日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「いのちの教育」って何?

2014-07-31 19:27:24 | 徒然

佐世保で起きた、女子高校生による同級生への殺人事件。
事件発生直後から、犯人である女子高校生について、雑誌などがいろいろ取り上げている。
おかげで(?)、犯人家族の家族構成などを知るコトになってしまった。

このような事件が起きる度に「いのちの教育」というコトが言われる。
私自身「いのちの教育」なるモノを受けたコトが無いので、その内容を知るよしも無いのだが「いのちの教育=生る教育」をしているのだろうか?と、疑問に感じたのだ。
と言うのも、断片的にメディアに登場してきている犯人の言葉で、興味があったのは「生きること」ではなく「死」であったのでは?と言う気がするからだ。

何故なら、同様の「頭の良い子の殺人事件」では、「家族など身近な人の死」を切っ掛けに犯行に走る傾向がある、と言うこと。
雑誌などでも、著名な方が言われていることなので、おそらく同質の傾向を持った「頭の良い子」だったのかも知れないのだが、「家族などの身近な人の死」というコトに関して、今の社会はとても受け入れ難い社会となっているのでは?と言う気がしている。

と言うのも、「日々、自分の死と向き合っている人」を知る機会が出来たからだ。
「自分の死と向き合っている人」というのは、それなりに「がんが進行している人」のコト。
医療の進歩によって、「がん」と言う病気は「慢性疾患」のようになってきた。
しかしながら、転移をしていれば「完治」を望むコトはできない。
「余命宣告」を受けない代わりに、日々がんと言う病気と向き合い、いつかやってくるであろう死の瞬間を考えて生活をしているのだ。
「死の科学者」と呼ばれたキューブラー・ロスの「死ぬ瞬間」を読むと、「人は死を受け入れるまで」に、相当な葛藤があるとういう。
その葛藤というのは患者本人だけの問題では無く、家族にとっても同じ様な葛藤があると思う。
その様な葛藤をし、がんと言う病気を受け入れるだけではなく、いつかくるであろう自分の死すらも受け止めている人というのは、実に強く、人生を達観している。
それだけでは無く、例え余命が宣告されていても宣告期間以上に、ご自身の人生を生き切る傾向がある。

一方今の社会は、人が避けて通れない「死」を見ない様にし、なるべく遠くへと追いやってしまったために、「身近な人の死」そのものとの対峙や、死への恐怖や理不尽さに蓋を閉めてしまっている様に思うのだ。
「いのちの大切さ」を教えるのであれば、「死」ということは避けて通れないと思う。
「死に対する葛藤や恐怖、理不尽さに震える姿」を見せことで、「人の死」を理解する機会となるのでは。
だからこそ「生の視点」ではなく、「死の視点」での教育が必要なのでは?と言う気がするのだ。

ただ、メディアが言う「僕」と自分のことを呼んでいた、と言うことを「変な子」と書いている記事を目にするが、私が中高校生の頃でも、自分のことを「僕」という女の子はいたし、今でもいるのではないだろうか?
だからそのことで「変な子」と決めつけるメディアには、違和感がある。


マクドナルドの事業収益とキャンペーンメニュー

2014-07-29 18:44:30 | ビジネス

新聞各紙に、マクドナルドの今年1月~6月までの連結決算と「期限切れ鶏肉」のお詫びについての記事が、掲載されている。
日経新聞:マクドナルド社長、期限切れ肉問題で「深くおわび」

期待をされての登板となったカサノバさんだったが、どうやら日本では思う様な成果が出ていない。
サッカーW杯を前に打ったキャンペーンも、日本が予選で敗退してしまったため、思う様な効果にはならなかったようだ。
ただ、メニューそのものを見て「参加国をイメージするメニューかのかな~?」という気がしていたので、そんなトコロも関係しているのではないだろうか?

もう一つ気になるのは、マクドナルド自体日本の客層をしっかり把握しているのだろうか?と言う点で、疑問に感じるトコロがある。
と言うのも、マクドナルドが展開しているメニューを見てみると、とにかくボリュームがある。
食べ盛りの高校生や大学生、若いサラリーマンを対象にしているのなら、今のキャンペーンメニューで満足すると思う。
ただ、お子さんの「お誕生会」などで利用しているママさんたちにとっては、ボリュームがありすぎるのでは?と言う気がしている。

実際、私の周囲の女性30代~50代に聞くと「マックのセットメニューは、オーダーできない。単品でもキャンペーンメニューは・・・ゴメン」と言う声がある。
彼女達は、ダイエットに励んでいる訳では無く、メニューそのものが「重い」と言っているのだ。
そう考えると、メニューそのものをもう少し「軽め」にしても良いのでは?
日本の人口構成を考えると、今の「重いメニュー」が好きな世代よりも、「軽めメニュー」を好みそうな世代のほうが、多いと思う。

マックとともに大人になった世代は40代になっている。
いつまでも「若いマックのボリューム」では、満足できない客層が増えていると思うのだ。
「満足する=ボリュームがある」と言うわけでは無いと思う。
カサノバさんに期待されていたコトは、この様な視点だったのではないだろうか?
折しも、「期限切れ鶏肉問題」がおき、マクドナルド自体メニューを見直す切っ掛けが出来た。
この機会をマイナスに捉えるだけでは無く、メニュー全体の見直しのチャンスと捉え、「マックとともに大人になった日本の顧客」を考えるコトが大切だと思う。


ソニーが元気だった頃

2014-07-28 20:12:53 | アラカルト

雑誌「AERA」に、AIBOの記事が掲載されていた。
Yahooトピックス:AIBO、君を死なせない 修理サポート終了「飼い主」の悲しみ

「AIBO」と言っても、ご存じの無い方のほうが多くなってしまったかも知れない。
ソニーが20年ほど前に発売をした、「犬型ロボット」のコトだ。
発売当初は、とても話題になり「ソニーの先進性」を現す商品と捉えられていた。
しかし、発売当初の価格は高く(と言う印象があった)購入した人も限られていたと思う。
元々受注生産での販売だったかも知れない。

この「AIBO」そのものは、マンションなどの集合住宅などでペットが飼えない人や独居者の癒しのようなものが目的だったような気がした。
その為、形状は「犬型」で尻尾を振ったりする機能があり、人工知能というか「学習機能」によって、飼い主とのコミュニケーションが取れる様な、仕様だった。
数年間にわたり、製造販売されてきたがソニーがロボット事業の撤退を決めたことで、生産・販売を中止。
その後は、修理サポートのみの対応をしていた、と言うことのようだ。

しかし考えて見ると、ソニーがこの「AIBO」を発売した頃は日本の家電メーカーだけでは無く、HONDAの「アシモ」のように、自動車メーカーなども積極的に「ロボット事業」に参入をしていた。
その後、リーマンショックや日本の家電メーカーの業績不振などにより、次々とロボット事業から撤退。
人型ロボットの開発では、HONDAの「アシモ」や村田製作所の「ムラタセイサク君・セイコちゃん」くらいになってしまった。

そんなロボット市場に、今年参入したのがSoftBankだった。
「AIBO」の様なキュートさや愛嬌が、感じられないのが残念な気がする。
おそらく「人によりそう」と言うよりも「人に可愛がってもらう=ペットの代わり」という、「AIBO」との発想の違いがあるからなのだろう。
SoftBankの「Pepper」は、あくまでも個人的な印象なのだが「コンシェルジュ」のような感じを受ける。

ソニーが元気だった頃創られた「AIBO」を改めて見てみると、「日本のものづくり」の強い部分が何処なのか?と言うことがわかる様な気がする。
そしてその「強さ」は、日本人独特の「人を思う気持ち」がカタチになっていたのでは?と、感じるのだ。
その「人を思う気持ち」が、再びものづくりに反映されるコトを期待したい。


若者達と一次産業-「むら」を変える-

2014-07-27 20:24:37 | ライフスタイル

先日ラジオと聴いていたら「東京チェエンソーズ」という東京の最西端の秩父地区で、林業をしている会社の話があった。
東京チェエンソーズオフィシャルサイト
この会社、実は平均年齢が30代という若い人達が創った会社で、元の職業も外資系コンサルティング会社やIT関連の企業に勤めていた、と言う林業とは全く関係の無い仕事に就いていた人達が集まっているようだ。

林業ビギナーズの集団なので最初は、地元の林業組合に入り、林業の「いろは」を学んだと言う。
おそらくこれまでの「林業」は、林業組合に入り林業の仕事をする、と言うトコロで終わっていたと思うのだが、門外漢である彼らは、それまでの林業組合とは違う発想で、自分達の林業会社を立ち上げている。
もちろん、今の林業を取り巻く経済的環境の厳しさゆえに、助成金を頼っての事業という部分もあるのだが、それまでのビジネス経験を十分に活かした、林業への取り組みをしている。
例えば、「林業を多くの人に知ってもらい、身近に感じてもらう」為に、夏休み期間中、子どもを対象にした「ツリークライミング」、「プチ林業体験」や「木工教室」、SNSを使って自分達の活動を積極的に発信している。

この様な若い世代の一次産業への関心というのは、東日本大震災以降高まっている様に感じている。
「狩猟女子」として話題となっている、畠山千春さんもその一人。
HUFF POST:狩猟女子・畠山千春さんに聞く、いのちの食べかた「丸ごと大切にいただきます」
畠山さんの場合、シェアハウスの経営をしながらの狩猟生活なので、それまでの「猟師」とは違うかも知れない。
だが、20代の若い女性が猟師という仕事を選ぶ、と言うことに今までとは違う「生活価値感」を感じる。
他にも、漁業組合では無く自分達でグループを立ち上げた20代・30代の漁師達もいる。
ヒューマンケアプロジェクト:山田の海賊「第八海運丸」

そんな彼らに共通していることが、以前の様な「組合」に属するのでは無いと言う点だ。
スタート当初は、組合を頼っていてもその後は自分達で起業している。
その大きな理由が、組合では自分達の思うような活動ができない、と言うことがある様だ。
それを象徴するのが、「クルマや家電はメーカーが値段を付けるのに、(第一産業である)漁業は、自分達で値段を付けられない」という趣旨の「第八海運丸」のリーダーの言葉だろう(7月23日分)。

第一次産業の「村社会」を一度取り壊して「新しいむらを創ろう」という若い世代の動きは広まっていく様な気がする。
それも、いわゆる企業のエグゼクティブを目指していた若者ややチョット「悪ガキ」だった若者だ。
その様な若者を受け入れることができるか否かが、地方の再生となるカギの様な気がする。


「健康飲料」も自然志向?

2014-07-26 21:31:42 | トレンド

梅雨が明け、厳しい暑さが続いている。
特に、昨日と今日の暑さは尋常では無い。
涼しい場所を探して、逃げたくなる様な猛烈な暑さだ。

この様な暑い日が続くと、スーパーやドラッグストアーには「スポーツドリンク」が数多く並べられるようになる。
「スポーツドリンク」と言えば、クエン酸とミネラル、塩分、砂糖類が含まれているのが一般的で、実は自宅でも簡単に作れる。
ハチミツ+レモン、ひとつまみの塩を加え、冷水で溶かすだけで十分スポーツドリンクの代わりとなる。
その様な「自家製スポーツドリンク」の作り方もクックパットなどで紹介され、一般的になってきているようだが、今年は新顔が登場している。

それが「ココナッツウォーター」だ。
なんでもハリウッドセレブが、愛飲しているとかで人気になりつつある様だ。
「ココナッツウォーター」を販売している飲料水メーカーのキャッチコピーは「ナチュラル・アイソトニックウォーター」だ。
確かに、ココナッツが採れる地域というのは「亜熱帯地域」。
毎日が、ここ数日続く猛暑日のような地域だ。
その地域の人達が、日常的に飲んでいる一つが「ココナッツウォーター」なのだから、暑い季節の水分補給にはもってこいだろう。

この「ココナッツウォーター」以外にも、最近若い女性を中心に人気となりつつある「飲料水」がある。
「アサイー」だ。
ご存じの方は、「何を今更」と思われるかも知れないが、昨年あたりからじわじわと人気になりはじめ、最近ではスムージー人気とともに、「アサイースムージー」が人気となっている。
「ココナッツウォーター」のように、飲料水として販売されているだけでは無く、粉末タイプや冷凍タイプもあり、美容と健康に敏感な女性達の間では「アサイーボウル」も人気のようだ。

人気の理由が別名「スーパーフルーツ」と呼ばれる程の栄養価の高さだ。
元々ブラジル・アマゾン原産の果物で、痛み易いコトから現地でジュース状にして冷凍品として輸入されている。
これまでは、一部のカフェでした飲むコトができなかったのだが、今年に入ってから日本の飲料水メーカーが次々と「アサイー」を入れた飲み物を発売し、チョッとしたブームになっている。

これまで「体に良い」というと、「サプリメントで摂取」という感覚が強かったように感じる。
それが今年は「ナチュラル志向」に転換してきた、と言う印象がある。
来年までこの「ナチュラル飲料水」の人気が続くかどうかは、わからない。
ただ、実際に商品を手に取っている人達をみていると、30代以下の世代のようだ。
そう考えると、この世代を中心に「生活意識」が変化し始めているのかも知れない。


進化に潜む問題

2014-07-24 21:32:55 | アラカルト

1ヶ月ほど前に、「ひったくり犯が狙う新たな標的」という内容の記事が新聞に掲載されていた。
産経新聞West:ひったくり犯の新な標的「歩きスマホ」連日の被害

スマホで、音楽が聴ける様になってから至る所でスマホ片手にイヤホンをしている人を見るようになった。
近所に学校があるため、通学時間帯と重なると半数以上の高校生はスマホ片手にイヤホンで音楽(だと思われる)を聞いている姿を見かける。
おそらく、ソニーの「ウォークマン」が登場して以来、この様な光景は見られた光景だと思う。
時代とともに、ウォークマン→iPod→スマホへとツールが変わってきただけなのではないだろうか?
もし大きく違うとすれば、むしろイヤホンなのでは?と言う気がしている。

と言うのも、先日買い物帰りに目の前を歩く若い男性が、カバンから筆箱らしきポーチを落としたのを見た。
相当大きな音がしたので、周囲を歩いている人は足を止め「何が起きたのか?」と見回したのだが、落とし物をしたご本人は、全く気づかずスタスタと歩いている。
その姿を周囲の人は、訝しがっていたのだがイヤホンをしているコトがわかると「なるほどね~」と言う表情になり、気にも留めなくなってしまった。
私としては、目の前で起きた落とし物なだけに知らん顔もできず、落とし物を拾い若い男性の肩を叩いて「落とし物ですよ」と声を掛けるコトに。

肩を叩き、振り向いた落とし主に「落とし物です」と声を掛けても、イヤホンを外さない。
やっと自分の落とし物だと気づくまで、イヤホンを外しスマホの画面から眼を外すまで、随分(と言っても、数秒だが)罹った。
おそらく、ウォークマンの頃はイヤホンの性能も悪く、イヤホンから漏れる「シャカシャカ音」が問題になっていた。
その「シャカシャカ音」の音漏れをなくし、周囲の雑音を消す様になったコトで「周囲の音」を聞くコトが無くなったのだろう。
高性能化は、「音を聞く環境」を向上させたが、逆に周囲の様々な音情報を消し去ってしまった、と言うことなのだと思う。

ただ、通勤・通学途中にそこまでして音楽を聴く必要があるのかな?と言う気がする時がある。
私自身、通勤電車で音楽を聴いていた時期もあったのだが、音楽を聴かなくなってからのほうが、様々な情報を視聴覚で得ることができるようになったのは当然のコト、「音楽を聴くなら、自分が一番リラックスできる時と場所で聴くのが楽しい」と思える様になった。
片手間で聴く音楽というのは、やはり「片手間で聴ける程度の音楽」でしか無い、と言うのが私の感想なのだ。

いずれにしても、高性能化されたイヤホンは便利で周囲に迷惑を掛けない道具だとは思う。
それによって、失われている様々なコトがある、と言うことも忘れてはいけないと思う。
そして、イヤホンをしてスマホ画面を見ている若者をみると、何となく「五感(の一部)が、機能しなくなっているのでは?」と感じるのだ。


中国の「期限切れ鶏肉」とファーストフード

2014-07-23 20:36:11 | ビジネス

マクドナルドやセブンイレブンの「チキンナゲット」などの加工をしていた中国の工場で、期限切れの鶏肉を加工、納入していたというニュースが、昨夜から駆け巡った。
最初は、マクドナルドとセブンイレブンだけだったが、時間の経過とともにこの会社の肉を扱っている企業の数が増え、関係企業もハンバーガーの様なファーストフードだけでは収まらなくなってきた。

このニュースを知った時、「マックだけでは無く、ロッテリアやモスバーガーは大丈夫なのか?」と、思った方は数多くいらっしゃったのではないだろうか?
何故なら、メニューそのものはマックもロッテリアやモスも似たり寄ったり。
価格差はある程度あるにしても、買うお客さんはどこから仕入れているのか知るよしも無い。
ある程度価格が高ければ、国内産?と言う期待もあるとは思うのだが、確証はない。
そんな不安を生活者に与える事件となってしまった。

午後からのニュースでは「期限切れの肉を食べても死ぬわけでは無いし・・・」と言う、中国企業側の話も伝わってきている。
おそらく中国では、その様なコトが当たり前の様になっていて、衛生管理という感覚も日本や米国とは全く違う感覚を持っているのだろう。
「組織的」と言うコトも言われている様だが、「組織的」と言うよりも「自分達の生活がその様な環境にある」というコトなのではないだろうか?

しかし、その様な「生活環境」の企業へ生産を任せているのは、何故だろう?と考えると、私達生活者側にも考える必要がある様な気がする。
国内で調達しようとすれば、おそらくマックのチキンナゲットは、今の様な価格で提供するコトはできないと思う。
それは他のファーストフード店やスーパー、コンビニでも同じだと思う。
鶏肉だけではなく、牛肉にしても「安心で安全なモノ」と考えれば、それなりの価格になってしまうのだ。
価格を優先させれば、そこには今回の様なリスクがある、と認識しなくてはならない。

少し前「チャイナフリー」という言葉をよく聞いたが、現実問題として「チャイナフリー」な生活をするコトは、とても難しい。
低価格で勝負をするファーストフードであれば、尚更中国への依存度は高くても当然だ。
そして、上述した通り中国の人達の衛生管理の感覚と日本や米国の感覚の大きな差は、簡単には埋まらないと思う。

ショックというよりも、今の中国の生活感や生活環境とファーストフードの現状を考えさせられる出来事、と言う気がする。


免許取得費用負担キャンペーン?って

2014-07-22 19:43:04 | ビジネス

最近FMを聞いていて、気になることがある。
番組の内容では無い。
番組の間に流れるCMだ。
実は「免許取得費用負担キャぺーン」というCMが流れるのだ。
CMの主は、ハーレーダビットソン。
ハーレーダビットソンHP:PASSPORT TO FREEDOM

このCMを聞いた時「随分太っ腹な企画だな~」と思ったのだが、反面、ハーレーダビットソンの様な大型二輪に乗る人達は減ってきているのかな?と言う気がしたのだった。

自動車工業会が出している「2013年度二輪車市場動向 報告書」をみると、原付免許取得者は年々減る傾向にあるが、大型二輪免許を取得する人というのは、ここ15年大きな変化はない。(報告書12頁)
日本自動車工業会:2013年度 二輪車市場動向報告書 (注意;pdfファイル)

と言うことは、ある一定の大型二輪のユーザーはいて、大きな市場変化を起こしているとは思えない。
にも関わらず、ハーレーダビットソンがこの様な「免許取得」を費用面でサポートするキャンペーンを展開する、と言うのは何かしら他の理由があるのでは?

その一つの回答となるのが、現ユーザーの世代別のデータだ。(報告書14頁)
男女比だけをみると、当然というか男性のほうが多い。
その男性の中でも、50代以上が大型二輪を保有している人が多く、20代となると17%程度にまでになってしまう。
言い換えれば、大型二輪のユーザーは50代以上の男性で、年齢が若くなるに従い減っている、と言うことになる。
もちろん、大型二輪の価格的なことを考えれば、20代で気軽に購入するコトは難しいだろう。
それだけでは無く、今の20代は二輪(バイクやスクーター)だけでは無く、自動車免許の取得者も減っていると言われている。
そう考えると、新規の大型二輪の免許を取得しようとしている人達は、40代以上で経済的にも余裕ができはじめた人達が中心、とも考えられる。

しかし、それでは市場の大きな拡大は難しい。
と言うことは、やはりハーレーダビットソン側としては、20代の若者に免許を取得して貰い、ハーレーに乗って欲しい、ということだろう。
これまでCMで訴える内容の多くは、「そのモノ・コトがある豊か(楽しい)ライフスタイルの提案」が多かった。
それに対して、このハーレーダビットソンのキャンペーンは直接的だ。

「わかりきったこと」と言ってしまえばそれまでだが、逆にこのハーレーダビットソンのキャンペーンは、今の二輪車だけでは無く四輪車(=クルマ)についても、同じだという気がする。
ただ、それだけの危機感を自動車メーカー側が持っていない、と言うことだと思う。





国連と紛争

2014-07-21 19:31:23 | 徒然

撃墜された?マレーシア航空機。
亡くなられた方の中には、「エイズに関する国際会議」に出席予定だった研究者や、夏休みを楽しみにしていた子ども達が数多く含まれていたようだ。

そして撃墜した?とされる親ロシア派側は、事故調査(と言うべきか?)に対して協力的とは言い難い、と言う報道もある。
ただ、この様な事件が起きると当事者との間では、不穏な状況になる。
「一触即発」という状況だ。

この様な時、調停をする役割が「国連」であり、その中心となるのは「常任理事国」と言われる国々。
この「常任理事国」を改めて見てみると、何とも好戦的な国が多い様な気がする。
その筆頭と言えるのが、米国かも知れない。
第二次世界大戦後、おそらく一番戦争や紛争の為に兵を出してきた国だと思う。
そして中国。
ご存じの様に最近の中国の動きは、周辺国にとって脅威と感じさせるモノが多い。
もう一つは、ロシアだ。
冷戦当時の「チェコ事件」。今回のマレーシア航空機を撃墜したとされるのは、ウクライナ国内の親ロシア派と呼ばれる、ロシア寄りの勢力。
彼らの後ろ盾となっているのは、ロシアそのものだと言われても仕方無いと思う。
もちろん、イギリスとフランスも常任理事国ではあるが、今の国連安保理の仕組みから考えればいくらイギリスやフランスが、「紛争回避」の提案をしても、その紛争に関わっている他の常任理事国が、一国でも反対または拒否権を行使すれば、その提案は効力を発揮しない。

この制度そのものに問題がある、と言う指摘が随分前からされていると思うのだが、「既得権」というのはそれだけ魅力的なのだろう。
見直されると言うことは無かった。
結果として、「国連の力」は思った程効力を発揮できない様な状況が続いている。

流石に今回の「マレーシア航空機撃墜」に関しては、ロシアも賛成するのでは?と言われているが、ロシア側としても反対すれば「親ロシア派」との繋がりを認めることになると言うことがわかっているからだろう。
ただ、ロシアを後ろ盾にしてやってきたはずの「親ロシア派」勢力からすれば、自分達への裏切りと受け止めるのではないだろうか?
違う言い方をするなら「ハシゴを外された」という感覚を持ち、それが「反ロシア」の動きとなる可能性もあるかも知れない(と言っても、「親ロシア派」の人達は、元々ロシア系の人達なので、ウクライナ退去ということになるかも知れない)。

「国連」そのものが出来てから60年以上経った。
そろそろ、常任理事国の見直しを含め「国連」のあり方を見直しても良い時期にきている様に思う。
少なくとも「常任理事国が、好戦的な国が多い」と言う印象があることを考えれば、「第二次世界大戦の戦勝国」という基準では意味が無い様な気がする。


「人の命を盾にする」ことから、戦争ははじまる?!

2014-07-18 22:00:48 | 徒然

朝の新聞の一面は「マレーシア航空撃墜」という記事だった。
当初は「墜落」と報道されていたようだが、墜落した場所や状況から「撃墜」ではないか?と言う指摘がされる様になり、朝の時点で」撃墜」という表現に変わっていったようだ。

このニュースとは別に、イスラエルの「ガザに対する攻撃」が収束しない。
様々な情報が飛び交う中、中東事情に詳しい方があるFM番組のインタビューでの話が、とても気になっている。
「ガザに対する攻撃」の理由として上げられている理由の多くは、「対ユダヤ」という内容が多い。
「宗教と民族の対立による攻撃」という理由だ。

しかし私がFM番組で聞いた話というのは、全く違っていた。
それは「ガザの地下に武器などを隠している勢力がいて、その武器を破壊する為にガザへの攻撃をしている」という内容だった。
「ガザ」という地域だけを考えれば、確かに「民族と宗教による対立」ということになる。
しかし、「ガザという地域の地下を武器・弾薬を隠し持つ基地を作っていて、それを攻撃している」となると、話は全く違ってくる。
武器や弾薬を隠し持っている勢力は、「自分達とは全く関係の無い、人の命を盾にしている」ということになる。
そして「ガザ」の人達は、自分の家族や肉親を殺されたことによって、自分達を攻撃した人達に対して「憎しみ」を持つ様になる。

今回の「マレーシア航空機撃墜」にしても、親ロシア派だとかウクライナ派など撃墜された航空機の搭乗客にとっては全く関係が無い。
しかし、撃墜されたコトで乗客の家族は親ロシア派もウクライナ派も関係なく、撃墜した国や人に「憎しみ」の様な感情を持ってしまう。
それが「戦争の切っ掛け」となる、と言うのは過去の戦争の始まりを知ればわかるコトだ。

アジアに目を転じれば、陸や海だけでは無く空の領域でも、小競り合いを仕掛けている国がある。
「小競り合いを仕掛ける」ことが、自国益であるかのように振る舞っている様に見えるのだが、その実「諍いの種を蒔いている」に過ぎない。
どうしてそのコトに気づかないのだろうか?

そしてもう一つ思うコトは、宗教的にも民族的にも共通点を持たない(=経済以外の利害関係が無い)日本が、何故積極的に「和平」の話のテーブルをセッティングしないのか?と言う点だ。
安倍さんは「集団的自衛権」で、「自国の安全が確保された」と意気揚々のようだが、本当は「紛争国に対する和平」を勧めることこそが、「日本の安全を確保する」有効な手段だと思うのだが・・・。