日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

今年を振り返る

2023-12-28 20:59:44 | アラカルト

今日が「仕事納め」という方も、多かったのではないだろうか?
新聞紙上には、今年亡くなられた方々の写真と功績が紹介される、という紙面も見るようになった。
という訳でもないのだが、拙ブログでも振り返ってみたいと思う。

政治と経済
とにかく今年一番悪目立ちをしたのは、政治家だったのではないだろうか?
今日も、自民党の柿沢議員が逮捕というニュースがあり、今も同じく自民党の池田議員の事務所等に捜査が入っている状況だ。
池田議員が愛知出身の自民党議員だと知ったのは、実はこの事件が切っ掛けで選挙区が違うと興味も何もないのだな~と、我が事ながら反省をしている。
それにしても、切っ掛けとなったのは「パーティー券でえた収益を還流させ議員の懐に黙って入れていた」という、内容だった。
金額の多さ・少なさの問題ではないのだが、長年にわたり当たり前のように脈々と受け継がれてきた、ということにもその根深さを感じさせる。
そして改めて知るのが、議員のいう「政治にはお金がかかる」という言葉だ。

この言葉に対して、多くの有権者は「政治ではなく、選挙に金がかかる」という意味だと、受け止めているのでは?と、想像している。
というのも、日本の政治家の多くは「選挙期間中は平身低頭で『お願いします』を連呼するが、当選後はふんぞり返って何もしない」という政治家もどきの方が大多数だからだ。
議場で居眠りをしたり雑誌を読む姿は、写真週刊誌等に何度も掲載されても反省することなく、続いていることから、「目的は政治家になることであって、政治をすることではない」ということなのだろう。

これだけ政治がボロボロであれば、経済そのものも上向く要素は少ないのは当然だろう。
確かに、日本を代表するトヨタ自動車は過去最高の販売台数を今年記録し、世界でもNo.1 ということになっているのだが、この状況を生んでいることが良いことなのか?
トヨタ自動車の販売台数というのは、あくまでもディーラー向けの販売台数なのでは?というところから目を向ける必要があるのでは?と、考えている。
ましてこの数字は世界市場における数字であって、国内割合は年々減少しているという現実がある。
それだけ日本国内で新車を購入する人が減っている、ということでもあるのだ。
企業の収益だけを見て「日本経済」を見ると、現実と乖離した数字が出てくるコトは間々としてある。

何より、昨年から続く円安傾向は、日本に住む人の生活を直撃している。
実質賃金が、過去30年間下がり続けているという現状は、(言葉が暴力的だが)戦争をしていない国でありながら、世界的に珍しいのでは?
それだけ国内経済は大きく傷んでいる、ということでもある。

スポーツ文化
このように、私たちの暮らしに直結するような政治経済が、ボロボロだった今年だが、スポーツや文化等に目を向けると明るい話題が多かったように思う。
WBCでの日本優勝は勿論、WBCで活躍をしその後もメジャーリーグで活躍を続けてくれた大谷選手の数々の話題は、海の向こう米国の話題でありながらも日本を明るくしてくれた。
将棋の藤井聡太さんの史上初の八冠もまた、明るい話題だったし、若い世代の活躍そのものは社会を明るくする話題だと実感した。
わずかかもしれないが、藤井八冠が対局で頂いた「おやつ」が、話題になり意外な経済効果をもたらしてくれた、という地域もあったのではないだろうか?
実は、JR名古屋駅構内で販売されている「ぴよりん」という洋菓子を、藤井八冠が対局で頂いたと話題になり、その可愛らしい形で「JR名古屋駅の名物」となっていたのが、わざわざJR名古屋駅まで来て行列に並んで購入する、という人が続出する等の経済効果を生んでいる。

もう一つは、J-Popの海外人気だ。
背景にあるのは、元々世界で人気の高かった日本アニメという強力なコンテンツの影響ということを忘れてはいけないと思うのだが、アニメの主題歌を今一番人気のあるミュージシャンたちが手掛けている、ということも世界的J‐Pop人気の要因ともなっているのだが、米国のBillboard誌のGlobalChartで、YOASOBIの「アイドル」が1位を獲得するとは、予想をしていなかった。
Billboard誌のGlobalChart、日本というカテゴリーを見ると、アジアだけではなく世界の様々な地域で日本のJ-Popが受入れられ始めている、と実感する。
Billboard誌 CHART insight(Japan):2023.12.15~21 日本

拙ブログに来られる方の中には、「知らない名前ばかり」と感じられるチャートかもしれないのだが、今世界の音楽シーンで注目されている日本のバンドやミュージシャンたちの多くが20代=30代前半であり、彼らの多くは日本だけを自分たちの音楽を届ける場所だとは、考えてはいないのでは?
このような分野で世界市場に行くことを一つの目標としている若者たちの存在は、これからの日本に大きな影響を与えるのでは?と、期待している。

昭和の悪しき慣例に縛られ続けている政治と経済、それに対してより自分自身でこれまでの枠を打ち崩そうとする若者たちがスポーツや文化をけん引した年だったように感じる。

今年のブログ更新は、本日が書き納めとさせていただきます。
拙ブログに来てくださる皆さま、良いお年をお迎えください。
そして、来年の干支のように力強く空を駆け巡る龍のような年となることを願って。


ダイハツの不正事件に思うこと

2023-12-26 21:25:11 | ビジネス

ダイハツの不正が発覚して、数日たった。
ダイハツという企業に対する不信感は、高まるばかりだがその一方で「自動車メーカーの寡占化」を指摘する方もいるようだ。
確かに、ダイハツの不正が始まったのは、34年も前から始まった、という事実もあるのだが、その一方でトヨタ自動車との軽自動車分野でのOEMが、始まった頃から急激に増えたという指摘もあるからだ。
ITMedia ビジネスon-line:「ダイハツが34年も不正していた」と聞いても「でしょうね」としか感じないワケ
Smart FLASH:なぜトヨタグループで問題が続発するのか・・・ダイハツ、日野、自動織機に続き米国トヨタでも100万台リコールの惨状

実はこの指摘を聞いた時、「さもありなん」と感じたのだ。
トヨタ自動車は、別名「トヨタ方式」と呼ばれる生産方式をとっている。
「トヨタ方式」というのは、徹底した合理化と生産管理だと言われている。
このような考え方の製造方式で、戦後の日本の高度経済成長期を支え、バブル経済崩壊以降も持ちこたえるだけの力を蓄えることができた、ということについては、異論がないのではないかと思う。

その反面、「納期の短縮化」や「孫請け、曾孫請けに対する歯列な価格叩き」という状況も起きている。
その結果という訳ではないのだが、日本人一人当たりの生産性は、年々下がり続けていてG7の中で、遂に最下位になってしまっている。
TBS News :日本の1人当たりの名目GDPがG7最下位 円安響く 

記事にある通り、円安の影響は少なからずあると思う。
その反面、以前エントリをさせていただいた「歴史から学ぶ」と、実は現在の日本は1ドル360円位に落ちている、という指摘もされていた。
1ドル360円というのは、戦後日本が「固定相場制」で貿易を行っていた50年位前の話だ。
当時は、日本が高度経済成長期で、経済だけではなく社会全体も活気があり、サラリーマンの給与も急激な勢いで上がっていっていた時代だ。
その頃の製造業の中で生まれた生産方式が「トヨタ方式」だと言っても過言ではないと思っている。
「乾いたぞうきんをまだ絞りつくして、利益を生む」そのような考え方があったからこそ、日本は「高品質で低価格」の工業製品を世界に売り出すことができたのだ。

しかし、今の日本にはそれだけの活気もかければ、経済力もない、というのが実情だ。
とすれば、「トヨタ方式」が本当に良いのか?ということになる。
その一つの答えとして「現場を把握していない上司」という存在があるように感じている。
毎日新聞 経済プレミア: 「上司に相談しても意味ない」ダイハツ不正の悲しい現実 

特に現在の自動車メーカーの寡占化のような状況になると、「現場を知らない上司」は生まれやすい環境になる。
何故なら、母体となるモノが大きすぎて「経営者側を見て仕事をする」傾向が表れやすいということと、「責任の所在が現場に押し付けられやすい」という状況に陥りやすいからだ。
別名「大企業病」と呼ばれるモノだ。

そう考えると、今回のダイハツの不正事件はとても残念なことではあるが、ダイハツにとって大きく変革を起こすチャンスとなるかもしれない。
それは「利用者にとってのダイハツ」というクルマづくりを考える、リスタートととらえることもできるからだ。
決してポジティブな状況ではないが、「高品質だからこそ高くても納得できるものづくり」をしていく時代を切り開いて欲しいと考えている。


今年のクリスマスのために‐追悼 坂本龍一‐

2023-12-24 23:29:36 | 徒然

今日は、クリスマスイブ。
家族で一緒に過ごされたり、親しい友人や恋人と過ごされている方も数多くいらっしゃるだろう。
今年、私が選んだクリスマスの為の楽曲は、今年春、亡くなられた坂本龍一さんの「戦場のメリークリスマス」
ご存じの方も多いと思うのだが、英語タイトルは「MaryChristmas Mr.Lawrence」。

今年のクリスマスを家族や友人、恋人と一緒に暖かく過ごせる人達だけではなく、今も戦禍の中厳しい冬に凍える人達にも、故大島渚監督が映画に込めた意味と思いを伝えるため、何より、粋に、坂本龍一さんの音楽を楽しに追悼の思いを込めて。

リンク先のYouTube動画は、亡くなられる前の、、2022年12月11日収録のライブ動画。
Ryuichi Sakamoto:MaryChristmas Mr.Laweence 


日本のヒットドラマが海外へ ‐クールジャパンの新しい方向性‐

2023-12-22 20:20:12 | マーケティング

今朝FM番組を聞いてたら、「政府肝いりのクールジャパン事業は、ことごとく失敗をしているのにな~」と、感じる話題があった。
それが今年の夏ドラマで話題になった、TBS系列で放送された「日曜劇場・VIVANT」だ。

放送時から、人気が高く続編の期待等もあったと思う。
話題としても、同じ時間枠で大ヒットとなった「半沢直樹」で主演を演じたのち、ドラマなどから遠ざかっていた堺雅人さんが主役。
脇を固める俳優陣も、そのほとんどが主役級だったこと、「半沢直樹」をはじめ同じ時間帯で放送された重厚感あるドラマの監督を務められていた、福澤克雄さんのTBS最後のドラマとしても、話題になった。
その為TBSでは、ドラマを盛り上げる為に様々なスピンオフ(?)番組も制作していた。
それほどまでに、ドラマを制作するTBS側が力を入れた、ドラマでもあった。

その「VIVANT」が、Netflixで世界190以上の国と地域で、配信されることになったという。
TBS:日曜劇場「VIVANT」Netflixで世界配信決定! 

Netflixと言えば、今では米国映画の最高賞とも言われる「アカデミー賞」に、ノミネートされるような作品を制作するようになっている。
そのNetflixが全世界190以上の国と地域に向け配信をするとなれば、Netflix側もそれなりの本気度がある、ということだろう。
少なくとも、ある程度の配信利益が出る、と見込んでの配信契約をしたと考えるのが自然だ。
そしてこの「VIVANT」の成功が、今後日本ドラマの海外進出となる可能性はある。

そして思い出すのは、「クールジャパン事業」の素となった、日本アニメの力だ。
元々日本のアニメは、世界でも人気が高くアニメのキャラクターを真似るコスプレーヤーも世界各地にいる。
毎年8月に名古屋で開催される「世界コスプレサミット」等は、日本アニメの人気の高さを表すイベントだと言える。
それだけではなく、今年の6月6日付けビルボードグローバルチャートで、YOASOBIの「アイドル」が1位を獲得している。
ご存じの方もいらっしゃると思うのだが、「アイドル」という楽曲は、アニメ「推しの子」の主題歌だ。
Billboard Global Chart:YOASOBI「アイドル」が米ビルボード・グローバル・チャート "Global Excel U.S"で首位獲得 

このようなアニメ人気にあやかり政府の旗振りで行ったのが「クールジャパン事業」だったのだが、ことごとく失敗し、累計で50億円以上の赤字を出していると、記憶している。
そんな赤字はどこ吹く風、という感じで日本のJ-popやドラマは、海外から注目され、買われているのだ。
ドラマ「VIVANT」に関しては、放映時から海外での公開があるのでは?と、噂されていたと思うのだが、「やはり」という感じで世界配信が決まった。

そう考えれば、それなりのドラマや映画をつくれば海外からの買い手が付き、Netflixのように100を超える国や地域での配信がされる、という時代になっている、ということでもある。
そしてこれからのクールジャパンの方向性を示しているのでは?という、気がしている。


「ブランド」マネージメント

2023-12-21 20:17:19 | マーケティング

今月はボーナス支給月でもある。
公務員や大手企業の多くは12月10日頃が支給日だったはずだ。
日頃節約を心掛けざる得ない状況の生活者にとって、ボーナス支給というのは「家計が一息つける」という感覚もあるのでは?と、想像している。

そのボーナスが支給されないとして、話題になった企業がある。
若い女性向けアパレルブランドの「サマンサタバサ」だ。
一時期は、高校生~20代前半のOLさんたちが、サマンサタバサの服やバッグ等を持ち歩いているのが、当たり前だった。
理由は、価格帯が比較的安く、デザインもカワイイ、ということだったような記憶がある。
他にあるとすれば、百貨店ではなくショッピングモールに出店していた、ということも人気となった理由の一つかもしれない。

この「サマンサタバサ」の話題より少し前に話題になったのが、ジュエリーショップ「4℃」だ。
昨年だったと思うのだが、敬宮愛子内親王殿下のお誕生日動画で身に着けていたネックレスが、「4℃」のものではないか?と、話題になったのでブランド名を覚えている方もいらっしゃるかもしれない。
実際に身に着けていらっしゃったのは、4℃のモノではなかったようだが、この話題で日頃若い女性向けのジュエリーに興味のない人にまで、ブランドが知れ渡ったのでは?という、気がしていたのだが、現実はそれほど優しいモノではなかったようだ。
ITMediaビジネス:なぜ「サマンサタバサ」はここまで追い詰められたのか「4℃」との共通点 

ジュエリーショップ「4℃」は、日本のジュエリーショップの中でも決してハイブランドな位置づけのショップではない。
どちらかと言えば、カジュアルな部類だろう。
その為、リンク先の記事にあるように大学生くらいの男の子が、彼女にプレゼントするには値ごろ感がよく、デザインもカワイイという点で、「外しがないプレゼントブランド」として人気があったことも確かだ。
ただ「外しがないプレゼントブランド」という側面ばかりが強調されると、それもまた違う気がするのだ。
それは購入の中心は、若い男性ではなく、若い女性だったはずだからだ。

「コロナ禍」以降、私自身も実店舗に行ってはいないので、はっきり言えないのだが、「サマンサタバサ」にしても「4℃」にしても、若い女性がファッションブランドとして初めて出会い、購入をする、という部分が強かったのでは?という印象を持っていたからだ。
「若い男性にとって、外さないプレゼントブランド」となったのは、贈る相手の女性が好んで読むファッション雑誌等で、度々紹介されていたからだ。
逆に言えば、上述した「若い女性が初めて出会い・購入するファッションブランド」ということになる。

その若い女性の人口が減りつつある中、同じような戦略でブランドマネージメントをしていたとすれば、先細っても仕方ないだろう。
むしろ「ファーストブランド」という位置づけで、ブランドマネージメントを考えていれば、「ファーストブランド」として体験した生活者の成長に合わせたブランド展開を検討する必要があったのでは?

確かに日本の女性は「永遠の少女」的な、乙女チックなモノ・コトが世代を問わず好きな傾向がある。
しかし高校生だった女の子は、いずれ社会人となりキャリアを積み、家庭との両立で悩むようになる姿がある程度想像できる。
その時、ファーストブランドとして出会ってくれた彼女たちの成長やライフステージに、どう寄り添えるブランドになるのか?その視点があれば、もっと状況は変わっていたのではないだろうか?




Businessには、「運」が必要か?

2023-12-19 19:58:50 | ビジネス

毎日ある程度の量のビジネス関連のサイトを読む。
当たり前と言えば、当たり前のことではあるが、複数のビジネス関連サイトを読んでいると、気づくことがある。
それは「今、話題になっている人・モノ・コト」だ。
これらのことを、一般的には「トレンド」と呼ぶのだと思う。

今回、フッと記事なった記事があった。
BusinessInsider:イーロン・マスクの運がついに尽きた 

この記事には続きがあるようなので、気になる方は続きも読んでいただければと思うのだが、気になったのは「ビジネスは運なのか?」ということだ。
かつて経営の神様と呼ばれた、松下幸之助は「君は運が良いか?」という趣旨のことを面接で尋ねて、採用をしていたそうだ。
勿論、採用するのは「自分は運が良いと思っている」と、答える人物ということになるのだが、この「運が良い・運が尽きた」と言われる「運」とは何だろう?と、気になったのだ。
人によっては、「自分の努力ではどうしようもないモノ」、「偶然、天から降ってくるようなモノ」と考えるかもしれない。
他の人は「商機を見極める力」とか「自分から、つかみ取るモノ」、「チャンスの女神の前髪を掴むこと」と、考える人もいるかもしれない。

ここで考える必要があるのは、「自分の努力の有無」ということだ。
自分で努力をして、その商機を見つける、チャンスの女神の前髪を掴みとれる努力をする、という意味と、偶然性に任せるという二つの発想がある、ということなのだ。

そして今回のイーロン・マスク氏の場合は、どちらなのか?というとらえ方で、その記事の内容のとらえ方も大きく変わるはずだ。
例えば幸運の偶然性が重なった、と考えれば「運が悪かったね」という程度のコトだろう。
それに対して、自分から積極的に「運を勝ち取ってきた」というのであれば、「万策尽きた」ということになるのかもしれない。

イーロン・マスク氏をEV自動車のテスラ―やスペースXの創業者だと思っていらっしゃる方も多いかもしれないが、実はマスク氏は創業者ではなく、創業者同士でうまくいかなくなった時に、資金援助等をし最終的に経営を乗っ取った(というと言葉が悪いが)感のある経営者だ。
巨大IT企業と言われるGAFA+マイクロソフトのように、起業家としてスタートした経営者ではない、という点で「経営」について、大きな違いがある。
そのことを踏まえ、記事を読んでみるとマスク氏の強引ともいえる「経営手法」が、今の社会に通じなくなってきている、と読み取ることができる。

「今の社会に通じる経営手法」とは何か?
一言でいうなら「企業は経営者の懐が潤う為にはない」ということだろう。
ステークホルダーと呼ばれる、企業を取り巻く様々な人達の生活を豊かにするだけではなく、遠く離れた国にあるサプライチェーン(サプライチェーンはステークホルダーの中にある、ともいえるのだが、身近ではない為忘れがちになる)がある国の人達、当然のコトながら地球環境等に対して、考えていかなくてはならなくなっている、というのがグローバル企業の経営の考え方の基本、となってきていると、感じている。

ところが、マスク氏が最近行った旧ツイッター社に対する行いは、これらのことに配慮・検討されていたとは思えず、むしろ「自分のモノだから、自分の思うようにやりたい」という、意思が見え隠れしていたように感じている。
それが引きがねとなり、「運が尽きた」のでは?と、読みながら感じたのだ。


政党支持率17%

2023-12-17 20:28:53 | アラカルト

毎日新聞に、自民党の支持率について記事が掲載されている。
毎日新聞:自民党支持率急落17% 立憲上昇で3ポイント差に 裏金疑惑受け  

内閣支持率と政党支持率は、ご存じのように違う。
内閣支持率が低くても、政党支持率が高い、または逆に内閣支持率は高いのに政党支持率が低い、という場合も稀にあると言われている。
しかし、このような例は少なく、基本として政党支持率と内閣支持率は、リンクしあうような関係にあるのが一般的だろう。
何故なら、多くの場合与党である政党を支持している人は、その政党の党員であり、党員が選んだ人物が首相となるからだ。
政党支持率の中には、与党党員以外の人達も含まれているので、単純に政党支持率と内閣支持率がリンクしている、とは言い切れるモノではないが、多くの場合リンクしあう関係と言ってもよいのでは?と、考えている。

今回の場合、岸田政権に対しての支持率も低下しているのだが、それ以上に急激に支持を減らしたのが自民党であった、ということになる。
ある意味、政党支持率と内閣支持率がリンクしている感があるのだが、問題はその支持率の低ださ。
この意識調査から言えるのは、今回の「パーティー券裏金疑惑」は、自民党党員からも支持を失っている、ということだろう。
岸田内閣が低いながらも、政党支持率より高いということは「岸田さん以外の首相候補がいない」とも、読み取ることができる。

各メディアが次の自民党総裁候補者を、上げてはいるが、果たして今の状況で内閣退陣後総理候補となる人物は、「自民党の建て直し」という重責を負うことになる。
内閣の首相でありながら、自民党総裁ということになると、予想されるので課せられる責任は、とても大きい。
そんな「渦中の栗」を拾うような人物が自民党内にいるのか?
板としても、その人物も今回のような「裏金疑惑」が、全くないと言えるのか?
何より、「党の顔」として、次の選挙を戦うことができるのか?という、問題を抱えることになる。

そもそも今の状況で、岸田首相が「選挙」に打って出ない理由は、短銃明快だ。
「今の状況では、選挙に勝てない」からだ。
これまで与党が「解散⇒総選挙」をする理由の中には、「内閣をリセットする」という目的もあったのでは?と、感じている。
ところが今の状況は、衆議院を解散し、出直し選挙をしたとしても、自民党が確実に勝てる要素はほとんどない。
むしろ、大敗するだろう。
それを表すのが、政党支持率の低さだ。
「安倍派を一掃した内閣にしても、自民党は変わらない」ということを、今回の毎日新聞はいっているようなモノだからだ。

今一度有権者として考える必要があるのは、「国の仕組みを変えることができる唯一の方法が、選挙である」ということだ。
自民党安倍派(=清和会)が政治の中心となってから20年余り。
任期満了になってからの総選挙になるのか、どうなのかはわからないが、有権者が政治と向き合うことが求められているようにも思える「政党支持率17%」だ。


歴史の中から学ぶ、未来

2023-12-15 23:12:07 | アラカルト

「パーティー券裏金問題」の収束が見えない状況になりつつある。
自民党安倍派だけではなく、他の派閥でも同様のコトが行われていたのではないのか?
それだけではなく、日本の政党そのものがそのような「裏金文化」を持っているのでは?という、気すらしている。
事実、渦中の安倍派の議員の中には「文化という認識をしていた」と、新聞社のインタビューに答えている。
朝日新聞:「文化という認識」「存在を忘れるくらい」鈴木前総務相が裏金明かす

この言葉の重みを鈴木前総務相は、感じているとは思えない。
「文化」がつくられていく過程は、1年2年というスパンではなく10年、20年という長い時間をかけ多くの人が受けいれ、根付くことが必要だからだ。
そうして、無意識の中で感じられるようなアイデンティティのようなところがあるのが「文化」だからだ。
言い換えれば、政治の世界において「裏金づくり」は、長い間政治家が受入れ、その行為そのものが当たり前のようになった、ということでもあるのだ。
だからこそ、その「裏金づくり」に関わった政治家たちの言葉が、どこか他人事のようになっているのだ。

4年ほど続いた「コロナ禍」が落ち着き始め徐々に生活者が、「コロナウイルス」以外に目を向け始めたのが、今年だったように思う。
この4年間停滞していた様々なモノ・コトが動き始めたら、「コロナ禍」以前と全く違うことになっていた、と感じる生活者は多いのでは?と、想像している。
「これまで当たり前」だと思っていたモノ・コトが実は、当たり前ではなかった、ということを知らされた「コロナ禍」だったからだ。

例えば「通勤」という概念も「リモートワーク」という、働き方を示してくれた。
現在では「リモートワーク」から、「通勤」へと切り替えている企業も多くなっているが、介護や育児等によって一時期的に職場を離れ「リモートワーク」をするようになったビジネスパーソンもいるのでは?
確かに「リモートワーク」そのものは、個人裁量による労働時間の管理等難しい面があるのだが、徐々に制度として整い、利用する人が増えればそれは「働くスタイル」として、一つの文化となるだろう。

そのように考えると、今年はこれまで「当たり前」だと思っていたコトが「違うのでは?」と、疑問や疑いを持つ年であったのかもしれない。
このような時、参考になるのは「歴史から学ぶ」ということだと思う。
というのは、先日偶然見かけたYouTubeに興味深い動画があったからだ。
NewsPicks:世界的な諍い、知性の進歩、国内政治を歴史に学ぶ 

45分という、長い時間の動画なので少し抵抗感を持たれるかもしれないし、「タイパ(=短時間が最大の価値という考え)」という今の時代に、45分という時間はもったいない、と思われるかもしれないのだが、来年以降の社会を考える一つの種として、見ていただければと思う。

この動画を見て感じたことの一つに、今のような政治や官僚の考えではいずれAIに取って代わられるのでは?ということだった。
SFに登場するような話になるのだが、単に学力的に優れている人が国の政策を考えること(=官僚政治)、地元に利益を与えてくれる有力者家系から代々政治家として支持すること・・・これらは、本当に国民の生活にとって良いことなのか?ということなのだ。
単純に学力的に優れているだけであれば、AIロボット「東大くん」で十分だろう。
現在は、東大入試突破は難しいとされているAIロボット「東大くん」だが、今年話題となった生成AI等の能力を取り込むことによって、状況は変わってくる可能性は高い。

現在ホワイトカラーと呼ばれ、高収入を得ている職業ほど生成AI技術が進むにつれ、必要のない仕事となる可能性が高い、という指摘は現実味を帯びてきているのだ。
その中でも議場で居眠りをしているような政治家は、AIよりも劣ると言っても過言ではないだろう。
しかしそのような人たちが「派閥の文化としてあった」と、シラッと言われると有権者どころか国民はいたたまれない。
そのような問題提議をしてくれた、安倍派の「パーティー券裏金」には、皮肉を込めて感謝したい。



森喜朗という、政治家に縋った?安倍派

2023-12-14 14:38:19 | アラカルト

今日、木曜日は「文春」と「新潮」という、一般誌が発売される日だ。
勿論、新聞にもこの2誌の広告は掲載されている。
その広告を見て、「森元首相」という言葉がどちらにもあったことに、今回の「パーティー券裏金づくり」が数年前からではなく20年以上前から始まっていた事。
そして、ご自身の相次ぐ失言により内閣支持率を大幅に下げ続け、退陣後も自民党内での発言力が衰えなかった理由が、わかった気がしたのだ。
文春や新潮の記事ではないのだが、集英社のサイトにわかりやすいWeb記事があった。
集英社:<裏金問題・迫る特捜部>会長も不在、ポストも失い、安倍派は崩壊へ…”裏ボス”森喜朗元首相は「施設に入るので」と雲隠れ?・・・

まず整理をしておくと、安倍派と呼ばれる派閥は「清和政策研究会」という名前で、始まりはその名前の通り「清廉な政治を目指す政治研究会」だったようだ。
その「清和政治研究会」の会長の一人が、森本首相という訳だ。
安倍元首相の前の会長は、先日亡くなられた細田博之元衆議院議長で、その前が森元首相ということになるようだ。
そう考えると、自民党の中でも最大派閥と言われることに、納得する部分もある。
自民党内の要職だけではなく、内閣でも要職に就いている人物を輩出しているのが「清和政治研究会=安倍派」だからだ。

歴任の会長の中でも、森元首相は異質な存在ということになる。
在任中、保守系の新聞社の一つである讀賣新聞の2001年2月の内閣支持率調査で、(前代未聞の)8%台にまで落ち込む、という記録を残しているからだ。
岸田首相が「内閣支持率危険水域」と言われていても、まだ20%台だったと思う。
一桁の支持率だった内閣というのは、後にも先にも森首相だけだったような記憶がある。

有権者からの支持率は、それほどまでに低いのに自民党内で圧倒的な力を持っていたのは、もしかしたら「潤沢な資金」があったのでは?ということなのかもしれない。
その「潤沢な資金」の源泉となったのが、今回の「パーティー券裏金づくり」という手法だったとすれば、一連の大きな流れのようなモノが分かるような気がしたのだ。

この「清和政策研究会」を立ち上げたのは、故福田赳夫元首相だった。
ロッキード事件等で揺れる自民党の中で、故三木武夫首相が登場し政治の清廉性を打ち出したのだが、党内での力が弱く早々に退陣。
その退陣の急先鋒となったのが、故福田赳夫元首相だった(と、記憶している)。
その故福田赳夫元首相の下に集まった当時の若い政治家たちが、ここ20年余り自民党=日本の政治の中心であった、ということを考えれば、政治家としての個人的能力ではなく、派閥と呼ばれる「組織の力」を後ろ盾にして、首相や要職に就いていた政治家ばかりであった、ということが分かる。

その中でも集金力があり、声の大きな(発言権があるというだけではなく、声そのものも大きい)森喜朗氏に、縋り続けることになった自民党、ということを考えれば、「選挙に勝つ」ことが最優先であった、ということが何となくわかるような気がするのだ。



2万のサンドィッチとは、どんなお味なんだろう?

2023-12-13 23:18:54 | 徒然

Yahoo!のトピックスにも取り上げられていたので、ご存じの方も多いと思うのだが、「自民党パーティー券裏金」問題で、新たなパーティー券手法があったようだ。
中日スポーツ: 「架空パーティー。すごいの来た」西村康稔経産相に”文春砲”10人足らずの茶話会で儲けは1回数百万・・・

中日スポーツのタイトルは、もっと長いのだが割愛をさせていただいた。
「架空パーティー」の実態は、経済産業省の官僚10名あまりを動員し、講師の話を聞く、という内容だったらしい。
それで1回につき数百万集めることができる、ということは、物凄い集客力だ。
しかも、動員をしているのは経済産業省の官僚。企業からの参加者の人数は?となると「・・・???」ということらしい。
パーティー券1枚2万円ということなので、集まった金額から言えば200人以上は集まった、という計算になる。
しかし使われた会場は、10人程度しか入れないホテルの会議室。

この記事から読み解くと、どうやらパーティー券を購入した企業からの参加者は誰一人としていない。
ホテルの会議室を借りるにあたり、経済産業省の官僚に動員をかけ、ランチと称してサンドウィッチのような軽食を提供した、ということのようだ。
講師として呼ばれた人物はいたのだろうか?
当然、省外から講師を読んでいると思うので、経費上では講師代も支払われている、ということになると思う。

まず、経済産業省に勤めている人は「国家公務員」なので、いくら大臣だからと言っても、私的目的で動員させることは、法的に問題はないのだろうか?
昼休憩にホテルの会議室で、ランチと称してサンドウィッチと飲み物を提供した、ということだろうか?
ホテルランチの2万円のサンドウィッチは、一体どんなお味だったのだろう?
例え「卵サンド」のような、一般的なサンドウィッチだったとしても、使われた素材はさぞ「超」が付くほどの高級食材だったことだろう。

西村大臣と言えば、安倍政権下で「新型コロナ対策」の担当大臣として、活躍をされていたという印象しかない。
活躍というよりも、「大臣マスク」と呼ばれた「奥様手作りの布製マスク」を愛用されていた、という印象の方が強い。
当時は、「新型コロナ」という正体が判明しないウイルスとの闘いの真っ最中だったこともあり、政治そのものも停滞していた時期だったような記憶がある。
そのような社会状況の中で、連日報道され、答弁などもそれなりにされていた、という記憶があったので、裏でこのようなことをしていたのだと知ると、そのギャップが大きい分有権者が持つネガティブなイメージは大きく下がっているだろう。

議員さんたちは、複数の「政策勉強会」に所属している様だが、勉強すべき人物はパーティー券を買ってくれる企業ではなく、政治家本人と政策秘書さんなのでは?
そのような「政策勉強会」そのものの見直しも、急務なきがする。