日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

意外なコラボレート?-DAKARAのCM-

2007-04-30 21:39:40 | CMウォッチ
何気なくテレビCMを見ていて、なんとなく可愛らしいと言うかユーモラスな印象があるのが、サントリーの「DAKARA」がある。
「軽やかに踊る豚が印象的なCM」と言ったほうがわかりやすいと思うのだが、意外なキャラクターを起用していたのでビックリしたCMでもある。

あの軽やかのバレエをする豚は、ビアトリクス・ポターの『こぶたのピグリン・ブランドのおはなし』のピグリン。
「ビアトリクス・ポターって誰?」と思われる方もいるかも知れないが、『ピーター・ラビット』の作者と言えば、わかるのではないだろうか?
そして、CMソングは筋肉少女帯の大槻ケンヂ氏が担当している。
個人的には、ピグリンの踊りに、大槻ケンヂと言う組み合わせは「意外」のナニモノでもない。
もちろん、バレエの得意なピグリンを演じているのはプロのバレエダンサー。
クラシックの総合芸術ともいえるバレエ、ロックバンドのリーダー、ナチュラル・トラスト運動の創始者のひとりのコラボレーションともいえるCMなのだ。

ところで、このCMで一つ気になったことがある。
それは、サントリーがDAKARAの収益の一部をナショナル・トラスト運動に寄付するのだろうか?ということだ。
世界一有名なウサギとなった『ピーター・ラビット』だが、このピーターを起用したテレビCMは、過去にもあった。
有名なところでは、20数年前のキューピーマヨネーズだろう。
CMソングを大貫妙子さんが歌っていて、その透明感のある歌声とピーターの姿がとてもマッチした「野菜って、おいしい」と感じさせるCMだったと記憶している。
おそらく、『ピーター・ラビット』が一躍有名になったCMだったかも知れない。
その後、大手銀行のキャラクターにも起用されている。
そのたびに気になっていたのが、『ピーター・ラビット』の産みの親であるポターがその生涯を通して参加し・活動をしたナチュラル・トラスト運動に対して、寄付をしているのだろうか?という疑問だ。
サントリーの「DAKARA」のHPに、そのことが書かれていなかったのが残念だ。






ファッションとフェア-トレード

2007-04-29 00:09:31 | トレンド
いよいよGWが始まった。
中には9連休を利用して、海外に行かれている方もいるだろう。
女性の場合、海外でのお楽しみと言えば「ショッピング」だろう。
特に、有名ブランド品はショッピングの中心なのではないだろうか?
このところの円安でグッチなどは、日本国内の価格の値上げを検討しているようだから、尚更かもしれない。

海外からの商品といっても、有名ブランドとは違うポジションにあるのが「フェア-トレード」商品だろう。
過去何度か拙ブログでも取り上げてきた「フェア-トレード」だが、ここにきて新しい動きが出てきた。
それが、ファッション誌「VOUGE NIPPON」とのジョイントで生まれたコラボレーション企画だ。
これまでフェアートレードのアパレル商品と言うと、フォークロア風すぎて自分の趣味に合わないと、なかなか買いたい!と言う気にはならなかった。
タイやバングラデシュなどのシルクやオーガニックコットンなど、その素材はとても魅力的なのに、デザインで二の足を踏むことが少なくなかったのだ。
そこに目をつけたのが、今回のジョイント、コラボレーション企画だ。
新進気鋭のデザイナーとコラボレーションすることで、より付加価値が付く。
これまでのフェア-トレードの問題点であった価格面でも、十分納得がいくモノとなりそうだ。

一昨年あたりから「LOHAS」だとか「スローライフ」という言葉が、一般化し洋服などの素材もオーガニックコットンなどが人気となっている。
もし本気で「LOHAS」的スローライフを楽しむなら、このようなファッションを楽しむこともアリなのではないだろうか?
もちろん、「LOHAS」とは関係のないファッションピープルも、十分楽しめる価値がありそうだ。

勝ちTVS福T

2007-04-27 21:34:46 | マーケティング
ビールのテレビCMが、少しづつ夏へと向かう内容へと変わってきた。
出演者の服装が、半そでやTシャツになったりしている。
そして、この時期の恒例キャンペーンとなっているのが、キリンの「勝ちTプレゼント」だろう。
このキャンペーンは、日本サッカー協会の強力スポンサー・キリンだからできるキャンペーンだろう。
その意味では、ビールのキャンペーンプレゼントとしてのTシャツは、キリンの独壇場(?)だった。

ところが、今年そのキャンペーンプレゼントTシャツに、サントリーが参入してきた。
長寿番組・笑点を使った「福T」だ。
種類も24種類と勝ちTよりも多いのだが、プレゼント数が格段に少ないのが残念な気がする。
ビール市場の割合から言えば、当選確率は同じくらい何かも知れないが。

それにしても、渋いキャラクターを起用したと言う印象がある「福T」だ。
ところが、この渋い「笑点」の出演者の皆さん+江戸風柄のプリントは、意外にもキッチュというか、楽しい雰囲気がある。
「勝ちT」そのものは、サッカー日本代表を応援しよう!と言う趣旨もアリ、代表のユニフォームに似ているし、実際代表の試合にこのTシャツを着込んで応援に行っている人もいるだろう。
ただ問題なのは、普段着るには「チョッと・・・」という雰囲気があると思っている。
サッカーファン(と言うよりも、日本代表ファン)以外の人からすれば、普段着としては着難いだろうな~と感じるからだ。
それに比べると「福T」は、現在ユニクロが展開している「伝統企業コラボTシャツ」と雰囲気が似ているので、気軽に普段着として着られそうな気がする。

この二つのキャンペーンで、注目したいのは「Tシャツ」というモノに対して、どんな人たちが応募するのだろうか?ということだ。
キリンの「勝ちT」は、サッカーファン、「福T」は笑点ファンと決め付ける人は少ないと思うが、なんとなく「福T」のほうが応募者の幅が広そうな気がしている。
それはキリンの「勝ちT」が、サッカー日本代表との関係が強く印象付けられているのに対し、長寿人気番組「笑点」は番組そのもののほのぼの感に惹きつけられる人が少なくないだろうと思うからである。
そこが、サントリーの狙いでもあるはずだ。


「いただきます」と「ごちそうさま」運動て?

2007-04-26 22:51:57 | 徒然
今日、会社員時代からの友人と夕食を一緒にした。
食事をしたところは、最近流行り?の「地産地消」型の農場レストラン
経営をしているのは、三重県・伊賀にある「モクモクファーム」というところ。
そのレストランの入り口に、「いただきます・ごちそうさま運動」という掲示があった。

だいぶ前、「いただきます」と「ごちそうさま」という食事の挨拶について、話題になったことがあった。
おそらく拙ブログでも、エントリをさせていただいたと思う。
このレストラン入り口に掲示をしてある「いただきます・ごちそうさま運動」を見てみると、皆一応に手を合わせ「いただきます・ごちそうさま」と言うポーズをとっている。
そして笑顔ばかり。
もちろん、写真に撮るのだから笑顔にならない人はいない(少ない)だろう。
それでも、その笑顔から幸せ感というものを、写真を見ているこちらが感じるのは何故だろう?

お料理が美味しから?一緒に食べる人が好きな(あるいは大切な)人だから?それとも・・・。
実はこの掲示板には、「何故いただきます・ごちそうさま運動をするのか?」という理由が書いてある。
動物にしても植物のその「いのちをいただく」、「ごちそうさま」は「ご馳走さま」という作る人へのそれぞれの感謝の言葉だから、あえて「いただきます・ごちそうさま」運動をしているというのだ。
少し押し付けがましいような印象がないわけではないが、丁寧に作られた旬の野菜や地元で獲れた魚、農場で作られた畜産物など、その顔が見えることで「いただきます・ごちそうさま」と言う言葉の意味を、改めて感じることができるような気がしたのだ。

きっと「いただきます・ごちそうさま」という言葉を言い始めた人たちは、食べると言うことに愛情を持っていたのかも知れない。
だから今でも「いただきます・ごちそうさま」という時、多くの人が笑顔になるのではないか?という気がした。
それは「食事=生きるための行為」というよりも、人や自然などを思いやる言葉なのかも知れない。
言い換えれば「人を思いやることば」の一つとして、「いただきます・ごちそうさま」運動をしているのでは?と、感じたのだった。





TBSと楽天の攻防

2007-04-25 20:38:01 | アラカルト
先日のエントリ「地域限定CM」に意外なほどの反応があり、こちらが少しビックリしている。
コメントを下さる方も、仙台から九州に住んでいらっしゃる方まで。
学生さんもいればマーケティングの仕事をしている方、主婦と思われる方まで、それぞれの視点でコメントをされていて、こちらが「そうか~」「そういう見方もあるんだ!」と感心させられる。
本当にありがとうございます。
個人的に複雑だな~と感じる時は、パチンコ機やパチンコ店のCMの直後、子供向けのお菓子などのCMが流れる時だ。
「その流れいいの?!メディアとしてのテレビ局は、もう少し配慮が必要なんじゃ・・・」ということなのだ。

そのメディアの中心にいるTBSが、楽天からの攻勢に曝されている。
元々は昨年、楽天がTBSの株を大量取得をし、経営に関わりたいということから始まった。
その後しばらく、目立った動きがなかったと思うが、今月になってから新たな動きが出始めた。
より積極的に、楽天サイドがTBSの株取得=経営に参加という動きが明確になってきたのだ。
ところが今日、TBSがその対抗策として意外な方法をとってきた。
それが、TBS株買い増しは「野球協約違反」 TBS社長だ。

確かに、TBSは横浜ベイスターズを保有(?)している。
そして、楽天も東北楽天ゴールデンイーグルスを持っている。
だからこそこの野球協約を盾に、大量株取得が問題になるのだが・・・果たしてこれって、本当の野球協約の趣旨にあっているの?という疑問がないわけではない。
「なんとなく」という印象程度なのだが、TBSが横浜に対してそれほど積極的な関係を持とうとしているようには感じないのだ。
もちろん、テレビ中継やスポーツニュースなどでの扱いは大きいと思うのだが、「巨人偏重」と言われる、日テレほどではないような気がするのだ。
だからこそ、今回「野球協約」を持ち出してきたことに違和感を感じるし、スポーツを経営の手段として使っているように見えてしまうのである。

楽天とTBSの攻防は、テレビとインターネットと言う新旧メディアの攻防と言う見方もあったが、楽天の主な事業はインターネットショッピングモールとその関連金融事業だ。
TBSももちろん、人気番組HPなどでオリジナルグッズなどの販売をして入るが、事業領域も企業文化も違う企業が「株」によって、揺れ動いていることは互いにプラスなのだろうか?

世代間格差は、企業の問題なのでは?

2007-04-23 21:34:50 | アラカルト
「地域限定CM?」にコメントをいただきました、やよいさんありがとうございました。
そうですか・・・九州地域でもパチンコ機のテレビCMは、流れているんですね。
「地方格差」があるんでしょうか?

昨日は、統一地方選挙の後半戦だった。
市町村合併の影響なのか?だいぶ残念な結果となった現役地方議員さんが、だいぶいらっしゃったようだ。
しかし考えて見れば、市町村合併直後の議員さんの人数は、ある意味水増し人数だったと考えれば、現役と言えども政策ビジョンが無ければ、残念な結果となっても仕方ないのではないだろうか?
そして、参院選に向かってそれぞれの政党が、動きだしているようだ。
そのキャッチフレーズとなっているのが「格差縮小」だ。
「格差」といっても、様々で「医療・地域」などがある。
ただその中で、政治ではなく経済界と言うか大企業が中心となって、解消できる「格差」があるように思うものがある。
それが「世代間格差」だ。
この場合、バブル崩壊後「就職大氷河期」に大学を卒業し、「卒業はしたけれど・・・」という状況にある「ネットカフェ難民」などが中心だとおもうのだが、本当に彼らのことを考えるのであれば、政治ではなく彼らを門前払いにしてきた企業が、積極的に何らかの施策を打ち出すほうが先なのではないだろうか?

来春の大卒者の求人倍率は、過去最高らしい。
その原因は、団塊の世代の大量退職による人材確保と言うことらしいのだが、「人材確保」と言うのであれば、「就職大氷河期」によって今でもアルバイト生活をしている、20代後半~30代前半の人材活用を考えても良いのではないだろうか?
企業サイドとすれば、「職務経験の無い30代よりも新卒者」と言うことになるのだろうけど、彼らの多くも新卒者として社会人になりたかったはずである。
それを阻んできたのは、企業だったのではないだろうか?

今、企業の多くは「成果主義」という制度をとっている。
年功序列は既に形骸化し、年齢で給与が決まると言うわけではない。
であれば、新卒者よりもそれなりの辛い社会経験をしてきた「就職大氷河期」時の労働意欲のある若年層を雇用することも、十分あるのではないだろうか?
その中心になるのは、やはり政治ではなく経済界だと思うのだが・・・。
むしろ今の「世代間格差」を作ってきたのは、企業の「人材育成」に対する投資を軽んじてきた結果であり、団塊の世代の大量退職によって失われる様々な「技」を重視してこなかったというコトなのではないだろうか?
なぜなら、団塊の世代が社会に出たときから彼らが退職する時期と言うのは、既にわかっていたはずだからだ。


「つかず、離れず。3m」がポイント?-熟年夫婦の生活-

2007-04-22 23:41:35 | CMウォッチ
昨日の「地域限定?テレビCM」にコメントを下さった、道鏡さんありがとうございました。
昼間テレビを見ると言うほどではないのですが、休日の昼間でもパチンコ店のテレビCMなどは、普通に見ることができるのが名古屋です。
それどころか、FMラジオなどでも頻繁に宣伝が流れる・・・やっぱりパチンコ遊技人口が高いということでしょう。
70年代の人気キャラを使ったパチンコ機というのは、ご指摘のとおりかも知れませんね。
なぜなら「冬ソナ」のキャラを使った、パチンコ機があるのですから。

団塊の世代が、定年を迎えると言うことで住宅産業などもリフォームや建替えなどを勧めるテレビCMが、頻繁に流れるようになってきた。
その中で、へーベルハウスの「LUFT」のテレビCMを見ていると、「なるほどな~」と感じることがある。
この「LUFT」という住宅のポイントは、広いリビングではない。
「熟年夫婦が、程よい距離感が持てるリビング」と言う提案である。
そのため、広いリビングにわざわざ低い間仕切りをし、互いの存在感を感じながらもそれぞれの時間を大切にできるようになっている。
その距離3m。

確かに、これまで専業主婦として生活してきた女性にとっては、昼間からいる夫の存在は「厄介」かも知れない。
それは、主婦の精神的病「主人在宅ストレス症候群」などが、話題になっていることからもわかる。
実は、主婦と言うのは家事の切り盛りをするだけではなく、家では一人の時間を自由に楽しんでもいるのだ。
ところが、夫が定年退職をし始終家にいるようになると、その「自由な時間」がなくなってしまう。
そればかりか、朝食の残りなどで昼ご飯を済ませていたのに、夫がいるために何かしら作らなくてはならなくなる。
「食事を作る」だけならさほど大変なことではないのだが、「毎日、違うメニューの食事を作る」というのは、大変なことなのだ。

これからは「男子厨房に入る」ということは当然、つかず離れず、手間をかけず、自分の時間をそれぞれに楽しめる在宅主人となることが、定年退職後の心地よい生活提案なのかも知れない。
そんなことを、よく現しているような気がするテレビCMだ。

地域限定CM?パチンコのテレビCM

2007-04-21 23:24:28 | CMウォッチ
以前から気になっていたのが、地域によってテレビCMの量が違うのではないか?という業界がある。
それが、パチンコのCMだ。
首都圏や関西圏などではどうなのかわからないのだが、パチンコ発祥の地・名古屋ではパチンコのCMといっても、パチンコ店のCMだけではない。
パチンコを作っている企業のCMは当然のことながら、パチンコのメンテナンス機器の企業CMまであるのだ。
そのため、パチンコをしない私でさえ最新パチンコ機だけは知っているのだが、そのパチンコがどんなモノで、人気機種なのかはまったく知らないし、パチンコ「冬ソナ」とかといわれても、ピンとはこないと言う事実もある。

ここ2、3年、イロイロな業界では60年代後半~70年代前半ブームだ。
最近では、サンヨー食品の「カップスター」がテレビCMとともに商品の復刻版が発売されている。
他にも、サッポロ飲料の「梅クエン酸」のキャラクターは、団塊の世代(~40代後半)にとってはヒーローの「あしたのジョー」を起用している。
そしてこのパチンコ機の世界でも、この傾向が顕著にあらわれている。
それが「アタックNo.1」や「必殺仕事人」といった、70年代当時の人気テレビ番組のキャラクターを使ったパチンコ機のテレビCMが、ほぼ毎日のように流れている。
その背景にあるのは、パチンコをする人たちが40代以上の人たちをマーケットの中心として考えているからだろう。

実はこの「パチンコ機のテレビCM」は、名古屋地域限定なのだろうか?と疑問に思ったのは、実家のある鳥取に帰ったときである。
鳥取・島根県下で見ることができるパチンコのテレビCMと言うのは、静止画のパチンコ店のテレビCMだけなのだ。
当然だが、パチンコ機のテレビCMなどは見たことが無い。
それが名古屋では、パチンコ店のテレビCMであってもミュージカル仕立てのモノがあったり、結構大掛かりな内容のテレビCMが普通なのである。
それだけ、名古屋がパチンコ遊技人口が高いのかも知れないのだが、時代の雰囲気と言うものを感じながら、パチンコ機が作られているというのも興味深いところだ。

それにしても、昼間からパチンコ機のテレビCMが普通に流れる地域と言うのは、名古屋周辺以外にあるのだろうか?
それもまた、疑問な点ところでもある。



既成概念という枠を外そう-桜は薄ピンクとは限らない-

2007-04-20 21:52:12 | アラカルト
2日ほどお休みをしてしまいました。
やはり、長崎市長銃撃だとかアメリカでの乱射事件などがあると、気持ちはもちろんですが、明るいテーマを見つけにくくなってしまうようです。

実は昨日、知人女性4人で京都に行ってきた。
既に染井吉野のシーズンは終わり、遅咲きの桜を見に行った。
そこで初めて、「黄色の桜(正しくは、薄緑~黄色~濃ピンクへと色が変わる)」を見た。
桜といっても染井吉野ばかりではない。
枝垂桜もあれば山桜や緋寒桜など、イロイロある。
この「黄色の桜」は、「御衣黄(ぎょいこう)」と呼ばれる種類らしい。
他にも「鬱金桜(うこんさくら)」なども、黄色い桜の種類と言うことだ。

今では、全国の植物公園などで見ることができるらしいのだが、初めて「御衣黄」という桜を見たときには、「これが桜???」としばし見入ってしまった。
それくらい「桜らしくない桜」だったのだ。
周囲には、遅咲きの枝垂桜などが咲いているのに、木々につけた黄緑色の花は花らしいとは言いがたい。
しかし近くによって見ると、その黄緑色の花弁が季節の力強さを蓄えているように感じるのだ。

考えてみれば、桜といえば薄ピンクの花びらがハラハラと風に舞う風景ばかりを見てきたような気がする。
それがいつのまにか「桜=薄ピンク」という、既成概念を私に植え付けてしまっていたのかも知れない。
ところが「御衣黄」や「鬱金桜」などは、「桜といっても、薄ピンクだけじゃないんだよ。そんな枠にとらわれていると、見落とすことだってたくさんあるんじゃない?」といっているかのように、咲き誇っている。

「違うコト」を認識し、それまでの枠を外すモノの見方というのは、案外こんなところから教えてもらっているような気がした。
黄緑色の桜もまた、春の柔らかな陽射しに映え心落ち着くモノを、私にくれたような気がする。
時々はPCの前から離れ、季節を体全体で感じることが大切だな~と、改めて知った一日だった。
今週末にでも、出かけてみてはいかが。

なんて日!-銃マーケットなんて無くなって欲しい-

2007-04-17 23:16:06 | 徒然
今日、アメリカと日本で立て続けに銃による事件があった。
アメリカの事件は、史上最悪の32人が銃撃され亡くなっている。
乱射した男性は、アジア系ということらしいのだが・・・この事件をきっかけにアジア系の学生全体に対して、悪い感情が起きなければよいのだが・・・と心配している。
この事件をきっかけに、また全米で銃規制の声があがるのだろうが、全米ライフル協会のロビー活動(=「銃が悪いのではない。間違った使い方をする人が悪いのだ」という論)によって、いつのまにか消えてなくなってしまうのだろう。
そして、長崎市長への銃撃は既に犯人がつかまっていることや、犯人自身が犯行を認めていることから、事件の解明はされるだろう。
しかし、問答無用の銃による犯罪は政治的にも、社会的にも許されるものではない。
いつのまにか、毎日のように殺人のニュースを聞くようになり、改めて今の日本が抱える暗部のようなモノを感じざる得ない。
すなわち、「俺様(わたし)中心主義」とも言える思考が、社会的に(個性として)受け入れられ「俺様(わたし)が、思うようにいかないコト・モノに対して、敵意を剥き出しにするコトが当たり前で、正当な方法である」と言う思考になってきているような錯覚さえ覚える。

このようなコトを感じるたびに、暴力を助長する道具にはマーケティングの発想は無いと思うのだ。
ただ問題なことは、このような思考や道具が社会的に受け入れられなくても、市場として存在していると言うことだ。
「マーケティングは、人をしあわせにするためのモノであり、方法である」と考えていても、人に不幸をもたらすモノ・コトもまた市場(マーケット)を形成し、社会に存在しているのだ。
このことは、マーケターとして、とても悲しい事実である。

本当は、もっと違う内容のエントリをしたかったのだが、このようなコトがあるとその気持ちが萎えてしまう、気の弱いマーケターの独り言だ。