安全性・機能性・環境性能」などの高さを、改めて示すチャンスとなるはずだ。

特にマツダの場合、「同じクリーンディーゼル車でも、VWやBMWとは、このように違いますよ!」と言うことで、市場への安心感を作り出すコトができる。
それだけではなく「クリーンディーゼル」という点では、遅れをとっていた感のある日本車が、市場を挽回するチャンスとなる。

今回の「VW車によるディーゼル車の排ガス不正問題」を、ピンチととらえチャンスとできるのか?マツダだけではなく、日本の自動車メーカー全体の動きを注目したい。


VWとスズキ

2015-09-24 20:18:01 | ビジネス

シルバーウィーク終盤、突然報道された「VWの排ガス規制不正」の問題。
詳細については、既にご存知の方も多いと思う。
今日になって、CEO辞任というニュースも報道された。

このニュースが出る1ヵ月ほど前、VWは話題になっていた。
VWというよりもスズキといったほうが良いのかもしれないのだが、スズキがVWとの提携の解消、というニュースだった。
国際仲裁裁判所の裁定による「提携解消」という、ニュースだった。
国際仲裁裁判を介するような提携の解消ということは、一刻も早い提携解消を望むスズキ側とそれを引き延ばし(もしくは、提携の継続)たいVWとの間で、うまく話しが進まなかったからだろう。
提携の内容そのものが、報道されるコトはないのでVWとスズキの間では、どのような提携内容だったのかを知るコトはできないが、提携をした1年目くらいから、スズキ側はVWに対して不信感のようなモノを持っていたようだ。

日経新聞8月30日付:スズキ会長、独VWと「再婚ない」提携解消「満足」

2011年に、提携の解消をスズキ側から申し出ていたコトを考えると、契約の内容そのものがVWに有利なものだったのだろう。
それは持ち株面だけではなく、技術提供なども含めてVW側に有利な内容だった、のではないだろうか。
そしてVW側が提携の解消を渋った理由は、もしかしたら今回の「排ガス規制」の部分も含まれていたのかもしれない。
なぜなら、2009年当時日本とEUとでは、NOXやPMの規制を比べると、日本のほうが厳しかったからだ。
JAF|クルマ何でも質問箱:乗用車の排出ガス規制におけるNOx(窒素酸化物)/PM(粒子状物質)の最新の数値は?

その技術が手軽に入る、と思えばVW側としては難色を示しても、おかしくはないだろう。

VWは、今回の「排ガス規制不正」によって、企業としてのイメージダウンは大きく、イメージの回復までには時間がかかるだろう。
これまで「欧州車」の中でも高級車のブランドでもあったVWは、高級というイメージも大きく崩してしまった。
逆に高級車の一つとして言われてきたからこそ、決められたコトが守れない企業という事実は、ダメージが大きい。
スズキ側としては、国際仲裁裁判所からの仲裁勧告のタイミングが良かった、としか言いようがないかもしれないし、実はVW側はすでに「排ガス規制不正」の事実をつかんでいて、これ以上引き延ばすコトが得策ではない、と考えたのかもしれない。

スズキ側からの提携解消の申し入れというのは、VWの傲り体質のようなモノが原因で、その「傲り体質」が今回のような事件を引き起こしたのかもしれない。


これからは「電車」もリノベーション?

2015-09-23 20:09:42 | ビジネス

今日で、(明日、明後日とお休みを自主的に取られた方は別だが)シルバーウィークも終わり。
始まる前は「5連休の大型休み!」と思っていても、終わってしまえば「アッ!という間」という感じだろう。
そのお休みの間で、話題になった列車があった。
北陸を走る「花嫁のれん」という名前の付いた列車だ。
JR西日本:七尾線観光列車「花嫁のれん」の車両が完成しました

随分前に1度だけ、七尾線を利用したことがあるのだが、これといった観光地がなかったような記憶がある。
といっても、私が乗車した時はまだ「国鉄」の時代で、真冬だったコトもあり「雪景色」しか見た記憶がないのだが、イメージ動画を見てものどかな田園風景が続く沿線のようだ。
JR西日本:北陸を代表する「七尾線観光列車」について(イメージ動画にリンク)
今では北陸の温泉地「和倉温泉」と(実質的には)金沢を結ぶ路線となっている(金沢⇔津幡間は、JR西日本ではなくIRいしかわ鉄道線となっている)のだが、距離も50㎞と「観光列車」としては、距離が短いような気がする。

もちろん、この「観光列車」を導入した理由は「北陸新幹線」開業に伴う、新しい(関東方面からの)集客だろう。
わずか2両編成の列車であっても、北陸新幹線から乗り継いで和倉温泉にまで行くまでの「旅行気分」を楽しむために造られたのだろう。
だからこそ、普通列車の車両を改装し、客席数ではなく「おもてなし」を重視し、「旅」という「非日常」を演出しているのだと思う。

最近のJRの話題となると、ブルートレインの廃止か豪華クルーズトレインになっている。
確かに「クルーズトレイン」は、「移動するホテル」という感覚で、列車の旅を満喫するコトができる。
それはそれで魅力的だと思うのだが、列車から降りてその土地土地の風景や文化(特に食文化)を楽しむ、というのも「旅」の魅力だろう。
その「旅」を演出するのが、「観光列車」であるとすれば「花嫁のれん」のような普通列車のリノベーションでも良いと思う。
むしろ、その地域の人たちを巻き込んだ「おもてなし」が加わるコトで、「旅」の魅力が倍増すると思う。


ラグビーW杯の日本代表から学ぶコト

2015-09-21 20:15:16 | ビジネス

昨日のラグビーW杯は、ラグビーというスポーツを知らない人でも、「凄かった!」という印象がある試合だったと思う。
対戦相手は、過去2回W杯で優勝経験のある南アフリカ。
サッカーでいうなら、アルゼンチンに日本が勝った!というくらいの出来事だった。

「奇跡的!!」と、騒いでいるが、選手やコーチをはじめとするスタッフは、「勝てるように、準備をしてきた」という気持ちのようだ。
日刊スポーツ:五郎丸゛ゴール7本”成功「ラグビーに奇跡はない」

五郎丸選手のインタビューの通り、様々なコトを分析し、キック一つもルーティン化するコトでキックの精度を高めた・・・というのは、確かに「練習の賜物」ということになると思う。
それでも「奇跡」と言ってしまうのは、相手選手との圧倒的な体格差がありながら、逆転をし接戦を制して勝ったからだろう。
それほど、ラグビーは選手の体格差に、左右されるところがある。

しかし、五郎丸選手だけではなく日本代表選手たちとコーチ陣を含めたスタッフは、一丸となって「体格差に打ち勝つ策」というものを、見つけていたようだ。
一言でいうなら「日本らしさ」ということになるのかもしれないが、出場国の中でも小柄な日本選手の強みを徹底的に考え、導き出した方法は「機敏さ、スタミナ、パスをつなぐ」ということだったようだ。
それに加え、「自分たちでゲームを創る」という思考力を持つことが求められたという。
日刊スポーツ:エディー革命 パスラグビーと無限スタミナで大金星

ラグビーの試合では、ヘッドコーチなどがライン近くにいるわけではない。
観客席で試合を観戦しながら、その状況に応じてインカムなどを使って、にいるスタッフに指示を出している。
確かに俯瞰して試合が見られるメリットはあるが、その場その場の判断というのは選手自身がしなくてはならない。
まさに大逆転劇となった、ロスタイムの場面などはまさにこの選手(キャプテンの判断)が、大金星を挙げることになったといわれている。

もちろん一番大切なのは「勝ちたい!」という、強い気持ちだろう。
そのうえで「自分たちの良さ」を追及し、自分たちにスタイルを創りあげたコトが、「奇跡ではない勝利」を導いたのだ。

そのような思考は、何もラグビーのようなスポーツに限ったコトではない。
ビジネスについても、同じことが言えるのではないだろうか?
マネージメットの神様・ドラッカーも「得意な分野に力を注ぐべきだ」と言っている。
自分たちの強みを分析し、その強みをより発揮するためには、どうしたらよいのか?
そのコトを改めて考えるコトが、大事だということを「奇跡を呼んだ試合」から学ぶ必要があるかもしれない。


 


小売りの大編成期が始まった?

2015-09-20 21:17:13 | ビジネス

我が家近くのダイエーが、今月末にイオンの名前になる。
ここ1ヵ月ほどダイエー店舗の折り込みチラシが、「ありがとうセール」と銘打っていたので、いつだろう?と思っていたのだが、今月末で名古屋からは「ダイエー」の名前が無くなるようだ。

ダイエーといえば、亡くなられた中内さんを思い出す方も多いと思う。
「主婦の店」という、小さなスーパーマーケットから商売を始められ、一時期は百貨店の売り上げを凌ぐほどの勢いがあった。
その勢いは、様々な業種にも進出し現在のYahoo!ドームとプロ野球球団・ホークスなどの経営まで、幅広いものであった。
それだけではなく、「PB商品の開発」などを積極的に行い、今のスーパーの「PB商品」の基礎を築いた。
しかし、バブル崩壊の頃から経営不振に陥り、商社である丸紅と同じ業種であるイオンから、支援を受けるようになり、現在はイオンの完全子会社となっていた。

ダイエーと肩を並べるような勢いがあったのが、「イトーヨーカ堂」だ。
その「イトーヨーカ堂」も先日、大型店舗の閉鎖を発表している。
現在、「セブン&アイホールディングス」のグループ会社となっている「イトーヨーカ堂」だが、もともとは「イトーヨーカ堂」の傘下に「セブンイレブン」があったように思う。
コンビニが、大手スーパーを飲み込んだ、という印象を持っている。

同じように、スーパーがコンビニに飲み込まれそうになっているのが、名古屋(正しくは、稲沢市に本社がある)の「ユニー」だろ。
しばらく前に、コンビニのファミリーマートと経営統合を目指す、という発表があったばかりだ。
その「ユニー」もまた、「イトーヨーカ堂」同様、不振店舗の閉店を決めている。
今や店舗規模が小さく、フランチャイズで店舗数を延ばしてきたコンビニに、大手スーパーが飲み込まれるコトが、不思議ではない時代になってきている。

そのコンビニですら、資本業務提携が始まっている。
コンビニ大手の「ローソン」と、中国地方中心に展開をしている「ポプラ」だ。
しかも、資本業務提携後の新店舗・1号店を、鳥取にオープンさせるという。
おそらく、他の地域と比べるとコンビニそのものの数が少ないため、出店しやすいのかもしれない。

コンビニ同士の資本業務提携と、「ダイエー」や「イトーヨーカ堂」、「ユニー」とは業務提携の意味が違うはずだ。
大手スーパーの不振の一つが、もともと食料品中心だった店舗に「ユニクロ」などのアパレルのテナントが入るコトで、集客そのものはできるのだが、スーパー本来の売り上げに結びつかない、ということもあったようだ。
実際、今年7月「ダイエー」の店舗に入っていた「ユニクロ」が撤退をしている。
ユニクロ側としては、決して売り上げが悪かったとは思えないのだが、ユニクロ側としてはより大きな店舗での展開を考えていることもあり、撤退を決めたのかもしれない。

米国では、大型ショッピングモールの閉鎖などもニュースになっている。
Amazonをはじめとする、ネットショッピングの影響ともいわれているが、それだけではないように感じている。
日本と米国とでは、生活者のライフスタイルが違うので、一概にいえるコトではないが、一つわかっているのは「小売業」の再編が始まっている、ということだと思う。


クルマでの遠出は、くれぐれもご注意を

2015-09-18 18:22:09 | アラカルト

明日から、「シルバーウィーク」。
有給休暇などを使わなくても、連続5日間のお休みとなる。
来週の木・金と休みを入れれば、9連休という方もいらっしゃるかもしれない。
ゴールデンウィークやお盆休みなどよりも、遠出をされる方が多いという、報道もあるようだ。

となると、気になるのは「交通渋滞」だろう。
明日19日よりも20日のほうが、渋滞するのでは?という予測もあると聞く。
今回だけではないが、連休が続くと遠出をされる方が、多くなる。
しかも、クルマで家族揃って出かける、という方は多いのではないだろうか。
そんな楽しい遠出のはずが、突然のアクシデントに見舞われ、残念な遠出となる可能性が最近増えているらしい。
突然のアクシデントというのは、交通渋滞ではなく「ガソリンスタンドが見つからず、ガス欠」というアクシデントだ。

先日朝日新聞に「『高速道GS空白』83ヵ所 100㎞以上給油できず」という、見出しの記事があった。
朝日新聞:高速道GS空白83ヵ所 100㎞以上給油できず

「ガソリンスタンドの経営難」だけが、ガソリンスタンドの減少ではない、ということらしい。
確かに、国道や県道のような一般道にあるガソリンスタンドは、利用者そのものが減ることで経営が厳しくなる、ということになる。
もちろん経営者の高齢化や、価格競争に耐えきれず辞められる場合も多いだろう。

しかし、高速道路のSAなどでのガソリンスタンドとなると、別の理由があるようだ。
意外に思われるかもしれないが、ハイブリッド車などの普及があるという。
ご存じのように、ハイブリッド車は燃費が良い。
「燃費が良い=給油回数が少ない」ということになる。
そのため、小さなガソリンスタンドしか持っていないSAなどは、辞めてしまうケースがあるようだ。
実際、高速バスを使って帰省する時、休憩するPAに置いてあるNEXCO西日本のフリーペーパーを見ていると、ルートマップに「ガソリンスタンド閉鎖」の案内を見かけるコトがある。
閉鎖しないまでも、営業時間の短縮なども見かける。

今回のシルバーウィークを逃すと、次回のシルバーウィークは2026年。
せっかくの連休、事故なく楽しい連休を過ごすためにも、遠出の準備だけはしっかりて、楽しいシルバーウィークにしてください。

ご参考までに、高速道路のGSマップ(北海道~中日本版)
                 (西日本版)  
いずれもPDFファイルで見るコトができます。


安保法案って、何だろう?

2015-09-17 19:46:51 | 徒然

参議院特別委員会で、「安保法案」が可決した。
相当の混乱の中での、可決となったようだ。

この「安保法案」を巡っては、国会議員さんたちよりも一般市民のほうが「危機感」を覚え、街頭演説やデモを行った。なんとなく、野党側はこの市民の動きに引っ張られるようにして、「反対!」の肉付けをしていったような印象すら持っている。

そう考えると、議員さんたちよりも市民、特に大学生を中心とした若い世代が、この「安保法案」に対して危機感を感じていたのではないだろうか?
日ごろは「政治に無関心」と言われていた世代の若者たちが、立ち上がったコトで「安保法案、反対」のうねりが大きくなり、社会を動かしたという印象を持っている。

同じ若い世代でも「反対!」をいう、若者たちばかりではない。
ネット上では、この動きをけん制するような言葉もたくさん見るコトができる。
どちらが正しいのではなく、多様な意見が自由に言えるコトが、社会の体制として一番重要なのだ、ということも考えさせられた。

その「安保法案、賛成」という人たちは、「中国のような国が、軍事強化を図るだけではなく、日本をはじめとする周辺諸国の領土を侵略している」ということに、危機感を持ち「賛成」という方もいらっしゃったような気がする。
本来「他国の武器を持った軍が、自分の領土に無断で侵入することに対する対抗(または抵抗する)」ということは、集団的自衛権の範疇ではない、と思うのだが、ここ最近の中国の動きは、そのようなコトを考えさせるほどだ。
実際、今年の7月の「全人代」での「国家安全法」として地上や海上、深海どころか、宇宙までも対象とする、決議された。
ニューズウィーク:中国の国家安全法は戦争法か
あまりにも突飛な発想で、唖然としたニュースだったのだが、このような発想の隣国があれば、日本の国益のために自衛隊の武力行使も場合によってはやむなし、という不安を掻き立てられるのも当然だろう。
実際、安倍政権は中国と名指しはしなかったが、必要以上に「武力による侵略」ということを、煽る部分があった。

「集団的自衛権」の本筋であるはずの、「米軍の支援」という内容になると、一転二転。防衛大臣である中谷さんの答弁も整合性のない内容になるコトが多かった。
そもそも、「戦争や紛争」ということに対して、漠然としたイメージしか持っていないのでは?という、気がしたのだった。

その中で不思議に感じたのは、経財界が何も発言をしなかったコトだ。
確かに、政治に経財界が口を挟むようなコトではないという気もするが、一方で経団連が「武器輸出を国家戦略として推進してはどうか」という提言を、この国会中に出している。
HUFFPOST:経団連、「武器輸出を国家戦略として推進すべき」提言を公表
おそらく、このような発言を経団連ができるようになったのは、今回の「安保法案」可決が見込める、と思ったからだろう。
個人的には、経団連の考えていることは、時代の流れから大きく外れた提言だと思っているし、今若い人たちが国外で「社会事業家」として、様々な社会支援事業を途上国で立ち上げ、活動の邪魔をしたいのだろうか?と、思ってしまった。そもそも、若い人たちがこのような活動をしているコトすら、知らないのだろう。

そう考えると、若い世代の人たちは「国内外との平和協調」に対する危機感を感じ「安保反対」をし、内向き志向の政治家や経済人が「安保賛成」ということなのかもしれない。
何より問題だったのは、本来この「安保法案」で真っ先に審議すべき内容は、「自衛隊」の国内と国際社会に対しての「位置づけ」だったのではないだろうか?
それを「時の内閣による憲法解釈で、集団的自衛権の行使ができる」と、うやむやにしたために、かみ合わない議論を延々と続け「強行採決」という、民主主義とは大きくかけ離れた方法で、法案が通ってしまったという気がする。