僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

今月の読書!~沢木耕太郎「春に散る」、桐野夏生・篠田節子etc~

2015-04-10 20:12:12 | アート・ライブ・読書
 4月1日から朝日新聞の朝刊で沢木耕太郎の「春に散る」の連載小説が始まりました。
当初は毎日ちょっとづつ連載を読んでいきたいと思っていましたが、欠かさず読むのも大変です。“今日はそんな気分じゃないよ”なんて日もあるしね。
結局は1冊にまとまって出版されてから読むことになるのかな。

物語は30年前にボクサー・カシアス内藤の復活に向けた“夏から夏の1年間”の熱いノンフィクション(「一瞬の夏」)だとすれば、この「春に散る」は60代になった沢耕の書く“春から春の1年間”のフィクションだそうです。
燃えたぎるような夏の熱い時代、喪失感の時代を経て、どんな春が始まってどんな春で終わるのか楽しみになります。


沢木耕太郎「オリンピア」「血の味」

最近読んだ沢木耕太郎の「血の味」はまさしく喪失の時代を描いた小説ですが、“過ぎ去った煮えたぎっていた自分がいた時代に対しての今の自分の姿...”誰かに自分を殺して欲しいと期待している人達がいる。
この小説は15年前に9割書き終えていたが、最後の1割を書いたのは15年後だったそうです。結末は受け取り方が悩ましい。


桐野夏生「奴隷小説」「アンボス・ムンドス」「錆びる心」「残酷記」「東京島」

ところで、このところ連続して読んでいるのは桐野夏生の本。
当方はこの手の本を避ける傾向があるんだけど、それは読みかけてしまうと止まらなくなってしまうからなんですよ。
“不気味だったり、怪しかったり、思い込みが激しかったり、念の深さや土着の怖さ”などを感じさせる連中がわんさかと登場してきますが、それぞれの物語がまさかの展開で進んでいくのでどんどん話の中に吸い込まれていってしまいます。


篠田節子「レクイエム」「静かな黄昏の国」、松浦理英子「ナチュラル・ウーマン」、向田邦子「隣の女」

向田邦子さんの本はどれを読んでも面白いですね。
この短編集「隣の女」は臭いがひとつのキーになっているのでしょうか。鼻を背けても充満してくるキツイ臭い(人間から発される)を想像しながら、ニマニマと読書する羽目になりました。
篠田節子さんのこの2冊の本は未読ですが、「はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか」という秀逸な本を書かれた方であり期待大。

当方がよくやる失敗に“以前に買ったことを忘れて同じ本を何度も購入する”ってのがありますが、この松浦理英子の「ナチュラル・ウーマン」も以前に購入して読んだことを忘れて、同じ本を2度買ってしまいましたわ。
既読なのをすぐに忘れてしまいますので、BLOGに貼っておくと2度買いしないので便利かもね?

 藤原新也の本はほぼ読み尽くしてしまったので、写真集を買い集めています。
写真集を見るということは、絵画や造形などを見るのと同じような難しさがありますね。



ということでこれで4月分の本が足りるかというと、少し不安もあり。
“積読(ツンドク)”の在庫をしておこうかな。“積読”もひとつの読書法やもんな。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする