日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ポストコロナ」で変わる音楽業界?

2020-06-30 21:54:19 | ビジネス

先週、サザンオールスターズが配信サイトを使って、「無観客有料ライブ」を行った。
使用した会場は、通常コンサートが行われる横浜アリーナだった。
翌日のコンサートのレポートでは、無観客とはいえ通常のライブと同じか、それ以上のライブだったようだ。
この時、照明や音響、カメラなど総勢400人のスタッフが、このライブステージをサポートしたという。
無観客であっても、それなりのライブをするためには、それなりの人数のスタッフが必要なのだ。

ご存じのように「新型コロナウイルス」の感染拡大により、「3密」になりやすいコンサートや演劇などが次々に中止や延期となった。
そして多くの人の関心は、音楽や演劇・映画といったエンターテイメントから、無くなっていってしまった。
これは、拙ブログで何度か指摘している「マズローの欲求の階層」の上位に、エンターテイメントが位置しているからだ。
だが、エンターテイメントが生活の中から無くなってしまったことで、多くの生活者は「エンターテイメントの力」のようなモノも感じたのではないだろうか?
それは「こころの部分で生活を豊かにする」という点で、エンターテイメントのない生活が、味気なく感じられることが多かったからだろう。

そのような生活者の気持ちに対して多くのミュージシャンや美術関係者は、youtubeなどを使って「(過去の)ライブ映像の無料配信」を積極的に行ってきた。
その「無料配信」がひと段落したところで、今回のサザンオールスターズの「有料配信」が始まった。
この「有料配信」が始まったことで、他のミュージシャンたちも「有料配信」へと動き出している。
「有料配信」なので、事前にチケットを購入する必要があるが、通常のコンサートよりも安い参加費を設定することで、通常のキャパシティ以上の人たちが、インターネットを通じて「ライブ」を楽しむ、という社会的了解が出来上がりつつある。

とはいっても、せっかくの有料配信がテレワークやリモートワークで使うZOOMの時のように、微妙な時間的遅れが起きてしまっては、十分楽しむことができない。
そこで使われたのが5Gということになるようだ。
データの時間:5Gで急成長するライブ配信サービス

年明けごろは5Gが必要なのは、画像データが鮮明でなくていけない医療などの現場だけだ、と思われていたように思う。
ところが医療の現場よりも先に「ライブ配信」という方法によって、5Gが急激に使われるようになっているようだ。
「新型コロナ」が起こした社会変化ではあるが、「有料のライブ配信」という思いがけない考えが、5Gを一気に変えていくような気がする。

そしてもう一つ「新型コロナウイルス」感染拡大後の動きがエンターテイメントで起き始めている。
それはサザンオールスターズの有料ライブ配信でステージをつくった「縁の下の力持ち」のようなスタッフに対する「支援基金・Music Cross Aid」の創設だ。

残念に思うことは、このような「ライブエンタメ従事者支援基金」の存在が、一般的にどのくらい認知されているのか、分からない点だ。
このような基金は、設立時にどれだけ基金を集めることができるのか?というところで、その後の運営やミュージシャンの活躍が影響を及ぼすことになる
だからこそ、多くの音楽・エンターテイメントファンに、知ってもらう必要があるのだ。

このような基金が創設されたことで、政治家への口利きというお願いは必要なくなる。
政治などから距離を置くことで、基金そのものが自由に支援することができるようになるからだ。
このような「支援基金」の創設や5Gの利用拡大によって、「コロナ後」のエンターテイメントは、新しいステップに移っていくのかもしれない。



普及キャンペーンばかり目立つ「マイナンバー」

2020-06-29 20:39:10 | 徒然

政府の「キャッシュレス推進キャンペーン」が、明日で終了する。
お店やネット通販などで見かけた、「5%還元キャンペーン」と、銘打ったキャンペーンのことだ。
この政府の「キャッシュレス推進キャンペーン」に合わせて、イオン系の店舗では「現金でポイント付与」をしていたポイントカードなどは、今年の4月からポイント内容が変更され、特典が随分減った。
イオン:WAON POINTカート特典変更のお知らせ

これを機に、クレジットカード払いや電子マネーWAONに切り替えられた方も、いらっしゃるかもしれない。

政府の「キャッシュレス推進」の理由は、
1.インバウンド対策
2.経費の削減
という2つの目的があるようだ。
マネーポスト:政府がキャッシュレス化を進める理由(2019年5月4日配信記事)

確かに、日本は「現金主義の国」といわれ、キャッシュカードなどによるキャッシュレス決済は、諸外国に比べると進んでいないと思う。
その背景には、クレジットカードそのものをつくるハードルが高い、ということもあるのでは?と、感じている。
安定的な仕事による収入や資産が無くては、クレジットカードそのものをつくることができないからだ。
とはいうものの、30年くらい前に比べれば随分つくりやすくなった、という気はしている。

ただ、そのキャッシュレスとマイナンバーカードの推進を兼ねて、来月からは「マイナポイント」が、始まることになっている。
総務省:マイナポイント事業

そこで単純な疑問なのだが、キャッシュレスとマイナンバーの普及の目的は、それぞれ違うはずなのでは?という点だ。
マイナンバーに関しては、「定額給付金」の受け取りで、政府は当初「マイナンバーによる申請」を勧めたが、結局重複申請など様々なトラブルが発生したため、多くの自治体では「マイナンバーによる申請」ではなく「郵送による申請」を勧めることになった。
そのようなゴタゴタがあったために、大都市での給付申請書類の送付が遅れたり、給付そのものに遅れが生じたりした。

このような状況になると、「マイナンバーの目的は、何だったのか?」ということを、政府はすっかり忘れているのでは?という、気がしてくる。
とにかく「マイナンバーの普及目的」で、様々な策を出し、そこにそれなりの税金を投入しているはずだ。
何より、投入した税金に対する「対費用効果」ということを考えると、首をかしげたくなるばかりの結果だ。

このようなことが起きてしまう最大の理由は「マイナンバーカードの目的」を、ずっかり忘れているからなのではないか?という気がしている。
「マイナンバーカード」導入に当たっては、様々な反対があった。
一番の反対理由が、「個人情報の管理の不安」だったのではないだろうか?
もう一つは「必要性が感じられない」という、2点だったように思うのだ。
これらの問題を、解決するような動きがあったのだろうか?

今の政府の「マイナンバー普及策」は、本来の「マイナンバーの目的」から外れ、「普及」が目的になっているのではないだろうか?
ただ多くの人たちは、「普及目的」で「マイナンバー」をつくる動機にはなっていない、ということに政府(とキャンペーンを企画している人たち)は、気づく必要があるのではないだろうか?

 


ステレオタイプ化されたモデルから、多様性へ

2020-06-28 23:08:59 | ビジネス

Huffpostに「時代の変化」を感じさせる記事があった。
Huffpost:グッチの広告が新しい。歯並びが揃っていないモデル、しわを修正しない写真…「美の価値観」を覆す広告を展開

記事よりも、掲載されている写真のほうに目が行ってしまった方のほうが、多かったのではないだろうか?
これまで欧米では当然とされてきた「歯科矯正」。
その「歯科矯正」をしていないモデルを起用した、グッチの新しい口紅のポスター写真。
「重ね付け過ぎてマスカラが固まってしまった」のモデルの写真…これまで、広告のポスターは当然、モデルとして活躍できなさそうない女性たちの、いわゆる「マイナスポイント」となる要素を、あえてクローズアップさせたポスター写真だ。
おそらく、このポスター写真を見て「ギョッとした」方は、多いのではないだろうか?

その理由は、「スタンダードなモデル」の姿とは、全く違うからだ。
上述したように、これまでの標準的なモデル像からすれば「マイナスポイント」であるはずの、「歯並びの悪さ」等はランウェイや雑誌のグラビアでニッコリ微笑むモデルからは、想像できないほどだろう。
そのような「これまで見ることが無かった、スタンダードとは言い難いモデル」を起用したのが、高級ラグジュアリ-ブランドのグッチというのだから、より驚きが大きいと感じている。

「歯並びの悪さ」を、「その人らしさの美」と捉えるのか否かという点は別にして、このようなモデルを起用し、広告のポスターとして使うというのは、記事にある通り「美の多様性」ということを、テーマとしているからだろう。
「重ね付けし過ぎて固まったマスカラ」というのは、単にお化粧のテクニックの問題という気がしない訳ではないのだが、このような「メイクの失敗」であっても、「肯定的にとらえよう!」ということを伝えたいのだろう。

ファッションの世界では、様々な「文言に表せない約束事」がある。
例えば、モデルの身長は170cm以上とか、体重は〇〇㎏以下といったようなことだ。
10代でデビューするモデルの中には、「摂食障害」に陥ってしまうケースも多々ある。
そのため、「痩せすぎたモデルは起用しないように」ということを、モデルエージェントやファッションブランドに求められるようにもなってきている。

このような状況変化で登場してきたのが「プラスサイズ」と呼ばれるモデルだ。
「プラスサイズ」ということばどおり、肥満体形のモデルのことだ。
そして今この「プラスサイズ」のモデルたちの登場によって、これまでファッション業界が目もくれなかった「プラスサイス」のファッションが好調だという話もある。
「プラスサイズ」のファッション・アイコンの一人は、タレントの渡辺直美さんである。

そのような「サイズの多様性」から、容姿の多様性美という変化が起きている、というのが今回のグッチの広告なのだ。
特に「ダウン症のモデル」であるエリー・ゴールドスタインさんの登場は、社会から守られるべき存在としての「障害者」という発想から、障害もまた人の魅力の一部となりえる、ということを伝えているような気がしている。
事実、彼女の笑顔はとてもキュートで素敵だ。

その動きは、ウィメンズにとどまらずメンズファッションにも影響を与え始めているようだ。
WWD Japan:「太っている人が着たい究極の服」ができるまで SNS世代が仕掛けるブランド誕生までの軌跡

言わば「メンズ版プラスサイズ」のファッション、ということになる。
そしてこのような「体形や障害」あるいは「常識」とされてきた、ファッションにおける「美の基準」が、大きく変化し始めている。
「歯科矯正をしていないモデル」さんが今後増えてくるとは思えないが、個人が尊重されるファッションが求められるようになってきている、ということには違い無いだろう。


本当に「リニア」は必要なのだろうか?

2020-06-27 17:57:40 | 徒然

JR東海が行っている「リニア新幹線」の工事。
現在、東海地区の新聞各社の紙面をにぎわしているのは、「JR東海VS静岡県」という問題だ。
日経新聞:リニア、27年開業延期の公算 JR東海と静岡県合意できず

静岡県側としては「工事により大井川の水源が失われる」ということを懸念し、その問題解決ができなければ、工事の着工は認められない、というのが主張だ。
一方、JR東海側は「工事を進める」の一点張り(のように思える)。
ただ、メディアなどの報道を見る限りでは、静岡県側に分が悪いような印象がある。

今世間では「JR東海VS静岡県」ということばかりに注目しているが、実は静岡県よりももっと大きな問題が、「リニア新幹線工事」にはある。
それは、工事をしている所で多数起きている「土砂崩れ」だ。
Googleなどで「リニア工事 土砂崩れ」と、検索すると2017年ごろから「トンネル工事による土砂崩れ」の記事を複数見つけることができる。
「リニア新幹線」のルートが南アルプスを横断するようになっている為、どうしてもトンネルだらけになってしまうのだ。
確かに、高速で移動するためには地上よりも空気抵抗の少ないトンネルのほうが、良いのかもしれないが(素人考えなので、間違っていたら指摘をしていただきたい)、そのトンネル工事の各所で、土砂崩れや地盤沈下のようなことが起きているのだ。
日経XTECH:リニア新幹線の南アルプスルートは安全か

このような指摘は2009年ごろには、既にされているのにJR東海側はルートの再検討も行わず、「リニアありき」で工事を進めてきた感がある。
過去のJRの工事の進め方を見ると、「静岡県が悪い」というよりも、地盤調査や環境アセスメントなどを、十分にJR東海側はしてきたのだろうか?という、疑問が起きてくる。
静岡県が指摘している「大井川の問題」も決して小さな問題ではないが、単発的に報じられる「工事に伴う土砂崩れ」の問題のほうが、「工事そのものの根幹にかかわる問題」のように思えるからだ。
このような問題には、JR東海側はほとんど触れてはいないような印象を持っている。

それだけではなく、実はリニアそのものが、とても電力を使う交通システムである、という指摘がある。
新電力比較サイト:リニア中央新幹線の消費電力
現在運行している新幹線の約4倍の消費電力を必要としている、というのである。
その電力は、どこから供給されるのか?
そのことに関してJR東海からの明快な回答は出ていない、という記憶がある。
開業する前なので、実際のところは分からないにしても、運行するうえで現在の新幹線の4倍の電力を使って運航する意味とは、何だろうか?
リニアの最大のメリットは、「東京⇔名古屋間を45分で結ぶ」という、速さだけ(といっては失礼だが)なのだ。

他にも、東京を中心に感染拡大が収まっていない「新型コロナウイルス」によって、生活者の価値観は大きく変りつつある。
仕事にしても「出張をする必要があるのか?テレワークやリモートワークで済むのでは?」という考えも広がりつつあり、積極的にテレワークやリモートワークへと勤務形態を変更する、企業も登場してきている。
とすれば、リニアによる「ビジネス利用」は、計画当初の見込みよりも随分低い利用となるだろう。
言い換えれば、それほど「新型コロナウイルス」の感染拡大は、社会に与える影響が大きいと、言えるかもしれない。

「観光の移動手段」としてのリニア、という考えもあると思う。
何より、元々は現在の新幹線に対する補完的交通手段として、リニア中央新幹線が考えられたという背景もある。
だが、ほとんどトンネルの中を移動するリニアでは「観光気分」を味わうことは、難しいだろう。
現在の新幹線に対する補完的交通手段という考えであれば、現在の中央線のルートを活用するという方法もあるのでは?

JR東海の「リニアありき」という発想は、昭和の発想のような気がしている。
そして「国が関わる大規模プロジェクトであれば、地方自治体や住民は言うことを聞くべきだ」という、驕りのような考えが見え隠れしているような気がする。


「ポストコロナ」の働き方とオフィス

2020-06-26 16:46:50 | ライフスタイル

VOUGEから配信されるメルマガをチェックしていたら、「ポストコロナ」というキーワードがあった。
VOUGE Japan:ポストコロナ時代のオフィス環境はどうなるのか?ハーバード大教授が予想。

この「ポストコロナのオフィス環境」を予想されたのは、ハーバード大学デザイン大学院で建築と公衆衛生を専門とする、ホーリー・サミュエルソン教授だ。
建築と公衆衛生という、異質な分野を専門とする教授がいる、というのは流石ハーバードというべきか?
そして記事を読んで感じたことは、人は様々な災害や事故・事件が起きるたびに「その問題の本質に目を向け、解決しよう」と新たなプランをつくる、という点だ。
その意味では、今回の「新型コロナウイルス」の感染拡大によって、私たちの「暮らしの在り方」の見直しが、新しい「暮らし方」のベースとなっていくであろう、ということは、想像がつくし、変わらなくてはいけないはずなのだ。

この記事で提案されている一つに、「テレワークやリモートワーク」と「オフィスを使う」というモノがある。
今の社会的な流れでは「テレワークやリモートワークか?、オフィースワークか?」という、選択をするという発想のような気がする。
確かに「テレワークやリモートワーク」を必然的に実施した結果、「オフィースで仕事をする意味」を考え直す傾向が生まれている。
実際、カルビーなどでは「単身赴任を原則廃止」し、「テレワークなどでカバーする」ということを発表している。
カルビー:ニューノーマルの働き方「Calbee New Workstyle」を7月より開始

今後、カルビーのような「テレワーク」が主体となる企業は、増えていくだろう。
しかし、それだけでは「働く」という意味において、物足りなさを感じるようになるのでは?というのが、VOUGEの視点なのだ。
しばらく前に話題になった「雑談力」等は、人が集まることで生まれる「発想力」だ。
一人で考えていても、その発想する力は限られるだろう。
様々な意見や考えがあるからこそ、+αの発想がつくられる、ということは、実感として持っている方も多いはずだ。
ZOOMなどを活用すれば、テレワークやリモートワークでも問題ない、と思われるかもしれないが、やはり人の表情や微妙なニュアンスを受け止める為には、実際に会うということが大切なのだと思う。

それだけではなく、VOGUEはもう一つの提案をしている。
それが「女性のキャリア形成転換期」という内容だ。
テレワークやリモートワークなどにより、自宅で過ごす時間が増えることで、(勤めている)企業だけに頼るキャリア形成ではなく、社外と結びつくことで得られるキャリアを得ることが、「ポストコロナ」では重要になっていくのでは?ということなのだ。
この「(勤めている)企業以外でのキャリアを得る」というのは、ドラッカーが「明日を支配するもの」で提案をしている「パラレルキャリア」という意味だ。

これは「人生100年時代」といわれる、超長寿社会に突入した日本では、男女関係なく必要となることかもしれない。
「ポストコロナ」の時代は、企業と働く人との関係が、劇的に変るのかもしれない。
むしろ、変わらなければ国際社会から立ち遅れてしまう可能性もあるのでは?という、気がしている。

 


日本にある、ジェンダーギャップの「壁」

2020-06-25 22:34:18 | 徒然

Yahoo!のニュースに取り上げられていた、「セクハラ男性市議の辞職は否決」という記事。
元となったのは、神戸新聞の記事だ。
神戸新聞NEXT:西播 たつの市議がセクハラ?「足のツボを教えただけ」同僚の女性市議「屈辱的だった」

詳細を読んで、「日本の政治は、まだまだこんな感覚なのか!?」と、ガッカリした。
場所はともかく、いい年をした男性が、若い女性の足を「マッサージ」と称して触るというのは、女性側からすれば「気持ち悪く、屈辱的」以外の感覚はないと思う。
相手の男性は、自分の父親世代以上のようなオジサンなのだ。
それを「足のツボを教えただけ」というのには、無理があり過ぎる。

そのコト自体、問題だと思うのだが議会で「辞職を否決」したことの方が、より問題だと思うのだ。
開票の結果としては、(辞職)賛成が7名、反対が9名、白票が4名という、微妙な結果ではあるが、反対(=辞職に反対)した市議が9名もいたことだ。
この9名の市議さんたちは、「マッサージと称して若い女性の足を触る」こと自体、問題無しといっているようなモノだからだ。

「9名の市議さんたちは、触ったオジサン市議に対して、何かしらの共感があるのでは?」と、市民から受け取られても仕方がないだろうし、その思考の元となっているのは「政治に女性が口出しするのは生意気」だと感じているのか?「所詮女性議員は、お飾りなんだから」と、高をくくっているのどちらかのような気がするのだ。

確かに、「女性が政治の世界で活躍する」という、ハードルは決して低いものではない。
東京都知事の小池さんの活躍を、苦々しく思っている男性も少なからずいらっしゃるだろうし、女性であっても「小池さんは、女性であって女性じゃないから」という、見方をされている方もいらっしゃるのでは?と、感じている。
むしろ小池さんの姿を観ていると「女性が男性の社会で生き抜く為には、男性の懐に入り・気に入られることが必要なのでは?」と、感じることも多い。
それくらい「女性」が、政治の世界で活躍するためには、「策を練る」必要があるようにも感じている。

それで果たして良いのだろうか?
「男女雇用機会均等法」が、施行されて30年以上になった。
しかしOECD諸国の中でも、日本のジェンダーギャップは先進諸国の中でも低い。
その理由の一つとして挙げられるのが「女性の管理者や政治家が少ない」からだ。
だからといって闇雲に「女性の管理者や政治家」を増やすことは、得策ではないと感じている人も多いはずだ。
何故なら、今の女性国会議員さんたちを見ていて、疑問を感じる方も少なくないと思っているからだ。
もっとも「日本の国会議員の中で、どれだけ自分の意思を持って発言をしているのか?」と、疑問を感じる国会議員さんは多々いらっしゃっていて、「国会決議の駒の一つとしての、議員さん?!」という方のほうが、男女を問わず多いような気がしている。

それだけではなく、女性自身も「仕事はほどほどで良い」と考えているというデータもある。
特に保守的な思考が強い地域などでは、その「ほどほど思考」が強いと言われている。
そのために「スキルアップよりも、オシャレにグルメ」に興味が引かれ、政治などへの関心は低い、ということになる。

おそらく「ジェンダーギャップ」を埋めるには、男性の意識改革だけではなく、女性の意識改革も必要なのかもしれない。
ただ、たつの市議の「足のツボを教えた」という言い訳と、辞任否決は「オジサン思考の市議会」と言わざる得ないと感じている。




基礎研究から応用、そして実用化。大学が投資ファンドを始める理由

2020-06-23 13:25:27 | ビジネス

日経新聞をチェックしていたら、興味深い記事があった。
日経新聞:新型コロナを不活性化 人に無害な紫外線「光明」を照らす

この記事の元となっているのは、神戸大学とウシオ電機が共同で研究を進めていた基礎研究によるもののようだ。
神戸大学:皮膚がんなどの発症なし 222nm紫外線(UVーC )繰り返し照射の安全性を世界で初めて実証

「紫外線」と聞くと、「皮膚がんや白内障を引き起こす光線」ということを、思い浮かべる方は多いだろう。
その一方で、一定量の紫外線を浴びないと、体内でつくられる「ビタミンD」が欠乏して、「くる病」と呼ばれる骨の病気になる、ということも言われている。
「くる病」については、ヴィクトル・ユーゴ―作の「ノートルダム・ド・パリ」に登場する、醜い「せむし男」といえば、どのような病気なのかイメージできると思う。
そのため、日本よりも日照時間の短い北欧などで見らえる病気というのが、一般的な認識だと思う(高校生の頃?そのように習った気がする)。
最近では、日本でも過剰なUVケアによって、「くる病」になるケースも見られるという。
たまひよ:赤ちゃんのUVケアのしすぎでビタミンD欠乏性くる病になる!?

とはいっても、多くの人がイメージしている「紫外線=悪いもの」であるコトには、変わりないと思う。
その「紫外線」が、「新型コロナ対策」になるということに、疑心暗鬼になってしまうのは当然かもしれない。
実際には「紫外線」の中には、様々な波長のものがあり、その中の一つが「人に無害で、ウイルスや菌を不活性化させる」という効果がある波長が分かった、ということのようだ。

ここまでの研究は「基礎研究」といわれる範疇で、これから先「応用研究」を経て「実用化」となるのだが、この「基礎研究→応用研究→実用化」のスピードによって、この基礎研究が大いに社会に貢献できるのか?ということが、決まってくる。
それだけではない。
「基礎→応用→実用化」の過程で、特許を取得することができれば、基礎研究をした大学や企業にも「特許料」が支払われることになる。
今のような経済状況の中では、研究費用を調達すること自体大変厳しいであろう、というのは想像できるし、大学の特許収入は米国とでは随分違う。
日経新聞:大学の特許収入、米は日本の22倍 進まぬ産学連携

潤沢な特許収入が得られれば、日本の大学はまた新たな基礎研究に再投資し、取り組むことができるのにもかかわらず、それができていない、という現状があるのだ。
そして、問題解決の為と思われる動きが、既に一部の大学で起きている。
大学が自ら投資ファンドを立ち上げ、産学協同の連携を強め、ベンチャー企業を支援するという動きだ。
大阪大学:大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社

大学と共同研究をした企業、特にベンチャー企業への再分配が行われることは、今後の日本の経済の発展という面だけではなく、世界的に影響を与えるイノベーションになるかもしれない。
今回の「紫外線(UV-C)によるウイルスや菌の不活性化」というシステムであれば、「新型コロナ」によって次々と中止に追い込まれているコンサートや野外フェスなどの会場に、入場ゲートとして設置することで、開催が可能になるかもしれない。
もちろん、最初に導入されるのは駅や空港など、不特定多数の人たちが集まる公共施設などへの設置、ということになるだろう。
それだけでも、今の社会を覆う「閉塞感や窮屈感」から解放されるのではないだろうか?
「新型コロナウイルス」に限らず、人とウイルスや菌による感染症はこれからも続くはずだ。
とすれば、その中で「安心」を提供するという意味は、とても大きいはずだ。

大学での研究のほうが、自由裁量があり「イノベーションを生む基礎研究」がし易い環境にあるだろう。
その資金調達という点で、大学投資ファンドがサポートするようになるのが、当たり前となる日は近いのかもしれない。


「新型コロナ」で変わる?人生価値観

2020-06-22 11:17:52 | ライフスタイル

昨年から、話題になっているテレビ番組の一つ「ポツンと一軒家」。
テレビが無い我が家でも、Tverの「見逃し配信」で見る番組の一つだ。
ご存じの方も多いと思うのだが、現在は「新型コロナウイルス」感染拡大防止の為、ロケを中止しスタジオで所ジョージさんと林修先生が「ソーシャルディスタンス」の距離を取り、過去の放送を再編集しその時ロケをしたスタッフの方が出演された方に、電話や出演された方が撮影された映像でその後の暮らしぶりを聞く、という内容になっている。

このような形態で放送されるようになってから感じるのは「贅沢な人生の過ごし方」という視点が、変わってきたのでは?という気がすることだ。
「ポツンと一軒家」という番組の性格上、取材された方々の多くは高齢者だ。
だが、その高齢者の方々は、実にイキイキとした表情で暮らしている。
電話のインタビューなどを聞いても「元々、ソーシャルディスタンスが保たれているので、関係ない。以前と変わらない生活を続けている」という話ばかりだ。
むしろ、このような社会状況になって、ますます「ポツンと一軒家生活」を楽しんでいる感すらある。
スマホなどを活用して、今の暮らしぶりの映像を見ることができたりすると、「贅沢な人生の過ごし方とは?」ということを、考えさせられるのだ。

戦後、私たちの暮らしの「標準」となったのは、「東京の暮らし方」だったのではないだろうか?
その顕著な例が、地方都市での「ミニ東京化を目指す」というモノだったような気がする。
「ミニ東京化」というのは、拙ブログでは随分前から指摘している、「東京を基準とした都市づくり」ということだ。
それは「経済優先の都市づくり」ということ、だったのかもしれない。
ところが、「ミニ東京化」の発想は、逆に「東京一極集中化」を招き、地方を疲弊させることになった。
「新型コロナウイルス」という、予期せぬ感染症の流行とITという技術によって、「東京一極集中化」を崩すことが可能になり始めた、というのも事実だろう。

昨日の朝日新聞に、上述した内容を感じさせる記事があった。
朝日新聞:仕事より生活重視、地方以上も・・・コロナ禍が変えた価値観

テレワークやリモートワークなどが一般的になると、「会社に出勤する必要があるのだろうか?」という、疑問が出てくるのは当然だろう。
テレワークやリモートワークにも、デメリットは数多くある。
一つは、「家庭と職場が一つになってしまう」という問題だ。
ZOOMなどを活用しての会議などは、住居環境によってはなかなか難しいということもあるようだ。
他にも、「仕事とプライベートのメリハリがなくなり、長時間仕事をしている」という、これまでとは違う「長時間労働」という問題も出てきている。
このような問題を一つひとつ解決していくことで、テレワークやリモートワークが、思いのほか一般的になるかもしれない。
とすると、それぞれの人が思う「環境の良い場所で、仕事をしたい」という、欲求が生まれてくるのは当然かもしれない。
情報も、インターネットが普及する前のように「東京でなくては得られない情報」そのものが、無くなりつつある。
もちろん、名だたる美術展やコンサートなどは、東京でなくては鑑賞することは難しいだろう。
であれば、生活基盤のある地方から、東京に「出かける」様にすれば良い、という発想が生まれるかもしれない。

そう考えると、「東京スタンダード=日本の標準」という思い込みが、崩れていく要因なっていくような気がするのだ。
となると「日本の経済の中心=東京思考」という生活ではなく、地域社会などでつくられていく「コミュニティー」や「自分らしさの暮らし方」等の「経済(=お金だけ)だけでは得られない、自分らしい贅沢な生き方や人生」を模索し始める人達が増えていくような気がするのだ。


「新型コロナ禍後」の観光とは?

2020-06-20 20:34:38 | ビジネス

昨日、ある旅行会社から久々に、メルマガが送信されてきた。
「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、メルマガの配信を中止していました」という、一文を読んで「あ~~そうか」と、私の生活の中に「どこかへ行く」という気持ちが、無くなっていたのかもしれない、と気づかされたのだった。
それほど、旅行会社から送られてくるメルマガに、興味がなくなっていたのだ。
そして、その送信されたメルマガを読みながら、これからの観光はどうなっていくのだろう?と、思ってしまった。

昨日の新幹線の乗降風景の写真などを見ると、多くは、サラリーマンの出張風景のような印象ではあったが、「出かけられる」という解放感を感じさせる写真が、いくつかあった。
そのような写真を見ると、これからの観光地は「ソーシャルディスタンス(=社会的(感染防止のための)距離)」を保ちながら、観光客を迎え入れる必要があるということになる。
その答えの一つが、19日の「移動解禁」に合わせるかのように、京都にある仁和寺が発表した、「仁和寺VR」のような気がしている。
仁和寺:「仁和寺VR」・「プライベートツアー」ご予約サイトのご案内

ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、昨年仁和寺は一泊100万円という「宿泊プラン」を出している。
「仁和寺を独占して宿泊できる」というプラン内容だが、流石に素泊まり100万円という高額さに驚いた。
ただこの宿泊プランが発表された時、「インバウンド期待」という指摘はされてきた。
「世界遺産を一泊独占する」し、非公開となっている施設内の仏像などを見られるだけではなく、それを「独占する」というのは魅力的だが、果たして日本人はどれほど魅力だと感じるのだろうか?という、疑問があったからだ。
そのため「インバウンド期待」ということが、言われたのだ。

それが「新型コロナウイルス」の感染拡大により、海外からの観光客はもちろん、日本国内の移動もできなくなり観光客が激減した。
何より、「観光に出かけたい」という気持ちそのものが無くなっていた、というのが本当のところだろう。
それほど「観光したい」という気分が、無くなってしまったのが「新型コロナ禍」だったのだ。
その生活者の「新型コロナ禍」による、心理的変化に対応するかのような一つの提案が、「仁和寺VR」のような気がする。

もちろん、「仁和寺VR」のような観光プランができる、施設や場所ばかりではない。
とすれば、「出かけたい!」という気持ちを、掘り起こさせるような広告であったり、観光プランが必要となってくる。
それは今までのような「団体旅行」のような旅行プランではなく、旅行者一人ひとりに合わせた「オーダーメイドプラン」だろう。
しかも、人数制限を設けるなど「特別な旅」を創ることが、重要になってくるかもしれない。

もう一つ考えられるのは、「私たちの暮らしの原点回帰」という、視点の観光だ。
限界集落のようなところであれば、「ソーシャルディスタンス」等は関係はない。
そのような地域での、「自然と暮らす体験」という提案だ。
食事などは、地域内で採れる野菜やジビエ、魚介などを自分たちで調理しても良し、レストランで堪能するのも良し、「ただただ何もしないで自然の中に身を置くだけの贅沢な時間を過ごす」ということだ。
その体験から、思わぬ創造力のスイッチが入るかもしれないし、自然の中から発見するモノがあるかもしれない。
そのような「何もしない」ことに新しい価値と意味を「観光」と結びつける、という発想だ。

「新型コロナ禍」は、私たちの生活スタイルを変えるだけではなく、その「生活に対する考え」も変えたような気がする。
変ったことを嘆くよりも、新しい何かを見つけることが、「新型コロナ禍」を乗り越えることになるような気がするのだ。

 


「選挙と金」という問題は、古くて新しいのか?

2020-06-18 20:06:49 | Weblog

今日、昨年から注目されていた広島県選出の河井議員夫妻の逮捕が、報じられた。
毎日新聞:前代未聞の河井克行・案里議員逮捕 現職国会議員夫婦、法相経験者・・・買収


この事件のあらましなどは、新聞やテレビなどで再三報じられてきたので、改めて説明をする必要は無いと思う。
ただ、この事件の発端となった「選挙資金1億5千万円」という、金額の多さには驚くばかりだ。
と同時に「選挙って、そんなにお金がかかるの?」という疑問と、お金で出何処が気になった方も多いと思う。
「買収」という容疑ではあるが、「買収資金」の流れについても、是非追求をして欲しい。

毎日新聞の記事を読みながら、「国会議員の逮捕も珍しいことではなくなってきたのかな?」という、気がした。
私の中で一番印象深いのは、記事にもある田中角栄元総理の逮捕だった。
ただ、田中氏の逮捕に至るまでの過程を見ると、ここ最近逮捕された国会議員とスケールが違うように感じる。
なんとなく、逮捕容疑のが「目先の自己益」という感じがしてしまうのだ。
だからといって、田中氏が良いというわけではない。

今回の河井夫妻に関しては、「選挙に勝つために、お金をバラマキ、票の取りまとめを依頼した」という内容になるのだと思うのだが、「金をばら撒かなくては、選挙に勝てない」という発想というか、スタートが「国会議員になろう!」という気概は無かったのでは?という、気すらしてくるのだ。

かつて、ある選挙区の大ベテランと呼ばれた自民党の国会議員さんは、選挙の終盤になると演説会場で土下座をした、という話があった。
議員だけではなく、老齢の奥様まで一緒になって「選挙に勝たせてやってください」と、一緒に壇上で土下座をする姿をテレビの番組で見たこともある。
それほどまでに「国会議員になりたい!」という、意気込みがあったのだ。
「情緒性の高い」といわれる日本人の高齢の有権者にとっては、この場面で「選挙に勝たせてやりたい」という気持ちになっただろう、ということは想像ができる。
正に「情に訴える選挙戦」というのは、このようなことを言うのだな~と、テレビの画面を見ながら感じたものだ。

それが「お金」という、即物的なものを使って選挙に勝とう!とする姿は、「選挙に勝つ」ということが目的で、「国会議員になる」ということは、考えていないのでは?という気がするのだ。
「選挙に勝つ=国会議員になる」のではなく、「議席数を増やすだけの要員」、あるいは表現が悪いのだが「議席数という駒」であり、国会議員としての仕事などについては、政党から期待されていないのでは?という、気すらしてくるのだ。

だからこそ手っ取り早い方法として、潤沢な選挙資金を提供し、「票とお金で買う」という発想になるのでは?
「多数決」という方法で、物事が進む国会では「数の論理」という考えが、支配的になる。
今の政治は正に「数の論理」で様々なモノが民意を反映することなく、推し進められてきた。
そろそろ、政党も国会議員も「数の論理の駒」という思考から「国会議員という職とは何か?」ということを考えて、選挙資金を集め、選挙をする時代になってほしいものだ。