僕はびわ湖のカイツブリ

滋賀県の風景・野鳥・蝶・花などの自然をメインに何でもありです。
“男のためのガーデニング”改め

ボーダレス・アートミュージアムNO-MA~鳥の目から世界を見る~

2015-08-09 06:25:25 | アート・ライブ・読書
 「アールブリュット」という言葉を耳にされたことがある方もおられると思います。
「生の芸術」と言われて広義ではいろいろ意味がある言葉ですが、普段聞く場合には障がいのある方の作られた作品という捉え方が一般的に受け取られる言葉かもしれません。

近江八幡市にある「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」という美術館は障がいのある人の表現活動の紹介と一般人(健常者)の作品を同列に、様々なボーダー(境界)を超えていくという試みをされている美術館と紹介されています。
近江商人の旧家を改造したような建物(美術館)で6人の作家による「鳥の目から世界を見る」という展覧会が開催されていましたので立ち寄ってみました。





鳥のように空を飛ぶものが俯瞰したような絵を中心に集められているそうですが、実際に作者が空から見た景色ではなく「実際に飛べなくとも空想の力で空を飛ぶ人たち」の作品と説明があります。
 下の絵は街中を車に埋め尽くされています。ただ作者の中ではこの一台一台の車の車種から何年型かの車かまですべてが頭の中に入っているらしく、その設計に従って描かれているそうです。


戸舎清志「街と電車のある風景」

次の作家さんは、鳥瞰図のような視点から描かれた次の絵はどこまでも線路が伸びていき、間取りまで書き込まれた家が続く迷路のような絵です。
まさに「鳥の目から世界を見る」なんですが、絵は全て作者の想像上の街のようです。タイトルも“しょうごけん”など実在する都市のアナザー・ワールドのようでもあります。


香川定之

大きなベニヤ板にカラフルな色使いで描かれている絵がありました。
この作家も実在しない街を俯瞰して見たような絵となっていますが、色彩はとても明るいトーンになっています。


白石裕則「夢と平和の星」

展覧順はバラバラで書いていますが、最初に展示されていた作品です。
大きな絵の一部だけを切り取ったのですが、背景には小さな無数の顔で埋め尽くされています。
水玉模様に埋め尽くされた草間彌生を思い起こしますね。


山田美智子「戦国時代」

最期の部屋に展示されているのは山口晃という作家の作品。
この「日本橋 新三越本店」って沢山の人物が描かれていますが、平安人や江戸人、昭和の人や現代人が混在するこの百貨店。どこかへ連れ去られそうになる作品です。


山口晃「百貨店圖 日本橋 新三越本店」

このNO-MAの展覧会へは佐川美術館の「キース・ヘリング展」を見てから行ったのですが、個人的にはキース・ヘリング展よりも良かった印象があります。
インパクト云々ではなくて、見終えた後からジワジワと湧いてくる何かがあります。
いい企画・いい作品・雰囲気のいい美術館だったな。


コメント
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