昨日「日本のドラマが海外で評価されるようになってきている」という話題から、市場は日本国内にばかり目を向けるのではなく、アジアを中心とした海外に向ける必要があるのでは?という、内容のエントリをした。
「海外に目を向ける」ということになれば、当然収益形態も国内とは違うものとなる必要がある。
例えば、海外の放送局にドラマの配信契約をし、収益に結びつける、ということになると思う。
そもそも、今の若い人たちは「テレビで何を見ているのか?」という、視点が放送局側にどれだけあるのだろう?という、疑問がある。
今日のHuffpostには、Netflixが来年日本のアニメを次々と制作・放映するという記事があった。
Huffpost:「岸辺露伴は動かない」「極主夫道」等16作品。Netflixの2021年新作アニメが注目作揃い
ご存じの方も多いと思うのだが、ここ数年Netflixは過去のテレビドラマなどの放映からオリジナル作品映画などの放映が増えてきている。
昨年だったか?Netflixが制作した映画が米国アカデミー賞の作品部門(だったと思う)にノミネートされるなど、既成の映画会社と肩を並べるほど、作品を次々と発表している。
そして、日本で人気となったマンガなどの作品のアニメ化した16作品を、来年次々と放映するという。
日本のアニメの世界的人気の高さは、ご存じの通りだ。
そしてアニメなどを「クールジャパン」の核と位置づけ、積極的に展開をしていこうと日本政府は考えているはずなのに、実際はNetflixに軍配が上がりそうな勢いだ。
他にも、気になることがある。
それは「コロナ禍」によって、数多くのミュージシャンが積極的に「オンラインライブ」をするようになった。
しかも「オンラインライブ」をしているのは、有名ミュージシャンやバンドだけではない。
いわゆるインディーズレーベルと言われる、有名レコード会社に所属していないバンドなども、積極的に行っている。
そしてそれらの告知の一部は、英語など多言語で行うことで「ネット上の海外進出」を果たしている。
CS放送の中には、オリジナルの音楽番組を制作したり、過去のライブ映像を独自番組として放送をしたりしている。
「オンラインライブ」等は、基本PCやスマホなどで視聴することになるのだが、一部のテレビではNetflixやyoutbeなどに接続できるような機能を持っている機種もある。
CSとなれば、より手軽に多チャンネル番組を見ることができる。
あくまでもNHK(や既存のテレビ局)は、これまでと同じ地上波に目を向けているようだが、生活者側は「テレビを見る」こと自体これまでとは違ってきているのだ。
「みなさまのNHK」というキャッチフレーズは、確かに間違ってはいないだろうが、NHKの言う「みなさま」そのものがNHKを視聴の選択肢の中に入れていない、という可能性がある。
上述したように、Netflixは有料会員によってその番組制作を支えるような仕組みになっている、という点ではNHKと似ているかもしれない。
とすれば、「NHKのライバルは、アカデミー賞候補作品までつくりだすNetflixだ」という認識をしないと、番組制作を含め「ガラパゴスNHK」となってしまうのではないだろうか?
「今の大河ドラマで、米国アカデミー賞にノミネートされるのか?」そんな視点の番組制作の発想と収益形態が、求められる時代になってきているような気がする。