日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

笑いの力-病気治療への試み-

2005-07-31 23:31:51 | アラカルト
毎日新聞のWEB版に、気になった記事があった。
道化師:病気の子供に笑いと遊びを 大阪でオーディションと言う記事だ。
そして、同じ毎日新聞には生きる:小児がん征圧キャンペーン スマートムンストン・キャンプ’05と言う記事も掲載されている。

最近、注目されている小児科系の病気治療の一環として、「病院に道化師を派遣させ、笑うことで免疫力を高める」という試みが、日本でも積極的にされはじめた。
その一つのステップが、今回の協会発足とオーディションと言うことになるのだろう。
「病院に道化師」というと、そぐわないような印象なのだが、実は私たちはCMを通して既に知っているはずである。
あるIT関連のCMで、病院内で忙しく看護師さんたちが働く中、ピエロが子供たちと一緒に遊んでいる・・・そのピエロが実は病院長だった。という内容のものだ。
おそらく、それくらい欧米では馴染みがあり、実績があるということなのだろう。
それが、いよいよ日本でも本格化するということになりそうだ。

そして、実際に病気になってしまった子供たち自身が、積極的に行動し次へのステップを探る目的となっているのが、「サマーキャンプ」。
おそらく、同じような病気の友達と一緒に過ごすことで、日ごろ感じている不安等を解消することが、治療となっていくのだろう。
それをサポートする学生達も、かつてキャンプに参加していると言う点では、勝手も分かっているので、あずける親御さんも安心と言うところがあるのではないだろうか?

このような試みは、まだまだ始まったばかり。
これからも注目しておきたい、と思っている。
そして、行政もこのような「楽しい治療」をサポートすることを、検討して欲しい。
「しかめっ面のお医者さんが、注射を持って・・・」だけが、病気を治すとは思えないからだ。
もしかしたら、医療費のうちの「不要な薬代」が減るかも知れないのだから。

ジャパンマネー-欧州クラブのアジアツアー-

2005-07-30 20:49:34 | スポーツ
朝日新聞のWEB版に欧州クラブ日本遠征、「金儲け優先」と苦言 AFC会長と言う記事が掲載されている。

Jリーグが東アジア選手権で中断し、欧州リーグの新しいシーズン前と言うこともあり、7月は欧州のビッククラブの来日が目白押しだった。
今週だけでも、スペインの「レアル・マドリード」、「FCバルセロナ」、イングランド「マンチェスター・ユナイテッド」、ドイツ「バイエルンミュンヘン」、かつてのイタリアの強豪「フィオレンティーナ」等、ざっと5つのチームが、東京周辺を中心に「親善試合」をしている。
「フィオレンティーナ」以外のチームは、欧州でも強豪チームばかり。
欧州の強豪チーム=スターチームと言うことで、普段は「サッカーのサの字」すら興味の無い人でも、ベッカム様やロナウドを見にスタジアムまで足を運んだ人もいただろう。
対戦相手となっているJリーグのチームにとっては、国内で試合をやっているのに「アゥエー」状態で、試合をすることになっているところが多いことだろう。

このような欧州のビッククラブが、積極的に日本ツアーを展開するようになったのは、ここ3年くらいのこと。
2002年W杯で、日本でもサッカーが人気スポーツだと、認識され始めたからではないだろうか?
それをビジネスチャンスとして、アジアツアー=日本ツアーをするのは、欧州のクラブとしては、当然のことかも知れない。
なぜなら、あの「銀河系軍団・レアルマドリード」なども、決して台所事情は豊かではないかも知れないからだ。
欧州サッカークラブは今、大きな問題を抱えていると言われている。
それは、年々高騰し続ける選手の高額な年俸。
その為、身売りするチームも少なくない。
イングランドの「チェルシー」のオーナーは、イギリス人ではなく、オイルマネーで財産を築いたロシア人である。
これまで、ある程度選手の年俸や移籍金が高騰しても、「テレビ中継」等による高い収益があった。
しかし、それも期待ができない状態になりつつある。
その改善策と言う訳ではないだろうが、「レアル・マドリード」の練習見学は「有料」となっている。

それに対し、日本ツアーを敢行すればアジアでの人気を定着させることができ、レプリカなどのユニフォーム、海外ファンクラブの会員収入などの収益が見込める。
欧州のクラブにとっては、「未開拓の市場」ということになる。
普段はサッカーを見ないが、「欧州絶対」という日本人も、多くいる。
そういう人たちにとっては、「日本にいながら、欧州のお気に入りチームが見られる」と
いう魅力もある。

問題は、試合の内容だろう。
先日の「レアルマドリードVS東京ヴェルディ」のような試合では、「金儲け」といわれても仕方が無い。
本気とまではいかなくても、それなりにチームの魅力が発揮される試合出なければ、対戦する日本のJリーグチームにとっても試合をする意味が無い。
欧州との強豪チームのジャパンツアーは、Jリーグにとっても魅力のある対戦である必要がある。
それを、AFCは指摘しているのだ。

本当かな~?-働く女性と出産率・厚生労働白書-

2005-07-29 19:18:17 | ライフスタイル
今日の新聞各紙に「厚生労働白書」 の記事が、掲載されている。
概ね記事の中心となっているのは、「女性の就業率の高さと出産率の関係」。
確かに、「正社員として安定的な収入がある」というのは、子育てにおける「経済的」重要な要素だと思う。
そして、夫の通勤時間が長いことなどの指摘も、これまでとは違う切り口だと思う。
「通勤時間が短く、夫婦ともに正社員として経済的に安定している家庭が、出産に対しても積極的である」と、読取れる。
果たして、それが出産と結びつくのだろうか?

この調査統計で、出産率の高い県や低い県を見て何か感じないだろうか?
高い県は、いわゆる「田舎」と言われるところである。
「田舎」だからと言うのではない。
家族構成などが、都市部とは大きく違うと言うことなのである。
実際私の実家がある、鳥取県を見て見たい。
ご近所は、「60歳以上の夫婦のみ」という世帯が多い。
子供たちは、独立をし町の中心地へと住居を構えている。
子供が保育園や幼稚園に入る前の「乳幼児期」の場合、毎朝、実家へ子供を預けて出勤しているのだ。
すなわち、「無料で育児支援をしてくれるところ=実家の両親が近くにいる」ことで、仕事をすることを可能にしている、とも考えられる。
ところが、都市部でそのような「無料で育児支援を受けられる」働くお母さんは、どれだけいるのだろう?

先日、政府税調で「パラサイト・ワイフ」なる言葉が、話題になった。
「家でプラプラしている専業主婦に限って、出産をし子育てをしていない」というのである。
一見この意見が正しいと、裏付けられたような統計結果ではあるが、本当なのか?という実態にまで踏み込んでいるとは思えない。
ただ、今田舎で起きている「子育て支援」という観点は、応用することができるのでないだろうか?
例えば、少子化に伴い都市部でも小学校の統廃合が続いている。
当然、廃校となってしまった小学校の跡地利用、と言う問題も出てくるだろう。
特に「団地」近くの小学校の場合、団地に住む世帯は「60歳以上の夫婦のみ」という場合があるのでは。
「廃校になった小学校と、リタイアメントした子育て経験者を活用する」ことで、「都市型の子育て支援」ということは、できないか?
こういう場合こそ、行政の腕の見せ所なのだが・・・。

単純に「正社員として働く女性は、子育ても意欲的」とは、見て欲しくない。
そう思っている、女性たちも多いのでは?

土用の丑の日-においも販促ツール-

2005-07-28 18:39:32 | マーケティング
「原理主義とテロ」のエントリーにトラックバックくださった「おフランスざんす」のmamamiaa さんありがとうございました。
シラク大統領の言葉は、重みがあります。
特に、欧米では移民を受け入れることで社会も経済も発展してきましたから、とても現実味のある言葉ですね。
そして「自己利益の追求」のエントリーにトラックバックをくださった「弥縫録」のbhargava さん、「ファミリーアフェア」のtomonofuさん、ありがとうございました。
「都市景観」という意味では、日本は本当にひどい!という気がしています。
個々の建物が集まった時の統一感というのか、調和がまったく取れていないんですよ。
京都の有名旅館「俵屋」等の数寄屋造りなどは、とてもモダンで「数奇屋」という言葉の通り、様々な建築要素が集まっているデザイン性に優れた建物として、海外でも評価が高いのですが・・・。
そして今回の「官製談合」で明らかになったことは、これからの社会に与える影響が大きいと言う指摘をされたのはtomonofuさん。
実は、今回の官製談合がここまで明らかになったのは近藤総裁が、「外様」だったからではないだろうか?と思っています。
彼にとって「道路公団」を守る必要も無ければ、情も無いと思いますから。
同じく「自己利益の追求」にコメントを下さったあけさとさん、ありがとうございました。
一番大切なことは、建築もビジネスも「利用する人たちの視線」なんだと思います。
高度成長の頃は、「企業利益=社会利益=生活の豊かさ」だったし、それが「日本人の幸せの基準」だったと思います。
その頃の感覚でビジネス展開をしている企業が、まだまだ少なからずあると言う事実も認識しなくてはいけないでしょうね。

今日は「土用の丑の日」。
鰻屋さんだけではなく、スーパーマーケットの鮮魚売り場やお惣菜コーナーでも、鰻の蒲焼を買い求める人がたくさんいるだろう。
ところがその鰻が、年々品薄になっているらしい。
やや割高だということのようだ。
でも・・・割高であっても「土用の丑の日」に限らず、食欲をそそるのはあのにおい。

丁度、毎日新聞のWeb版に興味深い記事があった。
人間には4万種類もの「においをかぎ分ける」ことができる、ということには驚きだった。
それが、食欲に結びつくだけではなく「人の行動にまで影響を与える」という点でも、様々なことを考えさせられる。
これまで「におい」という視点は「消臭」が主だった。
もちろん「アロマテラピー」と言う、「癒し効果」を狙った「においビジネス」もある。

テレビやインターネットがいくら発達したとしても、「伝えられないもの」の一つが「におい」。
と言うよりも「人の触感」に関するものは、現在の技術では「実感が伴うものを伝えることができない」。
だからこそ、雑誌で香水サンプルが添付されていたり、実演販売と言うローテックな販促方法が、今での十分通用するのだ。
そういう視点で「におい」を観たときに、「消臭ビジネス」から「発匂ビジネス(これは、私が勝手に作った造語です)」という、ビジネスチャンスも考えられる。

ところで、日本人にとって「味噌汁」や「醤油」は、「懐かしさが伴うにおい」だ。
食の欧米化によって、それが変化すると言うことがあるのだろうか?
たとえば、マックドナルドやケンタッキーなどのファーストフードのにおいに、懐かしさを感じ、味噌や醤油の匂いで食欲をそそられることが無いというような・・・。
やっぱり私には、鰻の蒲焼のタレのように「お醤油の焦げるにおい」に食欲がそそられる。


自己利益の追求-官製談合-

2005-07-26 19:15:13 | アラカルト
「不安が高じた結果?」にトラックバックくださった猫(マヤー)の独り言のneko635さん、ありがとうございました。

昨夜、道路公団副総裁と言う要職にある人物が逮捕された。
ご本人は、全面否認をしていると言うことだ。
このブログでも何度か指摘させていただいてきたことだが、「少ない工事をみんなで分け合う」というシステム維持のために道路公団、公団OB、業者が一緒になってやっていたという構図が、明らかになりつつある。

談合をしていた業者に同情する気は無いが、道路公団や公団OBの考えには「真っ当に仕事をする人を馬鹿にしている」という気がする。
その理由は、退職後も営々と自分がイイ思いが出来るように、という考えしか持っていなかったことだ。
それが、業界全体の利益となると言うのかも知れないが、それは都合の良い解釈ではないだろうか?
「どうだ。自分が天下ってきてやったから、工事の受注が出来るんだよ」と言っているだけでは?
こういうのを「自己利益の追求」というのでしょう。

社会学者で、マネージメント論を体系付けたPF.ドラッガーは「企業は利益を求めることが、最大の目的ではない」と著書の中で言っている。
「大切なことは、社会に何が貢献することが出来るのか?と言うことである」とも、言っているのだ。
「その結果として、企業は利益を得ることが出来る」と言うのである。
確かに、離島を繋ぐ橋や一級河川に丈夫な橋が出来ることで、私たちの生活はずいぶんと楽になる。
これまで行けなかったところへ、短時間で快適に移動する事が出来るようになれば、それはとても素晴らしいことだし、その為に研究・開発された技術等は様々な分野にも応用されるかも知れない。

ところが、今回問題になっている「第二東名」の工事には、決してそのような印象が無いのである。
私が見たことのある「第二東名」の工事現場というのは・・・。
美しい山並みを背景にした畑や田んぼの中を、巨大な将棋の駒のようなコンクリートの足ゲタが規則正しく並んでいた。
周囲の風景が、台無しである。
以前から思っていたのだが、日本の道路工事を含む公共事業の多くが「都市デザイン」をまったく無視した、「美意識に欠ける」モノのように感じている。
「道路が必要だから作る」という時代は、60年代で終わったのでは?
70年代に流行ったキャッチコピー「モーレツからビューティフルへ」という言葉通り、私たちの生活は、大量消費型生活の見直しがされ「美しい生活とは?」ということを、生活者が求めはじめた時代でもあったはずだ。
それが建築物となると・・・建物そのものは「キレイ」かも知れないが、周囲の風景とマッチしているとは言いがたい。
最近では、東京湾周辺の都市開発を見ていると、そんな印象を持っている。
こういう、周囲との調和と言うことを考えないのも「自己利益の追求」なのかも知れない。

「マナー」という言葉がある。
周囲の人と協調し気持ちよくいるための心配り・気配りのことである。
今回の「官製談合」は、自分達だけが気持ちよくいるためにしか考えていなかった人たちが、自分の利益だけのためにやっていたこと。なのではないだろうか?
工事費用を出している納税者や高速道路利用者に対する「心配り」も、「利用者利益」も無かったということだろう。
でも、この感覚・・・日本の企業の多くも持っている感覚なのでは?
企業も「美意識の高い経営」=ステークホルダーの利益と関係を、今一度見直す必要があるかも知れない。
「何も今回の事件の背景となったことは、他所様のことではない」・・・そういう意識が企業にも求められているのだ。


最近よく見る言葉・・・-マーケティングとは-

2005-07-25 21:21:46 | アラカルト
先週の「AERA」に「40代からの転職」という内容の記事や、今日発売になった「東洋経済」等、経済雑誌だけではなく一般雑誌にでも頻繁に目にするようになった言葉「マーケティング」。
ところで、マーケティングって何だと思います?
「オイオイ!ブログタイトルが『日々是マーケティング』って言うくらいだから、そんなこと聞くなよ」といわれそうですが・・・。

以前、学生さんに聞いたところ「『マズローの法則』とか『アイドマの法則』のことです」と、答えられたことがありました。
「マズローの法則」というのは、心理学の「欲求の段階」のこと。
「アイドマの法則」というは、「消費行動のプロセス」。
営業マンの方は、「そりゃ~、営業のサポートでしょう」と答えていました。
起業家を目指す方は、「営業ノウハウとか、経営ノウハウのことでしょ」とも。
一番多いのは「ノウハウの提供」。
一体何のノウハウの提供なのかは、分かりませんが(笑)。
どうも、一般的にはこれが「マーケティング」と言うことのよう。
しかし・・・まったく違う。

そもそも「マーケティングは、営業を無くすために考えられた」ビジネスの考え方。
マーケティングは「売るための研究」ではないという、基本が抜け落ちている。
スタートとなる考えは「市場」という「生活者」の視点。
「何故、その商品、サービスに対して対価を払うのか?」という考え方。
そして「ステークホルダー」との関係。
「ステークホルダー」とは「企業と利害関係のある人・組織」のこと。
すなわち、企業が市場に提供する商品、サービスなどの「事業定義を決めた」り、その商品、サービスの「市場価値を決める」のは「ステークホルダー」なのだ。

その為に必要なことは「マーケティングの4P」と言われるモノ。
市場に商品、サービスを効果的に提供するために、必要な基本的考え方だ。
その4Pとは・・・
「プレイス」・・・・・「売り場」
「プライス」・・・・・「価格」
「プロダクト」・・・・「製品(の品質)」
「プロモーション」・・「広告」
を指すのだ。
「マーケティング」に関する、勘違いは「4P」のうちの「プロモーション」すなわち「広告」が、「マーケティング」だと言うイメージ。
広告=広告代理店=ギョーカイと言うシンプルな、「カッコ良さそう」的イメージが、若い方に持たれることが多い。
はっきり言ってマーケティングと言う仕事は、とても地味。
スポットライトを浴びるような、仕事ではない。

もう一つ、似て非なるものは「市場調査」のこと。
確かに「市場調査」は、「マーケティング」の一つの作業だが、「市場から何を読取るのか?」ということのほうが、重要なのだ。

だからと言って、マーケティングは難しいものではない。
企業だけではなく、行政に関わる人たちであっても「生活者の視点を大切にし、自分の仕事の意味」ということを、意識すると言うことなのだから。
働く人たち総てが、ビジネスの基礎体力として必要な知識の一つが「マーケティング」なのである。

それと・・・時折書店で見かける「通勤電車で・・・」とか「○○分で分かる・・・」といったタイトルのマーケティングの本があるが、「そんな簡単なものではない」と言うことも付け加えておきたい。

「不安」が高じた結果?-ロンドン同時多発テロでの誤認-

2005-07-25 08:25:34 | 徒然
「原理主義とテロ」に4つのブログから、トラックバックをいただきました。
ありがとうございました。
学生さんのブログもあり、幅広い人たちがエントリーされているのだな~、と感じました。
そしてトラックバックしてくださった、みなさんのブログを拝読させて頂きながら思ったことがあります。
それは、戦後60年間の間どこの国が一番戦争をしてきたのだろうか?ということです。

日本は、戦争を放棄し憲法上でも「軍備」をすることが出来ません。
その代わり、アメリカと言う大国の傘の下で、経済を発展させてくることが出来ました。
もちろん、その為に支払っている犠牲も数多くあります。
「沖縄」や「思い遣り予算」です。
特に沖縄は、戦後アメリカの管理化に置かれ、返還後も同じ苦しみ・・・もしかしたら、それ以上の苦しみを味わい続けています。
まるで「戦争放棄した国の唯一の軍事地域」のようです。

そう、60年間の間で一番多く戦争をしてきた国というのは、アメリカ合衆国なのです。
「朝鮮戦争」「ベトナム戦争」「アフガン侵攻」・・・いつの時代でも、アメリカには「戦争国」という一面を持っているのです。
しかしその印象が薄いのは、アメリカ本土が戦渦に巻き込まれることが無かったから。
東アジア~東南アジア~中央アジア~中近東へと戦地を移動しながら、アジアで戦争をしてきたのです。
その多くの理由は「世界の警察・アメリカ」というスタンス。
背後に見え隠れする「軍事産業」との政治的結びつき・・・。
一部の産業が政治と大きく関わることで、その産業の利益が政治利益となり、その「利益」を「正義」とすり替えている、そんな気すらしてきます。

先日のロンドンであったテロの犯人と思しき男性が、射殺された事件が意外な展開となっています。
射殺された男性は、テロとはまったく無関係なブラジル人だったのです。
このニュースを初めて聞いたとき「どうして、身柄拘束と言う手段ではなく、即射殺だったのだろう?」という疑問でした。
その後のニュースでは「疑わしきは、射殺」と言う命令があったと言う報道。

「身柄拘束」ではなく「射殺」と言う命令を下した背景には、「不安」があったのではないだろうか?
解剖学者・養老孟司さんは「恐怖は原因がわかっているから、恐怖の元となることを取り除けば問題は無い。しかし不安は、原因となるモノが不確定だから際限なく増大する」と、いくつかの著書に書かれている。
まさに、この事件は「相手が分からないから、不安になり、不安が高じた結果」だったような気がする。
「得体の知れない不安感」からくる、「社会的疑心暗鬼を植え付ける」と言う意味では、今回のテロ犯人からすると、成功以上の成果をあげたと感じているのではないか?

いくら軍事を整えたからと言って、社会の不安を押さえることは出来ない。
それを教えてくれる事件のような気がする。
そして誰よりも他国を信頼せず、常に不安を抱えているのは「アメリカ」という大国であり、その指導者なのでは。だからこそ「自国利益」を「正義」とすり替えることができるのでは?

地方のスポーツ-一つのあり方-

2005-07-23 17:48:54 | スポーツ
朝日新聞土曜日版「be」に「フロントランナー」という連載がある。
今日は若者の夢をかなえ、県民球団目指すIBLJ代表取締役石毛 宏典さん(48歳)が登場。
プロとして、素晴らしい成績を残しその後、MLBでコーチなどを学ばれたと記憶している。
その石毛さんが、華やかなプロ野球の監督などではなく「独立リーグ」を立ち上げたと言うのは、「野球に対しての思い」があったからのようだ。

「四国で独立リーグを立ち上げる」というニュースは、プロ野球が近鉄とオリックスの合併に揺れている頃だったのでは。
その直後、タレントの萩本欽一さんがチームを作ったりしてプロ野球とは違う野球へのアプローチが出てきた。
その先駆者的「NOMOベースボールチーム」が、社会人野球の全国大会出場を決めたりもしている。
存在は地味ながら、結果を出すと言うのは凄いことだと思う。

プロ野球は、野球の頂点となるリーグだと思う。
しかし、その頂点が魅力的なモノだろうか?
スポーツでは、よく「富士山のような裾野と頂点」ということが言われる。
競技者人口を増やすことで、その頂点となるトップレベルが上がるという意味である。
単純に、低年齢層におけるサッカーの競技人口が増え、野球が減っていると言うことだけでないモノが、そこにはあるのではないか?
そういった意味で、石毛さんや欽ちゃんこと萩本欽一さん、ご自分もMLBプレーヤーとして実績のある野茂選手などの活動は、プロ野球からもっと評価されても良いのではないだろうか?
どうも今のプロ野球の魅力を半減させている理由の一つは、野球に関わる偉い人たちの多くが「野球の楽しさを伝える努力をしていない」ことにあるのでは無いだろうか?

地方に行くと、手入れのされていない野球場があったりする。
折角野球が出来る場所があるのに・・・。
身近に野球と言うスポーツを感じさせることが、出来ていないのではないだろうか?
プロがそのスポーツの頂点であるのなら、地方に芽吹いた新しい野球のあり方を、もっと積極的に展開し応援していくことが、野球を「観るスポーツ」から「プレーするスポーツ」へと、変えていくということになると思う。

そんな考えは、ありませんか?プロ野球機構の偉い人たち。





原理主義とテロ

2005-07-22 20:46:16 | 徒然
昨日のエントリー「夏だ!ビールだ!!」にTBをいただいた、お気軽コンボのでし丸さん、郷秋<Gauche>の独り言Gsuche7さん、ありがとうございました。コメントをくださったKNTYさん、ありがとうございます。
でし丸さんが、指摘されているように「あえて店頭商品を減らして、業務用にまわすことによって市場的危機感を煽る」という、方法はありますね。
だいぶ前でしたが、お菓子などで話題になったことがありました。
「食品分野のノーベル賞」とも言われる名誉ある賞を受賞した。となると、「飲んでみたい!!」という気になります。

昨夜、ロンドンで再び爆破テロがあった。
今回は、規模も小さく、爆弾そのものの性能が高くなかったために、被害も少なかったようだ。
このような事件があると、本当に悲しくなる。
イギリスでのテロ活動と言うと、IRAなどを思い浮かべてしまうのは、世代だからだろうか?
実は、「無差別型テロ」が現実に実行された最初の国は、日本だと言われている。
オウム真理教が引き起こした「地下鉄サリン事件」だ。
この事件をきっかけに「不特定多数の人たちが集まる場所でテロを起こすことが、社会不安を引き起こし、政治的、経済的に打撃を与える手段」だと言う認識が広まったと言う。
引き起こした、団体も宗教団体という点では、不気味な一致がある。
しかし、日本では異様な宗教団体が引き起こした、事件として片付けられている。
その背景には、日本人独特の「宗教観」があるような気がしている。

2週間前の爆破テロだけではなく、9.11WTS爆破テロ、イスラム諸国で頻繁に起きている「自爆テロ」等の背景にあるのは「イスラム原理主義」だと再三指摘されている。
「原理主義」というのは「キリスト教原理主義」を指す言葉なのだが、いまや「原理主義=イスラム」というイメージが根付いてしまった。
「キリスト教」にしても「イスラム教」にしても、「聖書」や「コーラン」を心と生活の拠りどころとし、その教えに忠実になることが「原理主義」の始まり。
あまりにも忠実になりすぎることで、それらの宗教観が「絶対」となってしまう。
「地下鉄サリン事件」を起こした、信者達も「教祖様絶対主義」的ことが事件の背景にあったように思う。
言い換えるなら「教祖様を虐げている社会が悪」という思考行動だ。
その宗教を信仰する過程で、「洗脳」や「マインドコントロール」があったにせよ、「宗教に心酔する」ということは、そういうことなのではないか?
思考的柔軟性がなくなった状態が「原理主義」となり、「自分の意見や意思を押し通すために行う暴力的活動=テロイズムが肯定される」そう読み取れは、しないだろうか?

ところが日本人の多くは、様々な神様と付き合ってきた。
「八百万の神」である。
今は、そのような家庭は少なくなったと思うが、それでも田舎に行くと台所には「水の神様、火の神様」が祀ってある。
「お天道様が、観ている」という言葉も、同じだろう。
「生活に恵みを与えてくれる様々なモノに、神が宿る」という感覚は、日本人独特で21世紀的な気がする。
この「八百万の神」的思考、もっと世界にアピールする発想は、政府に無いのかな・・・。
原爆被爆国として、平和を訴える力を持っているのは日本なのに。

夏だ!ビールだ!!

2005-07-21 18:48:13 | トレンド
昨日のエントリー「団塊の世代のハッピー・リタイアメント」にトラックバックをいただいた「One and Only」さん、ありがとうございました。
「今までと同じ」から「今までとは違う」へ、変わる必要があると思いますね。

今日の毎日新聞WEB版にサントリー:ザ・プレミアムモルツ、売れ過ぎて“夏バテ”と言う記事がUpされている。
このところ、酒税の値上げでビール→発泡酒→雑穀発泡酒へと、人気が移ってきたと言われてきた。
景気の悪さから安いビールへと生活者が、移行したのだ。
その度ごとに、酒税の見直しがされてきた。
いわば、メーカーの努力を税金が掠め取ると言う動きが「ビール市場」に反映していた。

記事を読むと「やっぱり、ビールはビールでなくっちゃ!」ということになるだろう。
所詮、発泡酒や雑穀発泡酒は「家計を助ける、ビールもどき」という割り切りがあって、ヒットした商品だったとも考えられる。
もちろん、メーカーもそのことは良く分かっていると思う。
だからこそ、ボーナスが出た後のこの時期「プレミアムビール」を発売したのだろうし、記事中にある「モンド・セレクション」 にも出品したのだろう。

日本では、馴染みがあるとは思えない「モンド・セレクション」という賞ではあるが、「ドイツなどの「本場」を押さえ、日本のメーカーが世界を相手に勝った」というだけでも、「なんか、凄そうなビール」という気になるではないか!
「一度は飲んでみたい!」という気持ちになるのも、分かる気がする。
こういう場合は「家計に優しい」ということよりも、「世界一を飲んでみたい!」という気持ちが勝る。
「ボーナスも出た」→「1日くらいは贅沢をしたい」→「やっぱり本格的なビールはおいしい」という、ささやかな庶民の満足なのかも知れない。

こういう贅沢って、分かるし好きだな~。
酒税をドンドン吊り上げる偉い官僚の皆さんには、分からないことだろうけど。

※「モンド・セレクション」には、タバコなどの嗜好品の部門もあるようです。
 「スピリッツ&リカー」の部門では、日本酒か焼酎も過去受賞したことがあるような写真がありました。
 日本の酒類も、私たちの知らないところで「世界的認知」がされているのかも知れません。