数日前、次の選挙の不出馬を発表している、自民党の二階俊博氏の後継者として、県町村会が三男に出馬要請をした、という報道があった。
朝日新聞:次期衆院線の和歌山2区、二階俊博氏の三男に出馬を要請へ 県町村会
和歌山県も自民党の強い選挙区である、ということは知っているが、様々なお金の問題を抱えていた二階氏の後継者に三男の出馬要請を、県町村会がしている、ということを考えると、「和歌山県の有権者さん、それでいいの?」と、問いたくなる。
同じ自民党内であっても、二階氏の後継者ではない人を推薦したいという有権者の気持ちを無視するように、県町村会が勝手に決めているからだ。
おそらく、県町村会と二階氏の間には、切ってき切れない利害関係があり、その恩恵に少しでも多くあずかりたい、という気持ちが県町村会にはあるのだろう、と勝手に想像してしまった。
そしてこの記事を読んで、思い出した記事があった。
集英社オンライン: 「両親や祖父母が議員だった世襲議員は豊かな環境で育ったため、私たちの生活に思いを馳せることはできません」・・・
タイトルが長かったので、途中で省略をさせていただいたのだが、確かに岸田首相をはじめ世襲議員はとても多い。
様々な政党の中でも、自民党は世襲議員が占める割合がダントツに多い。
それは、「支持母体」と言われる具体的な支援母体を持たない代わりに、世襲という方法で選挙基盤をつくってきた、という背景があるからだろう。
だからと言って、「世襲議員」の存在が日本の政治にとってプラスなのか?と言えば、そうではない。
集英社オンラインの記事のように、世襲議員の多くの選挙区は、自分が生まれ育った場所ではなく、両親や祖父母の実家が選挙区であり、選挙区の実態等を知らない環境の中で育ってきているからだ。
しかも、子供の頃から両親や祖父母(曾祖父)が築き上げてきた権力と財力で、「坊ちゃん・お嬢ちゃん」として、囃され育ってきている。
二階氏の三男に立候補を要請した県町村会にとって、地元のことを知っていることが重要なのではなく、二階という苗字が重要、ということなのだ。
考えてみると、日本には「世襲」と呼ばれる職業の人達が、議員以外にもいらっしゃる。
例えば、伝統芸能や伝統工芸等の世界は、家業を継ぐことが世襲ということになる。
ただ議員と大きな違いは、世襲だからと言って、日々の努力を怠ってしまえば、あっという間に家業がダメになり、場合によっては「家を継いだのが、あれではね~」と、陰口をたたかれるようなコトになってしまう。
「世襲として家業を継ぐ」ということは、家業をより発展させていかなくてはいけない、という重圧を覚悟する、ということでもあるのだ。
その日々の努力も無く、権力(とお金)を引き継ぐことができるのが、世襲議員と呼ばれる人たちだけなのだ。
その為、大物議員と呼ばれるようになっても、どこかズレた発言をすることが多々ある。
先日の岸田首相が、Xに投稿した内容を見ても、そのズレ感が分かるのではないだろうか?
日刊スポーツ:岸田首相X投稿が炎上&トレンド入り 日本経済をめぐる言葉に「経済音痴」「どこ見てんだよ」
ご存じの方も多いと思うのだが、岸田首相は父親の岸田武夫衆議院議員の秘書になる前、大学卒業後長銀(現SBI新生銀行)に入行し、外国為替等の業務を担当している。
そのような経歴を持っていても、円安が日本経済にどのような影響を及ぼしているのか、わかっていないのだ。
考えられる理由を上げるならば、「世襲議員だから」ということになるでは?と、下衆な考えを持ってしまうのだ。
それほど、市井の生活者とかけ離れ、親や祖父の築き上げた権力と財力に胡坐をかいているのが、世襲議員の実態であり、支援団体も本人ではなく親や祖父の価値を評価している、というのが日本の政治の実態なのでは?と、考えるのだ。
今日、3つの選挙区で補欠選挙が実施された。
結果については、ご存じの通りだ。
この補選の中で注目されたのは、与野党一騎打ちとなった島根1区だった。
以前、拙ブログでもエントリさせていただいたが、島根は自民王国と言われてきた。
島根1区は、細田家。島根2区は竹下家と、いずれも自民党の重鎮と呼ばれる政治家を輩出してきたからだ。
ところが、今回の補選を実施することになった細田博之氏は、亡くなる前に「後継者指名」をしていなかった。
これは島根2区の竹下亘氏についても、同じだ。
いうなれば、後継者指名がされないまま補欠選挙を迎えることになった、ということだ。
後継者指名が無いことから、島根県の自民党関係者も候補者選びに時間がかかったようだ。
そして立候補した方は、細田氏との関係が無いと思われる官僚出身の方だった。
この時点で、自民党の敗北は決まっていたのでは?という、気がしている。
というのも、自民党に投票をしていた有権者の内、相当数の人達は「自民党」に投票していたのではなく、「細田博之」という地元出身の政治家に投票をしていたのでは?と、感じていたからだ。
違う言い方をするなら「細田家には義理はあるが、細田家とは関係の無い立候補者には、義理が無い」という、ことなのだと思う。
先日、和歌山2区の二階俊博氏が次回の選挙に出馬しない、と表明しその後継者として自民党和歌山の県町村会が、二階氏の三男を指名した、というニュースがあった。
この件については、後日拙ブログでも書きたいと思うのだが、同じ自民党内であっても後継者を選ぶのは選挙区の県町村会なのだ。
なぜ、県町村会が二階氏の三男を後継者指名としたのか?と言えば、県町村会にとって重要なのは「二階氏の血族である」ということなのだ。
自民党という政党が打ち出す政策に共感して、投票している訳ではない、ということでもある。
島根1区の話に戻すと、選挙期間中、自民党は党の主要幹部を次々に送り込み、選挙遊説をさせた。
選退委員はもちろん、岸田総理も松江市内の街頭に立ち、演説をしている。
自民党幹部が演説に立つと、有権者から「裏金問題」について、厳しく問う声が毎回のように上がった、と言われているが自民党が負けたのは、決して「裏金問題」だけではないはずだ。
上述した通り、立候補者が亡くなられた細田博之氏の後継者指名をされた候補者ではなかった、ということの方が、敗戦理由としては大きいのでは?ということなのだ。
「裏金問題✕故細田氏が指名していない候補者」という二つの要因によって、自民党が負けたのでは?ということなのだ。
今年のGWは、最長10連休だという。
これほど長い休みとなると、海外旅行へ行く人も多いのか?と、言うと決してそうではないらしい。
朝日新聞:GWの過ごし方、海外旅行は1% 予算は横ばい平均2万7857円
海外旅行に行く人が少ないのは、円安ということも影響しているのだろう。
昨日は1ドル155円だったと思うのだが、今日はそれよりも安い156円台まで下がった、というニュースがあった。
日々日本の円の価値が下がっていくようなニュースを見ていれば、海外旅行に行くことも躊躇するだろう。
今の日本経済の状況を「新興国並み」と、揶揄する人が出てくるほど、世界経済の中で日本の円は弱くなっている(という印象がある)
そして、朝日新聞の記事を読むと、今の日本経済の壊滅的な状況を実感するのだ。
というのも「家でのんびり過ごす。外食。近所のショッピングモール等で買い物」という、過ごし方が上位にきているからだ。
確かに、現在の円安傾向を受け、日本の有名観光地はどこも「オーバーツーリズム」のような、状況になっている。
有名観光地だけではなく、広島等では「お好み焼き店」に地元の人が入れないほど、海外からの観光客が押し寄せている、と話題になっていた。
FNNプライムオンライン:オーバーツーリズムでお好み焼き店が苦渋の決断・・・金曜の夜は「県民の日」“常連客”の居場所を守る【広島】
確かに、広島名物として「お好み焼き(広島焼き)」は、全国的に有名だ。
今は、ネットで情報が拡散されると、それは世界規模に広がっていく。
結果として、今回のような事態に発展してしまったのだろう。
そして、今までのような「観光旅行」ではなく、「日本の生活を体験する旅行」へと、変化している、ということもわかる。
「コロナ禍」で、客足が遠のいた飲食店等は、海外からの観光客は歓迎すべきなのだろうが、このような問題が発生する背景を考えると、決して手放しで喜べる状況ではない。
円安ということは、日本全体が安くなっている、ということでもあるからだ。
それは、国内における日本経済の沈下状況にある、ということでもある。
だからこそ「新興国になってしまった日本」と、揶揄する人も出てくるのだろう。
注意すべき点は「新興国」は、これから先発展していく要素があるが、果たして今の日本に「発展していく要素」があるのか?という点だ。
昨日エントリしたように、将来的に消滅する可能性のある自治体が744もある状況なのだ。
人口が減る、というだけではなく、現役世代が極端に減ることで日本の生産性は、今まで以上に落ちてしまう。
それが今年のGWの過ごし方にも現れ始めているような、気がしてくるのだ。
生活者が自由にレジャー等に使えるお金が少ない、ということは、それだけ生活にゆとりがなくなってきている、ということでもある。
そう考えると「新興国」ではなく「衰退国」なのでは?という気すらしてくる。
昨日、大手メディアが一斉に報じた「消滅可能性自治体」。
その自死対数は、744と言われ、全体の4割だという。
NHK: “消滅する可能性がある”744自治体 全体の4割に 人口戦略会議
このニュースが報じられる前、東京への一極集中はより強まり、大阪のような主要都市でも人口が減少する、という指摘もされていた。
確かに、日本の出生率(一人の女性が何人出産するのか?)は、下がり続けているし、「人生100歳時代」と言われても、高齢者が増え続ければ、当然亡くなる方も増えてくる。
そう考えれば、日本の人口が減少していく、ということは難しい数式で考えなくても、わかることだ。
今の日本は、このような状況になる入口に立っている、ということになるだろう。
何故なら、第一次ベビーブーム(別名「団塊の世代」)と呼ばれた人達のほとんどが、後期高齢者となっているからだ。
それは「2025年問題」と言われるように、「社会保障費の増加」、高齢者の急増による「高齢者向けの福祉サービスの人的不足」等が、随分前から問題視されてきたことでもある。
この第一次ベビーブーム世代の人たちが、より高齢となり亡くなる方が増えると、日本の人口減少は急速に進んでしまう、ということになる。
それは「日本」という国の経済力や生産性の低下、ということに繋がるという意味でもある。
だからと言って、「日本人がいなくなる」訳ではない。
あくまでも「自治体が消滅する可能性がある」ということなのだ。
しかし「自治体」が消滅すると、どのような問題が起きるのか?というと、生活インフラの維持管理や整備ができなくなる、ということになる。
他にも、小中高等の「教育機関」の維持ができないという問題も起きてくる。
「公共サービス」と呼ばれる、様々なサービスの提供もできない、ということだ。
それを回避するために必要なコト、として挙げられているのが「若い女性」ということになる。
なぜ「若い女性」なのか?と言えば、それは「出産」と関係してくるからだ。
だからと言って「出産・育児」の環境を整えれば、消滅可能性自治体を回避できるのか?と言えば、違うと思う。
その前に「若い女性が働きやすい自治体」ということが、必須だからだ。
例えば、名古屋の場合だが、大学までは名古屋で過ごすが、就職刄東京でするという若い女性が増えてきている。
朝日新聞:名古屋、人口増でも女性流出「長年働くことの想像が・・・」
この記事が掲載されたのが2021年なのだが、元々名古屋刄他の大規模都市と比べると地元志向が強い地域だと、言われている。
しかし、大学を卒業していざ就職となると、女性が働きたいと思う職場があまりないのだ。
何より、「大学を卒業したら、早くお嫁に行く」ことが、女性の幸せだと考えも根強くある。
その人生観が、大きく変わっているのに、企業も地域社会も変わっていないという「ミスマッチ」が、名古屋の若い女性の流出の要因となっている。
当然、東京で就職した女性が名古屋に戻って、結婚・出産・子育てをするという可能性は、低くなる。
そのような現象が、地方では進んでいる、と考える必要があるだろう。
とすれば、消滅可能性自治体が考える必要があるのは、大都市で就職した若い女性を受け入れる職場づくり・仕事づくり、ということになる。
当然だが、若い女性の職場ができれば、同世代の男性も増えるはずだ。
大都市に比べ、育児や子育て環境を整えることは、消滅する可能性の高い自治体の方が、しやすいかもしれない。
何故なら、職場と住居の距離が近ければ、それだけ時間的余裕ができるからだ。
今風の言葉でいうなら「タイパがよい」ということになるだろう。
地方における自治体は、補助金等で行政をするのではなく、若い女性にとって魅力的な仕事と生活を提供する、というこれまでとは違う視点が必要になってくるのではないだろうか?
Huffpostに面白い記事があった。
Huffpost:AIがつくった映画の予告動画に酷評続出「シーンごとに顔が違う」「想像以上に悪い」(動画)
何かと話題になっているAI技術だが、まだまだ途上の技術ということなのかもしれない。
これまで映画で使われていたCGは、人や物体の動きをコンピュータ―でデータ化し、それをアニメーション等にすることで、「自然な動きや表情」を再現することができた。
それに対して、この記事を読む限りではAIは、まだまだその域には達していないようだ、という印象を持った。
特に、「シーンごとに顔が違う」という点はAIならではの問題なのでは?という気がしたのだ。
この予告動画をどのような工程でつくっていったのか、不明だし、そもそも私自身、CGやAIについて詳しいわけではないので、誤解をしている部分があると思うのだが、AIは与えられた条件を基に表情をつくっていく為に、登場人物の存在よりも与えられた条件で、つくりあげていったのでは?と、想像するのだ。
人物のビジュアル表現は、基となる人がどのような場面で、どのような表情をするのか?ということが重要になる。
基本となるのは、ベースとなる人物の顔だ。
それだけではなく、顔の表情そのものは数多くある。
「オノマトペ」と言われる、物事を音で表す言語が多い日本人の場合、より細かな顔の表情があるのでは?と、考えている。
何故なら、日本の伝統芸能の一つである「能」を見ればわかると思うのだが、演者となる人は面をつけている。
面そのものに、表情があるわけではない。
しかし演者となる人は、その面の見せ方一つで「喜怒哀楽」を表現することができるのだ。
それほど「人の表情」は、微妙である、ということでもある。
単にデータ化した感情の言葉をAIに教えるだけでは、その機微にとんだ表情を表すことは、まだまだ難しい、ということなのだと思う。
そのように考えると、映画等の人物表現については、AIの利用はまだまだのような気がする。
何より、「映画を見たい」と思い、映画館やNetflixのような映画配信サイトと契約をして、自宅で見る「動機」を考える必要がある。
いくら「予告動画」と言えども、鑑賞する人に興味を持ってもらわなくては、実際の行動へと移ってはいかない。
むしろ「予告動画=プロモーションムービー」だと考えれば、その見せ方一つひとつが重要になってくる。
「AIでつくった予告動画」という話題性だけでは、人の気持ちは動かない。
動かないどころか、落胆し興味を失ってしまえば、本編を見たい!という動機に結び付けることは難しくなる。
今現在のAIの技術は、ここまでである、という確認ができたことは良いことだし、これから改善・進歩の余地はあるはずだ。
ただ、言語化できない(=データ化できない)人の心の機微を表すのは、AIが得意とするところではないような気がする。
今日の朝日新聞他、大手新聞社のWebサイトに、「Googleが公正取引委員会から、行政処分を受けた」という趣旨に記事が、取り上げられている。
朝日新聞:公取委がグーグルに初の行政処分、ヤフーの広告配信を約7年間制限
現在PCを使われる方が、検索をするときに利用しているのがGoogleなのではないだろうか?
実は、私もPCで検索するとき使うポータルサイトはGoogleだ。
別にYahoo!が不便という訳ではない。
ただ、Googleの検索画面の方が、スッキリしていてわかりやすいと感じているからだ。
Yahoo!の場合は、ニュースやトピックスから検索するときに便利なのだが、直接的に検索するのには、Googleの方が便利という感覚で使っている。
Googleで検索する理由は、このような点なのでは?と、想像している。
それを表すように「検索をする=ググる」という言葉もあり、今や一般化している印象がある。
このように名詞から派生して動詞化することで、より身近で普及している、とも考えられる。
当然、様々な人がGoogleを使って検索をすれば「どのような言葉が神作されているのか?」という情報は、集まってきやすい。
Googleで検索をする度に、Google側に刄検索ワードが蓄積され、トレンドワードや一般の人達が興味・関心のあることを知る機会が増える、ということになる。
それらの情報を基に、広告を打つことで、企業側はより効果的な顧客アプローチが可能になるはずだ。
だからこそ、同じポータルサイトであるYahoo!を排除してきたのだろう。
とはいえ、このような「検索→アクセス」というステップで、顧客情報を集めるという方法は、Googleだけではない。
「cookie」という表示を見たことがある方は、多いと思う。
サイトにアクセスし、cookieに登録すると次回アクセスするときにログイン等が不要、というシステムだ。
確かに、アクセスの度にログイン等をするのは手間と時間がかかる。
その点では、便利なツールのように思えるのだが、実はこの「cookie」にはもう一つの側面がある。
それは提供している側に、ID等が知られてしまう、という点だ。
「cookie」を利用することで、一部個人情報を自ら提供している、と考えてもよいかもしれない。
もちろん、情報を提供している企業側は「cookie」についての、取り扱いと注意事項を表示し、理解の上利用してください、と謳っている。
ただ、それをどれだけ理解し、了解の上「cookie」に情報を提供しているのか?という認識を持たないまま、利用しているという人も一定数いるのでは?という、ことなのだ。
現在のような、ネット社会であれば「個人情報」そのものが、ネットを通じて漏れてしまっている、という覚悟は必要かもしれない。
問題は、どの情報が洩れても実害が少ないのか?という、利用者側の意識の問題があるだろう。
今回のように、Googleのように「検索」という情報から、不特定多数の嗜好や行動傾向を分析することで、より効果的な広告提案を広告代理店だけではなく、これまでネット広告とは無縁であった企業にまでアプローチすることを可能としている。
それは、これまで大手広告代理店の仕事をGoogleやYahoo!、cookieが行っている、ということでもある、ということだ。
日経新聞のWebサイトを見ていたら、「やはり、太陽光発電に対する考えが変わりつつあるのだな~」と、感じる記事があった。
日経新聞:オーストラリア、屋上太陽光発電が拡大、全電源の11%に
日本では、未だに山を切り開いて太陽光発電パネルを設置する、メガソーラーが話題になっている。
ただ、話題になる内容も、「メガソーラー発電が設置された」という事業的な話題だけではなく、風光明媚な場所や国立公園にほど近い場所に建設され、反対運動が起きている、という相反する話題になっているような印象を持っている。
特に都市部から離れた、北海道や九州といった場所は、都市部の大手メディアで取り上げられるというよりも、SNS等で話題になる傾向があるように感じている。
西日本新聞:阿蘇にメガソーラー次々、狙われる草原、放牧廃れ・・・「景観では1円にもならない」
このような記事を見る度に感じることなのだが、地域資産の考え方がとても安直なのでは?という気がしている。
今や地方における「自然や景観は、(観光客を含む)人を呼び込む地域資産」という、視点がないような気がするからだ。
確かに、「人を呼び込む為」には、様々なアイディアと仕掛けが必要なのだが、一度失われた自然や景観を回復・復活させるためには、それよりも膨大な時間と費用が掛かる。
メガソーラーを設置し、売電によって収益を上げることは、わかりやすく簡単な方法だが、いつか行き詰ってしまう。
というのも売電価格が、年々下がっているからだ。
「1円にもならない」と言っても、売電価格が下がり続ければ設置にかかった費用回収という点で、さほどメリットがあるとは思えない。
これが、景観の良い場所ではなく1970年代に開発され塩漬け状態になっている工業団地用地等であれば、売電価格が下がってもそれなりのメリットがある。
しかし、地域資産として価値がある場所を目先の儲け話で、失うことは地域経済にとっても大きな損失のような気がする。
そしてオーストラリアで進む「屋上太陽光発電」の方が、遥かにメリットが高いのでは、ないだろうか?
ご存じの方も多いと思うのだが、電力は、送電等によって失われる電力量が失われる。
発電した電力をロスを減らして使う、ということを考えれば「地産地消」が一番効率が良いのだ。
その視点で考えれば「屋上太陽光発電」は、理にかなっているということになる。
それだけではない。
電力料金の価格高騰やSDGsという観点からも、「電力の地産地消」はメリットがある。
現在の各地域にある電力会社側とすれば、経営にも影響する話なので、手放しで推進するということにはならないと思うのだが、電力の管理・メンテナンス専業の関連会社を、行政と協力しあうことで経営をする、ということも可能だろう。
何より、現在注目されている「ペロブスカイト太陽光発電」等の実証実験には、協力する必要があるだう。
この「ペロブスカイト太陽光発電」が実用化されれば、都市部での高層ビルやマンションそのものが「メガソーラー発電」の設置場所となることになる。
何も景観の良い場所を切り開いて、メガソーラー発電をする必要は無くなるのだ。
日経のオーストラリアの記事の話に戻ると、注目すべき点は「全電源の11%」という占有率の高さだ。
自然エネルギーとしては、風力発電のほうが優位だが、それでも全電源11%という数字は、無視できないほどの普及率を示している。
そう考えれば、景観の良い場所(=送電ロスの多い場所)にメガソーラーを設置することの意味を、考え直す切っ掛けとなるのではないだろうか?
一昨日、実業家の前澤友作さんが、Meta社に激怒する、というニュースが報じられた。
ITMedia News: “なりすまし詐欺広告”に対するMetaの声明に前澤友作さんら怒り心頭「行政処分を出すべき」
いつのころからか覚えが無いのだが、前澤さんの名前で「お金を配る」とか、「投資指導」のような広告が、フェイスブックだけではなく現在のX等にも頻繁に表示されるようになった。
そもそもいくら実業家で巨額の資産をつくり上げた人物とはいえ、お金を配るとか投資指導をする、こと自体変な話なので、そのような広告を見た時はブロックするようにしていた(それよりも、知らない外国人からの友達リクエストを何とかして欲しい)。
その為、これほどまでの被害が出ていたとは、思いもよらなかった。
考えてみれば、詐欺を働くような人はあの手この手で新手のツールを使い、人をだますことをしてきた。
時代とともに、電話からeメール、現在はSNSとその手口を替えてきた、ということだ。
これら詐欺に使われるツールを見て、気づくコトはないだろうか?
それは「詐欺に使うツールのコストが、安いモノへと移っている」という点だ。
確かに今でも「オレオレ詐欺」と言われる「特殊詐欺」に使われるのは、電話が主流だ。
しかし、固定電話ではなくいわゆる「かけ放題プラン」が使える、携帯電話になっている。
もしくは、光電話と呼ばれる通常回線とは違う電話番号を利用しているはずだ。
eメールは、ランダムなアドレスに一斉送信をしている。
しかもその多くは、日本国内ではなく海外経由で送信されている。
そしてSNSの場合は、無料で不特定多数の人に「広告」することができる。
アクセスするための通信料と言っても、ネット通信の利用料はご存じの通り、高額ではない。
多くのSNSサービスを提供している企業は、広告収入によって収益を上げているので、「広告」として、申請しアカウントを取得すれば、繰り返し表示させること等簡単なコトなのだ。
しかもSNSの場合は、広告主の実態が分からないまま「なりすまし」が簡単にできる。
今回の前澤友作さんをはじめとする著名人の名をかたった「なりすまし詐欺」の場合、広告としてアカウントだが、日本国内でつくられたモノなのだろうか?
確かにSNSの魅力の一つは、タップをするだけで世界とつながる、という手軽さがある。
だからこそ、アカウントの取得国はハッキリさせる必要があるのでは?という、気がしているのだ。
日本国内で取得されたアカウントでありながら、海外から発信されている広告となれば、それはどこか怪しげなアカウント、ということになる(と思う)だろうし、そもそも、いくら著名人だからと言って前澤さんをはじめとする著名人の写真を勝手に使うこと自体、肖像権の問題なのでは?
このような「なりすまし詐欺」のアカウントそのものは、法的手段を取られる前に削除し、また新たなアカウントを取得する、という鼬ごっこに陥るとは思うのだが、根気よく法的手段に訴え続けるしかないのかもしれない。
もう一つ考える必要があるのはこの「なりすまし詐欺」の手法だ。
FacebookやInstagram等のSNSで誘い込み、LINEで実際のやり取りをしている、という点だ。
それは、FacebookやInstagram等のSNSに対する規制だけでは、犯罪防止に繋がらないということでもある。
ただ、Facebookの成り立ちは「同級生の連絡網のデジタル化」から始まったシステムだ。
ということは、「広告表示は、自分とは関係の無いモノ」と、利用者側が認識する必要がある。
Instagramにしても、「広告」が表示されても、同様な認識をする必要があるだろう。
そして、SNSからLINEのような個人連絡ができるツールに誘導すること自体、嘘くさいと受け止める必要があるだろう。
Meta社だけではなく、SNSサービスを提供している側は、ユーザーがブロックした広告アカウントに関して、削除をする等の運用がもちろん必要だろう。
このような「なりすまし詐欺」を無くしていく為には、ユーザーの協力もまた必要であり、それを呼びかけることも必要なのではないだろうか?
いよいよ、衆議院の補選が始まった。
その中でも注目されるのが、島根1区ではないだろうか?
というのも、今回行われる補選の中で、与野党候補相まみれる選挙となるからだ。
島根1区に限らず、島根は自民党が圧倒的に強い「自民王国」の一つだ。
島根1区は細田、島根2区は竹下と、いずれも自民党の重鎮を輩出している選挙区でもある。
この島根選挙区において、細田博之氏も竹下登氏の弟である竹下亘氏も、後継者指名をすることなく逝去している。
その為、これまでのように「自民王国・盤石な自民党支持」という状況ではなくなっている、というのが現状と言える。
だからこそ、自民党は選対委長の小渕優子氏を初日から投入し、自民党支持を訴えたのだ。
朝日新聞:島根に入ると「裏金~」と自民批判 おわびから始まる補選での逆風
そして「自民王国・盤石な自民党支持選挙区」であるはずの、島根1区で自民党候補は相当な批判を浴びるスタートになってしまった。
もちろん、応援演説に駆け付けた小渕優子氏に対しても、それなりの批判的発言が相次いだのでは?と、想像することができる。
理由は見出しにある通り「裏金問題」だ。
もう一つ忘れてはいけないのは、これまでの自民党支持者であった多くの人達は、実は自民党支持者ではなく細田氏や竹下氏の支持者であった、ということではないだろうか?
自民党という政党ではなく、議員個人の支持者であった、という場合その個人が政界から去った後、後継者指名がされていなければ、浮遊票となってしまう可能性が高い。
自民党の政策に共感し、自民党を支持していたのであれば、政治家の逝去によって大きく得票数が落ち込むことはない。
しかし、議員個人の支持者であった場合、後継者指名がされていなければ、政党支持に結びつかないからだ。
だからこそ、自民党は補選でありながら自民党内の「大物」と言われる政治家を島根1区に投入し、自民党支持を訴える、ということをしなくてはならないのだ。
上述したように、「自民王国」と呼ばれる選挙区は地方には多くある。
その実「自民党支持者」ではなく「議員個人支持者」によって、選挙戦を勝ち抜いてきたような選挙区の方が、多いのではないだろうか?
地方で起きる「議員個人支援者」が何故多いのか?と言えば、多くの支持者は議員個人に対して様々な陳情を行い、その支持者に対して利益誘導的政策をしてきたからだ。
支持者が「(高速)道路が欲しい」と言えば、国土交通省に働きかけ、高速道路整備予算を取り付ける、ということを長い間行ってきたのが、今の自民党だからだ。
そして今回「裏金問題」で名前の挙がった議員たちは、「個人的支持者」がどれほどいるのか?
名前の挙がった議員が多すぎて、はっきりとわからないが「議員個人支援者」によって、選挙を勝ち抜いてきた人は、二階さん位だったのでは?
そう考えると、今回の島根1区の選挙は「政党支持vs議員個人支持」の戦いからの脱却とみてもよいかもしれない。
先日発表された、マイクロソフトの日本への4400億円の投資。
そして、今日OpenAIが新たに日本の半導体での日本企業との連携を模索する、という趣旨のニュースが出ている。
日経新聞:Open AI AI半導体で日本勢との連携模索 COO表明
Open AIについては、このAI半導体だけではなく、日本語に最適化されたGTPの為の日本法人を設立、というニュースも出ている。
BE (IN) CRYPOT:OpenAIJapanが設立 日本語に最適化されたGPTを提供
Open AIだけではなく、マイクロソフトがAIデータセンターを日本に投資する、ということを「投資先に選ばれて、良かった」で終わるのではなく、「なぜ、今日本なのか?」ということも考える必要があると思う。
先日、マイクロソフトの投資についてのエントリでも書かせていただいたが、一つの理由として考えられるのは円安による「対費用」という点があると思う。
円安という状況であるため、マイクロソフト側は当初の投資額よりも少なく済む、という考えもあるだろう。
それだけではなく、AIに対する認識が欧州等に比べると緩いというか積極的である、という点だ。
そして今日、Open AIが日本支社を設立し、日本語に最適化されたGPTの提供を考えているということに、マイクロソフト側も同様のことを考えているのでは?と、感じたのだ。
YouTubeにアップされている動画だけではなく、途中に挟み込まれる広告動画等も、AIによる音声ではないか?と、感じるモノが増えてきた。
なぜそう感じるのか?と言うと、話す言葉に違和感があるからだ。
抑揚であったり、漢字の読み方の間違い等、明らかに「人が読み上げていない」と、感じる内容のモノが増えているからだ。
よく「日本語は難しい」と、言われる。
その理由はいくつかあるのだが、
①漢字一つに複数の読み方がある
②同じ発音であっても、指すモノ・コトが変わってくる。
例えば、橋と箸と端など
③方言によるイントネーションの違い
④かな1文字に対して、1音の発音であるにもかかわらず、言葉になると意味を持つ
⑤文章のあいまいさ
等があるのでは?と、考えている。
構文そのものも難しいという指摘もされるゆえんだろう。
ラテン語から派生し、発展した欧米の言葉ではわからない、難しさが日本語に刄あり、おそらくAI化することそのものが大変なのでは?ということなのだ。
視点を変えれば、日本語という独特な言語をAI GPTの実用化することで、より多くの言語対応ができる足掛かりになるのでは?と、考えると、日本への積極的な投資もわかる気がする。
「日本への投資」という経済面だけで、良かった良かったというのではなく、「なぜなのか?」ということを考えると、その事業の目的が分かり、より誘致の為の企画に反映できるのではないだろうか?