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女性マーケターから見た日々の出来事

秒速で当確速報が流れた「都知事選」

2024-07-07 21:31:56 | 徒然

今日行われた、東京都知事選。
東京都民ではないので、当然選挙権を持っているわけではないのだが、以前拙ブログでもエントリをした通り、東京都の予算はオーストリアと同じくらいの規模がある。
とても乱暴な表現なのだが、東京都は日本という国の一自治体という規模ではない、ともいえる。
その為、東京都民以外の人達にとっても、注目すべき「首長選」ということになるのだ。

投開票のスタートが夜の8時だったと思うのだが、それから1,2分後には「小池百合子氏、当確」という速報が、ニュースサイトに流れた。
事前にいくつかのパターンのテロップなどを用意していると考えても、当確速報が早すぎると感じるほどの「秒速当確」だった。
確かに、私が住んでいる名古屋市なども「名古屋市長選」では、現職の河村たかし氏の当確が秒速でネットニュースなどに流れる。
それほど圧倒的な人気を擁している、ということになるのだが、その一方では対抗馬となる候補者の力不足感が否めない。
いわゆる「対抗馬」と呼ばれる候補者が、いないに等しいのだ。

今回の東京都知事選を見て見ると、決して「対抗馬」と呼ばれる立候補者がいなかったわけではない。
蓮舫さん等は、国会議員を辞しての立候補だったし、石丸氏なども市長を辞任しての立候補だった。
数多くの「泡沫候補」が登場したが、おそらくこのような候補者に流れた雹は、さほど多くはなかったのでは?と、想像している。
とすれば、立候補者の力不足というよりも、小池候補の圧倒的な「組織票」、ということが考えられる。

確かに小池都知事を推していたのは、組織票では圧倒的な強さがある自民党と公明党だった。
特に公明党は、創価学会の婦人部が選挙応援を手伝うなど、強固な組織をつくり上げている。
それは選挙活動のお手伝いだけにとどまらず、当然のことながら実際の選挙でも、その組織力は発揮される。
国政選挙において、創価学会婦人部を敵にまわすと当選できない、と言われるゆえんである。

都知事選公示前から、小池さんに関しては様々な「噂」が飛び交っていた。
その一つが、「カイロ大学卒」という、学歴に対する疑惑だ。
この「学歴に対する疑惑」等は、創価学会婦人部の皆さんが嫌いそうなテーマのような気がするのだが、どうだったのだろう?
もう一つは、「神宮の木々を伐採して、マンションなどの建築許可」という問題だった。
実はこの「神宮の木々の伐採」については、国内だけではなく海外からも批判が出ていた。
それだけではなく、このマンションなどを含む開発事業者が、築地跡地の開発にもかかわっていた事が判明し、都民が知らない裏があるのでは?という、指摘もされた。

その後も、2020東京オリンピック開催に関する、特定企業との癒着は東京都庁のプロジェクションマッピングの契約にも関係しているのでは?という指摘までされた。
個人的には、この東京都庁のプロジェクションマッピングに40数億の費用を要した、と知って驚いたし、そのプロジェクションマッピングの動画を見たが、40数億の費用がかかるようには見えなかった。
最も、毎日行うのであれば、膨大な費用は掛かっても仕方ないのかもしれないが、毎日行う必要があるのか?という、当たり前の疑問を持たなかったことが不思議でならない。 
東京都:Tokyo Projection Mapping  Tokyo Night&Light 

とはいえ、結果は結果だ。
東京都有権者が決めたことなのだから、部外者は「遠吠え」のように騒ぐしかない。
そして、今後の小池都政に不満や疑問を持ち、様々な指摘ができるのは、今回投票に行った人達に限られる、ということにもなる。
「投票をしなかった=無言の小池都政の承認」だからだ。
そう考えると、有権者が投票することは「政治に文句を言う権利を得る」という、コトなのかもしれない。


東京都知事選を考える

2024-06-13 15:24:29 | 徒然

一昨日になるのだろうか?任期満了に伴う東京都知事選の立候補の締め切られた。
大方の予想通は、立憲民主党から離党した蓮舫さんと、現職の小池都知事の一騎打ち、ということらしいのだが、どうやら過去最多の立候補者となったようだ。
朝日新聞:都知事選ポスター、貼る場所は足りる?立候補は過去最多の可能性 

確かに、都知事選の話題が出始めた頃から、様々な人の名前が取り上げられてきた。
例えば、安芸高田市市長だった石丸伸二氏は、市長を辞めての出馬だ。
安芸高田市の市長となられた時、市議会と相当激しいバトルを繰り広げた、という印象がある方だ。
他にも、台湾のデジタル担当大臣を委任されていた、オードリー・タン氏の強い勧めがあったと言われる「天才AIエンジニアでSF作家」の安野貴博氏も出馬することを表明していた。
他の自治体からすると、若くて勢いがあり、様々な才を持つ立候補者がいるだけでも、うらやましいと感じる(のは、私だけだろうか?)。

このような状況の中で、小池さんが最後に立候補を表明した、というのは(言葉が悪いが)一種の「後だしジャンケン」のような、印象を持ってしまった。
実はこのような手法で、選挙戦を戦ったのは小池さんだけではない。
故石原元都知事も、立候補締め切りギリギリでの出馬表明をされていたように記憶している。
元々東京都知事選は、立候補者が乱立することが多いので、その情勢を見ての出馬と言われていた。
おそらく、小池さんも同様の考えだったのでは?という印象だ。
だからこそ、小池さんは組織票に強い自民党と公明党からの推薦を得たのだろう。
組織票を持たない立候補者が乱立すればするほど、強い組織票を持つ立候補者の方が、選挙では有利だからだ。

しかし、ここにきて小池さんに逆風が吹き始めているのでは?という気がしている。
それは「環境」という言葉をキーワードに、これまでの選挙戦を戦ってきた感のある小池さんが、実は東京都内で行われている大規模な開発に関与しているのでは?ということが言われ始めているからだ。
直接的関与というよりも、「開発の承認をした」という方が、適切なのかもしれない。
しかも、これらの開発に関わる企業が特定の企業に限定されている、とすれば、その特定企業との関係を疑う有権者も出てくる。
その一つが、神宮外苑の木々を伐採し、マンション建設であったり、築地市場跡地の開発なのだ。

昨日エントリをした「ジェンダーギャップ」という視点で考えれば、女性が東京という「日本の中心地」の首長となることは、良いことだと言えるかもしれない。
しかし「権力を手にした者」が、自分の利を求める様になれば、ジェンダー云々ではなく退場を求めることも必要だろう。
著名人だから、社会的信頼度があるのではない。
大切なことは「自分たちの住む街をどうやって良くしていくのか?」というビジョンと意志の強さがあるのか?ということだと思う。
どうか、今回の都知事選では「誰がやっても同じなら、社会的信頼の有りそうな著名人に…」という選択ではなく、「自分ごととして、社会的問題をとらえることができ、その為のビジョンと意志を持つ人」を、選んで欲しい。
何故なら、「日本の顔・東京」首長選びは、「日本のイメージ」に繋がり、都民以外は選択する術がないからだ。






 


「自民党をぶっ壊す」のは、岸田さんかもしれない

2024-05-31 22:00:50 | 徒然

今から20年ほど前だろうか?当時の自民党総理であった小泉純一郎氏が、「郵政選挙」という名の総選挙に打って出た時、「自民党をぶっ壊す!」と、演説をしていた。
その時の状況は、「郵政民営化」を焦点とし、自民党内を二分するような状況だった。
当時の小泉さんの狙いは一つ。
「郵政民営化」に賛成するのか?しないのか?ということを、自民党員の賛否を問うということだった。
同じ自民党の立候補者であっても、「郵政民営化反対」の候補者に対して、「落下傘候補」と呼ばれる、若く「地盤・看板」を持たない立候補者を各方面から募り、選挙に打って出たのだ。

結果は、ご存じの通り「郵政民営化」は一気に進み、小泉さんの思惑通り進んだ。
とはいえ、「落下傘候補」として立候補し、国会議員となった人の中には、当選したことでその役目を終えたと言わんばかりに、次の総選挙では出馬をしなかった人もいた。
もちろん、この選挙を切っ掛けに国会議員として残っている方も、いらっしゃる。
現在では、旧態然とした自民党議員になってしまったな~という印象の方も少なからずいらっしゃる。

それでも自民党という政党が生き残ってきたのは、自民党内に野党のような考えを持つ議員等もいることで、自民党内の政権交代を行ってきたからだろう。
そんな自民党が、今総理である岸田さんによって「ぶっ壊されそう」になっている。
朝日新聞: 「これまでの積み上げ、全部ぶっ壊した」首相決着に不満渦巻く自民 

確かに、今の自民党の状況は危機的状況だと言えるだろう。
岸田首相に対する支持率はもちろん、内閣に対する支持率も下がり続けている。
一般的に言われる「危険水域」である30%割れとなって、1年以上経つような印象すらある。
その不支持の高さの状況の中、次から次へと自民党議員自身の甘さによる、問題が次々に起きている。
中でも、今回の「裏金問題」は、有権者から到底理解できるものではなく、自民党から出された「改定案」そのものも、有権者からすれば話にならないほど、甘い内容だった。
「自分に甘く、一般世間に厳しく」という、政治家の姿勢は政治不信をより一層招いているにもかかわらず、岸田首相は理解しているのか?と、疑問に感じている有権者が、SNS等を通して声を上げ始めた結果、自民党の内部崩壊を感じさせるようになってきている。

一つは岸田首相のリーダーシップの問題があるだろう。
もう一つは、岸田首相本人が「無自覚」なのでは?と、考えている。
政党、政治家として「無自覚」であることは、「無責任」ととらえられても仕方のない部分がある。
「無自覚・無責任」の首相が率いる政党ならば、その政党を構成する議員たちはバラバラな方向を向くようになってしまう。
上述したように、自民党そのものが「内部に野党がいる」ような、多面的な政党だった。
その多面的政党をまとめることもできず、無自覚・無責任なリーダーであれば、内部崩壊するのは時間の問題と言っても、過言ではないと思う。

そう考えると、「自民党をぶっ壊した政治家」は、岸田さんなのでは?という、気もしてくるのだ。



「憲法記念日」に考える、改憲の意味

2024-05-03 23:31:57 | 徒然

今日は憲法記念日だった。
「憲法記念日」に合わせ、毎年のように実施されるのが「改憲に対する世論調査」だ。
讀賣新聞:憲法改正「賛成」63%、9条2項「改正」は最多53%…讀賣世論調査 

毎年「改憲」の是非を問う世論調査の中心となるのは、讀賣新聞が実施したように憲法9条であることが多い。
日本が「戦争に対してどのように考えているのか?」ということを、問う内容だからだ。
しかし、この憲法が制定された頃と今とでは、世界情勢が大きく変わってしまっている。
その為に「改憲」を支持する人達が、過去最多という結果になった、ということだろう。

しかし改憲は、9条だけの問題ではない。
今世間で求められている「改憲」の一つは、「皇位継承」という問題もまた、含まれているはずだ。
「男系男子」にこだわる理由が「萬世一系」ということだが、時々の権力者によって都合よく書き換えられている、というのは洋の東西を問わず行われてきたことだ。
まして、日本の歴史は諸外国よりも古いことを考えれば、神武天皇から「萬世一系」と言い切れる根拠は、まずないだろう。
そのような歴史の中にあって、「女性天皇」は、過去認められ存在していたという事実はある。
であれば、「皇位継承」の安定の為にも、「直系長子」の方が時代的にはあっている、と考える人達が増えてもおかしくはない。

また、国会議員に関する内容についても、今後ますます議論していく必要があるのでは?と、感じている人達も多いのでは、ないだろうか?
明治の頃のように、ごく一部の人達によって国の未来を託すことの危うさは、明治・大正・昭和という時代が、「戦争の時代であった」ということでもわかる。
第二次世界大戦の終結の為、ポツダム宣言を受け入れたことで、日本の敗戦は決り、今の日本国憲法がつくられることになったのだが、それでも70年以上前と今とでは、社会の制度や仕組みをはじめ様々なコトが大きく変わってきている。
「憲法を変える」ことは、これまでの「良き日本を変える」ということではないはずだ。

むしろ今問題になっているのは、国会議員がその権限を歪曲化し、都合よく政治とは言えない行為を行っている、ようにも見える。
もちろん、国会議員は「国民から選ばれ、国をより良くしていく」という使命を託されている人達なので、そのような人物を選んでしまう側にも問題がある、ということになる。
だからこそ、「憲法」がある意味と意義を、きちんと知る必要がある。
そのことを考えるのが「憲法記念日」ということになるのだろう。


時代を超え、繰り返される「反戦と学生」‐米国コロンビア大学での学生デモ‐

2024-05-02 21:29:18 | 徒然

Huffpostを見ていたら、「時代が変わっても、繰り返されるのだな~」と、感じる記事があった。
Huffpost:コロンビア大学に警察突入。56年前の同じ日にもベトナム反戦デモの学生らが逮捕されていた 

56年前のベトナム反戦デモは、映画化されている。
おそらく私と同世代以上の人達であれば、一度は聴いたことはあるのでは?と思う、ユーミンの「いちご白書をもう一度」のタイトルに使われた「いちご白書」という映画だ。
このタイトルとなった「いちご白書」というのは、当時のコロンビア大学の学長が、コロンビア大学内の「ハミルトンホール」に集まったデモ学生に向かって「何を甘ったるいことをやっているのだ」という趣旨の話をしたことから、このデモのことを「The Strawberry Statement」と呼ばれるようになったと、言われている。
それが、当時コロンビア大学の学生だったジェームス・クネンが「The Strawberry Statement」という本を書き、その後映画化されたのだった。
初公開時には、映画としてどれだけヒットしたのかはわからないのだが、ユーミンの「いちご白書をもう一度」のヒットにより、リバイバル上映をされた(リバイバル上映を映画館で観たのが、私と同世代だろう)。

個人的には、映画のストーリーよりも使われた数々の時代を象徴するような、ヒット曲とそれらの楽曲が使われた場面の方が印象的で、今でも断片的ではあるが、覚えている。

思い出してみれば、56年前米国の大学で起きたベトナム戦争に対する反戦運動は、日本の大学にも影響を及ぼしていた。
反戦運動というよりも「安保反対」に対する学生運動といった方が良いだろう。
コロンビア大学でのハミルトンホールでの学生排除と逮捕が行われた頃、日本でも学生運動が過激化しつつあったような気がする。
その一例が「東大安田講堂事件」かもしれない。
「東大安田講堂事件」の発端は、反戦運動ではないのだが、映像に残る大学構内での学生運動の攻防戦として「東大安田講堂事件」は、忘れられない出来事だった。
他にも同じ年には、新宿騒擾事件(通称:新宿騒乱)等が起きている。
新宿騒擾事件は、反戦運動を繰り広げていた大学生たちが起こした事件である、ということを考えると、コロンビア大における「ハミルトンホール占拠」に近い動機なのかもしれない。
このような熱量は、「いちご白書をもう一度」の歌詞のように、就職活動が近づくと離脱する学生が続出し、残った学生たちはより過激な行動へと発展し、1970年代初めに様々な事件を引き起こすことになる。

当時のことを今更あれこれ言ったところで、今の日本の大学生が反戦デモをするとは思えない。
それは日本と米国における学生の社会的意識の違い、というだけではなく、社会に対する熱量が、全く違うと感じているからだ。
経済的にも30年以上落ち込み続け、豊かさを感じることが無いまま育ってきた今の日本の学生たち。
それだけではなく「全入時代」と呼ばれるほど、大学進学が当たり前になったことで「大学生」が、特別なものではなくなった、ということも関係しているような気がしている。
良い悪いではなく、今という時代の大学生の姿を見て、そのように感じているということなのだ。





衆議院補選一点突破?の自民党

2024-04-16 20:55:33 | 徒然

いよいよ、衆議院の補選が始まった。
その中でも注目されるのが、島根1区ではないだろうか?
というのも、今回行われる補選の中で、与野党候補相まみれる選挙となるからだ。

島根1区に限らず、島根は自民党が圧倒的に強い「自民王国」の一つだ。
島根1区は細田、島根2区は竹下と、いずれも自民党の重鎮を輩出している選挙区でもある。
この島根選挙区において、細田博之氏も竹下登氏の弟である竹下亘氏も、後継者指名をすることなく逝去している。
その為、これまでのように「自民王国・盤石な自民党支持」という状況ではなくなっている、というのが現状と言える。
だからこそ、自民党は選対委長の小渕優子氏を初日から投入し、自民党支持を訴えたのだ。
朝日新聞:島根に入ると「裏金~」と自民批判 おわびから始まる補選での逆風 

そして「自民王国・盤石な自民党支持選挙区」であるはずの、島根1区で自民党候補は相当な批判を浴びるスタートになってしまった。
もちろん、応援演説に駆け付けた小渕優子氏に対しても、それなりの批判的発言が相次いだのでは?と、想像することができる。
理由は見出しにある通り「裏金問題」だ。

もう一つ忘れてはいけないのは、これまでの自民党支持者であった多くの人達は、実は自民党支持者ではなく細田氏や竹下氏の支持者であった、ということではないだろうか?
自民党という政党ではなく、議員個人の支持者であった、という場合その個人が政界から去った後、後継者指名がされていなければ、浮遊票となってしまう可能性が高い。
自民党の政策に共感し、自民党を支持していたのであれば、政治家の逝去によって大きく得票数が落ち込むことはない。
しかし、議員個人の支持者であった場合、後継者指名がされていなければ、政党支持に結びつかないからだ。
だからこそ、自民党は補選でありながら自民党内の「大物」と言われる政治家を島根1区に投入し、自民党支持を訴える、ということをしなくてはならないのだ。

上述したように、「自民王国」と呼ばれる選挙区は地方には多くある。
その実「自民党支持者」ではなく「議員個人支持者」によって、選挙戦を勝ち抜いてきたような選挙区の方が、多いのではないだろうか?
地方で起きる「議員個人支援者」が何故多いのか?と言えば、多くの支持者は議員個人に対して様々な陳情を行い、その支持者に対して利益誘導的政策をしてきたからだ。
支持者が「(高速)道路が欲しい」と言えば、国土交通省に働きかけ、高速道路整備予算を取り付ける、ということを長い間行ってきたのが、今の自民党だからだ。

そして今回「裏金問題」で名前の挙がった議員たちは、「個人的支持者」がどれほどいるのか?
名前の挙がった議員が多すぎて、はっきりとわからないが「議員個人支援者」によって、選挙を勝ち抜いてきた人は、二階さん位だったのでは?
そう考えると、今回の島根1区の選挙は「政党支持vs議員個人支持」の戦いからの脱却とみてもよいかもしれない。


岸田総理の「旧安倍派」潰し?

2024-04-04 20:59:40 | 徒然

先日来から話題になっていた「旧安倍派幹部」に対して、離党勧告等の処分が発表された。
今回の裏金問題にかかわった人数の約半分が、今回の対象となっている。
全員ではなく半分というのが、岸田総理らしいというか、有権者からすると「処分対象の線引きは?」と、ツッコミたくなる。
そもそも500万円という線引きの理由説明もされていない為、離党勧告等の処分を受けることとなった議員たちからすれば、納得いかないだろう。
実際、納得していない議員もいるようだ。
朝日新聞:自民・塩谷氏「独裁的な運営に断固抗議」処分への弁明書で執行部批判 

塩谷氏と同じように離党処分対象となった、世耕氏は離党勧告を受け離党届を提出したようだが、その心中はどうなのだろう?
「明鏡止水」という言葉を使い、平常心をアピールしているが、その心打ちは本人にしかわからない。

ただ一連の「裏金問題」の岸田総理の対応を見ていて感じることは、「旧安倍派潰し」ということだ。
確かに、今回の問題の発端は旧安倍派のパーティー券収入を、党から議員個人へと還流させていた、ということが発覚したことが、始まりだった。
特にその額が大きかった「5人衆」と呼ばれた人達は、故安倍元総理から厚遇されていた。
厚遇されていたからこそ、金額も多かったし、それなりのポジションを党内や内閣内で得られることができていた。
今となっては、自民党内における「ご褒美」扱いだったのかもしれない。
だからこそ、旧安倍派は自民党内で最大派閥となりえたのだろうし、最大派閥=最大勢力として、権力を振るってきたのだと思う。

そのような最大派閥であり、最大勢力の旧安倍派から支持を得る必要があった、岸田総理は故安倍元総理の銃撃事件直後に、「故安倍元総理の国葬」を、十分な議論をする時間も与えず閣議決定させ、国葬を行ったのだろう。
この時の岸田総理は、旧安倍派を敵にすることは得策ではない、と判断をしたのでは?と、想像してしまうのだ。

そして、今回の「裏金問題」が発覚すると、自己保身の為に「旧安倍派潰し」へと動き出したように感じるのだ。
現在の自民党裏金問題は、旧安倍派だけの問題ではなく、自民党全体の問題となっているからだ。
自民党(に限定するべきではないかもしれないのだが)という政党自体が、公然と裏金作りに励んでおり、それは岸田総理についても同じだからだ。

岸田総理としては、「現在の問題の切っ掛けとなった旧安倍派をつぶせば、『政治と金」という政治改革をした総理になるし、自分自身に火の粉がかからないようにすれば良い」という感覚なのでは?
穿った見方かもしれないが、岸田総理の就任以降の行動を見ていると、時には最大勢力のすり寄り、自分に不利だと思えば、あっさり切り捨てる、自己保身と自己顕示欲の強い政治家なのでは?という、印象すら持ってしまうのだ。

岸田総理の一貫していることは、「自分」という軸で物事を考え政治を動かそうとする姿勢だ。
それを「政治家の劣化」というのかもしれないが、このような政治家の姿を見させられる国民が、一番の迷惑と感じているのではないだろうか?


500万円の線引き理由が、わからない ー自民党党紀委員会ー

2024-04-01 19:35:00 | 徒然

昨年暮れに発覚した、自民党の「裏金問題」。
故安倍元総理が、このようなパーティー券の裏金化をやめようとしたが、森元総理が復活させた等、様々な情報が飛び交っているが、「パーティー券裏金つくり」は、現実として堂々と行われていた事実には、変わりない。
自民党の重鎮・二階氏の記者会見でも核心部分は分からず仕舞い、という印象しかない。
これらの一連の流れから、自民党自体「裏金問題」は真相究明をすることなく、終わらせたい、という意思のようなものを感じた方も、多かったのではないだろうか?

そして今日、自民党内で立ち上げた(?)党紀委員会の会合で「不記載額500万円」で線引きをする、という趣旨の話があったようだ。
朝日新聞:自民が議員39人の処分求め党紀委員招集へ 不記載500万円で線引き 

裏金問題にかかわった議員の処分については、人数の問題ではなく必要だと思う。
気になるのは「不記載額500万円」という線引きだ。
500万円という金額は、決して少ない額ではない。
例えば、オリックス銀行調べによる2022年の平均年収は、458万円だ。

手取り額となると、320~370万円となる。
オリックス銀行:日本人の平均年収はいくら?年代。年齢別、男女別、職種別に詳しく解説

年間で100万円ちかい額の税金や社会保障費を、収めている、ということになる。
生活者の年収よりも大きな額を「不記載上限額」にすること自体、おかしいと感じない自民党党紀委員の感覚に驚くのだ。
しかもこれらのお金には、税金や社会保障費等が含まれているわけではない。
500万円というお金を丸々使える、という意味でもある。

日本人の平均年収よりも高額な「不記載額」を決めるのであれば、当然何等かの理由とその議論の過程を明らかにする必要があるのでは?
少なくとも、多くの生活者=有権者は、納得がいかないのでは?
というよりも、「なぜ、不記載額を決めるのか?」ということが、問題なのだ。

この問題が発覚した後で始まった「確定申告」。
今年の確定申告期間中、SNSでは「#確定申告したくない」という趣旨の、ハッシュタグが数多く見られた。
自民党をはじめとする、国会議員さん達は、この現実をどのように見ているのだろうか?
確定申告では、1円単位での申告が求められる。
年末調整も同じだ。
生活者=有権者には、厳しい納税を求めながら自分たちは例外とするのは、いかがなものだろう?

不記載額の線引きをするのであれば、まずその根拠と説明をし、生活者=有権者に理解を求める方が先決ではないだろうか?
(最も、納得できる有権者はほとんどいないと思うのだが・・・)


エポックメイキングな印象の「アカデミー賞」

2024-03-18 20:43:48 | 徒然

先日発表された、米国映画最高作品に与えられる「アカデミー賞」。
下馬評通り「オッペンハイマー」が、主要部門総なめするような結果だった。
ナタリー:第96回アカデミー賞(2024年) 

オッペンハイマーという映画によって、再びフォーカスされることになったのが「原爆」であり、「第二次世界大戦」だったのではないだろうか?
元々米国の「原爆研究・開発」は、敵対国・ドイツに対する危機感によるところが大きかった。
ところが、米国の原爆実験成功の前に、ドイツは降伏をしてしまう。
既にムッソリーニ率いるイタリアも降伏をしている状態。
「三国同盟」の中で残っているのは、日本だけだった。
それだけではなく、米国にとって日本をターゲットにする「大義」もあった。
それが「パールハーバー奇襲」であり、日本が第二次世界大戦へと本格的参戦をしたことだった。

そのような歴史的背景を知りながら、日本人側目線で見る映画「オッペンハイマー」と、「第二次世界大戦を終結させたオッペンハイマー」という、米国目線で見るとその印象も感想も大きく違うものになるだろう。
ただ、この「オッペンハイマー」という映画が、日本映画「ゴジラ‐1.0」が、同じ年に「アカデミー賞」を受賞した、ということに大きな意味があるような気がしている。

「原爆の父」と呼ばれた、オッペンハイマーは広島・長崎に原爆が投下され、罪のない多くの市民が犠牲になったことで、科学への不安を抱えていた、と言われている。
それは、一緒に原爆の研究・開発に携わり、その後ノーベル物理学賞を受賞したR・ファインマンも同様だった。
ファインマンはノーベル賞受賞後、日本での講演会に出席すべく来日をしている。
その時、「自分が原爆開発に携わった人間と分かった時、日本人はどう思うのだろう」と、悩んだようだ。
しかし、暖かく迎えられたことで、逆に「自分の研究開発を平和の為に使わなくては」という思いを強くした、という趣旨のことを自伝の中で書いている。
それほど、当時原爆開発に携わった科学者たちは、その後科学者として悩み苦しむということになる。

一方、ご存じの方も多いと思うのだが、映画「ゴジラ」は1950年代後半から始まった、米ソ(当時はまだソ連邦だった)の「原爆・水爆開発競争」という時代の中で誕生した。
「水爆実験によって、ゴジラが目を覚まし、東京の街を破壊する。それに立ち向かう人々」という構成ではあるが、そもそもゴジラが目覚める切っ掛けは、米ソによる「原水爆実験」であり、「人が手に負えないようなモノを手に入れ、それを武器とすること」に対する「警告」という、意味を含んでいるのだ。
決して、娯楽映画という部分だけの映画としてつくられたわけではない。

このような背景を持つ2つの映画が、同じ年に米国映画の最高峰とも言われる「アカデミー賞」で部門は違うとはいえ、受賞作品として選ばれたことは、エポックメイキングなことのように思えるのだ。


岸田首相をおろしても、自民党の支持率回復は無理だと思う

2024-03-16 22:49:15 | 徒然

朝日新聞のWebサイトを見ていたら、「補欠選挙で自民党が議席を獲れなかったら、岸田降ろし」という趣旨の記事があった。
朝日新聞:逆風自民「鳴りやまない電話」衆院3補選「全敗なら岸田降ろし」も 

衆議院補選の内、一つは自民党の重鎮の一人だった細田博之氏の逝去に対する選挙だが、残り2つはいわゆる「自民党裏金問題」に関連し、逮捕されたり辞職したことによるもの。
いずれも自民党が強い選挙区で、これまでの選挙であればすんなり後継者が選ばれ、公明党の協力を得るにしても盤石という言葉が似合うような選挙区だ。
これまでであれば、自民党幹部が乗り込むことなく楽勝してきた地域ということになる。
だからこそ、「3勝できなれば、岸田首相の求心力が無い」と党内では判断される、ということなのだろう。

このような楽天的な発想や考えに、驚くのは私だけではないと思う。
何故なら、岸田総理という「自民党の顔」を替えたところで、有権者の心は自民党から離れてしまっているからだ。
確かに、故細田さんの地元は島根1区で、代々細田家の地盤と言われてきた。
ところが、今回の選挙では細田さんが後継者指名をする前に亡くなられたことから、候補者選びに時間がかかってしまった。
「細田さんになら投票するけど…」という、選挙区ということでもあるのだ。
このような選挙区は「自民党」ではなく「細田さんという個人」に対して投票していた、ということでもある。

上述した通り、残り2補選は、いずれも今回の「自民党裏金問題」で、議員辞職をしたり逮捕されたための補選ということになる。
「安倍派幹部」と言われている人達が「政倫審」で答弁し、「私は関係ない・知らなかった」ということを言っても、有権者の多くは信用していない。
信用していないどころか、「どの口が言う」とある意味蔑んだ視線を浴びせている、というのが現状だろう。
そのような有権者の気持ちも知らないで「補選3連敗なら、岸田さんを総理の座から降ろす」という、身内思考にもほどがあると感じるほどの、社会とのズレ感は、ますます自民党という政党に対しての不信感を与える結果となっているのではないだろうか?

有権者の中には「自民党そのものが解党しない限り、自民党議員は信用できない」と、考えている人もいるのでは?
「危機感」もないまま、「総理の顔を替えて支持率回復」と考えられるのは、相当な鈍感力の持ち主たちの集まりが「自民党」という政党なのだろう。