昨日起きた韓国での「雑踏事故」。
まず驚いたのは、韓国でも日本と同じようにハロウィンで大騒ぎをする、という点だった。
ご存じの方も多いと思うのだが、韓国は「儒教の国」と言われながらも、キリスト教徒が多い国でもある。
ハロウィンそのものが、ケルト民族のお祭りから始まったという言い伝えから考えると、韓国でこのような騒ぎが起きると想像していなかったからだ。
もちろん、韓国には米軍基地が在留しているので、米軍関係者からハロウィンのイベント化が伝えられた、とも考えられる。
ただ今回のような惨事が起きる程盛り上がるようなイベントであった、ということに驚いている。
そしてこの騒ぎ方から感じられるのは、在留米軍のハロウィンイベントというよりも、日本の渋谷などでの騒ぎ方に似ているような印象を持ってしまうのだ。
「新型コロナ」の感染拡大により、韓国でも[「ハロウィンイベント」が、中止となっていたのかもしれない。
それが、3年ぶりくらいに開催されることとなり、若者が押し寄せたという理由だったのかもしれない。
事実はわからないが、日本でも、感染拡大防止の為に中止になっていたお祭りやイベントが、この秋から次々と開催されるようになり、どのお祭りやイベントも大盛況だからだ。
だからこそ、これまでよりも若者たちが殺到し、事故の要因となってしまったのかもしれない。
あるいは、一部報道にあるように著名人の姿を一目見ようと群衆が殺到してしまったのかもしれない。
讀賣新聞:著名人が姿見せ群衆殺到か、転倒事故の死者154人に…20代最多103人・外国人26人
いずれにしても、今後事件の全貌が明らかになっていくとは思うのだが、このような事故が起きると「ハロウィン」というイベントそのものを見直す必要が出てくるのでは?という気がしている。
では何故、人はこのようなイベントに参加したくなるのだろう?
そこに関わるのは、「群集心理」が関係しているのかもしれない。
事故が起きる・起きないではなく、「人が人を呼ぶ」という心理だ。
以前から言われているように、何げなく1人お店の前に立っているだけでは、列はできない。
それが、1人目の人の姿を見て「何をしているの?」と声をかけ、話をし始めると、3人目の人が来て、3人並んでいる姿を見て、4人・5人と人が増えていき行列ができる、という人の行動心理だ。
このような経験は、案外多くの人が日常生活の中で経験しているのでは?
「ハロウィンイベント」のように、最初からある程度の人数が集まっていたところに「面白そう」とか「ハロウィンイベントだ!」と言って、若者が集まったところへ著名人が登場すれば、我さきに著名人を一目見ようとするだろう。
それが「群集心理」となって、大きな波となった時一人押し倒されれば、将棋倒しのようになっていくのは想像できる。
様々なイベントごとに、若者が集まりごった返す渋谷は、逆に警察をはじめそのような「群集心理」をコントロールするknow-howを持っているだろう。
これは何も、ハロウィンに限ったことではない。
ただ、毎回「ハロウィン」の話題として、このような「群集」が取り上げられることで、ますますエスカレートしているのでは?という印象を持っている。
「ハロウィン」という行事自体は、大人が仮装をして街中を騒ぐものではなかったはずだ。
韓国の事件を受け、行政によって制限をされるよりも、本来あるべき姿に立ち返ることで「ハロウィン」を楽しむような文化づくりが必要になってきているように思うのだ。