朝日新聞に、ちょっと面白い(?)記事が掲載されていた。
朝日新聞:「行きたくない街」は名古屋 市自ら調査、つらい結果に
元々は、「名古屋の魅力」が趣旨の調査だったようだが、思惑とは全く違う結果が出てしまい、調査をした名古屋市側が大慌て・・・という状況になってしまったようだ。
私のように、進学や就職のために名古屋で生活をしている、という人間にとって名古屋は住みやすい街か?と聞かれれば、比較的住みやすい街だと思っている。
というのも、名古屋そのものは比較的コンパクトな都市ということもあり、公共交通機関を使えば主だったところへは30分程度で十分行くコトができる。
愛知県=トヨタ自動車という「製造の街」というイメージが強いようだが、実は農業や畜産、漁業も大きな産業となっているため、「地産地消」の農産品が比較的安い。
実家のある米子市よりも、安い場合もある。
家賃などは、東京23区以外の都市と似たり寄ったりでは?という気がする。
何より、東京と大阪の中間点にあるため、どちらに行くにも便利だ。
京都などは、日帰りで十分楽しめるし、最近の海外からの観光客の中には、名古屋を拠点に京都や奈良、白川郷、伊勢志摩などへ日帰り観光をする、というツアーもあるようだ。
暮らしやすさという点では、比較的住みやすいのでは?というのが、私見なのだ。
むしろ問題なのは、「名古屋」という都市イメージだろう。
タレントのタモリさんをはじめ、多くの方から「大都市の田舎=名古屋」というイメージ発信が、長い間されてきており、それが定着した感がある。
そして「大都市の田舎」というイメージそのものは、大きく外れてはいない、というのもまた実感をしている。
名古屋出身の作家・清水義範さんの小説「蕎麦ときしめん」は、名古屋人の本音?のようなモノを十分感じさせてくれる。
小説の中で語られるのは「名古屋人独特の排他性」だ。
言い換えれば、心の中では「信長・秀吉・家康を輩出した(正確には、名古屋ではなく岡崎あたりになるはずなのだが)」という、プライドを持ちつつ、東京や大阪には羨望のようなモノを持っている。
最近残念に感じていることは、海外からの大物アーティストの「名古屋飛ばし」が、当たり前になってきている、という点かもしれない。
ここ10年くらいで海外からの大物アーティストのコンサートが、福岡ではあっても名古屋ではない、という場合が多くなってきている、という事実は、名古屋人にとっては受け入れがたい現実かもしれない。
「暮らす」という点においては、比較的暮らしやすいのだが「セールスポイントが見当たらない」というのは、情報を発信しづらい。そう考えると、名古屋という街は「これ!」という魅力を持たない、平均的な日本の都市、ということかもしれない。