日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

日本(の経済)はどこへ行くのだろう?

2012-08-31 20:00:40 | アラカルト
シャープが大幅なリストラ策を打ち出したのは、今年の初夏の頃だっただろうか?
ほぼ同じ頃、パナソニックもリストラ策を打ち出した様な記憶がある。
この夏、日本の家電業界から出てきたニュースは、テレビなどの事業分野からの撤退だった。
この傾向は、何もテレビに限ったコトでは無い。
夏モデルの携帯電話などを見ても、日本勢の勢いは感じられない。

家電と言っても、何もテレビや携帯電話などの液晶部門だけでは無く、白物家電と呼ばれる分野もあるので「日本の家電メーカーが元気が無い」と言い切れるモノでは無いと思う。
それでも、「日本の家電メーカー全体に元気が無い」と感じてしまうのは、テレビなどが生活に密着し愛着があるからだろう。
もう一つ理由があるとすれば、家電製品そのものが日本の経済発展に大きく関与してきた、と言う点があるのではないだろうか。
事実上の倒産となったエルピーダメモリに代表される、「日本製半導体」も同じだろう。

それら「日本経済の牽引産業」が、危機的状況になりつつある(と言う雰囲気がある)。
今更その理由を書き連ねても、意味が無いと思うしご存じの方ばかりだと思う。
ただ、戦後の日本経済を引っ張ってきた産業の停滞、と言うニュースは、心理的経済の停滞を呼び起こすのでは?と、心配をしている。

問題は「何故、日本の企業が世界で通用しなくなったのか?」というコトだ。
「旧来のモノづくり=製品作り発想」に、とらわれすぎたからなのか?
携帯電話からスマートフォンという、新しい分野を創り出したアップルのiPhoneは、発売当初「我が社でも作れる技術」と話す日本のIT製品を作る企業のトップは多かった。
しかし、今ではその「作れるはずの技術を持っている日本企業」が惨敗状態。
明暗を分けたのは、一体何だったのか?
「情報」という目に見えないモノを、アイコンというカタチでわかりやすくしたコトだろうか?
優れたデザインと、直感的でわかりやすい操作性だろうか?

おそらく、その様なトコロでは無いと思う。
今の日本企業に漂う閉塞感は、アップルにあって自分たちに無いモノを探す力の無いコトなのでは?
違う言い方をすると、企業そのものが内向きになり「挑戦的なアイディア」よりも「確実に売れる商品作り中心」になったコトや、「挑戦的アイディア」を出す力のある若年層の雇用を抑制し続け、若い人たちも「確実性」という過去のデータにとらわれる思考と指向になっていたと言う点があるのでは?
「過去のデータ」でモノが作れる時代では無い、と言うコトは企業自身が一番判っているはずだ。
しかし、判っていながら今一歩が踏み出せない、踏み出すリスクが怖い、と言うのが日本の現状なのだろう。
何となく、「決められない日本・決められない企業」が、経済面での回復を遅らせているのかも知れない。

誘致失敗工業団地のメガソーラーに思う

2012-08-30 19:22:27 | ビジネス
昨日、ソフトバンクの孫さんが昨年発表した、「電田PROJECT」第一号地の発表があった。
私の実家がある、鳥取県米子市だ。
計画地となった場所は、40年以上前似計画され造成された「工業団地」。
誘致に失敗をし、野ざらしになっていた場所だ。
おそらく、全国にはこの様な「誘致に失敗をした工業団地予定地」が、たくさんあるコトだろう。
その中で、米子が選ばれたのはやや驚きがあった。
ただ、米子市自体は人口減少が深刻なだけではなく、経済的にもとても厳しい状況にある、と言うのは帰省する度に感じていたことだ。
もしかしたら、人口が少ないので、メガソーラーなどの建設に伴う住民交渉などの問題が少ない、と判断されたのかも知れないが・・・。

都市における人口の減少、特に若年層の減少はその都市の活力を大きく損ねる。
米子市の場合、ある特定企業への依存度が高かった為、その特定企業の移転が地域経済に大きなダメージを与えたと聞いている。
企業の移転は、その企業で働く人が他の地域へ移り住むと言うだけでは無い。
働く人とその家族が、他の地域へ移り住む、と言うコトだ。
この移転で、米子市の人口の約1万人が減ったと言う。
東京のような大都市での1万人の減少と、元々過疎化が進んでいた地域での1万人の減少とでは、地域経済に与える影響は全く違う。
それだけでは無く、ある特定企業に対する依存度が高ければ高い程、その様な企業の移転はその地域に大きな経済的ダメージを与える。
その様な状況が、ここ10年以上続いているのが今の米子市の状況なのだ。

そこへ話題の「メガソーラーの建設」と言うコトで、何となく浮き足立っている様な感があるのだが、大切なことは「メガソーラーの建設」ではなく、「メガソーラー発電によって、どのような経済振興策ができるのか?」というコトだと思う。
今の状況では「売電による収益に期待」というコトだけで、売電価格の見直しなどでその期待する収益が得られなくなった場合、どうするのだろう?

孫さんの「電田PROJECT」に共感をし、いくつもの自治体が手を上げた。
自然エネルギーを中心とした「循環型地域づくり」というのは、新しい地方のあり方だと思うが、そこに必要なコトは「それらを使った新しい産業の創造」なのではないだろうか?
実家がある米子だからこそ、そのような視点が無いコトを心配をしている。

日本のメディアって、大丈夫?

2012-08-28 19:08:32 | 徒然
昨日、秋葉原にある「AKB劇場(?)」で前田敦子さんの、AKB48卒業ライブがあった。
いくらテレビがない我が家でも、新聞のテレビ欄を見るだけでメディアの注目度というか、熱狂度が伝わってきた。
NHKの夜9時からのニュースでも、取り上げる予定となっていた。
このライブ、実はテレビ中継だけではなくインターネットでも中継されていたらしい。
当然のコトながら、興味の無い私は見ていない。

それにしても、どうしてテレビだけでは無くインターネットなど新旧メディアがこぞって「AKB」を取り上げるのだろう?
とても不思議でならない。

ファンの心理として、「どこにでもいそうな『前田敦子』さん(を始めとする、「AKBのメンバー」)という、ごくごく普通の女の子を、応援するコトでトップアイドルに育てる」というトコロが、今までにない魅力である、と言うのはわかる。
だからこそ、「AKB」の姉妹グループのメンバーが突然脱退表明をしたコトで、怒り出すファンがいるのだろう。
「可愛がって、育てていたはずの自分(だけ)のアイドル」が、突然「アイドル辞めます」と言えば、それまで費やした時間と労力、お金がムダになってしまった!と思うのも、何となくわかる気がする。
立場は逆だが、突然はしごを登っていたら外された、と言う感覚なのだろう。

でも、メディアの立場は違うはずだ。
「総選挙」の時のメディアの騒ぎ方、はしゃぎっぷりにも驚き、違和感を覚えたが今回はそれ以上の違和感がある。
確かにコレまでも、人気アイドルグループの解散や、人気歌手の引退公演などがテレビ中継をされ、高視聴率だった、と言うコトはあった。
その一例が、「キャンディーズ」だったり「山口百恵」さんだろう。
ただ、「キャンディーズ」や「山口百恵」さんと、今回の「前田敦子」さんの卒業は、全く違う。
「キャンディーズ」や「山口百恵」さんたちの場合、「(芸能界の)引退」であって、ファンとすれば、「(彼女たちを)二度と見られない」と言うコトがあった。
ところが「前田敦子」さんの場合、引退では無くグループの卒業なのだ。
言い換えると、グループ活動からソロ活動に移る、と言うだけのこと。
活躍する場所が変わるかも知れないが、芸能界で活躍するコトには変わりないのだ。
にも関わらず、メディアがこぞって大騒ぎをする、と言うのは何故なのだろう?

何となくだが、「視聴率が取れる」というコトのような気がするのだ。
次々と話題を作りながら、世間の注目を浴びる様な仕掛けを作った秋元さんに乗せられ、メディアが騒ぐコトでより人気が出る・・・その繰り返しの果てが、この様な騒ぎになっているのでは?

そんなコトを考えていたら、フッと心配なコトを思い出した。
ここ数年、日本の家電メーカーが作り出してきた「テレビ」は、「薄型テレビ」が主流になるにつれ、「高画質・高音質」へと向かっていった。
行き着くところまで行き着くと、今度は3Dテレビへと移っていった。
そんな「高画質・高音質」のテレビで、視聴するのが「視聴率重視」の番組だとすると、「テレビ」という家電製品の持っている機能を十分活用できていないのでは?
「最新の製品」に似合うだけの番組が無い、と言うコトは「最新の製品で見る意味も無い」というコトにも繋がっている様にも思える。

そんなコトも気になる、日本のメディアのあり方だ。

原発をなくす為に、原発を残す必要性

2012-08-27 17:08:48 | アラカルト
東京電力の「フクシマ事故」発生以来、全国各地で「脱原発」の動きが活発化している。
お盆休み前には、霞ヶ関で大規模な「脱原発デモ」があり、それに応じるようなカタチで代表者側と政府関係者の話し合いの場が持たれた。
場はもたれたが、10分程度で決裂(?)だったようだ。

この週末、橋本治さんの本を読んでいたらとても気になる一文があった。
それが、今日のタイトル。
橋本さんが、「原発推進」というコトを言っているのでは無い。
現実を見た場合、「脱原発」を実現させる為には、今ある原発を廃炉する必要がある。
しかし廃炉に掛かる時間は、40年とも言われている。
とすれば、今すぐに廃炉を決めたとしても40年という時間をかけながら、廃炉するしか方法が無い。
今現在日本が持っている原発を稼働させる技術的なモノを手放すコトは、直ぐにはできないコトなのだ。
逆に言えば、今すぐ廃炉しても危険な放射性物質を処分する為に、40年と言う時間が必要でそのためも技術開発が必要なのでは?と言う問題の提議をされているのだ。

そう考えると、今「脱原発」と訴えている人の多くは「廃炉する為の時間」という視点を持って「脱原発!即時停止」を考えているのではなく、それはあくまでも「感情的な部分での訴え」であって、現実的な「脱原発」というにはならないのではないだろうか?

今回関西電力が再稼働させた「大飯原発」については、原発稼働前に「日本のエネルギービジョン」という部分の話が欠けていて、その話がまとまらない間に産業界の意向を受け再稼働させた、と言う印象ばかりが残ってしまったが、「脱原発」を語るのであれば、今ある原発の廃炉計画の要求というものも必要なのでは無いだろうか?

「フクシマ事故」以来、日本の様な地震大国で原子力発電所による発電事業というのは、甚大なリスクを負う事業である、と言う認識が生まれてきた。
例え産業界が、電力不足を補う為にも原発再稼働を訴えても、電力会社の収益の9割を占める生活者が、不信感を持ち、様々な方法で「脱原発」を指向する様になれば、スンナリと稼働できるとは思えない。
一方で、「廃炉」と言う問題を考えたとき、廃炉ための技術や開発のために、原発の稼働がある程度必要、と言うコトにもなるだろう。

その両方を考えた上で、「原子力発電のあり方と日本のエネルギー政策」を、考える必要があるように思う。
「脱原発」を訴えるにしても、単に「自然エネルギーへの転換」というだけでは無く、「今ある原発をどうすれば早く廃炉できるのか?」と言う考えを持つ時期にきているのではないだろうか?

韓国が気になる

2012-08-25 20:13:35 | ビジネス
タイトルをご覧になって、日韓に横たわる政治的問題か?!と思われた方がいらっしゃるかも知れない。
拙ブログとしては、今回の「竹島問題」に端を発する政治的な問題をUpするつもりはない。
ただ、「竹島問題」によって起きた様々なコトが、ビジネスとしてどう影響するのか?と言うコトや、先頃米国で判決が下された「アップルとサムソンの提訴合戦」などから、韓国のビジネスを見てみたいと思っている。
と言っても、大上段に構えたようなコトでは無く感じたコトなどを、つれづれに思うコトを書かせて頂きたい。

韓国俳優の遠泳をして竹島に上陸、と言うコトについては韓流ファンは、どのように感じているのか判らないが、韓流エンターティメントという産業としては、痛手となったのではないだろうか?
K-POPなどは市場の小さな韓国を対象とせず、市場規模の大きな日本をマーケットとして考え、戦略を立ててきていると言われてきた。
デビュー間もない彼女たちが、流ちょうな日本語で挨拶をするのも、日本というマーケットを考えた上でのトレーニングのたまもの。
言い換えれば、最初から「日本受けするコトを考えた戦略」の上で、そのビジネスが成り立っているといえる。
しかし、今回の韓国俳優遠泳竹島上陸事件で、関係の無い韓国芸能人の来日などが一斉に見合わせるというコトが起きかけている。
とすれば、日本というマーケットを中心に考えてきたK-POPを含む韓流エンターティメントも、停滞する可能性があるのでは?
もちろん、「韓流エンターティメント」で儲けている日本の関係者にとっても、痛手だとは思うが。
ただ、個人的には「AKBやジャニーズとK-POPだけのヒットチャート」は、日本の音楽産業としては問題なのでは?と思っている。

そして「アップルVSサムソン提訴合戦」。
米国ではアップル圧勝という結果となったようだが、欧州では微妙な状況が続いている。
しかし、長期的に考えるとこの提訴合戦はアップルに有利となっても、サムソンが有利となるコトはほとんど無いと、感じている。
そしてこの提訴合戦でサムソン自体が、弱体化するのでは?と感じている。
理由がハッキリとある訳では無いが、一連の提訴合戦を見ているとアップルの魅力ばかりが強調されてしまっている感じを受けるのだ。
サムソンが韓国経済に与える影響も大きいコトを考えると、この提訴合戦は「アップルVS韓国経済」とも見えてくる。

経済という面だけを見ていても、今の韓国が抱えている問題というのは、対日本というだけでは無いような気がする。

これからのヴィジョンを作るのは、誰?

2012-08-24 19:37:15 | アラカルト
お盆で実家に帰省中、父の実家へお盆の挨拶にも出かけた。
父の実家=本家へのお盆の挨拶は、恒例行事の様なモノなので、行ったからといって何がある訳ではない。
ご先祖様への挨拶、親戚への挨拶など型どおりのコトをして、帰ってきた。
その途中、昨年とは違う風景をみた。

父の実家=本家がある島根県出雲市(以前は簸川郡)は、減反政策で水田が随分減った地区。
昨年は、その減反をした水田にひまわりを植えていた。

↑の写真は、昨年のもの。
写真ではわかり難いと思うのだが、一面の「ひまわり畑」だったのだ。
ところが今年、そのひまわり畑があったと思われる場所に行っても、ひまわりが植えられていない。
代わりに植えられていたのが、はと麦などの穀物。
どうやら休耕田となった場所に、ひまわり→はと麦→他の穀物というサイクルで農作物を栽培している様だ。
もちろん、作るだけではない。
それらの作物で、地域の名産品づくりを目指している。

実は、実家に帰省中ローカルニュースで「きょうの出来事」の様なミニトピックスがあった。
その中で「八郎潟の干拓」が、取り上げられていたのだった。
お若い方などは、「八郎潟の干拓」を良く知らないかも知れない。
戦後の人口の増加に伴い国の政策として、全国第2位の面積の八郎潟を埋め立て、大規模水田にし、お米の増産を図ったのが「八郎潟の干拓」だった。
しかし、皮肉なコトに1反当たりの収穫量が増えると同時に、お米の消費量が減り1970年代に入ると、今度は減反政策が始まる。
今にして考えれば、大規模事業だった割りには政策が定まらず、農家の方たちにとっては「時代に翻弄された」という感があっただろう。
ローカルニュースの番組でもその様な言葉で、終わっていた。

何も農業政策だけに限ったコトでは無いと思うのだが、戦後~昭和の終わり頃までは、政府や官僚が主導的立場で、いろいろなコトを策定し、それなりのお金を投入してきた。
社会全体の雰囲気として「お上(=政府や高級官僚)のやることには、間違いが無い」というトコロがあったような気がする。
その間にいろいろな問題が発生しても、「お上のやることだから」と言うコトバで何となく納得させられてきた感がある。

しかし、モノごとの変化のスピードが速くなってくると、「お上」が出すヴィジョンでは対応できなくなってきてしまった。
むしろ、現地のコトを一番よく知っている人が中心になって、いろいろなコトを推し進めていかないと、地域全体が疲弊してしまうという状況が出てきてしまった。
電力などの様に生活に関わるインフラは別だが、農業政策などのヴィジョンは、全国同じではなく、それぞれの地域にあったヴィジョンを独自に掲げ、国の政策に結びつけていかなくては無理だろう。
地方分権という訳では無いが、国全体を見る前にそれぞれの地域の事情にあったヴィジョンを「お上=霞ヶ関」も受け入れていく必要が有る時代になりつつある、と言うコトだと思う。
そういう国と地方の関係こそ、「変化速度が速い、成熟した社会」のあり方のひとつという気がする。

偶然の気の利いた広告

2012-08-23 19:05:31 | CMウォッチ
今日の朝日新聞朝刊の一面は、政府が実施した「原発についての世論調査」だった。
その「世論調査」については、多くの方が目にし・読まれたと思う。
その内容について、云々する気は無い。
ただ、この様な世論調査を行った限りは、国として「原発を含めた将来的エネルギー政策」というモノを、与野党関係なく真剣に話し合う必要が出てきた、と言うコトだと思う。

その一面の下には「天声人語」が、掲載されている。
今日の「天声人語」のテーマは、「自然と農業」だった。
その中で取り上げられていた農作物は、トウモロコシと大豆。
どちらも、日本が米国からの輸入に頼っている農作物だ。
その米国は、半世紀ぶりの大干ばつ。
当然、米国の穀倉地帯と呼ばれる地域も大干ばつの影響で、15%近くの収穫の減少が見込まれていると言う状況のようだ。

この二つの話は、一見何の関係もないように思えるのだが、現在収穫されるトウモロコシの内、相当量が「バイオエネルギー」の材料として使われている。
火力発電などの原材料というわけでは無いが、米国の大干ばつはエネルギーの問題でもある野だ。
そんな指摘がされていた「天声人語」だった。

その一面トップの記事と「天声人語」の間に、ヤンマーの広告が掲載されていた。
広告と言っても、昨日エントリをした「BOSS×ソフトバンク」の様な大々的な広告ではない。
新聞社の名前の下に、数行掲載される小さな広告だ。
その広告が、何とも一面トップと「天声人語」のテーマと重なる様なないようだったのだ。
広告の内容は、「バイオガスマイクロコージェネレーションシステム」の宣伝。

ヤンマーという企業はご存じの通り、農機具などの製造・販売の企業。
当然、ヤンマーの顧客となるのは農家さんや酪農家というコトになる。
その農家さんや酪農家さん向けの商品として、「バイオガスマイクロコージェネレーションシステム」を売り込む為の広告だったのだ。
その広告文には「家畜などの糞から発生するメタンガスを使うマイクロコージェネレーションシステムを導入しませんか?エネルギーコストはもちろん、地球環境にも役立ちます」という内容。

おそらくこの広告掲載が決まったのは、随分前のことだろう。
その時には、まさか一面に「原発稼働についての世論調査」が掲載され、「天声人語」では「農作物によるバイオエタノール」について書かれるとは思っていなかったと思う。
でも、この二つの記事とコラムによって、この小さな広告が目立つ結果になってしまった。
偶然とはいえ、ヤンマーにとってまたとない効果的な広告となった様な気がしたのだった。

人気CM×2の効果は?

2012-08-22 20:01:56 | CMウォッチ
今日の新聞の真ん中の頁に、2面を使った広告が掲載されていた。
サントリーのBOSSとソフトバンクのコラボ広告だ。

サントリーのBOSS・レインボーマウンテンのテレビCMもソフトバンクの白戸家のテレビCMも長い間、登場人物が変わっていない。
CMシリーズが始まった頃は、「なんだかな~」という感じがあったが、それも今では、何の違和感もなく受け止められている。
ここ2、3年は、好感度の高いCMとして評価される人気CMとなっている。

この2つのCMに共通するコトは、その時々の話題を上手に取り込みながら商品やサービスを伝えている、と言う点だろう。
それも、大上段の構えるのではなくユーモアというパッケージに包んでいる、と言う点だ。
でもそのユーモアも時々、トゲがあったりする。
特に、サントリーのBOSS・レインボーマウンテンの「調査員・宇宙人ジョーンズ」氏の言葉は、チョッと風刺的なユーモアがある。

今回の新聞広告でも、その風刺的なユーモアが広告文の中で読み取れるコトができる。
BOSSが発売されてから20年という時間の間、日本の経済は停滞し続け明るい話題などほとんど無かった。
どんどん内向き思考に陥り、どこか小さくまとまるコトで何とかやってきた20年だった、と言われれば、そんな気がする。
それでは社会の発展も停滞するし、明るい展望など開けない、と言うコトも十二分に知ったはずだ。
でも、次への一歩が踏み出せずにいた・・・と言うのも、また事実だろう。
そんな指摘をしつつ、「(良い意味での)ぶつかり合う」コトの大切さを、「焼きそばパン」に置き換えることで、ユーモラスにまとめている。

この広告文にある「缶コーヒー飲まないとやってられないし・・・」と言うのは、チョッと大袈裟な気がしない分けでもないが、「ケータイ(ポイントは「携帯」ではなく「ケータイ」という表現)ないと、生きてけないし」という言葉には、頷く方も多いかも知れない。

携帯電話が登場した頃は、大型トランシーバーの様に大きく「携帯」とは言うものの、「携帯性」が感じられないモノだった。
それが、手のひらに収まる程度の小型化で一気に利用者が増えた。
利用者の急増は、それまで「電話と日々の生活」のスタイルを変えただけでは無く、「情報」そのものも大きく変えたように思う。
その変化はまさに「想定外」だったかも知れない。

ちなみに、このコラボスペシャルサイトは、サントリーのBOSSとソフトバンクそれぞれチョット違っている。
サントリーBOSS20周年 ソフトバンク コラボスペシャルサイト
ソフトバンク プラチナバンド コラボスペシャルサイト
いずれも、「2002年宇宙の旅」のテーマ曲が流れる。





広報がイマイチ?

2012-08-21 20:08:09 | ビジネス
長いお盆休みを頂きました。
と言っても、お盆の間は菩提寺のある松江のしきたりに合わせ、仏様をお迎えしたり親戚への挨拶回りなどで、例年のごとく忙しく過ごすコトとなった。

お盆が終わった直後には、母の月命日などが有り再びお墓参り。
その帰り、お土産などを買いに松江の「ふるさと物産館」へ立ち寄った。
余り知られていないと思うのだが、現在島根県では「古事記編纂1300年」にあわせ「神々の国しまね 神話博しまね」と言うイベントを開催している。
松江駅周辺や松江城など観光スポットなどには、このイベントの旗がはためいているのだが、実際街中を歩くと、決してその様な雰囲気はほとんど感じられない。

お土産を買う人で賑わう「ふるさと物産館」にも、イベントを知らせるポスターなどはあるのだが、どんなイベントでどのような催し物が、どこであるのか?と言った案内がほとんど無い。
それだけでは無く「そのイベントに行く方法」と言う基本的な情報が、ほとんど発信されていない。
店内を歩き「ふるさと物産館」の人気の無い場所に、様々なイベントのチラシやガイドブックなどが、所狭しと置いてあるのに気がついた、と言う次第。

ガイドブックやアクセスマップなどを持ち帰り見て見ると、普段見ることが難し「石見神楽」や「出雲神楽」の上演スケジュール、古事記にまつわる神社や場所などの説明が丁寧にされ、充実した内容。
もちろん、地産地消の美味しいグルメスポットやこのイベントに合わせたJRの特別切符などの紹介がされている。
その内容の充実度から考えると、力の入った島根全県を挙げてのイベントだというコトがわかる。

だからこそ、プロモーションの部分が重要だと思うのだが、そこがスッポリ抜け落ちてしまった様な印象があったのだ。
せっかく「神話の国・しまね」という資源を活かした観光を考え、イベントをしているにも関わらず、その情報発信と言うトコロで残念な結果となってしまっている。
実際、名古屋に住んでいると「島根って、どうやって行くの?」と聞かれるコトが多い。
その次は「出雲大社の他には何があるの?」と言うコトと、「一度は行ってみたい」ということ。
「行ってみたい」という気持ちがあっても、行く方法や何があるのか?と言う基本的な情報発信が少ないばかりに、地域の魅力が伝わっていない、それを伝える良い機会なのにプロモーションができていない。
「伝えるコトの大切さ」を、感じた帰省でもあった。


高速道路のSAやPAが、おもしろい

2012-08-17 06:44:03 | ビジネス
昨日くらいから、お盆休みが終わってしまった方も多いかも知れない。
ただ、企業によっては19日までお盆休みと言うコトもあるだろう。
とすれば、今週末にも「Uターンラッシュ」が再びある、と言うコトになりそうだ。

私も現在帰省中なのだが、普段帰省で利用しているのは「高速バス」。
理由は料金的なコトもあるが、在来線よりも便数が多く時間的な差が余りない、と言うのが利用をする大きな理由となっている。
とは言うものの、狭い車内で過ごすと言うのは、それなりの「苦痛」がある。
休憩時に利用する、「上月(「こうづき」と読む)PA」で買い物をする訳ではなく、その土地の特産品などを見る位がチョッとした楽しみになっている。

実は、この休憩時の楽しみがもう一つある。
それは「ネクスコ西日本」が出しているフリーペーパー。
高速道路地図だけでは無く、各地の観光案内や名産品の紹介などがあるからだ。
私の様な高速バスを利用していると、決まったPAしか利用するコトができないのだが、その様な観光案内や名産品紹介を見ているだけでも、「旅心」を刺激される。

特に「休日1,000円」という割引が始まった頃から、SAやPAは「休憩をする場所」というよりも「買い物に行く場所・名物を食べに行く場所」になった。
それぞれのSAやPAが、何とか集客をしようと地元の名産品の掘り起こしをし「直販所」を設けたり、特産品を使ったグルメやスィーツなどを地元企業と共同で開発し、「オリジナルグルメ・スィーツ」を提供しているトコロがとても多い。
「とても多い」と言うよりもほとんどのSAやPAで、その様な「オリジナル商品」を提供している。

SAやPAで取り扱う商品や提供される食事などの主流は、「地産地消」となりつつあるようだ。
だからこそ、「そのSA・PAに行かなくては買えないモノ・食べれないモノ」が誕生し、それぞれのSA・PAが競い合う様に「地元の名産品などの掘り起こし」をしているように感じる。
それが、地域の活性化に結び付くのであれば、とてもおもしろいビジネスモデルのひとつだと思う。