今年の夏にアール・ブリュット(生の芸術)と呼ばれるものに触れて以来、このなんとも興味深い世界に魅かれております。
少し前の新聞の折り込み広告に滋賀県のアール・ブリュットに関するものがありましたが、現在県内の14ヶ所でアール・ブリュット作品が展示されているようです。滋賀はアール・ブリュットの先進県ですね。
その中の一つである近江八幡の「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA美術館」では『これ、すなわち生きものなり』という美術展が開催されています。
この美術館を訪れるのは2回目になりますが、商家の並ぶ街並みにある古い町家を使って、また古い蔵を使って興味深い企画展を開催してくれる小さな美術館です。展示作品はこの美術館の名称の通りボーダレスな作家作品です。
今回のコンセプトはHPから転載すると『民話の中で語り継がれる妖怪、テレビ画面に登場する特撮怪獣-私たちの身の周りには、この世に存在しないとされる想像上の生きものが溢れています。...』と書かれています。
美術展は前期と後期の2回に分けて開催されていましたが、今回見に行ったのは後期展示の6アーティストの作品になります。
入場して最初に度肝を抜かれるのは「スズキ万里絵」さんという画家の絵でした。(注:『スズキ』はさかなへんに戸、鱸の略字)
赤と黒を基調とした奇抜な絵は見方によっては猥雑で血なまぐさく...不気味な迫力のある絵です。絵からとてつもないパワーが吹き出してくるような迫力に圧倒されます。
スズキ 万里絵 「除け物(のけもん)」(図録)
展示作品中、最も興味深かったのはこの世には存在しない生き物の標本作品です。
ありえない生き物ですから不気味さえ感じてしまいますが、実際に生息する生物の標本のように仕立てられています。
本当に奥地の密林で採集してきた冒険譚のような設定になっており、思わず荒俣宏の博物学を思い起こしてしまいますね。
江本 創(図録より)
次に展示されている「渥美圭亮」さんの作品は発泡スチロールと和紙で作られた大きな人型の作品で、ロボットのようにも古代エジプトの像にも見える。どう見ようと見た人本位で良いと思いますけどね。
下はネットでも掲載されていて楽しみにしていたオブジェですが、想像以上に小さかったので見落としてしまい、出口近くからもう一度戻って見る羽目になってしまいましたわ。
渥美 圭亮 「無題」(ポストカード)
この美術館には古い蔵があってそこも展示会場になっています。雰囲気たっぷりの古い蔵の中にはこれぞアール・ブリュットと思える造形物が並んでいました。
展示されている作品数は多いのですが、全てが“サボテンのこども”と名付けられており、作品にはサボテンの棘状の部分が全て顔になっています。こういった造形を作り上げる集中力には感心をしてしまいますね。
濱脇 忍 「サボテンのこども」(図録)
後2人の作家は、絵の藤田雄さんと、木工にグルースティックを塗った門山幸順さんと続きます。
藤田雄さんは数字によって描く動物を自分で決めている几帳面さがある反面、パンダに関しては数字にはこだわらないという自分ルールがあるそうですよ。
孫を喜ばせようとおもちゃを買いに行ったものの面白いものがなく自分で作り始めた門山 幸順さん曰く、カラフルな色合いは見た人を楽しませるとのことで、エレキギターのネック部やドラムと合体した作品もありました。
藤田 雄(図録)
門山 幸順 「カニ」(ポストカード)
多種多様の作品が『これ、すなわち生きものなり』のテーマの元に展示されていましたが、それぞれの作品の強さにビリビリするようなインパクトを感じてしまいます。
このアーティストたちは今この時も作品作りに没頭されているのかもしれません。その溢れるような才能を羨ましく思ったりもしてしまいます。
少し前の新聞の折り込み広告に滋賀県のアール・ブリュットに関するものがありましたが、現在県内の14ヶ所でアール・ブリュット作品が展示されているようです。滋賀はアール・ブリュットの先進県ですね。
その中の一つである近江八幡の「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA美術館」では『これ、すなわち生きものなり』という美術展が開催されています。
この美術館を訪れるのは2回目になりますが、商家の並ぶ街並みにある古い町家を使って、また古い蔵を使って興味深い企画展を開催してくれる小さな美術館です。展示作品はこの美術館の名称の通りボーダレスな作家作品です。
今回のコンセプトはHPから転載すると『民話の中で語り継がれる妖怪、テレビ画面に登場する特撮怪獣-私たちの身の周りには、この世に存在しないとされる想像上の生きものが溢れています。...』と書かれています。
美術展は前期と後期の2回に分けて開催されていましたが、今回見に行ったのは後期展示の6アーティストの作品になります。
入場して最初に度肝を抜かれるのは「スズキ万里絵」さんという画家の絵でした。(注:『スズキ』はさかなへんに戸、鱸の略字)
赤と黒を基調とした奇抜な絵は見方によっては猥雑で血なまぐさく...不気味な迫力のある絵です。絵からとてつもないパワーが吹き出してくるような迫力に圧倒されます。
スズキ 万里絵 「除け物(のけもん)」(図録)
展示作品中、最も興味深かったのはこの世には存在しない生き物の標本作品です。
ありえない生き物ですから不気味さえ感じてしまいますが、実際に生息する生物の標本のように仕立てられています。
本当に奥地の密林で採集してきた冒険譚のような設定になっており、思わず荒俣宏の博物学を思い起こしてしまいますね。
江本 創(図録より)
次に展示されている「渥美圭亮」さんの作品は発泡スチロールと和紙で作られた大きな人型の作品で、ロボットのようにも古代エジプトの像にも見える。どう見ようと見た人本位で良いと思いますけどね。
下はネットでも掲載されていて楽しみにしていたオブジェですが、想像以上に小さかったので見落としてしまい、出口近くからもう一度戻って見る羽目になってしまいましたわ。
渥美 圭亮 「無題」(ポストカード)
この美術館には古い蔵があってそこも展示会場になっています。雰囲気たっぷりの古い蔵の中にはこれぞアール・ブリュットと思える造形物が並んでいました。
展示されている作品数は多いのですが、全てが“サボテンのこども”と名付けられており、作品にはサボテンの棘状の部分が全て顔になっています。こういった造形を作り上げる集中力には感心をしてしまいますね。
濱脇 忍 「サボテンのこども」(図録)
後2人の作家は、絵の藤田雄さんと、木工にグルースティックを塗った門山幸順さんと続きます。
藤田雄さんは数字によって描く動物を自分で決めている几帳面さがある反面、パンダに関しては数字にはこだわらないという自分ルールがあるそうですよ。
孫を喜ばせようとおもちゃを買いに行ったものの面白いものがなく自分で作り始めた門山 幸順さん曰く、カラフルな色合いは見た人を楽しませるとのことで、エレキギターのネック部やドラムと合体した作品もありました。
藤田 雄(図録)
門山 幸順 「カニ」(ポストカード)
多種多様の作品が『これ、すなわち生きものなり』のテーマの元に展示されていましたが、それぞれの作品の強さにビリビリするようなインパクトを感じてしまいます。
このアーティストたちは今この時も作品作りに没頭されているのかもしれません。その溢れるような才能を羨ましく思ったりもしてしまいます。