都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「銀座あおぞらDEアート」へ行ってきました!
先週日曜日は雨で順延してしまった「銀座あおぞらDEアート」ですが、今日は小雨でも決行するとのことで立ち寄ってみました。ちなみにこの「あおぞらDEアート」とは、銀座の15の画廊が集まり作品の展示販売、もしくは各種イベントを行うという一日限りの催しです。昨年も開催されていたそうですが、今年初めて行ってきました。
場所は銀座5丁目にある泰明小学校の校庭です。まさに都会のど真ん中でしょうか。ビルの谷間の小さな学校でしたが、蔦のからんだ校舎などはなかなか趣があって、外から見てもかなり目を引きます。晴海通りの阪急百貨店(数寄屋橋)横の路地を奥へ入る。銀座のメインの繁華街からは少ししか外れていません。もちろん交通の便も良い。私が着いた時は既に15時を廻っていましたが、会場はなかなか賑わっていました。カラフルなテント小屋や、風に靡く旗がイベントの雰囲気を盛り上げます。
各画廊のブースでは、それぞれの出品作家の作品が販売されていました。価格帯もなかなか手頃です。またとてもオープンな空間(校庭!)での展示なので、気軽に作品へ見入ることが出来ます。そして各ブースには、有難いことにそれぞれの出品作家もいらっしゃいました。全く畏まった部分のない、実にカジュアルな、まるでフリーマーケットのような雰囲気。この辺は、何かと敷居が高いと思われがちな画廊のイメージを覆すことに完全に成功しています。こんなに手軽なアートのイベントもそうありません。
展示作品の多くはいわゆる平面作品です。若い方から年配の作家まで、思っていた以上にバリエーション豊かでした。また立体作品もいくつか並んでいます。こちらは多くの平面の中にあるだけに目立っていました。思わず欲しくなってしまう作品もあります。
さすがに一日限りのイベントなので、規模はそれほどでもありません。またあえて難を申せば、外から見た時に学校の建物ばかりが目立って「あおぞらDEアート」の存在感(ポスターがあまり目立ちません。エントランスも少し寂しい…。)が希薄なこと、そして会場の核となる華がないので、知らない方には一体何の催しなのか分かりにくいことが気になりました。私には立地が悪いと思えません。外から中へ人を誘い込む装置があれば、より一層楽しめるイベントになったのではないかと思います。また、これは難しいことかもしれませんが、画廊の垣根を取っ払った形で、テーマ性の高い展示、(これが一番欲しい!)もしくは企画があれば面白いと思いました。少し会場が雑然としていたもしれません。
何やら最後は文句ばかりになってしまいましたが、是非来年もまた発展する形にて開催していただきたいと思いました。今年のアットホームな味わい(無料のドリンクコーナーまでありました!)を残しながら、さらにこのイベントに核が加われば、もっと認知度が高まるのではないでしょうか。一日限りでは勿体ない。そんなイベントになれば大成功です。影ながら応援させていただきます!
場所は銀座5丁目にある泰明小学校の校庭です。まさに都会のど真ん中でしょうか。ビルの谷間の小さな学校でしたが、蔦のからんだ校舎などはなかなか趣があって、外から見てもかなり目を引きます。晴海通りの阪急百貨店(数寄屋橋)横の路地を奥へ入る。銀座のメインの繁華街からは少ししか外れていません。もちろん交通の便も良い。私が着いた時は既に15時を廻っていましたが、会場はなかなか賑わっていました。カラフルなテント小屋や、風に靡く旗がイベントの雰囲気を盛り上げます。
各画廊のブースでは、それぞれの出品作家の作品が販売されていました。価格帯もなかなか手頃です。またとてもオープンな空間(校庭!)での展示なので、気軽に作品へ見入ることが出来ます。そして各ブースには、有難いことにそれぞれの出品作家もいらっしゃいました。全く畏まった部分のない、実にカジュアルな、まるでフリーマーケットのような雰囲気。この辺は、何かと敷居が高いと思われがちな画廊のイメージを覆すことに完全に成功しています。こんなに手軽なアートのイベントもそうありません。
展示作品の多くはいわゆる平面作品です。若い方から年配の作家まで、思っていた以上にバリエーション豊かでした。また立体作品もいくつか並んでいます。こちらは多くの平面の中にあるだけに目立っていました。思わず欲しくなってしまう作品もあります。
さすがに一日限りのイベントなので、規模はそれほどでもありません。またあえて難を申せば、外から見た時に学校の建物ばかりが目立って「あおぞらDEアート」の存在感(ポスターがあまり目立ちません。エントランスも少し寂しい…。)が希薄なこと、そして会場の核となる華がないので、知らない方には一体何の催しなのか分かりにくいことが気になりました。私には立地が悪いと思えません。外から中へ人を誘い込む装置があれば、より一層楽しめるイベントになったのではないかと思います。また、これは難しいことかもしれませんが、画廊の垣根を取っ払った形で、テーマ性の高い展示、(これが一番欲しい!)もしくは企画があれば面白いと思いました。少し会場が雑然としていたもしれません。
何やら最後は文句ばかりになってしまいましたが、是非来年もまた発展する形にて開催していただきたいと思いました。今年のアットホームな味わい(無料のドリンクコーナーまでありました!)を残しながら、さらにこのイベントに核が加われば、もっと認知度が高まるのではないでしょうか。一日限りでは勿体ない。そんなイベントになれば大成功です。影ながら応援させていただきます!
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「播磨ゆかりの江戸絵画」 大倉集古館 5/3
大倉集古館(港区虎ノ門2-10-3 ホテルオークラ東京本館正面玄関前)
「播磨ゆかりの江戸絵画 -応挙・蘆雪・若冲を中心として- 」
4/1-5/28
若冲の名前に惹かれて行ってきました。大倉集古館で開催中の「播磨ゆかりの江戸絵画」展です。
展示作品の殆どは江戸時代の日本絵画です。その数は約60点ほどでしょうか。長澤蘆雪(7点)、森徹山(5点)、伊藤若冲(3点)、酒井抱一(2点)、円山応挙(2点)などの名前が並びます。ボリュームこそそれほどではありませんが、なかなか豪華なメンバーです。
まず目についたのは、円山応挙の二点から「梅に鶯図」でした。口を少し開けた可愛らしい鶯が、ちょこんととまっている様子。柔らかい毛並みと、ピリッと伸びた長い尾っぽ。その対比が実に見事です。もう一点の「雲龍図」の劇画的な激しい龍も魅力的ですが、私ならこの鶯をとりたいと思います。
伊藤若冲の二点は、まさに若冲ならではの遊び心に長けた作品でした。丸まった二羽の鶏がうずくまる「双鶏図」。墨の濃淡にて巧みに画面を作っていますが、二羽の表情が実に生き生きとしています。左の鶏が尾を長く伸ばして威嚇するかのように睨んでいるとすれば、手前の鶏はそれにやや怖じ気づきながらも応えている様子でしょうか。何やらその会話も聞こえてきそうな作品です。また、もう一点の「鶴図」は、まるで一筆書き(所要時間、数十秒?)にて出来上がってしまったような作品でした。それにしてもこの鶴の頭はどこにあるのでしょう。背中を大きく曲げている鶴は他の作品にも見られますが、もはや描くのが面倒くさくなってしまったかと言うほどに簡略化されています。このいい加減さもまた若冲ならではの味わいなのでしょうか。もはや滑稽です。
長澤蘆雪にとんでもない作品がありました。タイトルは「千羽鶴図」。まさにこれでもかと言うほどに鶴がたくさん描かれています。右上にいる6羽はまだ序の口でしょう。そして、中央に描かれた、川辺にてくつろぐ10羽以上の鶴の群れ。これもまだ大したことはありません。ともかく凄まじいのは、画面左奥方向に並ぶ鶴の大軍です。まるで満員電車のように鶴がぎゅうぎゅうに押し込まれている。あまりにも鶴が団子状になって重なり合っているので、見ていて気持ち悪くなるほどでした。ここに一体何羽いるのか。もはや数えることすら出来ません。と言うよりも、むしろこれは描き過ぎでしょう。
森徹山の「雨中狸図」はおすすめの作品です。フサフサとした毛の長い狸が、歯を見せながら一匹佇んでいます。目がくりくりとしていてなんとも愛くるしいのですが、体つきの巧みな立体感が見事でした。また画面の上から差し込む白いラインは雨の描写なのでしょうか。私には光の帯のようにも見えました。気持ち良さそうに日光浴をしている狸。そんなイメージも湧いてきます。ちょこんとのった小さな耳も可愛気でした。
閉館時間が迫っていたので駆け足での鑑賞だったのですが、なかなか楽しめました。今月28日までの開催です。(ぐるっとパスを使いました。)
「播磨ゆかりの江戸絵画 -応挙・蘆雪・若冲を中心として- 」
4/1-5/28
若冲の名前に惹かれて行ってきました。大倉集古館で開催中の「播磨ゆかりの江戸絵画」展です。
展示作品の殆どは江戸時代の日本絵画です。その数は約60点ほどでしょうか。長澤蘆雪(7点)、森徹山(5点)、伊藤若冲(3点)、酒井抱一(2点)、円山応挙(2点)などの名前が並びます。ボリュームこそそれほどではありませんが、なかなか豪華なメンバーです。
まず目についたのは、円山応挙の二点から「梅に鶯図」でした。口を少し開けた可愛らしい鶯が、ちょこんととまっている様子。柔らかい毛並みと、ピリッと伸びた長い尾っぽ。その対比が実に見事です。もう一点の「雲龍図」の劇画的な激しい龍も魅力的ですが、私ならこの鶯をとりたいと思います。
伊藤若冲の二点は、まさに若冲ならではの遊び心に長けた作品でした。丸まった二羽の鶏がうずくまる「双鶏図」。墨の濃淡にて巧みに画面を作っていますが、二羽の表情が実に生き生きとしています。左の鶏が尾を長く伸ばして威嚇するかのように睨んでいるとすれば、手前の鶏はそれにやや怖じ気づきながらも応えている様子でしょうか。何やらその会話も聞こえてきそうな作品です。また、もう一点の「鶴図」は、まるで一筆書き(所要時間、数十秒?)にて出来上がってしまったような作品でした。それにしてもこの鶴の頭はどこにあるのでしょう。背中を大きく曲げている鶴は他の作品にも見られますが、もはや描くのが面倒くさくなってしまったかと言うほどに簡略化されています。このいい加減さもまた若冲ならではの味わいなのでしょうか。もはや滑稽です。
長澤蘆雪にとんでもない作品がありました。タイトルは「千羽鶴図」。まさにこれでもかと言うほどに鶴がたくさん描かれています。右上にいる6羽はまだ序の口でしょう。そして、中央に描かれた、川辺にてくつろぐ10羽以上の鶴の群れ。これもまだ大したことはありません。ともかく凄まじいのは、画面左奥方向に並ぶ鶴の大軍です。まるで満員電車のように鶴がぎゅうぎゅうに押し込まれている。あまりにも鶴が団子状になって重なり合っているので、見ていて気持ち悪くなるほどでした。ここに一体何羽いるのか。もはや数えることすら出来ません。と言うよりも、むしろこれは描き過ぎでしょう。
森徹山の「雨中狸図」はおすすめの作品です。フサフサとした毛の長い狸が、歯を見せながら一匹佇んでいます。目がくりくりとしていてなんとも愛くるしいのですが、体つきの巧みな立体感が見事でした。また画面の上から差し込む白いラインは雨の描写なのでしょうか。私には光の帯のようにも見えました。気持ち良さそうに日光浴をしている狸。そんなイメージも湧いてきます。ちょこんとのった小さな耳も可愛気でした。
閉館時間が迫っていたので駆け足での鑑賞だったのですが、なかなか楽しめました。今月28日までの開催です。(ぐるっとパスを使いました。)
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