日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

一年の感謝を込めて

2012-12-31 20:31:55 | 徒然
今年もあと僅か。
昨年の「東日本大震災」の影響から脱却するまでには、まだまだ多くの時間と様々な人の力と知恵が必要だと感じた一年だったように思う。
特に「フクシマ事故」に関しては、未だ先が全く読めない状況にある。
そんな中、多くの国民は「脱原発」と言うよりも、滋賀県知事の嘉田さんの「卒原発」が必要だと感じているにも関わらず、政権を奪取した自民党は原発容認へと動き始めている。
せっかく「電力を中心としたエネルギーのあり方」を考え直す絶好の機会を、みすみす見逃すと言うのは、残念な気がする。
「エネルギー政策」と言う点で、世界をリードする機会でもあったはずなのだが・・・既成概念的発想の強い自民党では、難しいということなのだろうか?

もう一つ今年感じたコトは、「農業は観光になるのでは?」というコトだった。
今年は、父の用事で例年よりも帰省するコトが多く、用事が済んだあと実家周辺の地元の食べ物を頂く機会に恵まれた。
その中で感じたコトは、生産量が少なく都市部へ出荷するコトができない食材が、地方には多いと言うコトだった。
昨今の「お取り寄せブーム」で、全国の美味しいモノを自宅で楽しめる時代になったが、それでも地方に行けば、地元でしか味わえない食材が数多くある。
しかも、ネットや雑誌に取り上げられるコトもほとんど無い。
理由は、上述した通り「生産量が少ない」為だ。
生産量が少ないのであれば、増やせば良い、と言う考えが当然あると思うのだが、その生産量そのものを増やすコトができない様々な事情がある。
例えば「農地そのものが限られている」とか、「絶滅寸前の伝統野菜」などの理由だ。
それは、何も私の実家がある山陰に限ったコトでは無く、その地方に行かなくては味わえない野菜をはじめとする食べ物が、日本全国には沢山あるのでは?と言う気がしたのだった。

そんなコトをいろいろ考えながら迎えた大晦日。
共通して感じているコトは、「地方から元気にならないと、日本は元気にならない」というコトだった。
そしてその動きは、ほんのわずかだが生まれ始めている様に感じている。
「霞ヶ関」という中央の発想では、自分たちの特化できるモノ・コトを生かし切れないのでは?と言う感覚で、動き始めた人達がいる様に感じた一年でもあった。
その動きはより拡がっていくのが、来年以降かも知れない。
面白いコトに、その中心となっているのは20代、30代という若い世代。
それをサポートしているのが60代、70代という、「孫と祖父・祖母が一緒」ということ。

果たして来年はどんな年になるのだろう?
いろいろなコトを教えて下さった方々。
拙ブログにお越し下さった方々、コメントを寄せて下さった方々・・・様々な方々から教えて頂くコトが多い一年であった。
感謝を込めて、ありがとうございました。
そして素晴らしい新年をお迎え下さい。





初めて知る、消えたサービス

2012-12-30 20:14:46 | ビジネス
Yahooのトピックスに、マイナビニュースの「2012年に消えた家電製品・サービス」が取り上げられていた。
マイナビニュース「2012年に消えていった家電製品・サービス」

この中で取り上げられている、日立の薄型テレビ「WOO」などは、新聞などにも大きく取り上げられた、生産中止となった家電製品だろう。
今や世界で販売されている薄型テレビの主流は、韓国企業になりつつある、と言うのはご存じの通り。
薄型テレビをはじめとする液晶画面にこだわり続けたシャープなどは、経営不振に陥ったコトを考えると、日立の判断は正しかったと言うコトになるのだろう。
他にも白熱電球などの生産中止などがあるが、今後LED照明が主流になっていくと考えられるコトから、自然の流れなのかも知れない。
ただ、LED照明が主流になるにはまだまだ時間が掛かるのでは?と思っている。
と言うのも、現在一般発売されているLED照明は電球型が中心で、家庭の多くの照明として使われているシーリングライトには対応できていないからだ。
もちろんLEDのシーリングライトも発売されてはいるが、それの取り替え用となると、家電量販店などでは販売されていない。
違う見方をすれば、LED照明の製品の充実はこれから先というコトになると思う。

そんな記事の中で、私が知らなかったサービスがある。
「muPass」と呼ばれたサービスだ。
マーケターとして恥ずかしい話なのだが、このサービスそのものに興味も関心も無かった為、サービスの内容はもとより、サービスが開始されたコトも知らなかった。当然、サービス終了も知らなかった。

ネットで検索をしてみると、このサービスに対応できる商品を発売をしていたのは、目覚ましや一部の電気炊飯器程度。
確かに、お気に入りの音楽で目を覚ます、と言うのは一日のスタートとして気持ち良いコトだとは思うのだが、お気に入りの音楽そのものが、日々変わる方も多いと思うし、朝起きた気分と目覚ましの音楽が合わない、と言う場合もあるのでは?
それよりも疑問だったのは、ご飯が炊けたアラーム音の代わりにお気に入りの音楽が鳴ると言うのは・・・。
一見楽しそうな気がするが、多くの人はその様なコトを希望していたのか、甚だ疑問なトコロがある。
個人的には、終了して当然と言う気がするサービスなのだが、気になったのは「どれくらいの人達がこのサービスを利用していたのだろうか?」という点だ。

「muPass」と言う発想は、面白いと思う。
思うのだが、使い手となる生活者のコトを考えたサービスであったのか?と言う点で疑問があるし、終了しても仕方の無いサービスだったのでは?と、感じている。
提供するのであれば、もっと違う先があったのでは?
例えば、介護をしている家庭など向けに、スケジュール管理代わりに音楽を流すなどだ。

今年も様々な製品やサービスが生まれ、消えていった。
来年は、ワクワクさせてくれるどんな製品やサービスが生まれるのだろう?
そう思うと、新しい年が楽しみになる。



「マーケティング」と名が付く、別物

2012-12-29 18:45:31 | マーケティング
今年話題になった「ステルスマーケティング」。省略して「ステマ」と呼ばれているようだ。
この手法を使って年明け問題になったのは、グルメ口コミサイト「食べログ」だった。
その後「@コスメ」などでも、問題が発覚した。
いわゆる「やらせ口コミ」、と言う問題だった。
「やらせ口コミ」をさせる為に、謝礼金名目のお金を支払いお店や商品の宣伝のための口コミを投稿していた、と言う問題だった。

そんなコトもすっかり忘れ去られた頃、新たな事件が発覚した。
タレントさんを使った、「ペニーオークション」の事件だ。
問題としては「食べログ」や「@コスメ」よりも、年末に起きた「ペニーオークション」のほうが、大きい。
なぜなら、最初から落札できない仕組みで「オークション」をネット上で行い、その集客のために、タレントさん達のブログを通して「オークション参加」を呼びかけていたからだ。
ご存じの様に、この「ペニーオークション」の問題点は2つ。
一つは、落札できない仕組みであったこと。
参加の度に課金されると言う仕組みを利用した、ある種の詐欺だったからだ。
もう一つは、実際オークションに参加をしていないにも関わらず、オークションに参加をしたような「ふり」をして、自分のブログにタレントさんたちが書き込み、オークション参加を促していたことだ。
「ペニーオークション」の事件については、既に関係者が逮捕されているが、依頼をされて金品を貰い、自分のブログに書き込んだタレントさんたちの責任はまだ問われてはいない。

これらの事件で使われた「ステルス・マーケティング」を見ていると、マーケティングという仕事をしている側からすれば、これは「マーケティング」という名が付いてはいるが、「マーケティングでは無い!」と言いたい。
マーケティングと呼ばれる理由は、マーケティングの基本である「売り場・価格・製品・広告」という4つが揃っているからだろうが、そもそもマーケティングには「人を騙す」という反社会的考えを良しとしていない。
なぜなら「マーケティング」は、社会と企業やNPO、行政などの団体と生活者をより良い関係を創る為にどうしたら良いのか?と言うコトを考え・実行することを目的としている。
個人はもちろん、社会を不幸にするコトが目的では無いからだ。

最近は余り聞かれなくなったような気がする「マルチ・レベル・マーケティング」なども、「マーケティング」と付いてはいるが、「マーケティング」とは似ても似つかないモノだ。
「マルチレベルマーケティング」にしても「ステルス・マーケティング」にしても、この様な半社会的と思われる「儲け手法」に、「マーケティング」と付くコトで「マーケティング」そのものが、何か怪しげなモノとして受け止められてしまい、真っ当な企業やNPOなどにとって、とても不利益をもたらすコトになる。

来年は、この様な「紛い物マーケティング」が、話題にならないコトを願っている。



来年はどんな年になるのだろう

2012-12-28 19:30:00 | 徒然
今日は、一般企業・官公庁の仕事納め。
そして大納会。
大納会の今日、今年一番の高値で締めくくった。

この高値は、安倍総理の話題が出始めた頃から進み、今日が一番の高値となった。
「アベノミクス」と呼ぶらしい。
株価が上がると言うのは、確かに喜ばしいと思うのだが・・・手放しで喜べるのだろうか?と、疑心暗鬼になってしまう。
と言うのも、安倍さんは総理にはなったが、まだ何もしていないからだ。
「経済の立て直しが最優先」とは言ってはいるが、この高値はある種の期待感からきているからだ。

では産業界はどうなのだろう?
今年話題になったのは、いわゆる「大手企業・優良企業」と言われてきた企業の、経営悪化だった。
ソニーやパナソニック、極めつけはシャープだろうか?
今までの稼ぎ頭だった、液晶テレビなどが不振に陥り急激に経営が悪化した。
一部では、日本の家電メーカーは既に国際市場では太刀打ちできない、と言う様なコトも言われているようだ。
とは言うものの、国内市場は既に飽和状態になっている。
海外の市場を見据えた事業展開をしなくては、今よりも悪化の一途を辿ってしまうことが目に見えている。
「にっちもさっちも・・・」と言うのが、家電メーカーを取り巻く状況なのかも知れない。

ただ、いろいろな産業に目を転じると決して悲観的なコトばかりでは無いと思う。
大切なコトは、「大胆な行動力」というコトなのかも知れない。
新聞によると安倍さんは「発展が期待できそうな産業に対して、積極的な成長戦略を考えるべき」と言う様なコトを話していらっしゃる様だ。
安倍さんの前の総理・民主党の野田さんも、同じようなコトを話していたような気がする。
民主党時代から、ズッと変わらない「成長戦略」の一つと言う感じだ。

ではその「成長戦略」の核となる産業は、一体何だろう?
自然エネルギーを中心とした、新世代エネルギーとEV車などを含む関連産業だろうか?
そう考えると、来年あたりから「成長戦略の核となる産業」が、現れ始めるかも知れない。
それは、経団連などに属する企業では無い、小さな企業集団かもしれないし、地方から発信されるかもしれない。

「ローカル=地方」が日本を動かす力となれば、疲弊した地方経済が元気を取り戻すと思うし、それが日本経済復活のキーという気がしている。


選挙結果が別れの決め手だった?未来の党

2012-12-27 19:03:09 | 徒然
衆議院選挙が終わり、1週間余り。
いよいよ「自民党・安倍内閣」が動き出す?
と言っても、明日は御用納め。
本格的に動き出すのは、年明けというコトになるだろう。

さて、その選挙結果を受け「日本未来の党」が分裂する様だ。
元々、小沢さんと嘉田さんとでは、相当考えが違うのでは?と言う気がしていた方も、多かったのではないだろうか?
「選挙に強い」小沢さんの力を借りて、浮動票を獲得できれば良かったのだろうが、逆に小沢さんのイメージが、浮動票を逃してしまったのでは?と、感じている。
なぜなら、小沢さんのイメージというのは古い政治家であって、閉塞感が社会全体を覆いそれを打ち破るような新鮮さと力強さという点では、難しい部分がある様に感じていたからだ。
むしろ、同じ関西地域の大阪の橋下さんと一緒に組む方が、嘉田さんにとっても橋下さんにとっても、メリットは大きかったと思う。

その点では、大阪の橋下さんも東京の石原さんと組んで失敗した!と、思っているのではないだろうか?
名前こそ「維新の会」で橋下さんが主導する政党のような感じだが、そもそも考えが正反対の石原さんと組むことで、関西の政党から全国区にしたかった、と言う焦りのようなものが見え見えだった。

橋下さんに期待したのは、「地方から声を出す」と言う発信力だった。
何も東京の石原さんと組まなくても、地方で起き始めているミニ政党とまとめるコトで、大きな力を持った全国区の政党になったはずなのだ。

今の日本を考えてみると、「東京とその他」と言う構図ができあがってしまっている。
そのため?何が何でも東京を組み込まなくては「全国区」になれない、と思いがちである。
しかし考えてみると、確かに東京には大企業の本社が多くあるが、企業収益を上げている場所というのは、東京では無く「その他地方」なのでは?
言い換えれば「東京=日本の標準」というのは幻想で、「地方=日本の標準」なのでは?

「日本未来の党」の分裂だけでは無く、今回の衆議院選挙は期待された「第三極」がパートナーを選び間違えたコトで、自民党が議席数を伸ばしてしまった、と言うコトなのかもしれない。
目先の票集めばかりを考えた、パートナー選びは選挙での死票を増やしただけではなく、国民の思うコトとは違う方向へと政治が向かう可能性をも与えてしまった。
そう考えると、もっと熟考を重ねて欲しかったな~と、選挙民としては思うのだ。




百貨店よりショッピングモール?

2012-12-25 18:48:49 | ライフスタイル
今日はクリスマス。
街中を歩くと、クリスマスの雰囲気は昨日までだったようだ。
百貨店の洋菓子売り場も、ケーキを買い求めるお客さんの姿は少なく、ショーウィンドーの中にあるクリスマスケーキも、なんだか寂しげだった。
どうやら今年のクリスマスは、23日と24日の連休だったようだ。

実は23日、繁華街へ買い物に出かけた。
行った先は、百貨店とショッピングモール。
同じ休日に、百貨店とショッピングモールのはしごをする、と言うのは余り経験がない。
年末の買い物も目的で買う場所を考えると、この様なコトになってしまった。
と言っても、クリスマスケーキを買い求めた訳でも、クリスマスプレゼントを買いに出かけた訳でもなく、なかなか買いに行けなかった手帳や年末の食材を買い求めて。

百貨店に行くと、さすがに連休というコトもあり賑わっていた。
賑わっているのだが、目立つ買い物客は相対的に年齢が高いようだ。
子育てが終わったと思われる40代後半以上の世代が中心で、おじいちゃん・おばあちゃんが孫を連れてクリスマスプレゼントを買いに来ている、と言う光景もほとんど見るコトはなかった。

一方、ショッピングモールは百貨店以上の賑わいぶり。
22日から小中学校の多くが冬休みに入ったこともあり、家族連れや学生おぼしき若いカップルの姿が目立つ。
ただ、ショッピングモールで賑わっているのはいわゆる「専門店街」だけで、ショッピングモールの主たる大手スーパーの売り場は、百貨店よりも静かな位だ。
夕方の時間帯でも、6時を過ぎないとスーパーへお客さんが流れていかないのかも知れない。
百貨店とショッピングモールとでは、客層が違うのは当然と言えば当然のコトだが、「行く目的」も違うような気がしたのだった。

百貨店に買い物に行く、と言う方の目的は「買い物」。
当たり前のように思えるが、「百貨店へ買い物に行く+α」がバブル景気以前にはあったと思う。
それは「買い物+α」という、期待感というよりも「少しだけ非日常的」という感覚だったのかも知れない。
「買い物の次いでに、百貨店の中にある食堂で食事をする」と言うのは、外食が特別なコトであった時代では、それだけでも非日常的なコトだった。

現在その代わりをしているのが、大規模ショッピングモールなのかも知れない。
百貨店と同じかそれ以上の品揃えの「専門店街」。
海外の有名ファッションブランドは無いかも知れないが、「専門店街」そのものが一つの大きな「街」を作りだすことで、ショッピングの楽しさは十分に楽しめる。
何より小さな子ども連れでも、休憩をする場所が沢山ある。
その一つが「フードコート」だろう。
その昔百貨店にあった「お好み食堂」以上の種類の食べ物が楽しめ、時間的制約も無い。
中には、子ども達が遊べるようなスペースもある。

百貨店そのものの不振は、そんなトコロにあるのかも知れない。



町工場VSフェラーリ

2012-12-24 18:13:17 | スポーツ
昨夜、ネットでニュースサイトを見ていたら「下町ボブスレー 初の実戦で優勝」と言うモノがあった(ニュース映像をyoutubeにUpしたモノ)。
このニュースを聞いて、日本の町工場の底力のようなものを感じた。

ご存じの方も多いと思うのだが、ボブスレーをはじめとするウィンタースポーツのソリ競技で使われるソリのほとんどは、海外のもの。
特にボブスレーなどを製作しているのは、モータースポーツ・F1でおなじみのフェラーリなどだ。
フェラーリとボブスレーというと、何となくちぐはぐのような気がするのだが、高速スピードを競う、と言う点では共通するモノがある。
ボブスレーなどのソリを作る技術がF1に活かされている、と考えるべきなのかも知れない。

ところが、日本の自動車メーカーさんはこの様なコトに興味が無いのか?余り積極的では無い様だ。
実際のトコロは判らないが、国産のソリというのは聞いたコトが無い。
そのために、ボブスレーだけでは無くソリ競技の選手達は、そのソリの調達から大変な資金難に陥っている、と言う話も聞いたコトがある。
日本の自動車メーカーの技術を持ってすれば、フェラーリに対抗できる位のソリができそうな気がするのだが・・・ただ、日本の自動車メーカーそのものが、F1レースから撤退しているコトを考えると、スピード以外のHV車やEV車などへ特化したクルマづくりを考えているのかも知れない。

今回ボブスレーを作った大田区の町工場集団は、逆に自分たちの持っている高い技術を集めルコトで、フェラーリに対抗しようとしている。
ある意味、自分たちの持っている技術の高さを世界にアピールする為のソリ作り、と言うコトなのだと思う。
結果国内での結果ではあるが、初優勝を飾るコトができた。
これは、大きな自信になったのではないだろうか?
町工場自体は、大手企業の下請け・孫請けのような存在かも知れないが、集まるコトで大きな力を発揮するコトに成功しているからだ。

F1参戦は無理だとしても、技術の集約によるモノづくり基地として、海外の企業などが積極的に動き始めるかも知れない。
そうなれば、大手企業の下請け・孫請けでは無く、技術の集積企業として町工場が復活する可能性もあるのでは?
そんなコトを感じさせる年末の嬉しいニュースだった。

公共事業の内容が大事だと思う

2012-12-22 18:38:12 | 徒然
今月初め、山梨県内にある笹子トンネルで起きた、屋根の崩落事故。
記憶に新しいトコロだと思う。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りするのは、当然のコトだが、この事故はもう一つ大切なコトを教えてくれたような気がする。

日曜日に行われた衆議院選挙。
ご存じの通り、議席数としては「自民党圧勝」という結果となった。
この結果を受け、安倍さんは「景気回復の為にも、公共事業への投資を積極的に行いたい」という内容のコメントを発表している。
この発表の前から一部週刊誌では、「自民圧勝、大幅な公共事業復活」という内容の記事を掲載していた。
まさに、週刊誌の記事通りとなったわけだが、「公共事業」と言っても、コレまでの様な「道路や橋を造る」という公共事業だとすると、無駄な公共事業となってしまうのでは?と言う、懸念を持っている。

これまでの「公共事業」というのは、「道路や橋、新幹線や大きな建物を造る」という内容がほとんどだった。
それらの「公共事業」は、東京など都市部にある大手ゼネコンが請け負い、大手ゼネコンの下請け・孫請けのようなカタチで、建設予定地にある地方の業者が工事などを担当していた。
確かに、一時的には地方の雇用は生まれるが、その工事が終了してしまえば、雇用そのものも無くなってしまう。
いつまで経っても、安定的雇用に結び付くコトはない。
それが、地方にとって大きな問題でもあったはずだ。

上述した「トンネル屋根崩落事故」の原因となった維持管理というコトを考えると、まさに「地方に直接発注すべき公共事業」なのでは?と言う気がしたのだ。
道路や橋などを建設すれば、必ず維持管理という問題が出てくる。
今回の崩落事故も、ボルトの緩みなどの見落としが原因ではないか?と言われている様だが、もし、地方の業者が頻繁に維持管理をしていたら、この様な事故は起きなかったかもしれない。

今回のような事故が起きると、全国一斉点検のようなコトが行われるが、大切なコトは定期的に見落としがないように行われる、と言うコトだと思う。
これまで自民党が主導して造ってきた「道路や橋」など、そろそろ老朽化してきているモノもあるのでは?
とすれば、地方の業者に直接維持管理事業を発注し、地方での安定的雇用に結び付けながら、地方の活性化を目指す、と言う位の考えが無くては国民からの支持は得られないような気がする。
少なくとも、安倍さんが掲げた「物価上昇2%」を目指す為にも、地方での安定的雇用と活性化が必要なのでは?

「人からコンクリートへ・公共事業」というのであれば、その内容が重要だと思うのだ。



本屋さんが作る「電子書籍ツール」

2012-12-20 19:51:21 | ビジネス
今日の新聞に、「Lideo」の広告が掲載されていた。
今月発売されたばかりの電子書籍ツールだ。
特徴は、Amazonの「Kindle」とほぼ同じだと思う。
違いは、その取扱書籍数が他社の取扱数とは比べモノにならないほど多い、と言う点だろう。
楽天の「kobo」が、発売された頃に比べるとおそらく倍の取扱量だと思う。
楽天の「kobo」の場合、「青空文庫」などを加えていたことを考えると、随分多いと言うコトが判る。

先日、Amazonの「Kindle」に対して新潮社が書籍の提供を中止する、と言う内容の発表があった。
詳細はよく判らないのだが、どうやら書籍の取引上のトラブルの様だ。
それに対して、「Lideo」は三省堂という書店が中心になって、販売をしているのが大きな強みかも知れない。
三省堂だけでは無く、レンタルショップの「TSUTAYA」でも扱いがある様だが、三省堂が中心というのは、出版社にとっても心強いパートナーなのではないだろうか?

ただ気になるコトがある。
それは三省堂のライバル書店である、丸善とジュンク堂書店だ。
ご存じの方も多いと思うのだが、丸善とジュンク堂書店は現在共同で、本の通販を手がけている。
丸善&ジュンク堂書店公式HP
そして「本屋さんの電子書籍」と言う展開もし始めていたと思う。
三省堂の「Lideo」のような、電子書籍が読めるツールを発売するかも知れない。
あえて、ツールを発売するのではなくあくまでも「本屋さんの電子書籍」という提案だけで終わるかも知れない。
その点はまだまだ不明だが、三省堂がこの様な「電子書籍ツール」発売をする、と言うのは読書家にとっては、朗報だと思う。

なぜなら、以前から家電量販店などで話しを聞くと「iPadなどのタブレット端末などは、漢字などが潰れやすく、電子書籍を読むのには向いていない」と言われたからだ。
おそらくAmazonの「Kindle」も、日本の書籍を読むのには余り向いていないかも知れない、と思っていたのだ。
それに比べ、三省堂の「Lideo」は、日本人が考えた電子書籍ツール。
漢字だけでは無く、漢字のルビも読みやすい、となれば後発であっても十分「Kindle」と対抗できるだろう。

今年の年明けから「今年は『電子書籍元年』になる」と言われてきたが、年も押し迫ったこの時期にやっとそれを実感するコトになった。
これからの問題は、ツールでは無く「電子書籍化」という問題になっていくだろう。
果たして著作や出版という問題は、解決できるのか?
法整備が遅れがちな中、動向が気になる。


何処か空しさを感じる商品

2012-12-19 19:40:13 | マーケティング
日経のWEBサイトの新商品紹介に、変わった商品が紹介されていた。
来年、玩具メーカーのタカラトミーが発売をする「ホームカイト」の紹介だった。
タカラトミーニュースリリース「ホームカイト」(注意:PDFファイル)

「この商品が生まれた背景は、一体何だろう?」と考えていたら、なんだか空しくなってきた。
実際の商品開発の場で、どのような発想で商品化されたのかは判らないのだが、一つは昨年の東京電力・福島第一原子力発電所事故(以下「フクシマ事故」とする)によって、戸外で子どもを遊ばせるコトに抵抗感のある親御さんが多くいらっしゃるのでは?と考えたのだ。
東海地区では、その様な抵抗感を持って戸外で遊ばせない、と言う親御さんはまずいらっしゃらないと思う。
しかし、福島の方はもちろん関東にお住まいの方にとって、子どもを戸外で遊ばせるコトに抵抗感を持っている方は、ある程度いらっしゃるのでは?と、思ったのだ。

もう一つは、外遊びそのものが苦手なお子さんが増えてきた、と言うコトでは?と、思ったのだ。
小学生の中学年くらいから、都市部の小学生達は「中学受験」のため塾通いが始まる。
それ以前でも、様々な「お稽古ごと」に通う子供達は多く、外遊びができる年齢というのは、それこそ幼稚園などに通い始める前位かも知れない。
凧揚げに限らず、未就学の頃から「外遊び」の経験を余りしていない子ども達が、増えてきているかも知れないのでは?と、おもったのだ。
元々外で遊ぶ為の公園が限られているだろうし、何より電線に凧を引っかけては大変だ。
街中を歩いて見るとよく分かるのだが、住宅地の空には電線が縦横にあり、電線が無いトコロには、マンションが建っている・・・そんな状態でのんびり凧を揚げる場所を確保するコト自体難しいのかも知れない。

「戸外でのびのびと遊ばせたい。戸外でなくては遊べない遊びをさせたい・・・」そんな気持ちを持った親御さんにとって、この商品は「戸外で遊ぶ疑似体験」をさせるコトができる。
それが、この商品の魅力だと思うのだが、その「疑似体験」でしか経験させるコトができない、外遊びというコトがとても空しく感じたのだった。