日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

見直しが迫られる「カンバン方式」?

2011-05-30 17:16:17 | ビジネス
「東日本大震災」で、一つわかったことがある。
それは、東北地方が「基幹産業を支えていた」という事だ。
震災以降、トヨタをはじめとする自動車産業は減産を余儀なくされた。
他にも、家電メーカーの下請け・孫請けの中小企業が多かった。
「世界のあらゆる製造がストップするのでは?」と、懸念されたほどだった。

トヨタのお膝元というコトもあり、トヨタの減産は中部経済に及ぼす影響は大きい。
震災が理由だとしても、2万点以上といわれる自動車部品の製造に関わる企業が中部エリアだけに限らず全国的な規模であったことに、驚いたのも事実だ。
と同時に、トヨタが進めてきた「カンバン方式」という生産方式は、これから先も有効なのだろうか?と、指摘がされたのも事実だろう。

確かに、トヨタ方式と呼ばれる「カンバン方式」は、製造工程の中で必要な部品を必要数だけ発注することで、製造工程を行うトヨタの工場では在庫を持つ必要が殆どない。
その意味では、とても効率的で製造コストを意識した生産方法だといえる。
そしてその「カンバン方式」を、多くの製造企業がお手本としているのもまた事実だ。

ところが、今回の震災で部品の供給がストップするだけではなく、その後の下請け・孫請け(ひ孫請け)のフォローというか支援策などをしていないことに、被災地、非被災地の多くの下請け・孫請け会社が不満を持ち始めているようだ。
もし、この不満を解消するように海外の同業他社が手を差し伸べたら、いったい日本の基幹産業はどうなってしまうのだろう?
そんな不安が沸いてきたのだ。

確かにトヨタをはじめとする日本の基幹産業は、世界でも高く評価される製品作りをしてきた。
でもそれは、下請け・孫請け(ひ孫請け)という企業があってのことだ。
三角形の底辺のある企業を蔑ろにして、その頂点にある企業はこれまで通り安泰でいられるのか?
日本の高い生産技術を、やすやすと海外の企業へ渡してしまうのか?
そんなコトを、トヨタをはじめとする基幹産業の頂点にある企業のトップたちは考えているのだろうか?
それとも、「自分たちが仕事を発注しなくては、食っていけない」と、思っているのだろうか?
今まで「大丈夫」と思っていたことが、単なる「思い込み」に過ぎなかった、というコトがわかってきているのに?
だとしたら、とても甘い見込みのような気がする。

今、生活者の意識は大きく変わり始めている。
それは「安いモノ」ではなく、「日本を元気にさせるモノを購入したい」という気分だ。
そのためには、被災した下請け・孫請け(ひ孫請け)会社を支援し、積極的な生産活動をサポートするコトが、大切なのでは?
安易な海外移転生産は、生活者の理解を得られにくいのでは?
そんな、危機感を基幹産業のトップたちは持っているのだろうか。

企業体質が見える気がする

2011-05-29 06:20:02 | 徒然
27日の毎日新聞WEBサイトに、福島第1原発:東電社長、地震当日は夫人同伴で奈良観光という記事が掲載されている。

この記事を読んで、東京電力の企業体質がわかるような気がした。
その企業体質とは、「浮世離れした問題意識」というコトと、「想像力のなさ」という点だ。

私も派遣社員などの経験を含め幾つもの企業で仕事をしてきたが、夫人同伴の出張ができる企業というのは、今だかつて知らない。
もちろん、海外でのパーティーで夫人同伴が必要な場合がある、ということは知っている。
だが、そのようなケースはとても稀で、国内ではまず夫人同伴の出張ということ自体、考えられない。
まして、社長という役職というコトは本社勤務だ。
ならば海外から来たお客様を迎えるにしても、夫人同伴のパーティーでも出張ということはありえないだろう。
それが、社内規定で認められているというのが、「浮世離れした企業」ということをよく現していると思う。

この記事を読む限りでは、「関西経済界の要人との会合」という名目なので、夜の会食などがあれば夫人同伴でなくては失礼に当たるため、奥様と一緒の出張というコトにし、昼間の会合には秘書が必要というコトで同行させた、としか読めない。
「会合」という割には、一緒に行動する人数が多すぎる。
それが、社内でまかり通っていたということは、慣例的にこのような「出張」が頻繁に行われていて、そのことを疑う人も会計監査の担当もいなかったというコトだろう。

でも、その実は「奈良観光」だった。
(夫婦の観光旅行に付き添わされるのだから)同行させられた秘書の方には、同情したい気持ちはあるが、それにしても随分と費用の掛った出張だったのでは?
個人的に見積もっても、交通費(社長さんですから、当然グリーン車でしょう)×3人×2+2泊の宿泊費(私たちが宿泊するようなビジネスホテルではなく、「奈良ホテル」クラスの観光ホテルでしょうね・・・多分)+タクシー代+観光諸費用で、ざっと25万~30万程度は掛っていそうな気がする。
もちろん、社内で宿泊や日当などの規定があるのでもっと安いかも知れないが、それら「旅行代金」が「経費」として処理されるのだ。

その「経費」の出所といえば、東京電力管内の「電気料金」。
どんぶり勘定の零細企業では無いのだから、このような実体がわかってしまうと、「電気料金って、本当はもっと安いんじゃないの?」という気になる。
それだけではなく、様々な補償問題についても「こういう無駄な経費を止めるのが先」という、声があがっても当然だろう。

それにしても、開いた口がふさがらないというか、浮世離れ感覚にも程があるというか・・・公共性の高い企業の実態がこれで、日本は大丈夫なんでしょうか?

上手いな~、と思わせるCM

2011-05-28 16:00:36 | CMウォッチ
先日、「テレビCM好感度調査」の結果が発表された。
ご存知の方も多い「ソフトバンク・白戸家」が、今年もNo,1だった。

おそらく、ソフトバンクの白戸家のCMはシリーズが始まって以来、ズッと好感度調査の上位もしくはNo.1を獲ってきたという気がする。
シリーズが始まってから随分時間が経つのだが、その印象は変わらず好感度を保ちつづけている。
その意味では、CMの本質をよく知っているスタッフが集まり、基本はブレる事がないのにストーリーなどの発展性で、多くの人をひきつけている、と感じている。

そのテレビCMとは別の主旨のCMがある。
それが、「東日本大震災支援ポータルサイト・がんばろう日本」だ。
これらのテレビCMの中では、SMAPの「夜空ノムコウ」と「白戸家のお父さん」バージョンは見たのだが、井上雄彦さんの「smile」バージョンは見ていない。
もしかしたら、テレビCMとして流れていたのかも知れないのだが、私は見ていないような気がする。

ご存知の方も多い井上さんの「smile」のイラストスライドに、BUMP OF CHICKENの「Smile」という楽曲が付けられている。
このテレビCMを見た時にも、「CMのツボを心得ている」と感じたのだった。
その理由は「東日本大震災」発生直後から、被災地を元気付けたいという思いでイラストを描きつづけ、そのイラストをネットで公開していた井上さんを起用し、そのテーマにあわせた楽曲を若い世代で人気のあるバンド・BUMP OF CHICKENを起用しているからだ(BUMP OF CHICKENの起用は、井上さんの希望だったようだ)。
携帯世代にとって、共感性のあるCMを創っている、という印象がある。

他にも、サントリーのBOSS・レインボーマウンテンの「宇宙人・ジョーンズ」のシリーズも、基本の部分=ジョーンズ氏は変わない代わりに、様々なシチュエーションで登場する人物が的を得ているというか、「なるほど」と変に納得できるキャラクターを演じさせている、という点では、ソフトバンクの「白戸家」シリーズと同じだ。

ところで、ソフトバンクの「東日本大震災支援サイト」のCMとして使われた、BUMP OF CHICKENの「Smile」がリリースされ、その収益全額が赤十字社への寄付となるようだ。
CDを購入する前に、どんな楽曲なのか?という方は、↓にアクセスしてみてください。
「Smile」

混乱の元は・・・

2011-05-27 13:03:50 | 徒然
このところ、テレビのニュースばかりではなく新聞などでも盛んに取り上げられている「福島第一原子力発電所の注水問題」。
実は、この問題だけではなく「放射線量の問題20ミリマイクロシーベルトの安全性」という事などを含め、「原発事故」そのものがわからなくなりはじめているように感じる。

「注水問題」に関しては、国会で谷垣さんが追求した問題ではあるのだが、「この問題の問題は一体何なのか?」という部分が、ゴッソリ抜けているような気がする。
それだけではなく、その注水問題の発端になった?斑目原子力安全委員会長の「メルトダウンの可能性」発言も加わり、ますます訳がわからなくなってきているような気がする。
そう感じているのは、私だけだろうか?
個人的には、池上彰さんに登場してもらい、問題点の整理をし代わりに質問をしてもらいたいくらいだ。

今日になって、中断していたはずの海水注入を実は継続していたと、新聞などで報じられた。
あくまでも「現場判断」という事のようだが、この現場判断の報告遅れで、東京電力は指示をした福島原発の所長さんを処分する、と言っている。
これでは「組織が硬直化し、事故対応能力のない組織」だというコトを、自ら言っているようなモノだと思うのだが、違うのだろうか?

そして、放射線量の問題についても、本当に安全な数字は?という部分で、何を信頼してよいのかわからなくなってきている。
特に週刊誌などの見出しを見ると、本当に不安になる親御さんがいてもおかしくは無いと思う。
単に不安を煽っているだけなのか?それとも、本当に危険性の指摘をしているのか?
その根拠となるデータは、何なのか?
そんなイロイロなことを含め、不安ばかりが先立ち、生活者が苛立っているような状況になってきているように感じるのだ。

このような社会状況というのは、政治という面だけではなく経済という面でも、決してプラスでは無いと思う。
というのは、生活者が一種のパニックのような状態に陥りやすい状況になりつつあるからだ。
何か一つ不安材料となるモノが具体的な物事となった場合、社会全体がパニックになるのでは?
それは震災直後、首都圏をはじめ多くの非被災地で見られた「買占め行動」でよくわかるはずだ。

こうなると、「混乱の元」は震災や原発事故ではなく、人間不信というコトになるのでは?

「福島第一原子力発電所事故」だけではなく、震災の被災地などの現場に「対策本部」を設置ししないと、対策本部の機能が果たせないということだけは、充分理解できた。
現在の状況を打開するためにも是非、東京電力会長以下、幹部社員の方々と原子力安全保安委員など「原発村住民」の方々は、「福島原子力発電所」に詰め、対策を講じることが何より大切なのでは?
プレスリリースなどの発表などは、それこそ「インターネットテレビ」で充分なのでは?


「哲学」と「ビジョン」

2011-05-26 11:26:01 | ビジネス
昨夜、NHKの「クローズアップ現代」を、たまたま見た。
テーマは「ツーキニスト」
「自転車通勤をする人」のことを「ツーキニスト」と、呼ぶらしい。

ここ2,3年、書店に行くとスポーツ雑誌の売り場で、目に付くようになってきたスポーツがある。
一つは、ランニング(雑誌タイトルでは「ジョギング」ではなく、「ランニング」とされている場合が殆ど)。
もう一つが、自転車だ。
実際、街中を歩いていると昔ながらの自転車店だけではなく、洒落たスポーツ自転車を専門に扱うお店も増えているように感じる。
それだけ、「スポーツとしての自転車」が、一般的になってきたのかも知れない。
特に最近自転車が注目されるようになった理由が、「東日本大震災」で都市部で数多く発生し、問題になった「帰宅難民」の対応策、というコトのようだ。

ただ、残念ながら日本の道路事情は「自転車に優しくない」。
個人的には「自転車に優しくない」どころか「歩行者に優しくない」と、感じることがしばしばある。
これまでの道路行政が、クルマ中心だったのだから仕方がないのかも知れない。

番組では、そのような問題を指摘しながら、海外の「自転車通勤」についてのレポートもされていた。
海外、特に欧州では「医療費削減+渋滞緩和+CO2削減目的」で、政府が自転車通勤を奨励し、インフラを整えているというコトだった。
それも10年、15年という長い歳月をかけ、整備をし生活者の意識を変える努力をしている。

そんなレポートなどを聞きながら、解説をされた小林成基さんのコトバがとても印象に残ったのだ。
それは「これまでの日本の政府には「哲学」というモノがなく、そのため10年、15年といった長期的な政策がされてこなかった」というコトバだ。
細かな部分では違うかもしれないが、ニュアンスと主旨はこのような内容だったと思う。

国会中継やニュースなどで、与党の揚げ足を取る野党の姿という場面を、長い間見てきたような気がする。
今は与党内から、総理を引きずり降ろすような動きさえあるようだ。
このような状況を見慣れてしまった為なのか?この「政治としての哲学、ビジョンのなさ」というコトバに、ハッとさせられたのだった。

道路行政などは、整備事業としても巨額で社会的影響力が大きい。
全国各地には国会議員さんの名前が俗称として付いている橋や道路(港湾設備)が、山のようにあるのに肝心な生活道路となると???だと感じる方は、多いのではないだろうか。
これから先、高齢化社会に向けた「パーソナルビーグル」などの開発を自動車メーカーなどがはじめるコトまでを見据えた、「生活道路行政」を与野党関係なく、政権交代でブレる事がない「哲学やビジョン」を、キチンと話し合う時期に来ている様に思うのだ。
できればそれを、「東日本大震災復興ビジョン」で示して欲しい。

スマートグリッドとオール電化

2011-05-25 13:07:37 | ビジネス
東京電力「福島第一原子力発電所事故」発生以来、電力会社各社が推し進めてきた「オール電化」への風当たりが強い。

確かに、今回のような震災に限らずある程度の規模の震災が発生すれば、一時的でも電力はストップしてしまう。
となれば、必要最低限の生活すら出来なくなってしまう。
そんな現実を目の当たりにしたのだから、ある程度「オール電化」への批判のようなモノがあっても仕方ないと思う。

思うのだが、論調の中には「原子力発電所」と関連付けて、批判をされる方もいらっしゃるようだ。
ここで冷静になって欲しいのだが、確かに「オール電化」を勧めてきたのは、東京電力だけではなく、全国各地の電力会社だ。
だが、原発とオール電化の推進は別物のはずだ。
問題なのは、人の手でコントロールできなくなるのでは?と、ズッと指摘されてきていたにも関わらず、「大丈夫です。安全です」と言いつづけて来た原発で起きた事故が拡大するばかりで、まったく収束する気配すらないということへの不信感や不安感による「電力会社不信」が起きているというコトだ。

その「オール電化」も、小規模水力発電や温泉熱発電、もちろん太陽光発電などと組み合わせ、安定的で安全、環境にも配慮された電力によってもたらされるモノだとしたら、まったく違う意味を持ってくるはずだ。

先日、ソフトバンクの孫社長が「太陽光発電所計画」を発表し、埼玉の上田知事や大阪の橋下知事などが興味を示しているが、何も広大な土地でなくては太陽光発電所ができないわけでは無いと思う。
地方に行くと必ずある「郊外型の大型スーパー」の駐車場に、太陽光発電パネルを設置するコトで、スーパーだけではなく周辺の住民のある程度の電力が賄えるようになるかも知れない。
小規模の太陽光発電所を幾つも作ることで、大きな発電所のような出力が可能になるコトも考えられる。

大切なコトは、供給の安定化に難があるといわれる自然エネルギーやまだまだコスト高のバイオエネルギーをいかに使いやすい電力にしていくのか?という点や、「どこで電力を作り、どこで使うのか?」という事なのではないだろうか。
だからこそ「スマートグリッド」という考えが、重要なのだと思うし、そのシステムができてれば「オール家電」という生活も決して問題となるモノでは無いと考えている。

孫さんの発想は、とても面白いし将来の日本のエネルギーを心配しているコトだと思う。
であれば、「太陽光発電」にこだわらず、様々な「自然エネルギー・グリーンエネルギー」を組み合わせた「発電所」を提唱して欲しいと思っている。



お上なんかに、頼ってられない

2011-05-24 22:21:17 | ビジネス
国会で、原発事故の責任の擦り付け合いのようなゴタゴタをしている間に、被災地では独自に復興策をはじめたようだ。

その一つが、「復興支援オーナー制度」だろう。
一部新聞などで紹介された「SAVE SANRIKU OYSTERS」や、「うらと海の子再生プロジェクト」のように、牡蠣の養殖や漁業関係の支援オーナーもあれば、元々宮城県下の農作物の通信販売を手がけていた「ふるさとファーム」の「農家復興支援オーナープロジェクト」のように、東北の農家の農作物を支援するオーナー募集もある。
いずれも、オーナーを募集しその資金で、事業・産業を立て直そうというプロジェクトだ。

東北の豊かな恵みを取り戻すためには、様々な面での資金が必要になる。
その資金調達の方法として「オーナー制度」を使い、広く募集するコトで「ファン=顧客」も創っていきたいという考えがある。
このようなビジネスの方法は、この震災をキッカケに生産者とそれらの商品を購入する生活者の距離を縮めるだけではなく、もしかしたら流通のあり方もわずかながら変えるかも知れない。
いずれにしても「顔が見える生産者と顔が見える購入者」という、新しい関係づくりの中で復興資金を調達し、事業再生を図るという、これまでにあまり例のない取り組みだろう。

そのような動きとは別に、経済誌などで言われはじめているのが「キャッシュ・フォー・ワーク」だ。
「労働に対する対価を支払う」という意味だが、元々は途上国の経済自立の在り方として、注目された方法だ。

今回の震災のように、何もかもが失われてしまったような状態では「仕事を創る」と言っても、そう簡単なことでは無い。
現在動きはじめているのは、ボランティアNGOなどが主体となり、被災者自身が災害復興のためのがれきの撤去などの作業をするコトで、賃金のようなカタチでお金を支払うという方法だ。
「お金を貰う」ことで、「社会との結びつき」が実感できるだけではなく、「経済活動に参加している」という安心感や収入そのものを得ることで、金額は少なくても経済的不安がわずかながらでも解消される。

今日になり、トヨタは「来月中に震災前の9割程度の生産体制に戻る」と発表した。
だが、その9割の中には被災地は含まれていないだろう。
だからこそ、東北に部品などの生産拠点があった企業は、どんなカタチであってもよいから、「キャッシュ・フォー・ワーク」という方法で、被災地の雇用者を再雇用させるような方法やサポートをして欲しいと感じている。
業界団体として、そのような基金を創るという方法もあるのでは?

センチメンタルな気分ではなく、現実論として

2011-05-23 07:47:30 | ビジネス
枝野さんの「東京電力への債権放棄を金融機関は考えて欲しい」という内容の発言に対して、与謝野さんが「おセンチな話」とテレビ番組で話されたようだ。
(節電のために)このテレビ番組を見ていないので、話の経緯は分からないのだが、与謝野さんは「(福島第一原子力発電所事故は)神の仕業」という発言をしていることも考えれば、東京電力の現在の補償計画支持派ということだろう。
もちろん「経財大臣」という立場で、「銀行の債権放棄はありえない」という考えもあったと思う。

思うのだが、それほど大手銀行を守る必要があるのだろうか?と思うトコロがある。
というのも、バブルが崩壊し巨額な負債を抱えた大手銀行を救済するため、税金が投入された。
その後大幅な黒字に転換しても、投入された税金を総ての銀行が完済した、という話も聞かないような気がするのだが・・・あの時使われた税金はどうなってしまったのだろう?と、思っている国民がいるはずだ。
少なくとも、あの時使われた税金分くらいの債権放棄をして、(東京電力の救済ではなく)被害にあった方々への補償にお金を回して欲しいと思うのだ。

もちろん、東京電力が示した「役員報酬半減・企業年金減額なし」などというリストラ策などは受け入れることはできない。
役員の人数が減ったといっても、そもそも21人も役員が必要だったのか?というトコロから考え、適正な組織のスリム化が必要だろうし、企業年金にしても税金投入が考えられている今は、減額されて当然のことだろう。

銀行救済の時にも「公共性の高い事業だから」というコトバで、税金を投入される続けてきたが、「公共性の高い事業」だからこそそれなりに市場から守られ、高い利益を得てきたはずなのだ。
だからこそ、このような時こそ「公共性の高い企業」として、「身を削って補償する」という姿勢が無くては、生活者の多くは納得できないのでは無いだろうか?

経財という国のお金を預かる大臣として、震災後の経済をダイナミックに動かし、東北を復興させるのか?そんなビジョンをまず示した上で、おセンチでは無い話をして欲しい・・・と思うのは、私だけだろうか?

早朝出勤よりもシエスタ

2011-05-21 06:20:00 | ライフスタイル
昨夜Yahooのトピックスなどを見ていたら、この夏東京都庁では職員の出勤時間を早める予定があるようだ。
場合によっては、7時半出勤と言うコトも予定しているようだ。

確かに、この時間帯ならまだまだ暑さを感じる程では無いだろうし、何より満員電車に揺られ、一汗かいての出勤は避けられるだろう。

そのことに異議があるわけでは無い。
ただ、早朝出勤をしても、電力消費量が上がる時間帯に掛ってしまえば、その効果は半減するのでは?
午後の1時~4時くらいまでの時間帯をいかに節電+暑さ対策ができるのか?と言うコトがポイントのような気がするのだが、違うのだろうか?

毎年のように拙ブログでオススメしているのが、「シエスタ」だ。
朝早く仕事をはじめ、午後の一番暑い時間帯を「お昼寝タイム(別にお昼寝をする必要は無いのだが)」として、過ごすのだ。
当然、事務所内の照明は総て消し、窓を開け放つ代わりにブラインドを下げ、エアコンは最小限の運転に切り替え、ゆっくりと過ごす。
日が落ちはじめた時間帯に、残りの仕事を片付けると言う方法だ。

朝7時半くらいから仕事をはじめたとすると、11時半くらいから「シエスタ」に入り、午後の4時位から仕事を再開し、午後の7時には退社と言うコトが可能になる。
もちろん、残業はナシだ。
職場にいる時間が長くなると言うことになるとは思うが、何も職場にいる必要は無い。
木陰で過ごすなり、プールでひと泳ぎをするなり、それぞれの楽しみ方をすればよいのだ。
逆に、午後4時頃~7時頃まで役所の窓口が開いている方が、利用者にとっては便利かも知れない。

この夏の「節電対策」の最大ポイントは、「電力消費ピーク時にどれだけ節電できるのか?」というコトだと思うと、そのような発想もあるのでは?
それだけではなく、この「節電対策」をキッカケに、「労働時間とその内容の見直し」も積極的行う必要があるのでは?

「節電」という言葉で、何となく縮こまったコトばかりを考えるのではなく、これまでのライフスタイルや労働内容を見直すチャンスと捉え、積極的にアイディアを出し合うコトの方が大切だと思うのだ。

3.11以降のテレビ

2011-05-20 13:19:57 | アラカルト
最近盛んに聞かれる言葉の一つに、「3.11以降」がある。
ご存知の通り「3.11以降」というのは、「東日本大震災後」という意味だ。

この震災で何が大きく変わったのか?と言えば、それは生活者の意識だと感じている。
地下鉄に乗っても、「ブランド大好き名古屋女性」のはずが、ブランド品を持っている女性の姿が減ったような気がする。
背景にあるモノは?と考えると、昨今の「オマケ本ブーム」の影響もあると思うが、全体に地味な感じが多くなってきている様に感じるのだ。
とはいっても、名古屋の繁華街にある海外有名ブランドの路面店や百貨店のショップには、お客さんが入っている。
何となくだが「ブランド品を持っています!」という持ち方から、小物アイティムへと移り始めているような印象を受ける。

そして、今日のタイトルとなっている「テレビ(番組とCM)」についてだが、生活者の意識変化ほどの変化がないような気がしている。
と言うよりも、「以前と変わらず」という印象なのだ。

震災から1ヶ月ほど後で流れたサントリーの「上を向いて歩こう」・「見上げてごらん夜の星を」と言った、人の心をスッと後押しするようなCMもあったが、以前と変わらずと言うテレビCMが殆どだ。
震災から2ヶ月余り過ぎただけなので、今の生活者マインドを動かすようなテレビCMの製作はまだ難しいのかも知れない。
だが、新商品のテレビCMなどはもう少し工夫が欲しい、と感じることが多いのも事実だ。

そのテレビCMよりも「・・・???」と感じるのが、テレビ番組かもしれない。
「節電キャンペーン」が全国で展開されて、強化地域となっている東京電力及び中部電力管内では、「節電を止めてでも見たい!」と言うテレビ番組がどれだけあるのだろう?
個人的なコトで申し訳ないのだが、GW頃からテレビの視聴そのものの時間が減ってきているのだ。
その理由は、「何となくテレビという時間が多かったのでは?」という生活スタイルの見直しをしたからだ。
趣味:テレビCMという私としては、「何となくテレビ」視聴の中で見つけるテレビCMを見ることが楽しみだったのだが、その楽しみよりも「見たいというテレビCMも番組もないな~」というのが、今の気分なのだ。

これまでは、成功した番組やCMのパターンを踏襲するコトで、ある程度の話題作りなどができたが、大震災によって大きく気持ちが変わってしまった今は、過去の成功パターンなどは参考にならない。
そのことに、早くテレビなどのメディアは気がついて欲しい。