日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「ハロウィン」というイベント

2022-10-31 19:47:33 | アラカルト

昨日起きた韓国での「雑踏事故」。
まず驚いたのは、韓国でも日本と同じようにハロウィンで大騒ぎをする、という点だった。

ご存じの方も多いと思うのだが、韓国は「儒教の国」と言われながらも、キリスト教徒が多い国でもある。
ハロウィンそのものが、ケルト民族のお祭りから始まったという言い伝えから考えると、韓国でこのような騒ぎが起きると想像していなかったからだ。
もちろん、韓国には米軍基地が在留しているので、米軍関係者からハロウィンのイベント化が伝えられた、とも考えられる。
ただ今回のような惨事が起きる程盛り上がるようなイベントであった、ということに驚いている。
そしてこの騒ぎ方から感じられるのは、在留米軍のハロウィンイベントというよりも、日本の渋谷などでの騒ぎ方に似ているような印象を持ってしまうのだ。

「新型コロナ」の感染拡大により、韓国でも[「ハロウィンイベント」が、中止となっていたのかもしれない。
それが、3年ぶりくらいに開催されることとなり、若者が押し寄せたという理由だったのかもしれない。
事実はわからないが、日本でも、感染拡大防止の為に中止になっていたお祭りやイベントが、この秋から次々と開催されるようになり、どのお祭りやイベントも大盛況だからだ。
だからこそ、これまでよりも若者たちが殺到し、事故の要因となってしまったのかもしれない。
あるいは、一部報道にあるように著名人の姿を一目見ようと群衆が殺到してしまったのかもしれない。
讀賣新聞:著名人が姿見せ群衆殺到か、転倒事故の死者154人に…20代最多103人・外国人26人 

いずれにしても、今後事件の全貌が明らかになっていくとは思うのだが、このような事故が起きると「ハロウィン」というイベントそのものを見直す必要が出てくるのでは?という気がしている。

では何故、人はこのようなイベントに参加したくなるのだろう?
そこに関わるのは、「群集心理」が関係しているのかもしれない。
事故が起きる・起きないではなく、「人が人を呼ぶ」という心理だ。
以前から言われているように、何げなく1人お店の前に立っているだけでは、列はできない。
それが、1人目の人の姿を見て「何をしているの?」と声をかけ、話をし始めると、3人目の人が来て、3人並んでいる姿を見て、4人・5人と人が増えていき行列ができる、という人の行動心理だ。
このような経験は、案外多くの人が日常生活の中で経験しているのでは?

「ハロウィンイベント」のように、最初からある程度の人数が集まっていたところに「面白そう」とか「ハロウィンイベントだ!」と言って、若者が集まったところへ著名人が登場すれば、我さきに著名人を一目見ようとするだろう。
それが「群集心理」となって、大きな波となった時一人押し倒されれば、将棋倒しのようになっていくのは想像できる。
様々なイベントごとに、若者が集まりごった返す渋谷は、逆に警察をはじめそのような「群集心理」をコントロールするknow-howを持っているだろう。
これは何も、ハロウィンに限ったことではない。
ただ、毎回「ハロウィン」の話題として、このような「群集」が取り上げられることで、ますますエスカレートしているのでは?という印象を持っている。

「ハロウィン」という行事自体は、大人が仮装をして街中を騒ぐものではなかったはずだ。
韓国の事件を受け、行政によって制限をされるよりも、本来あるべき姿に立ち返ることで「ハロウィン」を楽しむような文化づくりが必要になってきているように思うのだ。

 


イーロンマスク氏のTwitter買収に思う

2022-10-29 22:18:37 | 徒然

予てから噂されていた、イーロン・マスク氏がTwitterの買収を昨日発表した。
マスク氏のTwitter買収の話は、以前から出ていたので「買収をした」ということ自体、驚きはあまりない。
そして、Twitter社の役員を一掃したことも、理解できる。
それがTwitter社にとって、プラスなのかマイナスなのか?は別にして。

気になるのは、マスク氏がこれまで発言をしてきた内容についてだ。
親ロシアなのか?ロシア寄りの発言も少なくない、ということや一人の大株主によってTwitter社の企業文化などはどうなってしまうのか?という点。
SNSの持っている負の部分をどのような方法で、解消するのか?等に不安のようなものがある。

それだけではなく、今現在Twitterのユーザーはスタート当時よりも年齢が上がっているのでは?という、気がしている。
Twitterそのものが、市場に登場してから10数年余りたてば、初期のユーザーも10数年余り歳を重ねたことになる。
その間にSNSの世界では、InstagramやTikTokのような動画サイトなどが登場し、若い人たちを惹きつける事に成功してきた。
逆にSNSの初期を支えていた(?)Facebook(現Meta)やTwitterなどの利用者は、年齢が高いとまで言われるようになった。
確かに、Facebookそのもののアイディアは、同窓会のような既知の知人探しが始まりだ。
その意味では、限定された人間関係の中で行われる相互コミュニケーションツール、と言えると思う。
LINEなどもFacebookのような既知の関係の中でのコミュニケーションになる。

もちろん、Facebookなども知人を介し、「友達申請をする」という点では既知の関係だけではないが、知人を介するという点である程度「自制的な関係」をつくることができる。
逆にこの既知の関係だからこそ、「いじめの温床」ともなりやすいということになってしまうのは、ご存じの通りだ。

それに対して、TwitterやInstagram、TikTokなどは、自分の考えや動画を不特定多数に伝えるコミュニケーションツール、ということになる。
そのために、事実ではない情報や加工された映像が、あたかも信じるのように拡散してしまう、という危険性がある。
TwitterやInstagram、TikTokなどを利用している方は、そのような危険性を十二分に理解し、そのリスクを負って利用しているのであれば、問題は少ないが、利用者の若年化により、いわゆる「SNSリテラシー」が不足しているために、事実ではないことを真実として受け止め、拡散してしまう、ということもあるのでは?という、気がしている。

何より、イーロンマスク氏のロシア寄りの発言や前米国大統領であったトランプ氏との関係を考えた時、「鳥は放たれた」とtweetをした「鳥=言論の自由」が放たれたのか?はたまたイーロンマスク氏の思惑が放たれたのかは、まだわからない。
上述した通り、SNSというグローバルなコミュニケーションツールを独占するコトで、利用者が暗黙のマナーをつくり、コミュニケーションツールとして、社会にプラスとなる影響力が持てなくなることを、老婆心ながら不安を感じている。


経済政策が考えられる大臣であってほしい

2022-10-27 19:10:36 | 徒然

表向きは「辞任」というカタチで更迭された、山際大志郎大臣。
お恥ずかしいことに、辞任されるまで山際さんが「経済再生大臣」であったことを知らなかった。
そもそも、岸田内閣になってから「経済政策」らしき政策があったのか?という、印象しかない。
確かに、「バラマキ」と呼ばれる様々な支援策を打ち出してはいたが、それは根本的な経済政策ではなく、いわば「その場限り」のモノであり、恩恵を受ける人・受けられない人が出てきてしまうような支援策、という気がしている。

例えば、円安で輸入している天然ガスの実質的な値上がりにより、電気やガス料金の値上げが発表されると「電力・ガス料金支援策」をそうそうに打ち出した。
この内容を読むと、これまで電気やガスを潤沢に使っていた世帯には、それなりのメリットがありそうな印象だが、この夏の「電力危機」等で日頃から節電に努めてきた家庭にはあまり恩恵がないような気がする。
それはガス料金についても同じで、これまで節電や節約に励んできた世帯は、「これ以上どうやっても無理!」という状況になり、当然恩恵の対象外となってしまう。
これでは、日ごろから「省エネ生活」を送ってきた生活者からは、不満が出てくるだろう。
旅行支援にしても、旅行に行ける世帯にとってはそれなりのメリットが感じられるが、様々な理由で旅行に行けない人にとっては、関係がないどころか、税金の無駄遣いと思われても仕方ないだろう。

このようなメリットが感じられる人と感じられないどころか「税金の無駄遣い」と感じている生活者がいる状況で、「円安」に対する根本的な経済政策というものが出されていないような印象なのだ。
その中心であったのが、前経済再生大臣の山際さんと「統一教会」のゴタゴタだとすれば、国民にとってはいい迷惑でしかなかった、ということになる。

それに対して、40日余り前に首相になったばかりのトラス首相が経済政策などの失敗で、辞任をされた。
経済政策の失敗だけではないとは思うのだが、トラスさんが公約として掲げていた減税策が就任早々に、実現は難しいということが判明した。
そのためにトラスさんは、公約を反故とするのだが、これが国民からの批判となってしまい、最終的には40日余りで辞任ということになってしまった。
トラスさんの後を引き継ぐ形で首相となったのは、インド系のスナーク氏だ。
若いながらも経済のエキスパートして、活躍をしてきた、という人物の様だ。
前任者の辞任理由となった問題に対して、素早い対応をし安定を図ろう、という意図が見える。

翻って日本の場合はどうなのだろう?
経済に詳しい与党議員さんは、どれだけいるのだろう?
それでなくても日本の大臣選びは、当選回数で決まる、とすら言われている。
このような人選では、今ある経済問題を解決するだけの司令塔を見つけるのは、難しいような気がする。

今日本が直面している問題は何か?ということを分かったうえで、適材適所となる大臣選びをしていただきたいし、大臣となったからにはその省庁の「司令塔」として、明確なビジョンを自分のことばで伝えて欲しい。
官僚の下書き文を読むだけなら、日本の経済は回復しないような気がするのだ。


睡眠関連市場が熱い?

2022-10-25 21:36:06 | マーケティング

きょうの日経新聞のWebサイトを見ていたら、意外な方が「睡眠」についてのコラムを書かれていた。
日経新聞:夜に眠れない日本 睡眠負債が生産性や利益率を押し下げ (会員向け有料記事)

「生産性」や「利益率」という言葉から、ビジネスの第一線で活躍をしている経営者と思われた方もいらっしゃるかもしれない。
ビジネスの第一線で活躍をしている経営者であることには変わりないのだが、このコラムを書いたのは元陸上選手の為末大さんだ。
現役を引退後、為末さんは「街中で陸上競技会を開催」するなど、これまでのようなスポーツ選手とは違う、活動をしてきている。
スポーツの分野とはいえ、スポーツクラブなどの経営に携わったりしている、指導者であり経営者でもあるのだ。
そんな為末さんだからこそ「生産性」や「利益率」という言葉も自然な印象を与えるのだと思う。

そんな為末さんが書いている「睡眠負債」という言葉だが、ここ2,3年でよく聞かれるようになった言葉の一つだろう。
日本は、韓国同様「睡眠時間が短い国」として、話題になったこともある。
西川:日本人の平均睡眠時間は?世界の睡眠事情を詳しく解説! 

大手寝具メーカー・西川だけにこのコラムの内容は、濃い。
「夜しっかり睡眠をとり、昼間活動をする」というのが、理想だろう。
それは「日々の疲労回復」という点でも、有効なことだからだ。
睡眠時間が短いことで起きる問題の一つが、おそらく「常に疲労を感じている」という、疲労の蓄積が生産性を下げ、それが利益率を押し下げるという要因になっている、と考えれば納得できる。

このような「日本の睡眠事情」と「睡眠と疲労による生産性の低下」などから、昨年あたりから新しい「睡眠関連市場」が注目されるようになってきている。
その口火を切ったのは、おそらく「低反発寝具」として話題になったテンピュールだろう。
このテンピュールの低反発寝具がヒットしたことで、寝具市場は「低反発寝具」を一斉につくるようになった。
そこに風穴を開けたのが「高反発寝具」のエアウェーブだ。
浅田真央さん等、スポーツ選手を広告に起用するコトで「睡眠がスポーツのパフォーマンスを左右する」という、「睡眠と活動」ということを結びつけることとなった。

このような「寝具市場」だけが、「睡眠市場」を作ってきたのか?と言えば、決してそうではない。
地味(?)ながらも、「睡眠サプリ」と呼ばれる市場も、数年前から業界では注目されるようになっていた。
実際ドラッグストアーなどに行くと、「眠れない人の為の〇〇」というポップ広告を目にする。
「睡眠薬」には抵抗感があっても、「サプリ」であれば体への影響も少ないのでは?ということで、「睡眠サプリ」の市場はネット通販を中心に広がりつつあるようだ。

それは、食品の分野にも広がりつつある、と感じている。
この夏ぐらいから「ヤクルト1000」が、スーパーなどで売り切れ状態になり、(なぜか?)オークションサイトで高額な価格で取引をされている、と話題にもなった。
ご存じの通り「ヤクルト」は、いわゆる乳酸菌飲料だ。
独特の形状の容器に入り、容量としては決して多いわけではない。
その「ヤクルト1000」が注目されるようになった理由の一つが、「睡眠改善と疲労回復」という効果だったのだ。

以前から「乳酸菌飲料」の市場は拡大しつつあり、その中でも「機能性」を謳う商品がここ数年で飛躍的に増えている。
そのため「機能別」に「乳酸菌飲料」を選ぶ人も増えているのではないだろうか?
そして今年に入り、「ヤクルト1000」の機能と同様の「睡眠と疲労回復」を謳う、乳酸菌飲料が増えているのだ。
以前、若者の間で愛飲し過ぎて問題となった「エナジードリンク」を、上回るヒット分野になるかもしれない。
違う視点で見ると、それだけ日本人は「熟睡という質の良い睡眠がとれず、疲労が蓄積する生活」をしている、ということを示しているように思える。


「お客様は神様」という意識は古い?

2022-10-24 20:10:54 | ビジネス

Huffpostをチェックしていたら、「時代が変わりつつあるのかな?」という印象の、記事があった。
Huffpost:注文時の「礼儀正しさ」によって値段が変わる。イギリスのカフェ、斬新な取り組みで思わぬ効果 

歌手の故三波春夫さんが「お客様は神様です」と話したことで、日本では「お客様は神様」という認識が広く定着したように思う。
三波春夫さんご自身は、多くの人が思っている意味とは違う意味で、この言葉を使われたようなのだが、言葉そのものが独り歩きをし、都合の良い解釈をされてしまった。

それが今では、暴力や金銭などを含む無理な要求などをする行為を「カスタマーハラスメント」と、呼ばれるようになった。
このような、行為そのものは要求者の自己中心的な都合であり、そのことによって企業は大きな損害を被る、という認識へとここ2、3年で変わってきている。
その背景にあるのは、「感情労働」と呼ばれる販売員や病院などの受付、コールセンターなどの仕事に携わる人たちが、心の病になってしまうことが多く、それが企業や行政にとって損害となっているからだ。

「そんなこと知ったことではない。自分はお客様で神様なのだから、自分の言うことを聞くのは当然だ」という、意識を持っているのは老若男女を問わず一定数いる。
時には「上の者を出せ!」と、要件も言わずに騒ぎ立てる輩も少なくない。
特に、若い女性が対応している時には、このようなことを平気で言う輩が目立つようだ。
このような人達の多くは「承認欲求が強いのでは?」と思ってはいるのだが、当事者となればそのような余裕などは無い。
そのような背景から登場した言葉が「カスタマーハラスメント」という言葉であり、その内容のいくつかは、犯罪行為としてみなされることも少なくはない。

これらの考え方の基本は「懲罰」を与える事によって、問題を解決していく、というものだ。
それに対して、Huffpostの記事は逆の提案になっている。
カフェで飲み物を注文するとき、丁寧な注文をすれば、その丁寧さに合わせて値引きされる、というものだからだ。
おそらく多くの人は、「値引きされる」という行為そのものは、嫌いではないと思う。
場所はカフェなのだから、自分の目の前で注文した飲み物を作ってくれる。
その過程が分かっているからこそ、値引きということが効果的なのだろう。
しかも、「丁寧な注文をする」や「丁寧な言葉を付け足す」だけで、値引かれるのだ。
注文をする客側としては、その言葉を使う抵抗感は、ぐっと下がるだろう。

逆の立場で考えてみると、「丁寧な言葉を使われる」、「丁寧な言葉をつけ加えられる」ことは、気持ちがよいはずだ。
何故なら「自分のサービスが、お客様に認められている」と、実感できるからだ。
もちろん、それだけではないと思うのだが、このような「互いに敬意を持てる関係」は、コミュニケーションを円滑にするはずだ。
コミュニケーションが円滑になれば、そこに生まれるのは「親しみと信頼」ということになるだろう。
それは企業にとって、「ブランディング」という点でも成功している、ということになる。

まだまだ日本では「お客様は神様なのだから、自分の言うことを聞いて当たり前」と思い込んでいる輩が、数多く潜んでいると感じるのだが、このような「自分の無理な主張」をしても、無理をさせた相手に対して「信頼も親しみも持てるわけではない」と思う。
「相手を自分の言いなりにさせた」という満足感だけなのでは?
そのようなことを繰り返しても、「本当の満足できるサービスを受ける」ということはできない、という社会認識を持つ時が来ているのではないだろうか?




プーチン化する?習近平氏

2022-10-23 20:42:30 | 徒然

昨夜、「『中国共産党全国代表者大会』において、習近平氏が異例の続投に決まった」というニュースが報じられた。
このニュースを聞いた時、習近平氏とロシアのプーチン氏のようになりつつあるな~という、印象を受けたのだ。

現在ロシアの指導者であるプーチン氏だが、プーチン氏以前の指導者には「任期」というものがあり、その「任期」を越えるということはできなかった。
その「任期」を利用し、約20年余り実質的ロシアの指導者として君臨しているのが、プーチン氏だ。
そして今回の「中国共産党全国代表者大会」において、2期10年と決まっていた総書記の任期期間を3期15年にしたのが習近平氏だ。

ロシアのプーチン氏は、任期そのものを変更はしないが、同時に子飼いのメドベージェフ氏と大統領と首相の役を交互に担当。
現在のようなロシアの実権を握り続けている、という状況になっている。
その後、「任期制限の撤廃」を盛り込んだ改憲案を提出し、最長2036年までロシアの実権を握ることができるようにしている。
BBC NEWS:プーチン氏が36年まで続投も ロシア下院、大統領任期「リセット」の改憲案を承認 (2020年3月11日付)

この20年、プーチン氏と意見が違う相手に対して、相当強硬な手段をとってきた(ように思える)、プーチン政権だ。
表立って、プーチン氏が指示を出したと判明をしているわけではないが、毒殺されたのでは?と疑いがもたれるような反プーチン派の政治家もいたことは確かだろう。
そして、今回の中国共産党全国代表者大会において、習近平氏は自分にとって都合の良い党員を積極的に起用し、苦言を呈するような党員を左遷、あるいは排除、という党役員人事をしている。
「党役員人事」と言っても、中国の場合「党役員人事=中国政治の中枢を担う人事」ということになるので、習近平氏は「イエスマン」のような人たちで周囲を固め、長期政権の下地をつくったように見えるのだ。

このような先にあるのは、ロシアのプーチン氏と同じ姿のように思えるのは、私だけではないと思う。
とすれば、今後考えられるのは香港はもちろん、台湾に対しても相当強硬な態度だろうし、場合によっては軍事行動も辞さないのでは?という、不安だ。
このような強権的な政治を行う国が近隣にある、という事実を、日本の政治家はどのように感じ・考えているのだろう。

歴史から学ぶとすれば、このような「独裁的政治・強権的な政治家の末路」は、決して良いものではない、ということだろう。
そのようなことを考えるよりも、今自分が持っている「強大な権力維持」の方が、彼らには重要なことなのかもしれない。


物価上昇3%と日銀

2022-10-21 19:21:24 | アラカルト

今朝のラジオなどで報じられていたことだが、日本の物価上昇が3%になったという。
朝日新聞:9月の消費者物価が3.0%上昇 資源高・円安響き31年ぶり水準 

政府は、消費者物価2%を目指していたという記憶があるのだが、その目指す数字を越してもまた、「金融緩和」を継続する気らしい。
日経新聞:日銀、想定外の3.0%インフレ 黒田総裁は緩和維持姿勢

日銀は、政府の意向を汲んで金利政策を行っているので、「緩和維持」というのは黒田総裁の独断ではなく政府の意向、ということになるだろう。
では何故、政府が「緩和維持」という姿勢を崩さないのか?
今回の消費者物価指数を押し上げたのは、朝日新聞が指摘している様に、円安による様々な輸入資源の高騰によるところが大きい。
今の状況を脱却し、円高にもっていくにしても急激な円高になるための要素は「金融緩和をやめ、ある程度金利を上げる」位の方法しか、思い浮かばないのだ。
金融政策のプロではないので、この程度しか思い浮かばないとは思うのだが、米国を始めとする諸外国では低すぎる金利政策から、少しづつ上げる方向へと進んでいる。
にもかかわらず、何故日本だけ金融緩和策を継続するのだろう?
JBpress:物価がとうとう3%突破、日銀はなぜ金融政策を変更しないのか? 

JBpressの記事が、有料会員向けなので全文を読むことはできないのだが、一つのキーワードが見えてくる。
それが「コストプッシュ型インフレ」だ。
「コストプッシュ型インフレ」というのは、「コスト=製品や商品を作るために必要な費用」が「プッシュ=押し上げる」ということで起きる、物価高ということになるようだ。
注目すべき「コスト」の中には、労働賃金も含まれているということを忘れてはいけないと思う。
確かに、円安になったことで輸入される様々な資源価格が、高くなっている。
例えば1ドル=110円で購入することができた輸入材料が、今は150円出さなくては購入できない、という状況だからだ。
ここで40円の差額分だけ「コストを押し上げている」ということになる。

しかし、それほど単純なものではないと思うのだ。
上述したように「コスト」の中には、製品や商品やサービスを提供する為に必要な賃金が含まれている。
そしてこの30年余り、日本の労働賃金は先進諸国の中でも最低ラインに落ち込んでいる。
生活者が実感する「家計」は豊かになるどころか、苦しいと感じる人が増え続けている、ということでもあるのだ。

そう考えると、「コストプッシュ型インフレ」を起こしている要因の一つに、人件費なども含まれていると考える経営者などがいると、より日本の生活者は貧しくなってしまう、という危険をはらんでいるのでは?
確かに今年、最低賃金が30円アップしたと話題になったが、非正規労働者が増え続ける中での30円アップは、日本経済に好景気をもたらすほどの影響力があるのだろうか?
政府として、日本経済のかじ取りをする気があるのか?ということも見えない中、経済成長は諦めるにしても維持する努力もないまま、経済以外の分野でも日本はどんどん萎縮してしまうのではないのか?と、不安に感じる。


「円安」が続く。政府の打つ手は?

2022-10-20 19:16:33 | アラカルト

今日の昼間に、スマホの「ニュース速報」が鳴った。
何事か?!と思い見てみると、円買いが進み遂に150円までになってしまった。
40年ほど前は、1ドル250円位だったことを考えれば、十分円高という気ににもなってしまうのだが、当時と現在とでは様々な面で大きく違う。
その代表的なのは、日本の自動車メーカーが、米国に現地法人をつくっていなかった、という点だろう。
違う言葉でいうなら、当時の自動車メーカーは海外に生産拠点を持っていなかったため、輸出産業の花形と見られていたのだ。
だからこそ、円安になっても日本全体の雰囲気が明る感じで、活気もあったのだ。

それが今現在は、自動車メーカーの多くは全世界に「生産拠点」をつくり、「現地生産の充実を図り、生産国での消費」が、当たり前になってしまっている。
ということは、いくら自民党の人たちが「自動車産業」を輸出産業の代表格扱いのように考え、「輸出産業に力を入れたい」と言ってもどこかミスマッチがするのだ。
このような発言をされるのは、日本の産業構造が大きく変わってきていることを知らない、とご自身で言っているに過ぎない。
毎日新聞:岸田首相「円安メリット生かす1万社を支援」表明 

「日本は工業製品の原材料となる資源が少ない為、工業製品を製造するために原材料を輸入し、生産をして海外へ輸出する」と、社会科の教科書で習ったのは、昭和の時代だ。
それだけではなく、「円安メリットを生かす」産業そのものが見当たらないような気がするのだ。
何故なら、何かしらの商品をつくる過程において、「円安」による材料の高騰が起きているからだ。
様々な物流コストも値上がりをしている為、「生産品を輸出する為のコスト」そのものが高騰していることも、「円安のメリット」にはならない。

にもかかわらず、政府が円安に対する為替介入をしたのは1回だけ(のように記憶している)。
いくら「経済を市場に任せる」という考えがあるとしても、それは大きなリスクでしかない。
Presidenton-line:あなたは”紙の見えざる手”を誤解している (2018年1月25日記事)

「積極的に為替介入をして、円安を食い止める」という方法もあるが、今の状況では期待できるほどの効果に、疑問を感じてしまうのだ。
とすれば、為替介入をしつつも「国内産業の建て直し」という考えもあるのでは?
工業製品を輸出産業の中心と考えるのでなく、観光産業であってもこれまでのような「団体旅行」の爆買いではない、本格的な旅行者自らがプランするツーリズムのような「体験型旅行」、工業製品であっても日本の伝統のようなものを感じさせながら最新のテクノロジーを搭載しているような「日本らしさ」のようなモノを輸出産業として育てるような、新しい視点・新しい発想の産業支援が必要な気が知るのだ。 



「コロナ禍」が、働き方を強制的に改革した?

2022-10-18 21:05:55 | ライフスタイル

今朝、FM番組を聞いていたら、企業の人事が大きく変わろうとしている、という話題があった。
日本の企業の多くで見られるような「メンバーシップ型人事=組織型人事」から、「ジョブ型人事=職能人事」へと変わろうとしている、という内容だ。
このような話というのは、取り立てて目新しい話題ではない。
「成果主義」という言葉が注目されるようになってから、盛んに「年功序列を重視した組織型人事では、企業は成長しない。これからは職能を重視したジョブ型人事にして、若い世代が活躍できるような組織づくりが重要だ」と、言われ続けてきた。
このようなことが盛んに言われていた頃、多くの企業はその旗振り役担当者が、年功序列の考えから離れられず、うやむやのうちに終わってしまった感がある。

このような「ジョブ型人事」ということが盛んに言われてから10数年経ち、日本に新しい波が押し寄せてきた。
その波は、これまでのような米国などから言われて渋々のように変わらされてきた「外圧」ではなく、「新型コロナ」という感染症だった。
ご存じの通り、「新型コロナ」が流行しはじめると、政府から「極力出勤をせず、リモートなどで仕事をする」ということが推奨された。
「リモートワーク」という状況下で問題になったのは、「社員の帰属意識」だった。
職場に出勤することなく、自宅でZOOM会議と呼ばれるPC画面に向かって、会議をするようになると、会議室での会議とは違い「席順による上下関係」が薄らいでいった。
事実、リモート会議が盛んにおこなわれるようになると「画面表示の上下関係」ということが、話題になったりした。
もちろん、リモートワークが長く続くことで起きる、様々な弊害も指摘されるようになってはきているが、「リモートワーク」によって、「働く場所」について、これまでとは違う考え方がされるようになってきたのも、また事実だろう。

このように「働く場所」が限定されなくなると、「転勤」という考え方も変わり始めてくる。
「リモートで仕事ができるのなら、転勤をしなくても仕事はできるのでは?」ということなのだ。
東京の事務所で、地方にある営業所や支店の仕事をする、ということが可能になった、ということでもある。
また逆に、地方にいながら東京の仕事ができる、ということにも繋がっていくはずだ。
営業職であっても、これまでのような「対面でなくてはならない」という、固定観念を変えるような状況を「コロナ禍」が、半ば強制的に作ってしまった、ということでもある。

もちろん「対面で仕事をする」というメリットも、数多くある。
その一つが、言葉に頼らないコミュニケーションだろう。
ZOOM会議のように、言葉中心のコミュニケーションでは伝わりきらない部分を、例えば些細な表情など敏感に感じ取ることができる、という能力もまた人に与えられたコミュニケーション力の強い部分でもあるからだ。
とすれば、リモート+出社型という働き方がスタンダードになっていくと、年功序列のような上下関係は徐々に崩れていくような気がしている。
それが最終的に、「年功序列型人事」から「職能型人事」へと変わっていくことになるような気がしている。
と同時に、企業内の「肩書」の意味も変わっていくのではないだろうか?





「注目を浴びる」ことと行動の不一致

2022-10-16 22:04:30 | ライフスタイル

2,3日前、ネットニュース等でも取り上げられていた、イギリスの美術館で起きた「暴挙」。
ニュースの内容を読むと、暴挙の理由はわかるのだが、その行動がチグハグ過ぎて「この人達は本当は何をしたかったのだろう?」という、疑問がわいてくる。
Huffpost:ゴッホの代表作「ひまわり」にトマト缶をぶちまけた環境活動家を逮捕。化石燃料の新規プロジェクト停止を要求 

このニュースを知った時、「何故ゴッホの『ひまわり』?」という、疑問がわいた。
確かに、ゴッホの「ひまわり」は、人気のある作品だ。
バブル期には、一時期日本の企業が所有をしていたこともあったという、記憶がある。
それほど、ゴッホの代表作であることには、代わりない。
ただ、ゴッホの出身地は英国ではなく、オランダだ。
その意味では、英国とは全く関係がない。
著名な作品を傷つける事で、自分たちの行動に注目が浴びる、という考えだとしたら、それは稚拙な行動であった、ということだろう。

それが例えば、英国の画家・ターナーであればそのインパクトは、とても大きかったはずだ。
もしくは、ヴィクトリア&アルバート美術館に収蔵されている、アーツ&クラフトの推進者であった、ウィリアム・モリスの作品であれば、その意味も違ったことだろう。

それが、オランダの画家・ゴッホの「ひまわり」ということになれば、ゴッホや作品の「ひまわり」に対する同情のようなものは起きても、トマト缶を投げた環境活動家に対しては、冷ややかなというか半ば呆れたような印象しか持たないのでは?
それが世間の見方のような気がするのだ。
そのようなことまで考えた行動だったのだろうか?
とても、そこまで考えていたとは思えないのだ。

時として人は「注目を浴びたい」という思いから、突飛もない行動を起こすことがある。
そのこと自体を悪いという気はしないし、誰しも「注目を浴びたい」という気持ちは、大なり小なり持っていると考えている。
その「注目を浴びる」ということの先のことを考えるのが、世間の多くの人たちだろう。
「『自己満足的な行動』だと、世間から失笑を買うのでは?」とか、「良い意味での注目を浴びる為には、どうすれば?」と、考えるため躊躇してしまう。

それが「注目を浴びる」という一点だけにこだわってしまうと、世間からの共感を得る事なく、失笑のネタとなってしまうのだ。
今回のように、美術館に収蔵されている作品を傷つけたということになれば、犯罪行為となってしまう。
とりもなおさず、「環境団体と言っても、自分たちの行動が美術館の環境を壊している」ということになっている。
短絡的な「注目を浴びる」という手段ではなく、他の「注目を浴びる」という方法があるとすれば、それがプロモーション(=広告)ということになるのだろう。

個人的には、何故、ゴッホの「ひまわり」だったのか?、理由が聞きたい事件でもある。