日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

安倍さんが亡くなって、見えてきた様々な「政治の裏側」

2022-07-30 22:26:23 | 徒然

安倍元総理が亡くなり、既にご遺族の葬儀は済んでいる。
9月下旬には「国葬」をする、という予定が決まっている。
ただこの「国葬」については、様々な意見があり、「国葬」を決めたコトが拙速ではなかったのか?という意見も数多く出ているようだ。
個人的には「国葬」をするのであれば、「政治家としてどうだったのか?」ということを、見極めたうえで「国民が納得できる」というのが条件だと思っている。
少なくとも、「モリカケ問題」や「桜を見る会」等、安倍元総理自身が説明責任を果たすべき事案が、説明されないまま強引に事件の幕引きを図ろうとしたようなことは、政治家としていかがなものか?と、感じている。

さて、安倍元総理が銃撃された理由がカルト教団との繋がりによるものだ、と判明してから「政治と宗教、お金」という話題が尽きない。
尽きないどころか、日に日に繋がりのあるカルト教団と自民党だけではなく、その他主要政治団体との繋がりが、判明してきた。
その繋がりとは、「選挙活動を手伝ってくれ、票田にもなる」という関係性だ。
結局のところ、カルト宗教とわかっていても、自民党を始めとする政治団体にとって「選挙活動を手伝ってくれ、票田にもつながる相手」として、その存在そのものは、ありがたいモノだったようだ。
もちろん、カルト宗教側としても政治家が様々なイベントで祝辞を送る事で、「お墨付き」という信頼を信者だけではなく社会的にも得られやすかっただろう。
それがたとえ、社会的に問題のあるカルト宗教であってもだ。
互いの関係は、WIN- WINだったといっても良いだろう。
実際、昨日の時事通信には、「問題がない」という認識を自民党が持っている、という内容の記事が掲載されている。
時事通信:旧統一教会と党との関係否定「何が問題なのか分からない」ー自民党福田氏

記事としては、あくまでも福田氏個人の意見というまとめ方となっているが、祖父・福田赴夫、父・福田康夫といういわば「政界のサラブレッド」であり、自民党の重鎮からの信頼も篤い人物であるということを考えると、一個人の意見ではなく自民党の一つの考えとして受け取られても仕方のないところがある。
福田氏本人も、そのくらいの意識をもって発言をしているはずだ。

この「何が問題なのかわからない」発言は、一般国民からすれば相当衝撃的であったのでは?と感じている。
というのも「カルト教団の問題=一家離散に追い込む高額な献金や霊感商法」という問題がはっきりとしていながら、そのことを「問題である」と理解していないからだ。
その福田さんよりもより問題なのは、銃殺された安倍元総理の弟・岸防衛大臣の「霊感商法等で、問題があった」と認識をしていながら、選挙支援を受けていた、と話している。
「問題認識」がありながら、問題のある団体から選挙支援を受ける、ということ自体、信じられない。
まして、岸防衛大臣は、岸信介・佐藤栄作・安倍晋太郎という福田氏よりも「政界のサラブレッド」と言っても過言ではないような、政治家一家出身だ。
このような発言ができるとすれば、子どもの頃からこのような支援を受けてきている、ということを目にして政治家になった、ということなのだろう。
「政治家の世襲」ということが問題になることが、多々あるがこのお二人に関しては、自民党や閣僚の中の要職に就きながら「選挙に勝つためには、手段を択ばない」ということを子どもの頃から、教えられ・目にしてきた、ということなのだと思う。
だからこそ「霊感商法」という反社会的活動と選挙支援とは区別をし、選挙支援という点では問題がない、という認識なのだろう。

それにしても、日本の政治家はいつの頃からこのような「一般常識が欠如」するようになってしまったのか?
大切なことは「選挙に勝つ」ことではなく、「政治をどうするのか?」が、政治家に与えられた使命のはずだ。
今回の「安倍元総理銃撃事件」は、まるで「政治の闇」という「パンドラの箱」を開けてしまったのかもしれない。



「感染者数世界最多」という現実を、どう考えるのか?

2022-07-28 19:19:14 | アラカルト

今朝、ネットのニュースをチェックしていたら「新型コロナ感染者数、世界一」という、見出しが目に留まった。
朝日新聞:新型コロナ1週間の感染者数、日本が97万人で世界最多 WHO発表

これまであった新型コロナの流行の波の中で、日本は比較的感染者数の少ない国として見られてきた。
昨年のはじめの頃、ニューヨークでは感染者が病院に入りきらず、野戦病院と化していた報道写真もあったように記憶している。
この頃の見出しの一部には、「時と場合によってはトリアージが必要」ということが、書かれていたように思う。
「トリアージ」とは、「治療する患者に優先順位をつける」という意味だ。
そのため、重症化している高齢者の中には「自分の治療よりも、若い人の治療を優先して欲しい」という、申し出をする人もいたといわれている。
「命の選別」と言われるコトもある「トリアージ」だが、そのような危機的状況を乗り越え、変異株が続々と登場する中、諸外国では「マスク不要」というところまで来ている。

ところが、日本ではこの酷暑の中でも、2年以上前の「新しい生活様式」なるモノを基本とした、生活が続いている。
その効果もあって?これまでは日本の感染者数は多くなかった。
だからこそ、政府も胸を張って?「新しい生活様式」を、生活者に強ることができたのだ。
その「新しい生活様式」を継続していても、今の現状は「感染者数世界最多」ということになってしまっている。
この現実を知り「今までの努力は一体何だったのだろう?」と、疑問に感じる方もいらっしゃるのでは?という、気がしている。

これまでの「新しい生活様式」が、通用しない、という現実をどう受け止めればよいのだろうか?
何より、政府から何等かのメッセージが発しされることなく、「病床数が足りない」どころか「検査キットが不足している」という報道がされるコトで、社会的不安は増大するのではないだろうか?
それだけではなく、現在流行している「オミクロン株BA5」から、また新たな「ケンタウロス(=BA2.75 )」と呼ばれる、新しい変異株も既に流行し始めている、という話もある。
東海テレビ:BA.5の”約3倍の感染力”との研究結果も・・・BA. 2の派生型『ケンタウロス』の感染者を愛知で初めて確認

このように、次々に変異株や派生型が登場する度に、ワクチン接種を繰り返すことが、果たして最善策なのだろうか?という、疑問を感じるだけではなく「新し生活様式」そのものを継続し続ける事が、果たして有効なのか?ということなのだ。
もしかしたら、愚直に「新しい生活様式」の生活をされている方のほうが、感染しやすいということはないだろうか?という、気すらしてくるのだ。

例えば、発熱をしたとき市販の「アセトアミノフェン」の解熱剤を飲んで、家でゆっくり休み体力の回復を目指す、という方針へ切り替えるだけで、今の状況は緩和されるのでは?
何より、これまでの「気合と根性」という精神論で、感染予防をしたり仕事をしたりすることが、「美徳的慣例」のように受け入れられてきた「生活様式」を壊し、「体調が思わしくないなら、ゆっくり休む」という社会全体の認識に変わるだけで、今の状況が随分変わっていくような気がするのだ。
もちろん、「新し生活様式」等に縛られることがない、一人ひとりが「自分のメリットとデメリット」という天秤の中で、判断できるような「生活様式」が重要だと思うだが…。


「老害」ではなく「素晴らしい過去」と、言われるようになりたい

2022-07-27 11:17:07 | ライフスタイル

PCでテレビの見逃しの番組を見ていると、サントリーの企業CMが目に留まった。
サントリー企業CM:「#素晴らしい過去になろう」(過去と未来の乾杯!)」篇60秒サントリー企業広告 

いつ頃からだろうか?一定年齢を超し現役で活躍している人が、「老害」と呼ばれるようになった。
もちろん「老害」と呼ばれるには、それなりの理由がある。
例えば、「自分の成功体験や若い頃の武勇伝を自慢げに話す」とか、時代の変化についていけずに、古い自分の価値観を押し付けてくる等が挙げられるだろう。
昨年の春ごろだっただろうか?「妖精さん」と呼ばれる、中高年の社員の存在が話題になったこともある。
「妖精さん」というのは、朝早く社食に姿を現し、自販機のお茶やコーヒーを飲みながら、新聞を読み始業時間までを過ごし、いつの間にか姿を消す、という50代の社員を揶揄している?言葉だ。
東洋経済:朝の社食に出没「妖精さん」はなぜ生まれたのか

違う表現をするなら「働かない高給取りのおじさん」ということになるのかもしれない。
この「妖精さん」の下の世代は、バブル経済が崩壊し「大氷河期世代」と呼ばれた頃に就職をしている。
「妖精さん」が社会に出た頃は、バブル経済の終焉が見え始めていたとはいえ、多くの企業には「年功序列」の人事制度の時代であり、バブル経済が崩壊し、リストラの嵐が吹いても企業にしがみ付くコトができた人たちでもある。
そして、「現役世代の縮小と社会保障の維持(=年金支給時期を遅らせる)」の為に、政府が打ち出した方針が、65歳定年だ。
今では「70歳定年」ということも言われるようになってきている。
あと15年ほど「妖精さん」として、企業に残る可能性がある、という人でもあるのだ。

とは言っても、「妖精さん」自身、「妖精さん」という状況に納得しているのだろうか?
私自身、世間でいう「定年」という年齢を迎え、「自分が経験してきたことを、若い人たちに伝える」ということをしてきたのか?と思うことがある。
「自分が経験してきたことを、若い人たちに伝える」ことが、上述したような「自慢話」になってしまうのでは問題だろうし、何より若い人たちは聞く耳を持たないだろう。
そのためのトレーニングが「妖精さん」たちには、必要なのではないだろうか?

例えば、日本の社会は上下関係によって成り立つことが多い。
その関係が負の関係となると、いわゆる「マウントを取りあう関係」となってしまう。
「マウントを取りあう関係」というのは、決して信頼と敬意が持てる関係ではない。
信頼と敬意は、上下関係によってつくられるものではなく、対等な関係の中から生まれてくるのでは?
そのような意識改革が「妖精さん」には必要かもしれないし、「後進を育てる」という新たなステップを、企業が用意する必要があるのかもしれない。

SuntoryのCMを見ていて、「自分が経験してきたことを、若い人たちに伝える力」を持っているシニア世代が、「素晴らしい過去となる人」なのでは?という、気がしたのと同時に、私も「素晴らしい過去の人」になりたいと思ったのだ。




「掛け声倒れ」の現実を見た気がする

2022-07-26 20:51:59 | 徒然

毎日新聞のWebサイトをチェックしていたら、「これが日本政府のITの現実か…」という記事があった。
毎日新聞:コロナ情報システム「ハーシス」一時不具合 感染急拡大でダウンか

確か、「新型コロナ」の感染拡大が社会問題になり始めた頃、保健所での対応がFAXでの報告という話があったように記憶している。
手書きで書かれた内容をFAXし、そのFAXを基に集計データを入力している、というような手順だったように思う。
この話題が出たとき、「病院でも電子カルテが一般化しているのに、何故?」ということが、言われたような気がするのだが、このような状況を経て運用が始まったのが「ハーシス」というシステムではなかったのか?

「ハーシス」というシステムそのものを、理解していないのでその運用や目的等が分からないのだが、少なくとも「コロナ情報システム」ということを考えれば、「地域別の新規陽性者数、重症者数と重症者率、稼働病床数と率、死亡者数と死亡者率、退院者数と退院率」等の日々のデータが管理されているのでは?と、想像するのだ。
もちろん様々なデータが管理されているとは思うのだが、「感染急拡大でダウン」というのは、どことなく情けないような気がするのだ。

デジタル庁を立ち上げ、政府はDX(デジタルトランスフォーメーション)だ!と、掛け声となるモノは威勢が良いのだが、肝心なサーバー(なのか?)がこのようなデータで不具合を起こしてしまうようでは、より多いデータ処理を必要とするDX等の運用は、無理なのでは?
それどころか、今一生懸命に宣伝をしている「マイナポイント=マイナンバーカードの普及」そのものも、情報管理ができるだけのシステムとなっているのか?不安になってしまう。

先日、auの通信事故で3日半繋がらなくなり、数百万人に損害を与えた、ということがあった。
個人の携帯電話サービスが利用できなくなっただけではなく、大手企業にも多大な損害を与えるなど、社会生活にも大きな影響を与える事となってしまった。
この時、私たちの生活がいかに様々な通信システムに依存しているのか?ということを、実感された方も多かったのではないだろうか?
今や通信システムそのものは、生活基盤の重要なインフラである、ということを示すことにもなった。

おそらく政府の「コロナ情報システム」そのものは、利用対象者が限定的なのでauの通信事故とは格段に小さな規模の通信システムなのでは?と、想像するのだが、今のような状況で「システムの不具合が発生する」ということは、政府の想定そのものが今のような状況を考えていなかったのでは?という気がしている。
だからこそ、システムとして余裕がなくダウンしたように思えるのだ。

「新型コロナ」の情報システムでこの状況なのだ、上述したようにDX等はもっとデータの容量は多く必要なのでは?
政府はデジタル庁をつくり、「これからは日本もよりいっそうデジタル技術を発展させ、普及のための支援をする」と言っても、その足元がこの状況では、とてもではないが不安を感じてしまうのだ。
デジタル庁の位置づけを再度見直し、民間の支援の為のデジタル庁にした方が、日本のデジタル化が進むような気がする。


「新型コロナ」だけが、感染症ではない

2022-07-24 19:36:52 | アラカルト

今朝、Webのニュースチェックをしていたら、WHOが「サル痘に対する緊急事態宣言」を出した、という記事があった。
Reuters:WHO、サル痘で緊急事態宣言 感染抑制へ協調対応促す

聞きなれない感染症の為、まず「どのような感染症なのか?」というところから、知る必要があると思い情報を探してみた。
NIID国立感染症研究所:サル痘とは
厚労省HP:サル痘とは

厚労省が発表している、今年7月6日時点の感染地域の中には、日本は含まれていないようだが、中国での感染は認められているようだ。
とすれば、日本でも感染者が見つかるのは想像以上に、早いかもしれない(という危機感を持つ必要があるだろう)。
そもそも感染症は、人が動くことで感染地域が拡大していく。
これは、「新型コロナウイルス」だけではなく、過去の感染症全般に言えることだ。
だからこそ、諸外国は「ロックダウン」という「都市封鎖」をし、感染地域内での封じ込めをしようとしたのは、記憶に新しいと思う。

問題は、この「サル痘」が感染症の分類として「第4類感染症」に指定されている、という点である。
確かに、「天然痘ワクチン」の接種が有効である、ということが判明しているとは言え、「天然痘」そのものが「唯一撲滅させることができた感染症」と言われているように、先進諸国だけではなく世界中で「既に過去の感染症」という認識をされてきた。
そのため「ワクチン」の保有そのものが、どれほどあるのか?という懸念があるのだ。
その懸念からWHOが「感染抑制へ協調対応を促す」ことになっているのだろう。

「サル痘」以外にも、毎年夏になると子どもたちにあいだで流行する感染症がある。
毎日新聞:子どもの感染症が急増 コロナ以外にRSなど・・・救急搬送困難に

今の状況は、「新型コロナ」という感染症の対応だけをしていればよい、という状況ではない、ということになる。
とすれば、「新型コロナ」をいつまで、「第2類感染症」としておくのか?という点も、問題になってくるのでは?と想像している。
確かに現在流行している「オミクロン株BA5」は、感染力が強いとされているが、重症化はしにくいといわれている。
人は「重症者数や死亡者数」という、人数に注目しやすいが「感染者数全体に対して、重症者率や死亡率」等を見ていかなくては、対応策を見誤てしまうことになる。
決して、一人ひとりの患者さんをないがしろにしているのではなく、一人ひとりの患者さんに適切な治療を受けてもらう為には、そのような数字による判断が必要である、ということなのだ。

果たして岸田政権は、このような状況下を把握し、いち早い医療体制を整え、違う感染症患者一人ひとりに、適切な医療を提供する為の判断が、いつできるのか?今、その状況判断が求められていると思うのだ。



 


ライバルを知る事から始めよう

2022-07-23 08:29:47 | ビジネス

朝日新聞のWebサイトに、「ライバルを知る」為には必要かもしれない、という記事があった。
朝日新聞:中国製50万円EV車をバラバラに 岐阜の廃校で見た安さの秘密

日本では、ハイブリッド車が主流になっているために、EV車そのものの普及にはまだまだ時間がかかりそうな状態だ。
とはいえ、日産は「SAKURA」という軽のEV車を発売している。
「SAKURA」というネーミングを付けた、日産の意気込みのようなものを感じる。
ご存じのように日産は、この「SAKURA」というEV軽自動車を発売する前から、普通乗用車「NOTE」というEV車を販売している。
EV車の先陣を切っていたのは、三菱だったような記憶があるのだが、一般道を走ることができる普通のクルマという点では、日産が一歩リードしている、というところだろうか?

上述したように、日本ではハイブリッド車が主流になっているために、EV車そのものの普及は中国よりも遅れを取っている、というのが現状だろう。
何故なら、いち早く「EV車の普及」を言い始めたのが、中国だからだ。
中国という巨大な市場を考え、欧州ではハイブリッド車ではなくEV車への研究を加速させたといっても加減ではないかもしれない。
とはいうものの、欧州のEV車についてもまだまだこれから、という印象を持っている。
そんな状況の中で、このような展示が常設されているとなると、自動車メーカーの研究者にとっては嬉しいのでは?
いくら安い中国製EV車と言えども、「ライバルを知る」という機会となるからだ。

何となくだが、日本で研究されているEV車というのは、とても難しい技術を要するEV車のような気がしている。
それが悪いわけではない。
おそらく日本の自動車メーカーが考えているのは、「給電から蓄電、走行に至るまでトータル的な自然エネルギーの活用」であったり、「循環型社会を見据えた水素自動車」であったりするのでは?という気がしているからだ。

将来的には、そのような「循環型エネルギーを最大限に生かしながら、自動車そのものも循環型社会に対応できる」というクルマになっていくのでは?と、想像することができる。
そのための様々な「金・技術・時間」というモノが、膨大過ぎて道半ばという状況なのだと思う(というか、信じたい)。

それに対して、今回展示されている中国製EV車は、「電気で走行するクルマ」というレベルなのではないかと、思っている。
とはいえ、「たいした技術ではない」と考えるのではなく、相手の「EV車に対する考え方」や「EV車開発の技術」ということを知る事は、中国の自動車メーカーを知るということでもある。
ライバルの現状を知る事で、安心してしまうのではなく、「何を考えて開発をしたのか?」とか「その将来的な方向性を知る」という視点で、これらの展示を見る事で、中国の自動車メーカーの現在地を知るきっかけとなるような気がするのだ。


「現状を維持=何もしない」ことで、嵐が過ぎ去るのを待つ日銀

2022-07-21 18:44:14 | ビジネス

日経新聞のWebサイトに、黒田日銀総裁の記事がトップ扱いであった。
日経新聞:「利上げ全くない」急速な円安はマイナス

米国の利上げが行われたのは、今年の春だったような気がする。
その時から、急激な円安が始まり、ガソリン価格や小麦製品等が相次いで値上げされた。
そしてこの値上げは、まだまだ続くとみられている。
このような状況の中でも、円安に振れた要因の一つである利上げはせず、現状維持のままというのが金融政策決定会議の結論のようだ。

「利上げをすれば、円安が止まる」という確証はないにせよ、生活者とすれば実質的給与は上がらず、ガソリン代や食品等の値上げが相次ぐ中、その値上げに対してかかる消費税も増える、という状況が続いている。
多くの生活者にとっては「青色吐息」という状況が続いている、と言っても過言ではないかもしれない。
それに加えて、「新型コロナBA5」の感染拡大が、これまでとは違う規模で広がっている。
今のような「治療体制」であれば、家族の一人が陽性者となってしまうと、家族全員が仕事や学校を休まなくてはならず、経済的痛手となっている可能性も高い。

このような状況が分かっているのかいないのか?と、疑問に感じつつ関連記事を探してみると、日銀の考えが何となくわかってきたような気がするのだ。
Reuters:日銀総裁、金融緩和の継続を明言 識者はこうみる

Reutersの識者といわれる方々の意見を読んでみると、「円安はいつか終了するので、それまで待ちましょう」というように読めるのだ。
確かに、日本だけが金融緩和をやめたからと言って、急速なドル安やユーロに影響があるのか?という、疑問はある。
「円安という、嵐が過ぎ去るのをじっと待つ」というのも、一つの考え方だろう。

ただ、今のような社会状況の中で、そのような政策が通用するのだろうか?という、疑問を感じる部分もあるのだ。
というのは、今の生活者の「消費に対する気分」が、マイナスへと動いているのでは?と、感じるからだ。
バブル経済が崩壊してから、30年日本の経済は上向きになる事が、一度もなかった。
故安倍元総理が行った「アベノミクス」で、大企業の内部留保は年々増え続けたが、生活者の生活が豊かになったという実感は、ほとんどない。
むしろ、非正規雇用者が増えたため、安定した収入を得る事ができなくなった人達が増え、「安心してモノ・コトを購入する」という気分が、失われていってしまったような気がしている。
当然、そのような「社会的雰囲気」は、直接的に消費活動へと影響を与える。

そのような状況に追い打ちをかけたのが、「新型コロナ」だったように思うのだ。
今や「新型コロナ」は、感染症という視点だけではなく「生活者にダメージを与え続けている経済問題」という視点でも、考える必要があるのではないだろうか?

黒田日銀総裁や経済アナリストと呼ばれる識者の方々が考えているように「嵐が過ぎ去るのを待つ」だけの生活者の経済的体力があるのか?
そのような視点で、考えられていないような気がしていならない。


言いがかり?ディオールのデザインと中国の伝統衣装

2022-07-20 21:27:52 | マーケティング

ファッション専門誌・WWDJapanを見ていたら、「またか~」と思う記事があった。
WWD Japan:「ディオール」が中国ネット界で炎上「制服に着想した」スカートが中国の伝統衣装に酷似と批判

中国で問題になっている「伝統衣装・マミアンスカート」が、どのようなデザインなのか、調べてみると日本でも一般的なロング丈のボックスプリーツスカートのようだ。
AliExpress:女性のための古典的な中国のダンスコスチューム

上述したように、このようなボックスプリーツのスカートというのは、ディオールに限らずとても一般的なデザインで、日本の女子中高校生のスカートとしても採用されているようなデザインだ。
ディオール側の「制服に着想した」というのは、あながち嘘ではないだろう。
おそらくフランスの「リセ」と呼ばれる女子中高校の制服としても、使われているデザインなのでは?と、想像するコトができる。
それを「中国の伝統衣装を真似た」と言われても、ディオール側としては反論のしようもないような気がする。

この騒動の記事を読んだとき、ディオール側も災難だな~と感じたのも事実だ。
というのも昨年だったと思うのだが、アジア系モデルを起用した写真が「アジア人に対しての屈辱」と炎上したことがあったからだ。
BBC News:ディオールの「小さな目」の写真に批判、写真家が謝罪 中国

確かにこの時は、アジアというよりも中国人的な印象を与える広告写真となっていることは、確かだろう。
しかし「小さい目=アジアを屈辱」というのは、どうなのだろう?というのが、当時の率直な感想だったように思う。
例えば、アジア女性に多いといわれる「一重瞼」。
欧州の人たちからすれば、「一重瞼=エキゾチック」ととらえられている。
切れ長の一重瞼で世界中のファッション業界から引く手あまたの人気者になった山口小夜子さん等は、その好例であろう。
今でも、海外で活躍する日本人やアジア系モデルの多くは、「エキゾチックさ」という点で人気を博している。
見方を変えれば、アジアではコンプレックスの種であっても、他の地域に行けば魅力としてとらえられる、ということでもあるのだ。

そのような問題を昨年の秋に引き起こし、再び難癖のようなコトを言い始めてしまうと、デザイナーとしての創造力が狭められてしまうのでは?と、懸念をする。
と同時に、そのような難癖をつけてくる国でブランド展開を積極的に行う気が失せてしまうのでは?という、気もするのだ。
確かに中国という市場は、規模も大きく経済発展も凄まじい状態が続いている。
ただ、その経済発展がいつまで続くのか?というと、疑問を感じざる得ない。
理由は、一人っ子政策の為、今後全体の人口は減少へと向かい、日本以上の急激な高齢者社会になっていくのでは?と既に言われているからだ。
それは、市場が縮小していくと、十分に考えられるからだ。
2か月ほど前だっただろうか?テスラのイーロンマスク氏が「日本は消滅する」と、tweetして話題になったが、日本以上に速い速度で人口減少を迎えると考えられるのが、中国でもあるのだ。

ディオール側からすれば、そのような「市場が縮小していくであろう」中国が、これほどまでに難癖のようなコトを言い続けると、ますます市場の魅力を失っていくのでは?と、考えるのだ。
そのようなことも考えたうえでの「炎上」なのだろうか?


メディアは「不安」ではなく「安心」を

2022-07-19 20:54:54 | アラカルト

今朝、FMを聞いていたら「そこじゃない!」という、話があった。
それは「新型コロナ感染者数」についての情報だった。

ご存じのように、「新型コロナ」の「オミクロン株」の変異が止まらずにいる。
そして変異株が登場する度に、感染者数が増えるという繰り返しの状況が続いている。
そして今回流行の兆しを見せているのが「BA5」という、変異株だ。
Reuters 情報Box:新型コロナ感染で主流になった「BA.5」の特徴

ロイターの記事を読むと、既にインドでは、新しい変異株が見つかっているようだ。
「オミクロン株」が登場した頃から、「ウイルスは次々に変異をしながら、弱毒化していく」と、ずっと言われ続けている。
当然、変異株がひとたび流行の兆しを見せれば、それ以前の変異株は駆逐され(という表現が良いのかはわからないが)、新しい変異株に置き換わっていく。
その繰り返しの状況が、今年に入ってから、繰り返されてきている。
そのような状況である、ということが分かっていながら「感染者数が急激に増えている」ということばかりが、メディアを通して伝えられ続けている、というのが日本の現状だ。

本当に知りたい情報というのは「変異株による感染症状。潜伏期間。回復期間。重症化率」などではないだろうか?
しかし、メディアを通して伝えられるのは「感染者数」だけで、その対応策というのも3年ほど前から変わっていない。
そのため、今朝私がFM番組で聞いた「新幹線等で『新型コロナ感染対策の為、車内では常に換気等を行っていますが、不安を感じられるお客様もいらっしゃるので、マスクの着用をお願いしております。』というアナウンスが、利用者に安心感を与えている」という、奇妙な話が「安心感を与えている」という話になってしまうのだ。

ここで重要なのは「不安感を感じる」という言葉なのだと思う。
「新型コロナ」が流行し始めた頃から、メディアや政府のアナウンスの多くは一貫して「不安を煽る」言葉が多かったように感じている。
「不安を煽り」ながら、対策となるのは「3密を避ける。手洗い・うがいの励行。マスクの着用」で、ワクチン接種が始まると「ワクチン接種をお願いします」という言葉が加わる事となった。

「ワクチン接種」に関しては、政府主導でなくては進まないことは確かだが、その接種データ管理に関してずさんな管理が発覚し、国民からの信頼を大きく損ねる事となっている。
そもそも、ワクチン接種をする際、接種券を持っているにもかかわらず、診察券の他本人確認資料まで提出をさせられているにもかかわらず(私はかかりつけ医での接種だった)、本人が接種月日を覚えていないから「未接種扱い」という統計の取り方は、どこかおかしな気がする。
接種記録として、本人確認までしているのならそれに紐づけされていない、ということに「一体何の為の本人確認資料の提出だったのか?」と、疑問にすら感じる程のずさんな管理だからだ。

これらのデータの管理を始め、個人に負担をかけるような「気合と根性」を維持させる為に、必要以上に「不安感を煽っている」ようにしか思えないのだ。
本来であれば、このような「感染症」の場合、「不利益と利益のバランス」と「現実に基づいた分析データの開示」、それら「データに基づく対応策」が、政府なり専門家会議のようなところから発表されることで、国民は大きな安心を得られる。
その「安心を得る」というよりも、「不安感を煽る」ことで常に緊張感を強いて、様々な活動を萎縮させているような気がするのだ。

このような状況では、何時まで経っても日本は「新型コロナ」という「感染症不安症」から、逃れられないような気がしている。




「クラフトサケ」という、発想

2022-07-16 19:54:52 | マーケティング

今朝FMを聞いていたら、「なるほど、そのような発想もあるのか?」と、感じる話があった。
TFM Hand in Hand:南相馬市小高地区、人口がゼロになった町で挑戦するゼロからの酒造り

「人口がゼロになった」という文言と、南相馬市という場所を知れば、この地域が「東日本大震災の被災地である、ということはわかる。
その中でも「南相馬市小高地区」は、「東京電力第一原子力発電所事故」により全地域が避難地域となり、一時期「人が住めない場所」になったようだ。
だからこそ「人口がゼロ」という意味になるのだ。

避難期間が長くなればなるほど、町そのものが荒れ果てる。
避難勧告そのものが、突然であったため家畜等を移動させることができず、一時期は「家畜の野生化」という問題も取り沙汰された時期もあったように記憶している。
当然のことだが、酒造りに欠かさない「酵母」そのものも、諦めざる得なかっただろう。

そのような環境の中で、失ったものを違うカタチで復活させる方法として生まれたのが「クラフトサケ」という、どのようなジャンルにも含まれない「日本酒」なのだ。
「日本酒」なので、米と酵母を使い発酵させているという工程はあるのだが、それらの工程に一工夫をし「クラフトサケ」を作っているということのようだが、おそらく「日本酒」という概念だけで考えていたら、「クラフトサケ」という発想は生まれていなかったのではないだろうか?

その背景にあるのは、「日本酒」そのものの売り上げの低下ということがあるのでは?と、想像をしている。
PR TIMES:国内の20~30代のやく7割が1年以上日本酒に触れていない/全国の男女に聞く「日本酒」の飲用実態調査を実施

日本酒そのものの飲用が減る=売上の減少ということになれば、造り酒屋そのものが減少するだろうし、杜氏といわれる酒造りのプロの方たちの高齢化等も、日本酒の減産に繋がっている可能性はあるはずだ。
とすれば、「日本酒」独特の風味や香り等を残しながら、若い世代にも飲みやすい(受け入れられやすい)日本酒が必要ということになっていくのは、自然なことのように思える。
アイディアとして考えられるのは、「日本酒」をカクテルのベースとして飲む提案があるかもしれない。
基本となるのは、「食事と共に楽しむ日本酒」だとすれば、有名レストランや料理店との協業という方法も必要かもしれない。

今のような状況では、日本酒そのものが廃れていく可能性もあるはずだ。
それは、日本の食文化の一つを失う、ということでもある。
そのような危機感の中から「クラフトサケ」が考えられるようになり、南相馬市の「人口ゼロ」の町だからこそ、そのハードルが低かったのでは?という気がしている。
もしかしたら、「米+酵母+地元の果物」等を合わせる事で、その地域らしい「クラフトサケ」ができるようになるかもしれない(あくまでも想像の話です)。

それは、日本国内で低迷している「日本酒」だが、海外では人気になりつつあることを考えると、「新しい日本酒スタイル」として、世界にPRすることができるようになるかもしれない。