日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ダイエットクッキーと大豆粉クッキー

2007-03-31 21:54:00 | CMウォッチ
最近頻繁に流れるテレビCMに、「SOYJOY」がある。
この商品のウリは、「1本で腹持ちがよい」や「バランスの良い携帯型クッキー」ということだ。
昨年までは「腹持ちがよい」が特に強調されていたのだが、この春は「大豆粉」がキーワードとなっている。
商品名が「SOYJOY」というだけあって、大豆からできた商品だと言うことはわかるのだが・・・。
私などは「大豆粉」といったとき、真っ先に思い出したのは「黄な粉」であった。
だったら、黄な粉とおからのつなぎにお豆腐や豆乳を入れて、ドライフルーツを入れたら似たようなモノができるのではないか?と勝手に想像していた。
それで思い出した商品があった。
インターネットなどの通販でお馴染みの、「豆乳おからダイエットクッキー」だ。

この「豆乳おからダイエットクッキー」のウリも、「クッキー数枚で、おなかがいっぱい=食べすぎの心配がない」と「栄養バランスが良い」だ。
ドライフルーツは入っていないが、似てはいる。
「SOYJOY」という名前になれば、昼食を食べ逃した忙しいサラリーマンも購入の対象になる。
それに対して「ダイエットクッキー」となると、体重と体型に関心のある女性たちになる。
その意味で、「SOYJOY」と「ダイエットクッキー」は、棲み分けができているとは思うのだ。
もちろん、販売ルートも「ダイエットクッキー」は通販が主で「人知れずダイエット」という女心を良く捕らえているし、「SOYJOY」はコンビニエンスストアーなどで「手軽さ」を求めるサラリーマン向けだといえる。

似たような機能と目的をもっているにも関わらず、その対象となる人たちの気持ちや日常的行動を考えてのコトだ。
マーケティング的には、参考にはなる二つの商品アプローチだ。
個人的には、あのギラギラとしてみのもんたさんをテレビCMで見るのはチョット・・・もう少し、スマートな感覚のタレントさんを起用してくれると、押し付け感が無くていいのだが。


「なごや飯」っていわれても・・・(困惑)

2007-03-30 20:22:14 | トレンド
今日の朝日新聞のWEBサイトに、名古屋めしは、世界を目指す ゼットン、豪に海外子会社と言う記事が掲載されている。
「ゼットン」という会社と言うより、社長さんが経済誌やら男性誌などに取り上げられるので、「なんとなく知っている」と言う人は多いかも知れない。
ただ、名古屋で生活をしている者としては「ゼットン≠なごや飯」なのだ。

実際ゼットンのHPを見ていただければわかるのだが、世間一般にいわれる「なごや飯」といわれるような店舗を展開しているわけではない。
「なごや飯」の代表格「味噌かつ」は、「矢場とん」というとんかつ屋さんが東京などに進出しているし、「手羽先」は「世界のやまちゃん」とか「風来坊」といった居酒屋さん系のところが、出店をしている。
また、独特の甘味スタイルとボリュームで話題になった「シロノワール」は、「コメダ珈琲」がチェーン展開している。
「ゼットン」という会社は、決して「なごや飯」を提供しているのではないのだ。

では、何故朝日新聞がゼットンを「なごや飯」を全国区にした功労者的なことを書くのか?と考えると、
①名古屋の公共施設(例:テレビ塔内の飲食店)をプロデュースした
②経営者が「名古屋」に住んでいることを強調し、それを「売り」にしている
と言うことが考えられる。
確かに、名古屋に本社を置き、名古屋を中心に飲食店を展開し、その後東京に進出している。
テレビ番組などへの出演も積極的だ。
だからと言って、「ゼットン」が「なごや飯」を世間にアピールし、認知度を上げてきたわけではない。
「ゼットン」と「なごや飯」は、まったく違う考えで全国展開をしているのだ。

ただ・・・私などは名古屋に住んでいながら、いまだに「ゼットン」系列の飲食店には行ったことが無い。
なぜなら、テレビなどで紹介されるゼットン系列のお店よりも雰囲気の良い、美味しそうで、落ち着いて長居ができる普通の(安い)お店があるからだ。


40代女性に市場が注目?

2007-03-29 21:27:18 | トレンド
「子育てもベネッセ頼み?」にコメントをくださった、めめさんありがとうございました。
「こどもちゃれんじ」を「講座」という表現をしたのは、子供に対してではなく親ごさんに対しての「講座」なのではないだろうか?と言うことでした。
ベネッセさんの「こどもちゃんれじ」などを見ていると、母親学級などとは違うアプローチがあり、互いに補完しあうと言うのもわかるのですが・・・旧来の母親学級なども「こどもちゃれんじ」などを参考にしながら、「お母さんがひとりで、子育てに頑張らない」ことを時代の変化に合わせて提案することを期待していると言うことなのです。

今日の産経新聞のWEBサイト他に、「TSUBAKI」に対抗 花王など相次ぎ新商品と言う記事が掲載されている。
確か花王は「アジエンス」と言うヘア・ケア商品で、「日本人(アジア)向け」という特化した市場をつくった。
その後追いとして、より日本女性を意識した商品として資生堂の「TUBAKI」が登場したのではなかったのではないだろうか。
追従するように、カネボウは「いち髪」と言う商品を発売している。
市場での人気はともかく、今回花王が投入しようとしている商品は「日本人向け」という特化ではなく、いろいろな意味で「曲がり角」にきている30~40代(特に40代)を対象としている意味で、資生堂の「TUBAKI」とはやや違う市場を対象としているような気がする。

実は、この春40代女性を対象とした雑誌などがリ・ニューアル、創刊が続いている。
毎日新聞のWEBサイトでも、知りたい:40代女性向けファッション誌創刊 「第二開花世代」に照準と言う記事が掲載されている。
40代女性と言えば、子育てもひと段落し、自分自身の時間的ゆとりができ始める頃だろう。
経済的にゆとりのある友人などを見てみると、フラワーアレンジメントなどのお稽古事を復活させたり、スポーツジムに通ったりして「自分の時間」を楽しんでいる。
もちろん、そのような女性ばかりではない。
それでも、40代女性を対象とする理由は「バブルを経験し、ブランドの魅力に取り付かれた最初の世代」であり、「お受験」を一般化させた世代でもあるからだろう。
すなわち、その後の世代の「ロールモデル」と考えられるのだ。

「いつもおしゃれをしていたい」「エイジレス」などは、今の40代女性のキーワードであり、それが市場が注目する理由なのだろう。


 

子育てもベネッセ頼み?

2007-03-27 21:48:24 | CMウォッチ
受験シーズンが終わったこの時期、テレビCMで目立つのは予備校や通信添削講座などの「受験向け進学講座」だ。
最近では、「個人別学習」という形態の学習塾なども一般化してきている。
「個々のレベルに合った、受験勉強を細かく丁寧に指導」がウリのようだ。
そんな中、通信添削講座の老舗「ベネッセ」のテレビCMが、目立つようになってきた。
それも「通信添削講座」のテレビCMではない。
「こどもちゃれんじ」とか「たまひよ」といった、乳幼児を抱えるお母さん(当然、お父さんも含む)たちを対象とした、カテゴリー(?)のCMである。

「こどもちゃれんじ」では、「はみがき」レッスンなど、これまで「母親学級」でやっていたと思われるような講座がある。
今は「はみがき」だが、そのうち「トイレ・トレーニング」なども、講座のカリキュラムとして組み込まれるのではないか?と想像がつく。

ベネッセの事業展開を考えれば、当然と言えば当然だろう。
少子化と個人情報保護のもと、学習塾などは生徒募集がままならない状況の中、「たまひよ」の頃から顧客の囲い込みをすれば、子供の成長に従い提供していく講座の入会をスムーズに展開できるだろう。
その意味で、「たまひよ」で展開している「たまひよの内祝」などは、その入会の入り口として、とても有効な方法だと考えられる。

しかし、はみがきやトイレ・トレーニングなどは、個人差があるような気がするのだ。
こどもの体格差や成長差もあるだろうし、歯並びなどはそれこそ「個人差」があるため、歯科医(や歯科衛生士)などの指導があったほうが、ベストなのではないだろうか?

最近の「母親学級」などでは、「ベビー・マッサージ」などの講座があると聞く。
そして地域のそのような講座に参加することで、育児の孤独感が減るとも言われている。
ベネッセの講座から、地域内でできる「子育て講座」のアイディアがあるのではないだろうか?
そして、何よりも不安を抱えている親同士が顔を合わせることで得られる安心感や、医療関係者に直接相談できるような「場づくり」があるように思えるのだ。



選挙の年だから考えて-ある地方公務員の声-

2007-03-26 21:59:08 | 徒然
先日のエントリ「公務員だからこそ、ビジネスセンスを磨こう」に、○○県の・・・さんがコメントを下さっています。
改めてコメントを掲載しますので、是非じっくり読んでみてください。
 
そもそも、首長は、新規事業のことしか考えていません。
アドバルーンを華々しく上げるんですね。
各種団体の長に対してみなさんのためにこんな事してます、と言う訳です。
各団体の長は、組織下部の票のとりまとめを働く訳です。
そして、首長の取り巻きはYESマンしかいません。
はっきり言って、YESマンしか出世しません。
これら取り巻きは、次のアドバルーンのことしか考えていません。
継続事業はヘタをすると保守費も出なくなります。
これは、採算見込みを考える以前の話なんですよ。

すでに一部の公務員は理解しています。ただ、組織の浄化作用に期待できないので動けないのです。
ヘタに動けば組織につぶされます。
私は、住民に対し、これらやる気のある公務員を味方にし、行動できる環境を作って頂きたいのです。
まずは、選挙で十分考えた1票を投じて欲しい。
思う候補がいなければ、少なくとも当選させたくない候補の対抗候補に入れるとか、棄権だけは止めて欲しいと思います。


今年は、選挙の年と言うこともあり多くの行政首長が、入れ替わる可能性がある。
私が住む愛知県では、既にあったのだが・・・実際の投票行動がどれだけ反映された結果だったのかは、疑問な点が残る。
と言うのも、20代~40代が選んだ人が落選をし、60代以上の人たちが選んだ人が当選したからだ。
60代以上の人たちの選択が、民意ではないとは言う気は無い。
ただ、社会活動を担う世代の多くが違う人を選んでいるのに、結果が違ってしまうと言う現実を言っているのだ。
その背景には、20代~40代の棄権という行動がある。

もう一つ、「○○県の・・・」さんが指摘している「首長はアドバルーンを上げる」ということも、選挙民としては注意したいところである。
確かに、オリンピックだとか万博、空港建設などはとても人目を引くし「できたら良いな~」という印象を受ける。
でも、それらのイベントは本当に私たちの生活を豊かにするのだろうか?と立ち止まることが、大切なのだと思う。
その意味でも、「○○県の・・・」さんのコメントは、内部で仕事をしているひとりとして、とても貴重な発言なのだと思うのだ。

公務員だからこそ、ビジネスセンスを磨こう

2007-03-24 20:09:00 | アラカルト
今日の朝日新聞のWEBサイト・asahi.comに、配転先ない職員、「分限免職」の宝刀 社保庁の新法人と言う記事が掲載されている。
何かと問題の多い「社保庁」だが、どうやら「公務員だから、リストラは無い」と、悠長に構えている場合ではないようだ。

「分限免職」というモノがあるということも知らなかったが(適用されたことが無い制度なら当然か)、公務員もリストラの対象となると言うコトに時代を感じる。
だいぶ前、鳥取県の片山知事が「職務遂行に問題がある職員に退職勧告」と言うことがあったと記憶しているのだが、地方公務員だけではなく国家公務員も「職務遂行能力」が問われるようになってきたということだろう。

常々、「ビジネスセンス」が一番問われるのは、「公務員」だと思っている。
と言うのも、「公務員」=「公僕」として職務を遂行するためには、市民・県民・国民の必要としているサービスを常に考え、行動する必要があると考えているからだ。
決して、(議員>)公務員>市民・県民・国民では無いはずだ。
ところが、いつのまにか「市民・県民・国民<公務員(<議員)」と言う力関係の図式ができ、それが○<△の「△」の人たちは当たり前と言うか当然のように振舞うようになってしまった感がある。
もちろん、市民・県民・国民と言っても、考えも思考・行動は様々だ。
だからこそ、最大公約数として「今、何が必要とされ、人が幸せになるサービスとはなんだろう?」と考え抜いて、実現させてほしいのだ。

そのためには、現場に行く必要がある。
現場に行くことになれば、就業時間にのんびりと過ごしているような時間は無いはずだ。
まして、税金で訳の判らない物品を購入したり、採算見込みの無い箱モノを作るような無駄遣いもできないはずなのだ。

「公務員」は、決してエライ人ではない(当然だが、議員や地方自治の首長も)。
「生活者を、行政サービスによって幸せにする」と言う、職責を持っている職業人なのである。
そして「ビジネス・センス」とは、「金儲け」のことではなく「職責を果たすために、何が必要なのか?何をすべきなのか?」と言うことを、創造し・見つけ・実現するためのコトである。


不二家が創ってきたモノ

2007-03-23 22:45:34 | マーケティング
今日から、不二家が洋菓子の販売を始めた。
といっても、フランチャイズ店を含めた全店と言うわけには、いかなかったようだ。
ペコちゃんが泣いた日から、2ヶ月たっての再開。
その前には「ペコちゃん焼き」をオリジナルで販売していた、東京・神楽坂のお店が再開している。

今日再開した不二家で、ケーキなどを買った人たちの多くが言っていたのが、「子供の頃からクリスマスやお誕生日の時には、不二家のケーキだった」という言葉だ。
他にも、「子供の頃から三角ショートが、大好きだったので楽しみにしていました」という若い女性もいた。
これらの言葉が意味することは、マーケティングで「インティマシー・ロック」と呼ばれる、「(企業・商品に対する)親しみ」によるモノである。

企業資産として、「ブランド資産」を重視するようになってだいぶ経つ。
上場企業の多くは、企業ブランドだけではなく、個々の商品ブランド価値を上げるために膨大な費用をかけているのだ。
それがテレビCMであったり、雑誌などへの広告掲載だったりするのだ。
ただ、どうしても時間をかけて創っていかなくてはいけないものがある。
それが「企業・商品に対する親しみ」である。
ある意味「老舗」だから、持てる企業資産とも言える。
言い換えれば、「時代が変わっても、企業が社会に提供しているモノが変わらない」努力ができ、生活者の期待を裏切る事が無かったからこそ、価値がある「顧客の囲い込み」とも言えるのだ。

今回、不二家は企業として一番大切な「信頼」を失ってしまった。
しかし、多くのお客様が持っていた「親しみ」や「思いでの中の不二家」が、再開初日に比較的好スタートが切れた大きな理由だったのだろう。
でも一度失われた「信頼」は、大きくその打撃は計り知れない。
いくら「親しみ」という資産があっても、それを継続・発展させていかなくてはいけないのだから。

同時に「ブランド構築」に躍起になっている、多くの企業は今一度「社会に対する責任」と「親しみ」という、生活者とのコミュニケーションをどれだけ大切にしているのか?と言うことを、考え直して見る必要があるのではないだろうか?

ペコちゃんが、本当に笑顔になるのは「子供の頃からクリスマスやお誕生日のケーキは、不二家だった」とか、「子供の頃から三角ショートが大好きだった」という、全国のお客様が自宅で家族と一緒に笑顔で「安心・安全・美味しい」新生不二家のケーキを食べた時なのではないだろうか?

11<1の発言力-プロ野球の今-

2007-03-22 22:40:54 | スポーツ
西武ライオンズの裏金問題は、今抱えているプロ野球の「金銭的問題点」を浮き彫りにしただけではなく、改めて「巨人ありきのプロスポーツである」ということを示したようだ。
昨日7時間以上に及んだ「オーナー会議」では、「来年の希望枠撤廃は、直ぐに決まった」ようなのだが、「今年は撤廃しない」ということになったらしい。
これには、高野連だけではなくプロ野球選手会なども反発しているようなのだが、プロ野球を余り知らない私としては、そんなことよりも驚くことがあった。
それが昨日のオーナー会議で「今年の希望枠撤廃賛成11<反対1」で、撤廃が決まらなかった(らしい)ことである。
反対をしたのは、もちろん巨人のオーナー。

これまで、「プロ野球は巨人ありき」であって「巨人様様、巨人の仰せのとおり」ということは、再三言われてきたことなのだが、それにしてもレギラーシーズンでは、放送権などで美味し味が無いと思われるパリーグのチーム6チームのオーナーよりも、その発言は強大で、影響力があるということらしい。
もう一つ判らないのは、「オリックス・近鉄合併問題」で、コミッショナーとしての能力を問われていたように思われる根来コミッショナーが、今でも「代行」として今回の問題の調整役と言うか、議長をしていたことだ。
「オリックス・近鉄合併問題」で、すっかり退任されていたと思っていた。
根来コミッショナー代行に代わる、人材がプロ野球にはいないのか?という印象を、プロ野球ファン以外に与えてしまうのではないだろうか?
それともプロ野球自体が「自己完結」していて、そこにいる人たちは、高野連や社会人野球などと一緒になって「野球を盛り上げる」という気持ちはまったく無い、と言うことなのだろうか(おそらく、そうなんだろうな~)。

巨人が反対した理由は、「この秋、希望枠で巨人入りを既に決めている選手がいて、その選手に対して何らかの準備を巨人がしているのではないだろうか?」と穿った見方をしてしまうのは、決して私だけではないだろう。
そして、それをOKした根来コミッショナー代行にも、何らかのメリットがあるのではないだろうか?と言うことなのだ。
「黒ではなく、グレーだから・・・」とは、先日株式上場が維持された時、東証が言ったことだったが、同じ論理で希望枠存続としたのだろうか?

プロ野球開幕まで後少し、今日のテレビでは「世界水泳」でフランスのデデュー選手が素晴らしい演技をし、多くの人を魅了した。
他局では、フィギィアスケートの男子で、高橋選手が銀メダルを獲得する活躍を見せた。
今や「プロ野球は、スポーツにおける最強のコンテンツではない」のだ。
そろそろ、その事実にコミッショナーやオーナーは、気がつくべきなのではないだろうか?
それとも今までと同じように、「日本プロ野球界自己完結」していくのだろうか?


「育」ブームか?

2007-03-20 21:47:35 | アラカルト
今日の産経新聞のWEBサイトを見ていたら、「広がり見せる『服育』衣服を通じ生きる力」 と言う記事が掲載されていた。
「食育」という言葉が、普通に使われるようになってだいぶ経つ。
今度は、「服育」である。

記事の内容は、「繊維と環境」のようなカリキュラムも含まれているようだが、全体的な印象は、30年位前に行われていた「中学家庭科」の授業に良く似ている感じだ。
すなわち私が、中学生だった頃の「家庭科のカリキュラム」と、(洋裁の授業を除き)よく似ている印象だ。
今にして思えば、当時は詰め込み教育の真っ只中だったこともあり、受験科目とは関係の無い授業であっても、結構イロイロとやらされた。
ブラウスやパジャマといった洋裁をするに当たっては、「繊維の種類とその特性、洗濯やアイロンかけの仕方」を習い、調理実習では「栄養素と調理法」ということを学ばされたように記憶している。
おかげで、多少の洋裁の心得はあるし、毎日の食事を作ることには事欠かない。
コンビニエンスストアーのお弁当などとは、無縁の生活を送っている。
まぁ、1日30品目は無理でも一応「赤・黄色・緑」の食材は、必ず食べる様に努力しているし、「ばっかり食べ」という偏った食べ方もしない。
いわゆる「食育」的なことは、小中学校の「家庭科」で習ってきたことばかりなのだ。
おそらく「服育」も、同じだろう。

ところで、いつの頃からか「ハレとケ」という、「場所で服装を変える」ということが減ってきたような気がする。
反面、リクルートファッションというと、男性も女性もダークグレーか黒のスーツばかりになってしまった。
普段は「ファッションは個性の表現」と言ってそうな若者たちが、就職活動となると一斉に「右へならへ」のファッションとなってしまう。
私が就職活動をしたいた20年以上前は、濃紺が主流ではあったが、グレーや茶系のスーツを、上手に着こなしていた友人たちが何人もいた。
もちろん、シャツやブラウスなども白一色ではない。
ベビーピンクやストライプなど、自分が目指す企業のイメージにあわせ、自分をPRできるようなコーディネートを一生懸命考えていた。

「食育」にしても「服育」にしても、二昔前位までは家庭や学校で当たり前に学んできたことばかりなのではないだろうか?
「最近の子供は忙しい」というが、昔の子供も忙しかった。
それは学習塾やお稽古事に通う忙しさではなく、「イロイロなことに興味を持って『遊び』、『家事を手伝う』こと」に忙しかったような気がする。
「ゆとり教育の見直し」がされる今、「左脳ばかりが発達する教育」ではなく「右脳もバランス良く発達する教育」が、必要なのではないだろうか?
最近の「育」ブームを見ると、そんな気がしてならない。


人寄せパンダだったのか?-野中ともよ氏辞任-

2007-03-19 21:45:30 | アラカルト
一昨日のエントリにコメントを下さったmさん、ありがとうございました。
ご指摘のとおり、新製品のデジカメは「中高年(あるいは団塊世代)をターゲットとしているから、起用タレントも違う」というのは、テレビCMを見れば明らかですが、本当に新商品は中高年向けの商品なのでしょうか?
「ズーム」や「広角」と言う機能は、別に中高年だけが求めている機能ではないと考えるからです。
もし、パナソニックがそのような区分けを考え(テレビCMを作成し)ているとしたら、市場を見誤る可能性があるように感じます。
「もっと楽しく、気軽に、いつでも、どこでも、記憶しておきたい瞬間を切り取るモノ」という視点で、デジタルカメラを見る必要があるのでは?

新聞各紙だけではなく、夕方のテレビニュースなどでもトップ扱いで、三洋電機の会長・野中ともよ氏が辞任を報じている。
野中氏と他の経営陣との関係が良好ではないことは、だいぶ前からイロイロと言われてきた。
そのため、時間の問題のように言われてきたのだが、就任1年9ヶ月程度での辞任となってしまった。

野中氏が就任したときから、(口の悪い?)一部マスコミは「人寄せパンダ会長」的な表現がされてきた。
新聞などの記事を読む限りでは「ブランド戦略」、特に「環境と企業ブランド」という分野でのお仕事が中心だったようなのだが、だとするとCEOではなく、まったく別の役職を与えられていたと言うことになるのではないだろうか?
ところが、野中氏が経営上の問題に対して積極的に発言をし始めるようになると、どうやら金融関係出身の他の経営陣が煙たがったような記事内容なのだ。

とすれば、やっかみだと思われる男性諸氏もいることを承知で言わせて貰えば、野中氏の起用は、「人寄せパンダだった」と言う印象でしかない。
野中氏の起用は、「三洋電機の企業イメージアップのためであり、実際の経営には口を出してほしくない」と言う姿が垣間見られるのである(金融出身男性の経営陣であれば、当然か)。
本当に、そんな思いが他の経営陣にあったとすれば、生活者をひどく見くびっているような気がする。
電化製品のうち、「白色家電」と呼ばれる商品群の購入時の決定権者の多くは、それらの商品を使う女性である。
だからこそ、女性の野中ともよ氏を役員として迎え入れ、会長職を与えたのだろう。
しかし、多くの女性は、企業の役員や会長で商品を購入するのではない(別に女性に限ったことではないのだが)。
ただ、このようなコトがあると「女性に対して理解があるふりをしていただけ」という見方を多くの女性がしてしまう可能性はあるだろう。
「結局、女性の役員なんてお飾りだったんだ・・・」というコトである。

このようなコトがあると、日本の企業に本格的な女性CEOの誕生はまだまだ先のような気がする。