日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ファッションも世につれ?

2010-10-31 07:39:35 | ビジネス
昨日、神戸で「ストッキングだけのファッションショー」が、開催されたようだ(紹介記事は、時事通信)。
それも、現在ストッキングを製造販売をしている、大手3社(アツギ・グンゼ・福助)が共同で開催した「男子禁制」のイベントだったようだ。

このニュースを見て、フッと思い出したことがある。
それは、若い女性のストッキング離れだ。
確かにここ2、3年、顕著になってきているのが「夏の生足(ストッキングを穿いていない)・冬のレギンス(最近では足に引っ掛けるトレンカ)」と言うスタイルだ。
それが今年は、「夏でもレギンス」と言う若い女性が多かった。
その理由は、ショートパンツやマイクロミニと言った、極端に丈の短いボトムとあわせるためだ。
余りにも短いマイクロミニにトレンカというファッションの女性を見て、「アレ?!スカートは??」とビックリしたこともあった。

ただ、このレギンス人気を「冷房対策?」と思っていた部分もあった。
実際、スカートにレギンスをコーディネートすると、冷えやすいお腹や太ももなどを冷やさずに済む。
ある意味、実用的なファッションだとも言える。

反面、このようなファッションには、「キチンと感」がない。
そのため、オフィス街でこのようなファッションの女性を見かけると、「ムゥゥ~、どうよ、そのファッション」と、突っ込みたくなってしまうのだ。
社会全体が、カジュアル傾向・思考にあると見るべきなのか?と、考えてしまうこともあった。
「ON・OFFのボーダーレス化?」とも考えてしまうのだ。

実際、10年余り前のストッキングの売上が10億を越していたのに対して、昨年は1億数千万までに激減している。
通販カタログのストッキングが激減し、レギンスやトレンカが増えたのも、ここ1,2年の傾向だ。
オフィス街の女性の服装も、スカート姿の女性よりもパンツ姿の女性の方が多い。
先日も夜、何気なく見ていたテレビ番組で、人気の高い女性タレントさんがレインブーツをプレゼントされ、早速(履いていたブーツを脱いで)履いてみるという場面があったが、確かストッキングではなく普通のソックス(いわゆる靴下)を穿いていて、驚いたコトがあった。

「戦後強くなったのは、女性とストッキング」と言われたのは、50年ほど前だろうか?
それから女性が強くなったかどうかは別にして、ストッキングは様々な進化を遂げてきた。
チョッと引っ掛けた程度では、伝線しないように編地が工夫されたモノ、足全体を着圧しむくみ予防をするようなモノ、レース柄などなど・・・。

「女性のストッキング離れ」が、単なるファッションの多様化と言うだけではなく、社会全体が変化しつつある(=カジュアル思考)と感じるのは、私だけだろうか?


日本を元気にするのは、女性たち?

2010-10-29 20:36:50 | ビジネス
今週、新聞にある雑誌の一面広告が掲載されていた。
「雑誌が売れない」といわれる中で、数少ない「売れる雑誌」を作り、「付録雑誌」の元祖(?)の宝島社の新しい女性雑誌の広告だ。
新聞広告では「アラフォーと呼ばないで 40代女子」と言うコピーがついていた。

「アラフォー」と言うコトバが流行したのは、3年ほど前だろうか?
今ではすっかり、「40代」と言うコトバに取って代わった感がある。
そこへ「アラフォー」と言うコトバを否定(と言うほどではないが)するコトで、逆に印象づけることに成功している。

「アラフォー」と言うコトバの流行で、40代女性の元気さを印象付けたように思う。
それをあえて「40代」と言うコトバで、より具体的な「元気世代」をより強く印象づけているという気がするのだ。

ところで、「巡子(じゅんこ)さん」と呼ばれる女性たちがいることを、ご存知だろうか?
海上保安庁・巡視船の追っかけファン(と言うのだろうか?)をする、女性たちのことだ。
しばらく前「鉄子さん」と呼ばれる、鉄道ファンの女性が話題になったが、「巡子さん」は海上保安庁・巡視船ファンだ。

この「巡子さん」などは、まさに40代が中心。
と言うのは「巡子さん」たちが登場するキッカケとなったのが、海上保安庁を取り上げたテレビドラマや映画のヒットだと言われている。

ここ数年、「○○子さん・○○ガール」と呼ばれる元気な女性たちが、話題になっている。
「山ガール」と呼ばれる女性たちは、登山が趣味と言う女性たち。
もちろん、ファッションも抜かりはない。
「鉄子さん」や「巡子さん」は、デジ一を下げ、鉄道や巡視船を追いかけ(と言うべきか?)全国各地を巡り歩く。

何となく、内向き傾向が見られる日本社会の中で飛び回っているのが、このような「○○子さん」や「○○ガール」たちだ。
「飛び回っている」と言うコトは、当然それなりの経済的効果がある。
交通費だけではなく、カメラやカメラ機材、ファッション、現地での消費活動などなどを考えれば、案外「○○ガール」や「○○子さん」たちがもたらす経済効果は、大きいのではないだろうか?



弱小球団は、経営のお荷物なのか?

2010-10-27 21:24:23 | スポーツ
横浜ベイスターズの買収話を進めていた、住生活GとTBSとの交渉が破談になった、とスポーツ新聞を含む新聞各社のWEBサイトに、掲載されている。
破談理由は、本拠地を住生活G本社のある新潟に移転させる、させないと言うコトのようだ。

ところが、このニュースを受け住生活Gの株価が急騰したと言う。
住生活株急騰、横浜買収交渉打ち切りを好感(サンスポ)
株式市場では、ベイスターズの買収を良く思っていなかったような、印象だ。
その理由は、やはり「弱小チーム」だからだろう。 
もしくは「プロ野球チームとして、魅力が無い」と、株式市場では判断されていたと言うことだろうか?

ところで、横浜に住んでいらっしゃる、ベイスターズのファンの方には大変申し訳ないのだが、横浜に住んでいらっしゃる方の中で、本気にベイスターズ新潟移転に反対していた人は、どのくらいいらっしゃるのだろう?
その前に、どれ程の方々が、ベイスターズのホームゲームのチケットをお金を出して購入しているのだろう?と、疑問に思ったのだ。

確かにセリーグは、讀賣ジャイアンツと言う球団を中心に成り立っている部分は、大きいと思う。
阪神のように、地域にコアなファンがいるチームも無いわけではないが、パリーグのチームに比べると、地域への密着度という点は遥かに低いように思う。
今回の買収話が報道された時に、横浜の人たちにインタビューしているのをテレビで見たが、
「野球は好きだが、取り立ててベイスターズのファンではない。でも、折角だから残って欲しい」と言う印象の方が強かった。
決して「横浜の野球ファン=ベイスターズのファン」と言う感じではなかったのだ。
例えば、同じセリーグのチームである中日ドラゴンズや阪神タイガースが、経営不振のために買収され、他府県に移ると言うことになれば、反対運動が起きるような気がする。
だが、そんな反対運動が起きたと言うニュースは聞かない。

もちろん、TBSがベイスターズと言うチームを、地域にとって魅力的で強いチームを作る努力を怠ったことで、ベイスターズと言うチームの新たな価値を創り上げることが出来なかったコトが、大きいのだが・・・。






時が経てば、また新鮮?それとも使いまわし?

2010-10-26 14:11:21 | CMウォッチ
途中まで書きかけて、なかなか書き進めることができず昨日はお休み。
そんな日もあるのです・・・と、言い訳などをしてみる。

さて、月末になると、少しづつ新しいCMが登場する。
何気なくテレビを見ていたら、懐かしいキャラクターを見た。
そのCMは、サントリー「ボス・シルキーブラック」だ。

このCMに登場するペンギンのキャラクターを見て、「懐かしい・・・」と感じる方は、40代後半以上の方だろう。
当時は、同じサントリーのテレビCMに登場していた。
この時は、確か缶ビールだったと記憶している。
使われている楽曲も同じ、松田聖子さんの「スィートメモリー」。

何故このテレビCMを覚えているのが40代以上なのか?と言えば、このCMが登場したのが1980年代。
缶ビールのテレビCMではあるのだが、登場するペンギンの可愛らしさと松田聖子さんの人気もあり、テレビCMそのものも人気がとても高かった。

そして、20年余りの時代を経て再び登場。
これを「使いまわし」と言うべきなのか?
それとも、「時を経れば新鮮」と言うコトになるのか?
ただ、受け手となる生活者のどれだけの人が、この「缶ビールのCM」を覚えているのか?と言う点で、その印象は違うのかも知れない。
私のように、仕事兼趣味:テレビCM観賞と言う人間にとっては「使いまわしか?」と、思ってしまうが、ある人にとっては「懐かしい・・・」だろうし、まったく知らない世代からすれば「新鮮」というコトになるだろう。

もう一つ言えることは、オリジナルとなった「缶ビール」のテレビCMそのものの出来が、ある意味良かったから、「使いまわし」が出来るのだろうし、「懐かしさ」を感じさせることが出来るのかも知れない。
今作られているテレビCMのうち、20年近くの年月を経て再び登場できるだけのCMは、果たしてどれくらいあるのだろう?
そんなコトも考えさせられるテレビCMだ。



健康志向型コラボスナック菓子

2010-10-24 21:05:29 | ビジネス
我が家の近くにあるドラッグストアには、何故かスーパーよりも新商品が並ぶのが早い。
先日もそんな新商品を見かけた。
それが、ジャパンフリトレーの「『冷え知らず』さんのコーンスナック」シリーズだ。

この商品名を見て、「オヤ?!」と思われた方も多いのではないだろうか?
特に、女性は。
「『冷え知らずさん』の・・・・」と言う商品は、ジャパンフリトレーではなく永谷園から発売されている商品で、昨年ヒットした商品だからだ。
この商品について永谷園さんは、特に強い思い入れがあるようで「生姜部」と言う、事業部まで立ち上げている。
ブログを拝見すると、生姜部の皆さん自ら「収穫祭り」として、生姜の収穫をされているようだ。
もちろん、商品で使う生姜総てを生姜部の皆さんが収穫しているわけではないが、このような取り組みに「本気度」を感じる。

この夏話題になった商品の一つに、日清食品と湖池屋とのコラボ商品があった(紹介内容は、キャンペーン案内)。
湖池屋と日清食品のコラボで出来上がったスナック菓子は、それぞれの持ち味を生かした味付けをしていたはずだ。
ただ、そこには「健康」と言うイメージではなく、やはりどこか「ジャンクフード」的な印象があった。

それに対して今回の永谷園・生姜部とジャパンフリトレーのコラボ商品は、健康志向という印象を与えている。
スナック菓子でありながら、健康志向という新しいアプローチと言うか、新しい市場を創るのでは?と言う予感をさせる。
もちろん、ターゲットとなっているのは「健康志向の強い、若い女性」だろう。
健康志向であっても、時にはスナック菓子も食べたい・・・という、欲求を満たしてくれるからだ。




寄せて上げるから、体ケアに

2010-10-23 20:55:29 | トレンド
今日のお昼、総合スーパーへ買い物に行った。
普段の買い物は、生鮮食品スーパーがほとんどなので、衣類などを見ると自然とチェックしてしまう。
実際に、買うか買わないは別にして・・・。

そんなスーパーの中を歩いていたら、なにやら軽快な音楽が聞こえてきた。
その音につられるように、近づいて行くと・・・。
そこは、女性下着の売り場。
トリンプさんの新商品を紹介する、ビデオが流れていたのだった。
余りにも軽快な音楽とコミカルな動きの体操に、しばし見入ってしまった(笑)。
近くに小冊子が2冊あったので、つい持って帰ってしまった。

自宅で小冊子をよくよく見ると、これまでの下着(正しくは、ブラジャーなどのファンデーション)の販促とは違う内容になっている。
「寄せて上げるブラ」と言うのは、トリンプさんが20年ほど前からコピーとして使ってきたと思う。
「いかに、胸をキレイに大きく見せるのか!」と言うのが、ポイントだった。
若い女性のそんな気持ち(?)を、実現させるブラは大ヒットし、今ではパット付きブラは当たり前になっている。
ただ、本当に「キレイな胸」と言うのは、自分のサイズにあったブラを着けることが重要で、無理にパットで大きな胸を作るというのは、決してオススメできないらしい(と、某テレビ局のファッションチェック番組で話していた)。

ところが小冊子を見ると。「カラダの中からキレイに」と言うテーマで作られている。
そのため、お料理レシピがあったりお取り寄せグルメの紹介があったりする。
もちろん、冊子の後半は新商品の紹介にはなっている。

もう一つの冊子には、商品紹介よりも「骨格体操」と言うモノを紹介している。
こちらも、「骨格を整えてキレイになろう」というアプローチで、紹介商品と連動させている。
ガードルのようなもので締め付けて、ボディーラインを整える前に骨格を整えて、本来の姿をもっとキレイにするための下着の提案となっている。

これまでのように単に「下着で(無理やり?)キレイに見せる」と言うアプローチから、「カラダの中からキレイになろう」と言う、健康志向へ移りつつあるようだ。
それは、ある意味下着本来の役割を改めて提案しているようにも思える。




ウォークマンが創ってきたモノ

2010-10-22 21:00:41 | アラカルト
Yahooのトピックスに、産経新聞に掲載されていた記事として「ソニーがカセットタイプのウォークマン販売停止」があった。

今の20代の方にとって「ソニーのウォークマン」と言えば、i-Podみたいなモノだと思っていらっしゃるかも知れない。
でも、i-Pod以前にウォークマンがあり、そのウォークマンがあったからこそ「音楽を持ち歩く」と言うコトが、当たり前になったのだ。
そのスタートとなったモノが、今では見かけなくなってしまった「カセットテープ」によるもの。

市場にデビューした頃は、「再生しかできないカセットプレーヤーなんて、売れっこない」と言うものだった。
まして、「小型ヘッドフォンで聞く」などというコトでは、音楽を楽しむと言うコトにはならないだろうと。
初めて市場に登場した1979年頃は、まだまだそんな時代だった。

ところが、ウォークマンは爆発的なヒットになる。
それまで「音楽は自宅で聞く」と言うスタイルから、「音楽を持ち歩く」と言う、まったく新しい「ライフスタイル」まで生まれた。
それほど、「ウォークマン」の登場と言うのは、ある意味衝撃的だったのだ。

もちろん、ウォークマンのヒットにより他社が、追従するように次々と「小型携帯用音楽プレーヤー」が、登場するようになる。
そして時代と共に、カセットテープ⇒CD⇒MD⇒ダウンロードと、代わっていった。
そんな時代変化の中で、アップルの「i-Pod」が登場するのだ。
その意味で「ウォークマン」が無ければ、i-Podも誕生していなかっただろう。

「音楽を持ち出し、楽しむ」と言うライフスタイルは無く、そんな今では当たり前のようになっているライフスタイルを創り上げたのが、ソニーの「ウォークマン」だったのだ。
その原点である、カセットテープ式の「ウォークマン」が販売中止をすると言う。
センチメンタルな気分とは別に、時代の変化と言うかソフトウェアの変遷のようなモノを感じる。

「カセット式ウォークマン」が登場した頃、ソニーにはとても勢いがあった。
ソニーだけではなく、日本全体が今より遥かに元気だった。
もしかしたら「新しい、ライフスタイルを創る」と言う、勢いや元気だったのかも知れない。




結局、日本の顔としての空港は「羽田」なんだ・・・

2010-10-20 15:16:56 | アラカルト
明日、羽田空港が大幅にリニューアルをする。
国際線の利用によって、都心からのアクセスはとても便利になるようだ。
ただ、「日本に空港ができて50年以上経っても、結局羽田なんだ・・・」と言う、思いしかない。
いわゆる「ハブ空港」を目指して開港したはずの成田空港も関西空港、中部国際空港(以下「セントレア」)も「ハブ空港」と呼ぶまでにはならなかった。

では何故、関空やセントレアはハブ空港になれなかったのだろう?
関空は南海やJRを使えば、新幹線などへのアクセスに問題は無いように思う。
セントレアだって、国内線への乗り継ぎや名鉄への乗り換えは、空港の外に出ること無くいたってスムーズにできる。
至極便利なはずだ。
まして周囲には住宅が無く、騒音と言う問題も無い。
今回羽田空港がウリの一つとしている、「深夜・早朝便」が組みやすいはずなのだ。
とすれば、「利用費用」と言うコトなのだろうか?
それとも、海上空港というデメリットだろうか?

何となく感じることなのだが、私たち日本人の頭の中に「(海外へは)東京経由でなくてはいけない!」と言う、思い込みのようなモノがあるのではないだろうか?
海外から来る観光客のうちの多くは、京都を訪れることが多い。
とすれば、何も東京を経由せず関西空港を利用したほうが、はるかに便利なはずなのだ。
もちろん、「東京見物(+買い物)⇒新幹線の車窓から富士山⇒京都⇒東京」と言うルートで楽しまれる観光客も事実多いと思う。
ならば、「京都⇒新幹線の車窓から富士山⇒東京見物(+買い物)⇒京都(もしくは、そのまま東京out)」であっても良いはずなのだ。

何故そんなコトを思いついたのかと言えば、先日「山陰海岸、世界ジオパークネットワーク認定」についてのエントリ(「田舎と自然=新しい産業資源となるか?」)をしたとき、「東京から山陰へ来るには、遠すぎる。関西空港を利用するなら海外からの観光客が取り込めるのでは?」と、考えたからだ。
もちろん、買い物中心のアジアからのお客様ではなく、グリーンツーリズムに慣れていて、長期休暇を取る習慣のある欧米のお客様を中心として考えた場合だ。

「日本から出る」のではなく「日本へ(人・モノを)呼ぶ」のであれば、何が何でも東京経由である必要はないはずだ。
とすれば日本には「ハブ空港」ではなく、「ゲートウェイ(入り口)」となる空港が必要なのでは?

本来の「ハブ空港」とは、「日本経由東アジア地域」では無いだろうか?
しかし「羽田空港」がハブ化したところで、日本全体が経済を含め良くなるのだろうか?
「ハブ空港」は、「経由地空港」でもあるのだ。
もっと違った視点で、考える時代が来ているような気がする。

イクメン知事登場

2010-10-19 20:51:38 | ライフスタイル
新聞各社のWEBサイトだけではなく、Yahooのトピックスでも取り上げられていた広島県の湯崎知事の「育児休暇の利用」。
拙ブログにこられる男性諸氏は、どのように思われただろうか?

最近のデータでは、「育児に積極的にかかわりたい」と思っている男性は、年々増える傾向にある。
ところが「思っている」だけで、実際行動に移すとなるとそのハードルはとても高い。
その一つが「周囲からの目」だろう。
「育児で休む」と言うと、「奥さんに任せれば良いだろう」とか「男なんだから、育児より仕事だろう」と言う暗黙のプレッシャーだ。
それは上司や同僚男性からだけではなく、女性からもそんなプレッシャーに晒されているのではないだろうか?
もう一つは「休むコトで、復帰した時自分の仕事・職場での場所があるのか?」と言う不安だ。
そのようなコトもあり、男性も育児休暇の取得ができるようになっても、わずかな利用率となっている。

男性の育児休暇取得が認められた背景には、「ワークライフバランス」があるからだ。
とすれば、今回の広島県の湯崎知事の「育休」の取得法は、チョッとしたアイディアかも知れない。
コレまで「育児休暇」と言うと、ある一定期間休職するというのが、前提にあった。
今回の湯崎知事の場合、知事と言う仕事なのだから当然と言えば当然だが、一定期間休む野ではなく、時短と言う方法も含めている。
むしろ基本は「就業時間の短縮」だ。
一部企業で行われている「フレックスタイム」を、拡大したような方法だ。
コレなら暗黙の了解となっている、様々なプレッシャーに晒されるコトは、少ないのではないだろうか?

ここ2、3年で定着しつつある言葉に、「イクメン」と言うコトバがある。
「育児に対して積極的な男性」を指して、このように表現するのだが今回の湯崎さんのような方法の「育児休暇」の取得法が一般的になっていく可能性もある。

「イクメン」の増加は、企業にも大きなプラスの影響を与えるような気がしている。
企業の中で見たり経験したりすることができない、コトを経験し感じることができるからだ。
事実、「イクメンはもてる」といわれている。
それは育児を通して、柔軟な発想や思考を得るだけではなく、気配りができるようになるからだ。

10年後「『イクメン』なんてコトバがあったね・・・」と言う時代になれば、現在の「イクメン」さんたちの功績だろう。
その時、日本の社会だけではなく、企業はどのようになっているのだろうか?




ヒートテックVS・・・

2010-10-18 19:35:47 | ビジネス
昼間はまだまだ暑いと感じることがあるが、それでも朝夕は随分と涼しくなった。
今朝は涼しいと言うよりも、半袖のTシャツでは肌寒いくらいだった。
そんな中、通販の秋・冬カタログが送られてきた。

見てみると、アパレルで目立つのが「発熱繊維」と呼ばれる素材を使った商品だ。
「発熱繊維」と言えば、真っ先に思い浮かぶのがユニクロの「ヒートテック」だと思う。
それに刺激されたかのように繊維企業各社が、独自の「発熱繊維」を作り次々と商品化しているようだ。

実は、この夏チョッと気になったアパレル素材がある。
「冷感繊維」と言う素材だ。
着た瞬間ヒッヤっ感じる素材で、下着だけではなくシャツやスポーツウェアに使われていた。
それだけではなく「吸湿速乾」と言う素材も、今年目立って多かった。
今年の猛暑で、このような素材の商品は随分売れたのではないだろうか?
残念ながら、それが直接百貨店などの売上に貢献したとは思えなかったが。

このような「機能繊維」の開発が進んだ背景は、COOL BIZやWARM BIZなど、政府の「省エネ運動」があったからだろう。
30年以上前の「省エネ運動」は、軽装と言う名のオシャレではないファッションの提案だったが、現在の「省エネ運動」は、新素材の開発と言う新しい事業を創るコトになったようだ。

ただ冬素材については、ユニクロが一歩・二歩リードしているようだ。
「WARM BIZ」と連動するように、「ヒートテック」を大々的に売り出し(私の記憶では、「WARM BIZ」以前から、「ヒートテック」のような素材の商品はあったように思う)、その成功を後追いするように、繊維企業各社がここ3、4年の間に作り始めたと言う印象がある。
もちろん「ヒートテック」以前から、このような「発熱素材」などはあったのだが、それはあくまでも登山をする人向けといった、やや特殊な目的用としてのものだった。
それを普段着の素材として、一般化したのがユニクロだった。

「ヒートテック」に限らず、社会の変化が新しいモノを創る力となるだけではなく、その刺激によって市場が創られていくというコトが分る「秋・冬カタログ」だ。