日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

トヨタ、マスメディア広告削減とテレビ局

2008-08-31 10:36:01 | ビジネス
久しぶりに「晴れた!」という朝だ。
もちろん、あの集中豪雨のときにも時折晴れ間は覗いてはいたのだが、空を見上げるといつも雨雲がどこかにあった。
そんな雨雲がどこかへ行ったような、青空が朝から広がっている。

昨夜から今朝にかけてのニュースをネットで見てみると・・・やはり、世界は激しく動いている。
Yahooのトピックスには、時事通信からのニュースとして「トヨタ、マスメディア広告費3割削減」という記事がUpされている。
他社も、追従する動きがあるようだ。

テレビCMウォッチングを半ば趣味としている私としては、「ハァ~、そうですか」という程度で、実際トヨタのCMはそれほど興味を引かれる内容が余りない。
「オヤ、オヤ、オヤ!!」と目を引くというより、クルマのCMとしては超がつくほどスタンダード。
さすが「ファミリーカーのトヨタ」というだけあって、テレビ番組に「でしゃばらないCM」という気がしていた。

しかし、テレビ局側としては大きな痛手だろう。
それでなくとも、昨今の「テレビ離れ」で視聴率は低迷し、広告収入も減っているのだ。
テレビ局各社にとって、最大のクライアントといっても良いほどのトヨタが、3割削減というのでは、ますますテレビ局として厳しい経営を強いられることになるからだ。

トヨタはここ10年ほどの間で、「団塊の世代を対象」にした番組や「環境番組」などを提供するようになり、同時に番組にあわせた車種のCMを番組内で頻繁に流すようになったのだが、それ以前は、「各社提供」というカタチでのCMを流すコトが多かった。
すなわち「各社提供番組」の本数が、非常に多かったのだ。
そしてこの「各社提供番組」の本数が減ることが、テレビ局にとっては大問題なのだ。
単独番組提供の場合は、番組そのものの打ち切りとなるため、ある程度の人気番組や企業イメージ(Up)を兼ねた番組を手放すコトは、企業そのもののイメージダウンを招きかねないからだ。
それに比べ「各社提供番組」の場合、本数が減るだけで企業イメージなどにはさほど影響はなく、経費削減効果が高いからだ。

もちろん、広告制作をしている広告代理店にとっても、大打撃だとは思うのだが、「マスメディアの広告費を削減」するだけであって、WEB広告を減らすと言っているわけではない。
もしかしたら、トヨタとしてはマスメディア広告を減らし、WEB広告を増やす気なのかも知れないのだ。
特に日本のWEB広告は評価も高いし、日本市場だけではなく全世界の市場を対象とした、直接的な広告として期待できるからだ。

そして今回のトヨタの動きが、日本のマスメディア広告の分岐点となるかもしれない=企業の新しい世界市場を睨んだWEB広告の始まりとなる可能性もあるような気がしている。
ただ・・・今年カンヌ国際広告際で高い評価を受けた、「ユニクロ」や「ソニー」のようなモノが発信できるかどうかは、別の話なのだが。

女性用も欲しい・・・足裏サポートソックス

2008-08-30 20:58:52 | マーケティング
久々にユニクロに行った。
売場を歩いていたら、目に付いた商品があった。
それが「コンフォートサポートフィンガーソックス2足組」だ。
ユニクロプライスという点でも魅力的だったのだが、それ以上に魅力を感じたのはその機能性だ。

しばらく前から女性の靴下市場というのは、様々な工夫がされた商品が出てきている。
例えば、5本指ストッキング。
「生足+サンダル」というのが一般的になってきてが、職場で生足+サンダルというわけにはいかない。
職場での生足に対してまだまだ抵抗感が強く、おしゃれという意味では素足にペディキュアをキレイに見せたい・・・そんな女心を少し満たしてくれるのが5本指ストッキングなのだ。

他にも着圧ストッキングやソックスという商品も、人気がある。
長時間立ち仕事をする女性たちのむくみ予防や、足を細くさせる効果があるというのだ(最近では、営業で歩くことが多いサラリーマンにも、ソックスは人気だという)。
男性にとっても、身近な商品といえば5本指ソックスだろう。
冷え性対策などの理由で、女性にも人気があるのだ。
実は、私も5本指ソックスの愛用者だったりする(笑)。
しばらく前からは、足袋のような形に和柄のソックスも人気になってきている。
そして、このようなソックスには「フローリングフロアー対応滑り止め」が、着いているコトが多い。

その様な商品がヒットする背景には、フローリング中心の家が多くなったことなども関係があるのかもしれないし、昨今の健康ブームということもあるだろう。
というのも、土踏まずが下がり「3つのアーチ」が崩れることで、膝をいためたり、偏平足、開帳足、外反母趾などの原因となっているからだ(企業のHPを使っていますが、商品紹介のためではありません。適切な紹介HPが見つからなかったのです(苦))。
今回ユニクロで発売された「コンフォートサポートソックス」などは、この予防に効果的な機能を持っている。

本来であれば、外ではカッコ良く生足+ヒールサンダルという女性だからこそ、家でリラックスしている時には、このような機能ソックスが必要なのだ。
ところが残念なことに、女性用が発売されていない。

この商品は、営業で歩き回る男性向けの商品として、企画されたのだと思う。
私としては、もう少し女性たちの生活スタイルとファッションという視点も加えた、商品を企画して欲しかったと思うのだ。
まぁ、見た目は余りカッコよくはないのだが・・・。

ディスカウントスーパーとエコ

2008-08-29 20:41:45 | トレンド
今日、イトーヨーカ堂が新しいスーパーマーケットをオープンさせた。
その名も「生活応援型ディスカウントストア『ザ・プライス』(注意PDFファイル)
『ザ・プライス』の後には、出店した地域名が入る。
その1号店が、オープンしたのだ。

テレビのニュースなどで、盛んに紹介されていたので見られた方も多いのではないだろうか。
そのニュースを見ながら、フッと気が付いたことがある。
それは、ニュースで紹介されていた売場だけなのかも知れないのだが、殆どがバラ売りをしているのだ。
「キュウリ1本○○円」、「塩鮭1切れ○○円」と言った具合だ。

一人暮らしが長いコトもあり、スーパーに行って買うことをためらる商品がある。
それが、キュウリなどの傷み易い野菜のパック売りだ(正しくは、パックではなく袋売りなのだが)。
食べ切れない量だとわかると、買うのをためらってしまうのだ。
それがバラ売りだと、必要な量を買うことが出来、傷んで捨ててしまうということもない。
塩鮭や干物などは、冷凍保存すれば良いのだが、鮮魚などはなかなか難しい。
できれば、バラ売りをしてもらいたい・・・と、常々思っていたのだ。
まして、世帯人数も減ってきている現状では、このようなバラ売りは時代のニーズにあった売り方かもしれない。
「無駄なモノを出さない」という意味では、エコ的売り方だともいえる。

それよりもっと注目したいのは、バラ売りにしたことで「食品トレー」を使う必要がなくなったということだ。
さすがにお刺身の舟盛りなどは無理だと思うが、塩鮭などはビニール袋で十分だろう。
使うビニール袋も、自然に戻るような素材のモノであれば、尚安心できるしエコ的だともいえる。
実際、「一人暮らしなのに、どうしてこんなに「食品トレーごみ」が出るの?」というくらい、スーパーの食品トレーごみが出てしまう。
日本の食品の多くは、食品トレーにキレイに並べられ、盛られて、スーパーの店頭に並んでいるのだ。
それらの食品トレーは、最終的に資源ごみとして処分されるようなのだが、そもそも食品トレーを必要以上に作らなければ、それだけ他のエネルギーに回せるのではないだろうか?

その意味で、様々な手間を省いたディスカウントストアは、ほんの少しかもしれないが、エコ的なお店なのかも知れないと思ったのだ。

お天気が心配・・・

2008-08-29 11:46:40 | 徒然
愛知県下を襲った豪雨は、三河西部(=岡崎市周辺)を中心に相当な被害を与えた(紹介記事は中日新聞)。

実は昨日のお昼頃、とてもおかしな天気だった。
いわゆる「狐の嫁入り」というお天気だったのだ。
それも、相当大規模な嫁入り行列だったようで、「日照り雨」というよりも「日照り大雨」だった。
ビニール傘などを差して歩くと、夏の太陽でジリジリと焼けるような暑さ。
なのに、アスファルトに叩きつけるような大粒の雨が降っているのだ。
「狐の嫁入り」というお天気も久しぶりだったのだが、大雨降りというのは初めての経験だったかもしれない。

そして昨夜、激しい雷でなかなか寝付けられなかった。
とにかく「ピカピカ」とアチラコチラで、雷が光る。
我が家は高速道路のジャンクションが近いせいか?とにかく、雷がゴロゴロ・ピカピカ。
とてもゆっくり眠れるような状況ではなかった。
こんな夜も、殆ど経験がないコトだった。

そして今も、どこかでゴロゴロと雷がなっている。
頭上は晴れていても、東西の空には鈍よりとした雨雲が垂れ込めている。
この夏は、全国でこのようなお天気が多いように感じる。

人間のエゴで、資源争奪戦や宗教という名の暴力で、多くの人を嘆き悲しませていることに、天が怒っているのだろうか?



違うカタチの支援はないのだろうか?

2008-08-28 21:22:19 | アラカルト
アフガニスタンで、武装団に拉致殺害された日本人男性のニュースは、なんとも残念で悔しくてならない。
地元の人たちからの信頼が厚く、慕われていたようであったということも、この事件の問題点を深く考えさせられる。

拉致・殺会された伊藤さんは、農業技術などを指導する目的で、アフガニスタンに行っていた。
そして現在アフガニスタンで様々なボランティア活動をしている団体は、日本だけでも数多くいるようだ。
残念なことに今回の事件で、それらの団体はスタッフの派遣を見送るトコロが殆どのようだ(紹介記事は朝日新聞)。

遺体が運ばれていく場面をニュースで見て、アフガニスタンの人たちが本当に必要としているのは、力による平和維持活動ではなく、日々の生活を立ち直らせていくための活動なのではないか?と、感じたのは私だけではないと思う。
しかし武装勢力と呼ばれる人たちは、外国人からのこのような援助を受けたくないようだ。
武装勢力のこのような発想は、アフガニスタンの人々にとってはとても迷惑な考えだと思う。
であれば、アフガニスタンの人たちを日本で教育する、という方法は考えられないだろうか?

日本の農業技術がそっくりそのまま、アフガニスタンで通用するとは思えないが、農業を発展させるための基礎づくりとなるのではないだろうか?
他にも教育や医療、通信技術などの分野でも、アフガニスタンの人たち(だけではなく、貧困などにあえぐ国々の人たち)を積極的に受け入れ、教育・指導をするというコトだ。
少なくとも、殺害された伊藤さんの蒔いた農業技術の種は、一緒に働いていたアフガニスタンの人たちに受け継がれていると思う(と、信じたい)。

インド洋での給油活動も、大切かもしれない。
しかし、アフガニスタンの人たちが将来独立国として生きていくための手助けは、教育や農業、医療や通信などの教育にもあると思うのだ。
武装勢力の思惑は、自分たちの主張だけをアフガニスタンの人たちに押し付け、正論とすることだろう。
ならば、教育や農業技術といったアフガニスタンの人たちが、今本当に必要としているモノを提供するというのも、平和維持活動に繋がっていくと思うのだが・・・。

理想主義的発想かも知れない。
でも、このような事件が起きた後だからこそ、日本がその様な技術や教育を必要とし、勉強したいと考えている人たちを積極的に、受け入れるという方法を企業を含め考えて欲しいと考えるのだ。

やっぱりね~、特別扱いだったんだ

2008-08-28 15:33:28 | スポーツ
Yahooのトピックスに、時事通信のニュースとして谷に特別扱いなし=柔道という記事が、Upされていた。

今回の北京オリンピックの総括的なものが、各競技団体から発表されている。
サッカーについて言えば、「女子はよく頑張ったが、男子は実力・実績ともに高いレベルではなかった」というコトのようだ。
個人的には、女子についてもっと高い評価をしても良いと思うのだが・・・。
なぜなら、なでしこ達のサッカーは「世界をリードするプレーが随所に見られた」と、海外のサッカー関係者から高い評価を受けたのだから。

そして、日本中の期待を背負っていたはずのお家芸である柔道は、かなり寂しい結果となってしまった。
その総括的な内容の話として、上述のようなコトがあったようなのだ。
このニュースを見たとき、多くの人は「やっぱりね~」という思いが、あったのではないだろうか?
最終選考の決勝で、谷選手は若い・山岸絵美選手に力負けしたように感じたからだ。
といっても、こちらは柔道の素人。
素人どころか、テレビのニュースのスポーツコーナーで見る程度。
そんな「ど素人」から見たとき、「ママでも金」は無理なんじゃ・・・、という予感があったのではないだろうか?
対戦した山岸選手は、経験や実績もなくオリンピックという大舞台での活躍は難しい、と考えたのかもしれない。
しかし、谷選手でもはじめてのオリンピックがあり、その時の経験があるから今の実績が出来たはずだ。
むしろ、経験としてオリンピックという大舞台に立たせる必要もあったのでは?と、思っていたのだ。

ところがこのときの大会スポンサーは、谷選手が所属している企業だった。
そんな関係もあって、谷選手になったのか?ということまで、頭をよぎった。
そんな憶測というか邪推のようなコトも、今となっては「やっぱりね~」という、気がしてくるのだ。

北京オリンピック団長は、一昨日の記者会見で「特別扱いが、悪い結果を生んだ競技があった」と、話していた。
お家芸・柔道でも内部的には同じだったということを、図らずも認めてしまったようだ。

エネルギーバブルもそろそろ・・・

2008-08-27 21:36:51 | アラカルト
新聞各紙のWEBサイトには「新日本石油、ガソリン卸売り価格値下げ」という記事が掲載されている。
値下げ幅は5円程度だが、やはりこの値下げはガソリンスタンドなどでは、まちに待った値下げなのではないだろうか。
実際、我が家の近所にある数軒のガソリンスタンドでは、既に7月下旬よりも値下げている。
以前エントリさせているとおり、ガソリン価格の高騰でクルマの利用頻度を生活者が抑えるなどの「自己防衛策」を取り始めたために、本来お盆休みや夏休みなどで利用者が増えるはずの時期の売上が悪かったというのが、要因だろう。

ところが、コレまでクルマで行楽に出かけていた人の一部は「遊びに行く時、電車を使うコトに慣れてしまえば、クルマのない不自由さは余り感じられなくなった」という意識変化をもたらし始めている。
もちろん、クルマがなくては生活に支障をきたすという地方では、このようなわけにはいかないのだが、都市部になればなるほど、それまで便利で生活の必需品だったクルマそのものを見直す傾向も見られるようなのだ。

コレは国内事情だが、原油取引についてもジリジリと下がり始めている。

だからといって、バイオエタノールなどの次世代(というのだろうか?)エネルギーの原材料となる穀物の高騰が続いているのか?というと、それも雲行きが怪しい
バイオエタノールのイメージが、後退し始めているのだ。
そして、イメージだけではなく原材料の高騰がバイオエタノール生産に、影を落とし始めている。

もちろん、産出調整を原油産出国がすれば、再び高騰するとは思うのだが、「もしかして・・・エネルギーバブルもそろそろ・・・」という、気がするようなニュースが最近多くなってきているような気がするのは、私だけだろうか?



分相応が大切

2008-08-27 12:00:59 | 徒然
産経新聞のWEBサイトに異例! ベンツ試乗事故で助手席の販売ディーラーを書類送検という記事があった。
お昼のテレビニュースでも、このニュースを取り上げていた。

見出しだけを見たときには「ハァ~、こういうこともあるんだ・・・」と、言う程度にしか思わなかったのだが、この事故を起こした会社員の年齢を見てビックリしたのだった。
事故を起こした会社員は、年齢から考えればこの春大学を卒業したばかりという感じだ。
そんなに若い会社員がベンツというのは、似合わない。
いくらクルマが好きで、ベンツに乗りたい!という気持ちがあるにせよ、23歳という若い男性が乗るには、相応という気がしない。
買えるだけの資産があるのかもしれないのだが、分不相応という気がしないわけではない。
運転技術という点でも、どれだけ上手なのかヤヤ疑問も残る。

ところが、この産経新聞の関連記事を読んで納得をした。
確かにクルマの試乗は、運転免許を持っている人なら自由にできる。
出来なければ、試乗会などのイベントをする意味がない。
若いクルマ好きな人にとっては、自分で購入することは出来なくても試乗をすることで、そのクルマを堪能することができる。
そんな気持ちで、この事故を起こした若い会社員は試乗したのかもしれない、と感じたのだ。
ただ運転技術などの点を含め、試乗したクルマが分不相応だったということなのかもしれない。

このようなコトだけではなく、分不相応なコトを平気でしているのが、今なのかも・・・。

日本らしいやり方で-アフリカとの信頼づくり-

2008-08-26 11:52:31 | ビジネス
Yahooのトピックスに、米TIME誌も「世界一クール」と絶賛!アフリカで売れまくる住友化学の“蚊帳”という記事がUpされていた。
この記事で紹介されている住友化学の蚊帳は、以前テレビなので紹介されたこともあるので、ご存知の方も多いのではないだろうか。

最近、中国など発展著しい国々(だけではないのだが)が積極的に、アフリカ諸国の開発を行っている。
中国などの開発事業は、現地の人たちが中国語を覚えることに熱心になっている、といわれている。
といっても中国などの場合、自国の資源確保のためのアフリカ開発というのが、一般的な見方だ。
成長著しいがゆえの資源確保というわけだ。
しかしこのような開発援助というのは、本当に開発国にとってプラスなのだろうか?という疑問がある。
なぜなら、本来であればアフリカの人たちが手にするべき資源を、「開発」という名のもと他の国が横取りをしているとも考えられるのだ。

といっても現在の中国の開発援助方法を、単純に日本が批判できる立場ではないように思う。
資源開発ではなく、開発援助の名のもと様々な土木工事を行ってきたが、現地の人たちにどれだけのメリットがあった事業なのか多いに疑問というODAが、一杯あるからだ。
そして、その様な批判が増えるにつれ、日本のODAは年々減りつづけている。

別に「ODAを増やせ!」と言っているのではない。
この住友化学が開発した「蚊帳」のような方法も、大切な開発援助だと言うことなのだ。
むしろ、アフリカ諸国が直面している貧困などの支援策としては、このような方法が大切なのではないだろうか。
今から24年ほど前行われた「ライブエイド」は、世界にアフリカの飢餓や貧困というものを伝えることには成功をしたが、チャリティーとして集まったお金は瞬く間に消え、一時の支援でしかなかった。
その後も、「ホワイトバンド」などの動きがあったが、どれもが一時の話題で終わってしまっていた。

それに比べると、このような事業は「国際的社会事業」として、もっと注目されるべきだろう。
それだけではなく、現地の人たちの経済的自立を促す役割を果たしているという点でも、評価されるのではないだろうか。
日本には日本のやり方があるとすれば、この住友化学の「蚊帳」のような方法なのではないだろうか。
このような方法こそ、「クール(=カッコイイ)開発支援」なのだと思う。


原資はどこにあるのだろう?-オリンピック強化プログラム-

2008-08-26 11:07:22 | スポーツ
北京オリンピックが終わって、ヤレヤレ・・・という時に、2016年の五輪でメダル量産へ…文科省が国家プロジェクトという記事が、讀賣新聞のWEBサイトに掲載されている。

昨夜帰国した北京オリンピック選手団団長の記者会見では、前回のアテネ大会の時よりメダル数が少なかったことなどに触れ、「国家プロジェクト的選手育成・強化が必要」というコトを話していた。
確かにおっしゃる通りなのだが、コレまでの日本のスポーツのあり方そのものを見直さない限り「バラマキ型強化プログラム」になりかねないような気がするのだ。

今回不甲斐無い3戦全敗だった男子サッカーだが、当たり前のようにオリンピックに出場できるようになったのは、アトランタ大会からだ。
それ以前に出場したのは(なんと!)メキシコ大会。
アトランタ大会出場が決まった時には、「28年ぶり出場」という言葉が踊っていた。
それほど長い時間出場できなかったのに、ここ4大会連続で出場できるようになったのは、良くも悪くもJリーグというプロリーグが発足したという理由が大きい。
選手強化のための費用を、プロリーグという場所で行うことができるからだ。
なでしこの場合も、サッカー協会が積極的に強化プログラムを組み、Jリーグのクラブのうち5のクラブでは女子チームを持っている。
今後Jリーグ総てのチームが、女子チームを持つような動きが既に始まっている。
プロ化云々ではなく、競技人口や観客の増加などの「底辺拡大」を考えた動きなのだ。
そして協会が費用を全面的に負担するのではなく、「クラブ」という組織で強化費用を負担させる、というコトも重要なポイントなのだ。
コレまでのような競技団体では、とても強化できるものではないのだ。

コレまで再三指摘されてきたことなのだが、日本の場合「体育はあっても、スポーツを学ぶ機会がない」と言われてきた。
小中高等学校で行われている「体育」の授業が、「様々なスポーツに触れる機会となっていない」というだけではなく、今だに昔型の根性一直線的な指導が中心になっているという指摘である。
「根性一直線」が悪いのではない。
様々なスポーツに触れ、スポーツの楽しさを知った上での、競技者としての根性一直線ではない、という指摘なのだ。
スポーツの楽しさや競技の面白さを知らないまま、根性一直線という指導ばかりでは、才能を開花させることなく、スポーツ観戦者ばかりを増やしている可能性もあるのだ。

「メダルが見込まれるスポーツに強化費用を当てる」というのは、当面の目標としては良いのかもしれない。
しかし、それだけではスポーツ大国にはならないのだ。
何より、赤字財政のニッポンにそんなお金はどこにあるのだろう?
オリンピックが終わった今、赤字財政の中どうやって福祉や年金などの社会保障を充実させるのか?と、世間の目が向いているのに、どれだけの理解が得られるのだろうか・・・。