日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

小池さんの「(民進党から)すべての候補者を受け入れる気はない」は、当然だと思う

2017-09-30 20:58:50 | 徒然

衆議院解散、選挙というのは既に既定路線となっている。
その中で注目となっているのは、東京都知事の小池さん率いる「希望の党」と言っても、過言ではないと思う。
その「希望の党」と合流すると見られていた民進党だが、小池さんから「民進党とは合流ではない」という趣旨のことを話している。
民進党という政党を飲み込むのではなく、民進党の中で自分たち「希望の党」と考えが一致する人なら、受け入れる(あるいは推薦する)。ということのようだ。

実際、民進党という政党の中には、保守的考えを持つ人から革新的な考えの人まで、実に様々な考えを持っている人たちが、一緒になっている。
「自民党に不満を持つ人の受け皿」という考えであれば、そのような「水と油」のような考えの人たちが、一緒になることも、必要だったかもしれない。
何故なら、「自民党に投票したくない」という点で、一致すれば良かったのだから。

しかし、小池さんは「希望の党」の考えが一致する人しか受け入れない、と言ってきた。
その中でも「政治的には、保守である」と、明言をした小池さんからすれば、革新的な考えを持つ人を合流させたり、推薦したりすることは「希望の党」としての、アイデンティティを失いかねない問題となる。
「民進党のすべての人を希望の党の候補者としない」という、発言は実に真っ当な発言だ。
むしろ小池さんのこの発言に反発をする、連合のほうが「選挙で勝つためには、なんでも利用する」という印象を、有権者に与えてしまっているのでは?
その発言の内容から「支持母体がそんな考えだから、ダメなんだ」と、有権者から思われても仕方ないだろう。
そのコトに気づかない連合の体質に、連合の組織体である様々な労働組合は、ガッカリしているかもしれない。
その「ガッカリ感」は、労働組合離れが進んでいる今、より労働組合離れを引き起こすことになるかもしれない。
そのコトに、連合も気づく必要があるのではないだろうか?

小池さんの「希望の党」が、保守系政党ということになると、大阪の「維新の会」などの地方政党(小池さんの「希望の党」も、「都民ファースト」を母体としているので、地方政党と言っても良いのかもしれない)が中心となって、保守系政党が多くなる。
保守系政党の最大政党と言えば、自民党だ。
自民党という政党そのものが、これまで「政権維持のため」選挙後、保守的な考えを持つ人を吸収し、大きくなってきた。
一歩間違うと(?)、小池さんの「希望の党」も自民党に飲み込まれる可能性もあるのだ。
保守政党として、自民党とどのように違うのか?ということを明確にしていかないと、「自民党と同じ」になってしまう。
それは、日本の政治にとってプラスなのだろうか?

民進党の革新系(あるいは「リベラル系」)の人たちこそ、明快な政策を打ち出しやすくなるのが、今回の選挙なのでは?
「国民の為に」様々な考えを論議する場所が国会なのだから、今の多様化した価値観や考えを持つ人達の代表者としての革新系政党が、必要なのではないだろうか?
ただし「反対をする政党」では、有権者の気持ちをつかむことはできない。
保守系政党が乱立する時だからこそ、非保守の政党はしっかりする必要があるのではないだろうか?


「勝ち馬に乗る」とは言うけれど・・・

2017-09-27 20:55:38 | 老親介護

衆議院の解散が、ほぼ決まった状況の中で東京都知事の小池さんは、新しい党を立ち上げた。
名前は「希望の党」。
この党が、どのような希望と感じさせてくれる公約、あるいはマニフェストを提示してくれるのか?というところが、今の話題のはずだった。
その話題よりも大きなニュースとなったのは、民進党が「希望の党」と合流する、という話が出ている、という報道だ。
政治の世界では「勝ち馬に乗る」という言葉があるが、まさか党ごと乗っかるとは思いもよらなかった。
民進党の代表選前に離党した細野さんを批判した民進党の人たちは、一体何を思って批判したのだろう?
朝日新聞:民進、希望と連携合意 高まる合流論、統一名簿を模索

元々民進党という政党そのものが、様々な考えの人たちが集まった政党のはずだが、小池さんが掲げる「希望の党」はあくまでも保守系の政党だ。
民進党の中には、革新系の人たちもいる。
そのような人たちは、どうするのだろう?
何より、民進党はつい先ごろ蓮舫さんが代表を辞め、前原さんが新しい代表になったばかりだ。
前原さんは、国会での党首討論に一度も登場することなく民進党の代表を降りる、ということになりそうな雰囲気になっている。
毎日新聞:衆院選:民進党の前原誠司代表が無所属で出馬へ

結局「民進党」という政党にこだわりを持った前原さんは、民進党とういう名前を捨て無所属で出馬をし、民進党を離党した細野さんを批判した民進党の人たちが、細野さんと一緒に「希望の党」で活動をする、というおかしなことになってしまったように思えるのだ。

こうも簡単に乗り換えられると、支持者側は民進党という政党に不信感を持ってしまうだろうし、今までの選挙公約などは一体何だったのだ?!と、怒りを覚える方もいらっしゃるのではないだろうか?
それだけではない。
合流された「希望の党」にとっても、まったく新しさを感じさせるモノが無くなってしまった、という気がしてくるのだ。
確かに参加している政治家さんたちの顔ぶれをみれば、新鮮味に欠けるというところはあるが、新しい政党になった!という、期待感は少なからず有権者にはあったと思うのだ。
それが「烏合の衆」のように、集まってしまったことで「希望の党」そのものの「新しさ」や「革新性」という、イメージが失われてしまったような気がするのだ。

「打倒!自民党。打倒!!安倍政権」ということだと思うのだが、であれば安易な「勝ち馬に乗る・乗られる」ということは、有権者にネガティブな印象を与えるばかりで、プラスとなる要素はあるのだろうか?



「今なら、勝てる!」と思って、解散をする安倍さん?

2017-09-26 10:57:15 | 徒然

安倍さんが、「臨時国会冒頭で衆議院を解散する」と、会見で話をした。
当然、野党は大反発だ。
反発の言葉は「その選挙に、大義はあるのか?」だ。

考えてみると、ここ10年くらいで行われた衆議院の選挙に「大義」はあったのだろうか?
当時の民主党党首だった野田さんが、議員定数削減の党首討論で「じゃぁ、選挙で国民に問いましょう」と言って、行われたことはあったが、自民党(=安倍さん)になってからの解散選挙に、どのような大義があったのか思い出せないでいる。
そもそも安倍さんが解散を言う選挙に「大義」など、なかったのでは?
その時々に注目されている出来事をキャッチフレーズにして、選挙を行ってきているはずなのだが、選挙をしたからと言ってその任期を全うすることなく、風向きが悪くなる度に選挙をしているような、印象があるのだ。

今回安倍さんは「国難突破解散」と言っているが、今の北朝鮮情勢を考えれば、選挙をして国会が停止させているような状況ではないのでは?
それを「北朝鮮への対応について、国民に信を問う」と言われても、多くの国民が思っていることは「北朝鮮の挑発行動を(政治の力で)止めさせる。拉致被害者の即時帰国」だろう。
その気持ちは選挙云々とは関係なく、変わらないと思うし、「国民に信を問われても、困る」と思っているのではないだろうか?
むしろこんな時だからこそ、新閣僚となられた大臣さんたちには「国難突破」をするために、働いてもらわなくてはならないと思うのだ。
表向きには、そのための内閣改造だったのでは?

このような安倍さんの「解散・選挙」を見ていると、ご自分の都合や風向きが悪くなりそうになると「解散・選挙」をして、政治をリセットさせているような気がしてくる。
特に今回は、安倍さん自身が「森・加計問題」を抱えていて、下手に選挙をすれば負けそうだった。
ところが、野党第一党である民進党が、揺らぎはじめている。
都議選で圧勝した「都民ファースト」の国政版も、まだ出来上がっているとは言えない。
政党として、基盤がしっかりしているのは現与党である自民党と公明党、そして野党の共産党しかいない、という状況になっている。
北朝鮮の挑発行動というか瀬戸際外交のおかげもあって(?)、支持率も少しは持ち直してきている。
だから「今選挙をすれば、選挙に勝てる!(=政権維持の期間が延びる)」と、考えたのではないだろうか?
私だけではなく、そう感じている人は多いのではないだろうか?

とすれば、安倍さんはひどく選挙民を、甘く見ているのではないだろうか?
安倍さんは、これまで「アベノミクスで経済の復活」とか、「女性か輝く社会」とか言ってきているが、アベノミクスは実質的には失敗ではないか?と言われるようになって、随分経つ。
「女性が輝く社会」と言っておきながら、今でも社会には性別の格差はある。
安倍さんの政策の多くが、掛け声倒れになっているのだ。

確かに「今の野党に期待はできない」と、感じている有権者は多いと思う。
だからと言って、ご自身の保身のために選挙などはしてほしくはない。
何故なら、選挙には膨大な額の税金が使われるのだから。


閉塞感から逃げ出せ

2017-09-25 10:08:08 | アラカルト

9月22日、朝日新聞と東京新聞に、ある広告が真ん中二面を使って掲載された。
ジャニーズ事務所を退所した、稲垣五郎さん、草彅剛さんそして香取慎吾さんの3人が、情報発信するサイト開設の広告だった。
と同時に、youtubeでも動画が公開された。
新しい地図」というサイトだ。
ご覧になられた方も、多いのではないだろうか?

この動画を見た時、思い出したことがあった。
昨年秋、話題となったドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の最終回、最後近くの主人公・森山みくりのモノローグの台詞だ。
「私たちを縛るすべてのモノから
 目に見えない小さな痛みから
 いつの日か解き放たれて
 時に泣いても
 笑っていられますように」
放送直後から、この台詞については様々な解釈がされてきた。

ドラマでは、これまで社会的にマイノリティーと言われてきた人たちを登場させることで、マイノリティーとされる人たちの「社会的居心地の悪さ」のようなものを表現していた。
それを象徴する台詞の一つが
「自分は決めつけられるのが嫌なのに、人はどうして、偏見を持ってしまうのでしょう。」
だろう。
この言葉は、みくりの契約結婚の相手である津崎平匡が、同僚でゲイと言われている沼田さんについて、「ゲイだから、男目線と女目線があって鋭い」という趣旨の感想を述べた時、仲の良い同僚の風見さんから「ゲイだからではなく、沼田さんは、沼田さんなんですよ」と言われ、呟く言葉だ。

確かに、人を見るとき「あの人は、○○だから・・・」という、レッテルを貼る傾向がある。
総理である安倍さんも「レッテル」という言葉を、一時よく口にしていた。
「レッテル=決めつけ」は、実はとても分かり易く、人を単純評価する一つの方法だと考えている。
そのために、その人を知らない人からも共感を得やすくなる、という傾向がある。
それが「偏見」を生み出しやすい環境になるのではないだろうか?

今社会には、様々な偏見があるような気がしている。
人種や宗教という以前から指摘されているような「偏見」から、LGBT、自分との差異を感じる相手などの個人的な「偏見」まで、実に様々だ。
その「偏見」は、相手を傷つけるだけではなく、社会の息苦しさも生み出しているように感じている。
「自分が自分らしくいるために」という言葉には、わがままなニュアンスも含まれているが、社会全体が「自分を犠牲にして、社会の流れに従え」という閉塞感からの反発もあるのでは?

稲垣さん、草彅さん、香取さんたちが、ここ1年数カ月「息苦しさ」や「閉塞感」を感じていた言葉なのかもしれないが、この「新しい地図」というメッセージは、同時に今の社会で「息苦しさ」や「閉塞感」を感じている人たちへのエールのようにも思えるのだ。



たかがダイエット、されどダイエット

2017-09-23 20:45:32 | ライフスタイル

Huffpostに「『ブタ』と罵られたアイドル・・・」という、やや過激?なタイトルの記事が掲載されている。
Huffpost:「ブタ」と罵られたアイドル、ダイエット失敗で活動休止に 摂食障害の研究者「危険な演出」と指摘

「ブタ」と罵られたと言われるアイドルと彼女が在籍をしている、アイドルグループを知らないので、罵られた女性が、どのような体格なのかは知らないが、罵った相手がアイドルグループのマネージャーというのは、どうなのだろう?
マネージャーという立場は、アイドル達が十分に活躍できるように様々な面でサポートをするのが、役割だと思っているのだが、違うのだろうか?
解散したSMAPのように、メンバー個々の才能や得意分野で活動の幅を広げ、人気を獲得するようにするのが、アイドルのマネージャーの仕事のような気がするのだが、女性アイドルグループの場合違うということだろうか?
普段からマネージャーとアイドルグループのメンバーとの関係が、そのような「罵ることが当たり前」のような関係であった、ということなのだろか?

そしてこの記事にある通り、「ダイエット失敗で活動休止」というのも、一つの「話題づくり」だとしても、余り筋のよい「話題づくり」とは思えない。
というのも、このような企画は随分前からテレビのバラエティ番組などで、見たような企画のような気がするからだ。
しかも、「活動停止」というペナルティーでは、笑えない。
バラエティ番組であれば、どこか「笑いを誘う」ような「オチ」があると思うのだが、「活動中止」というのは「オチ」にも何にもならないからだ。

そもそも「ダイエット=痩せる」と認識されがちだが、本来の意味は「健康の為、病気にならないように、体重管理をする(=適正体重を維持すること)」ということだったと、記憶している。
闇雲に痩せることが、ダイエットというわけではないはずなのだ。
最近では、二十歳の頃(あるいは20代前半)の体重からどのくらい体重が増えたか?で、生活習慣病のリスクが高くなる、とも言われている。
二十歳の頃、ガリガリに痩せていると中年期以降の体重増加は、がんや生活習慣病のリスクを上げるということになるのだ。
乳がんの場合、20歳の頃よりも8㎏以上増加すると、乳がんリスクは3倍になるといも言われている。
もちろん、それだけで乳がんになるわけではないが、リスクとしては高くなり、私の場合も、このケースに当てはまっていた。
最近の健康診断では、二十歳の頃の体重を聞くケースが増えてきているのは、このような病気リスクの傾向が分かってきたからなのだ。

そしてHuffpostの記事が指摘しているように、若い女性の場合「摂食障害」の危険性がある。
最近の海外のファッションショーで「痩せすぎたモデルの起用禁止」が、言われるようになってきた背景には、現実に服を買う人と、モデルが違い過ぎることで起きるイメージギャップの懸念もあるだろうが、多くのモデルたちが若くして摂食障害に悩まされている、という健康面での問題もクローズアップされてきたからだろう。
パリコレクションなどで活躍するモデルたちは、10代半ばからステージに立つモデルたちも多い。
本来であれば、女性らしい体つきにならなくてはならない時期に、体形維持のため過激なダイエットをし、摂食障害に陥る若いモデルたちもいるのは事実だろう。
ファッションアイコンである彼女たちの姿は、同世代の女の子たちへの影響も大きい。そのような社会的懸念もあってのことなのだ。

そして今は「(ガリガリに)痩せた女性」よりも、もしかしたら渡辺直美さんのような女性の魅力が認知され始めているのでは?という、気がしている。
渡辺さんが、ガリガリに痩せてしまったら、キュートではないだろうし、明るいパワフルさも感じられないと思う。
体形ではなく、その人自身の魅力で人気になるタレントさんが、増えてきているのでは?
だから、必要以上に「ダイエット!!」と、騒ぐ必要はないような気がする。

私の場合は、担当主治医から「痩せなさい」と言われているので、食欲の秋を前に、我慢の日々を過ごさなくてはならないのだが・・・。


NHKが、ネット受信にこだわった訳を考えてみる

2017-09-20 17:37:14 | ビジネス

NHKが、ネット放送に対して受信料を徴取する、という話題がこの春にあった。
結局、民放各社や一般視聴者(特にネットユーザーか?)からの強固な反対があり、見送ることになった。
ご存じの通り、NHKは以前から会員登録をすれば「オンデマンド」で、ネットで番組を視聴することができた。
民放が共同で行っている同様のサービスの一つが、「TVer」ということになると思う。

NHKの主張(というか、目的)は、現在PCやスマホでNHKを視聴している人たちがいるので、そのような人たちからも受信料を徴取しないと「公共放送」としての公平性が保てない、という内容だったように思う。
確かに、一体型PCには地デジが受信できる機能を持っている機種もある。
スマホでも、ワンセグチューナーが搭載されている機種やアプリがあり、スマホで視聴している人もいるだろう。
ただ、そのような方法でテレビ、特にNHKを視聴している人たちがどれだけいるのか?というと、NHKが主張するほどの視聴者がいるのだろうか?と、疑問に感じている。

ところで、拙ブログに来てくださる方で「NHK1.5チャンネル」という、NHKのサイトがあるのをご存じの方はどれくらいいらっしゃるだろう?
NHK:NHK1.5チャンネル―テレビのオイシイところをオイシイかたちで

サイトでは「オイシイところをオイシイかたちで」と謳ってはいるが、公式サイトとは別のNHKサイトには「NHK PR」とあるので、やはり視聴者を本編に誘導するための予告集という位置づけのようだ。
NHK:NHK_PR NHK1.5チャンネル
ただ、「ためしてガッテン」のような番組を、アニメーションで紹介することで分かり易いと感じるところはあるのではないだろうか?

そう考えると、NHKはネット上で本編視聴を促すように「1.5チャンネル」というコンテンツを展開している、とも考えられる。
普段テレビを観ない人たちを、1.5チャンネルというコンテンツを展開することで「ネットでNHKを見てほしい」と言っているのではないだろうか?

それだけではなく、もう一つの狙いがあるように感じている。
それは今年の春放送した、星野源さんの「おげんさんといっしょ」だ。
番組としては星野源さんが考えた「ゆる~~~い音楽番組」という内容だったが、番組とは別にこれまでと違うアプローチを視聴者にしている。
それが「番組を視聴する時、スマホでツィートをしてね」という呼びかけがあったコトだ。
PRとしての1.5チャンネルがネットのコンテンツだとすれば、「おげんさんといっしょ」は、「テレビ2.0」というアプローチだったのではないだろうか?
「ツイートの内容によって、番組内容が変化していく(もちろん、大筋の内容変更はしない)」という、冒険的な試みがこの番組ではされていたのだ。
視聴率そのものは、決して高かったわけではないが、ツイート件数などは紅白を上回るほどだった、という。
テレビという媒体とTwitterという双方向性の高いネットツールを合わせていくためには、NHKとしては「ネット視聴」を考えることが重要だったのでは?
もちろん、その逆の発想があったことも十分考えられるが・・・。






改めて「マーケティングって何だろう?」と、考えてみる

2017-09-19 19:38:17 | ビジネス

日経新聞に「デジタルマーケティングは、企業経営そのものになる」という、コラムが掲載されている。
記事の半分くらいは、宣伝を兼ねた内容?と、思える節もあるのだが、そもそも「マーケティングとは?」という点で、ビジネスパーソンが思い違いをしている点が指摘されている。

日経新聞コラム:デジタルマーケティングは、企業経営そのものになる

コラムの書き出しに「日本のビジネスパーソンの多くは、マーケティングは自分に関係が無い、と思っている」という趣旨の内容が書かれている。
確かに、マーケティングの4Pの中の「広告=プロモーション」と考えると、経理や人事といった間接部門や営業部門で働く人たちにとっては、関係が無い!と思うのは当然かもしれない。
ドラッカーが示した「マーケティングの4P=売り場・製品(ここでは商品と言い換えたい)・価格・広告」は、経理や人事などの間接部門で働く人たちにとっては、関係が無いように思われる。

しかし、商品を作る為の人件費だけではなく、商品を売るための人件費や物流コスト、倉庫管理費など、企業から出ていくお金と商品が売れることによって生み出される「利益」を管理するのは、経理部門の仕事のはずだ。
人事も、適材適所による人事を行うことで、より効果的なマンパワーが生まれ、「利益」を生み出すことになる。
そのためには、自社の企業は「どのような目的で、その事業を行い、生活者に利益を与えているのか?」ということを、社員に教育しなくてはならない。
そう考えると、営業部門はもちろん間接部門であっても、様々なカタチで「マーケティングの4P」に関わっている、ということが分かる。
だからこそ、ドラッカーは「マーケティングはビジネスの基礎知識」と、言っていたのだ。
また、マーケティングの父とも言われる、コトラーは「マーケティングで必要なことは、生活者の問題解決だ」とも言っている。

残念なことに、日本の場合上述した通り「マーケティング部門=広告」という位置づけか、「マーケティング=市場調査」となってしまっている傾向がある。
そのために「自分たちには関係が無い」と、思い込んでしまう傾向にあるのでは?と、考えている。
企業のトップから現場で働く人、間接部門や研究職まで企業に関わる全ての人達が、「生活者が自社と関わることで、どのようなメリットが得られるのか?」ということを考え、「それを実現するためには、何が必要なのか?」と知恵を絞りあうことが、これからはより重要になっていくのでは?
それはとりもなおさず「(自社ができる)生活者の問題解決の提案」になるはずだ。

何も企業に限ったことではない。
むしろ、これからは行政などに関わる人達こそ、マーケティングを理解する必要があるのでは?と、考えている。
おそらく、拙ブログでも過去何度か同様のことを書いてきていると思う。
何故なら、マーケティングの4Pが企業活動とは違い、明快ではないからだ。
だからこそ、「生活者の問題解決」を一緒になって考える必要があるのだ。
「生活者の問題解決」をするための視点として、マーケティング発想が必要なのだと考えている。
「生活者の問題解決」が、「住民サービスの充実」ということになるのではないだろうか?




大阪はダンス天国?

2017-09-18 19:55:53 | アラカルト

朝日新聞のWEBサイトに、面白い記事があった。
Facebookでシェアされているランキング?で、一番注目されているのが「バブリー」女子高生、キレキレダンス・・・という内容の記事だ。
朝日新聞:「バブリー」女子高生、キレキレダンス 衣装は祖母の・・・
動画が紹介されているので、女子高生のダンスはそちらを見ていただきたいのだが、この話題になっている女子高生たちが在籍をしている大阪府立登美丘高校のダンス部は、全国高校ダンス部選手権などで優勝経験もある「ダンスの名門校」らしい。
昨年話題になった星野源さんの「恋ダンス」も、ドラマ開始直後にyoutubeにアップされていたような記憶がある。

ただこの記事を読んだ時、思い出したコトがある。
実家へ帰省する度に利用する高速バスの乗り場がOCTなのだが、このOCTの地下に比較的大きな空きスペースがあり、そこでダンスの練習をしている若者の姿を度々見るのだ。
それだけではなく、OCTのイベント掲示には、ダンスコンテストの優勝者の写真が貼られている。
年齢は、小学生くらいから成人まで様々だ。
年齢だけではなく、女性のみのグループ、男性のみのグループ、男女混合のグループと分かれていたりする。

もちろん、名古屋でも同じような空きスペースでダンスをしている若者たちの姿を見ない訳ではないが、コンテストの告知は無かったような気がするのだ。
あくまでも仲間同士でダンスをして楽しんでいる、という範疇のように見受けられる。
東京の事情は知らないが、OCTの掲示のように施設公認のダンスコンテストが開催されている、というのは全国でも珍しいのでは?という気がしている。
もしかしたら、大阪はダンスに対して理解があるのか?と、OCTの掲示を見るたびに思っていた。

そう考えると、登美丘高校のダンス部が強いのも理解できる。
今では学校の体育の授業の一環として、ダンスが取り入れられているということもあるとは思うのだが、大阪という地域が、ダンスに対して理解があるだけではなく、多くの人たちが楽しんでいる、という社会文化があると考えられるからだ。
というのも、OCTでダンスをしている若者を初めて見たのは、20年以上も前だからだ。

彼女たちのダンスを見て、懐かしく思った世代は「バブル経済」で踊った(踊らされた?)人達だろう。
世間で「バブル、バブル」と言われながら、その実感があまりなく、仕事に追われるばかりだった私にとっては、「そんな時代もあったな~」程度だ。
決して「バブル」で踊っていた人ばかりではない、ということも覚えておいて欲しい(と、個人的には思っている)。


物語のあるブランドの強さ

2017-09-15 19:06:25 | ビジネス

シャネルが14年ぶりに、新しいフレグランスを出す。
名前は「ガブリエル」。
この名前で気づかれた方も多いと思う。
「ガブリエル」という名前は、ココ・シャネルのファーストネームだ。
シャネルパフューム公式:ガブリエル シャネル

シャネルがあえて「ガブリエル」という名前のフレグランスを発売する、ということは相当の自信策なのだと思う。
海外のミュージシャンの場合、自分の名前を付けたアルバムをリリースする、という時は相当の自信作か心機一転新しいモノのへの挑戦、という時に使うことが多い(ように思っている)。
同様に、ファッションの世界でもそれまでブランドネームで活躍をしてきたデザイナーが、自分自身の名前でコレクションを発表する時というのは、独立をした時だ。
そのような場合「満を持して」という、枕詞を使って紹介されることが多い。

既にブランドとして確立しているシャネルのフレグランスに、あえて「ガブリエル」という名前を付けたのか?と考えた時、やはり「これまでにない新しいシャネルのフレグランス」という考えがあったのでは?と、感じている。
とはいうもののブランドの創設者である、ココ・シャネルへの敬意と親愛、シャネル自身が追い求めた「創造」という軸はブレることなくシャネルファンに伝えたい、そんな思いもあったのでは?

実際、公式サイトのプロモーション映像を見てみると、プロモーションイメージではココ・シャネルの生き方を体現したようなイメージで作られている。
それは、自由で何ものにも縛られない、挑戦的な女性の姿だ。
特に、最後のブロックを打ち壊すシーンなどは、今の「ガラスの天井」と戦ってる女性へのエールのようにも思える。

そしてもう一つのメッセージとなる映像が、その下にある。
ココ・シャネル自身の生き方、あるいは生きる信条をまとめた内容だ。
この映像を見て改めて感じることは、「ブランドストーリー」のある企業の強さ、という点だ。
シャネルというブランドは、ココ・シャネルが一人で(もちろん、様々な協力者はいたが)創り上げたブランドだ。
ココ・シャネル自身、自分が創り出す洋服は「自立した女性、仕事をしている女性たち」の為だった。
今現在の購入者層とは、随分違うがココ・シャネル自身はそのような女性たちが心地よく着られる服づくりを目指していた。
それは生涯変わることのない、信念であり理念でもあったように思う。
だからこそ、ココ・シャネルの生き方をまとめた内容とプロモーションイメージが、違和感なく重ね合わせることができるのだ。

考えてみれば、日本の多くの企業も「物語のあるブランド」が多かった。
企業の大小関係なく、あったように思う。
そして思うことは、そのような「物語のあるブランド」は、生活者から支持を得る努力をし、ファンとなった生活者はその「物語」のファンなのではないか?ということだ。


「爆買い」は終わった?!

2017-09-14 20:02:38 | ビジネス

日経新聞のWEBサイトに、とても興味深いリポートが掲載されていた。
日経新聞:インバウンド統計リポート

タイトル通り、日本を訪れる海外からの観光客についてのリポートだ。
このリポートで注目したいのは、滞在日数と滞在期間中の支出だ。
ここ数年、中国からの観光客が注目を浴びていた。
中国人観光客とセットのように使われた言葉が「爆買い」だ。
ご存じの通り、東京の秋葉原などで大量の家電製品を購入する中国人観光客から始まった「爆買い」は、銀座などの百貨店での化粧品売り場などへと広がり、中国人観光客が訪れるフロアーには必ず中国語ができるスタッフを常駐させるようになってきた。

確かに「爆買い」をする中国人観光客が支出する金額は、とても大きかった。
バブルの頃、欧州でブランド品を買いあさっていた日本人観光客よりも、おそらく支出した金額は大きかっただろう。
その中国人観光客だが、いわゆるお金持ちから庶民へと観光客層の裾野が広がるにつれ、「爆買い」だけではなくなりつつある。
実際、京都などに行くと季節外れの柄の着物を着た中国人観光客の姿を、たくさん見かける。
日本に来る目的が「買い物」から「体験型」へと、変わりつつあるということだろう。

しかしもっと注目すべき点は、違うところにあるのでは?
それがイギリスからの観光客の、支出額と滞在日数だ。
リポートを見ると、イギリスからの観光客の支出額と滞在日数はアジア諸国からの観光客に比べ、随分多い。
だからと言って、イギリス人観光客が「爆買い」をしている、というニュースは聞かない。
彼らは一体どこへ観光に出かけ、お金を使っているのか?という点が、これからのインバウンドを考える上で、重要な点なのではないだろうか?

主に欧米からの観光客相手の、ツアーガイドをしていた知人がいる。
元々語学が堪能で、会社員時代は海外への出張なども多かったこともあり、退職後の仕事として「観光通訳案内士」の資格を取得したという知人だ。
その彼から聞いた話では、日本人が当たり前の風景として見ている風景を、欧州からの観光客は観たいと思っている、という。
例えば、田舎の田園風景や鎮守の森の風景、お祭りといった、日本人にとって「日常の生活の一部(や暮らしの延長線にあるイベント)」と感じるものに、「日本の文化」を感じ、その文化を体験したいと思っている、というのだ。

その視点で、地域の資産を考えると、都市部が観光に優位とは言えなくなる。
むしろ、日本の田舎の(あるいは「暮らしの」)原風景が残っているような場所のほうが、地域の観光資産がある、ということになる。
「不便だから」ではなく「不便だからこそ行ってみたい日本」ということを、このリポートから読み取ることができるのではないだろうか?