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参道には「勧請縄」に大きなトリクグラズが吊るされていると聞きますので、国道を折れ中山道に入り「奥石神社」へ初詣を兼ねた参拝に向かいます。
「老蘇の森」の中にある「奥石神社」は、創建が孝霊天皇5年といいますから紀元前の創建になり、御祭神に天児屋根命を祀る延喜式神名帳にも載せられている古社だとされます。
延喜式神名帳に載せられているのは“繖山を御神体とする最も古く原始的、根元的な神社であったため”と神社の説明書きには書かれています。
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社殿が立ち並ぶ境内へと向かう鳥居から参道に入ると、いきなり「勧請縄」が目に飛び込んできます。
参道の横の立木に吊るされた「勧請縄」には、内野の八幡神社と同じように左右6本づつの小縄が吊るされ、中央にはトリクグラズが掛けられています。
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トリクグラズは椿で作られているとされ、直径が1.5mほどの輪には御幣が上に3本、輪の下方内側にも1本捧げられている。
老蘇地区ではこの勧請縄を「マジャラコ(マジャラ講)」と呼ぶそうで、その大きさからも見応えのあるものでした。
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「勧請縄」を抜けて参道を進むと、参道の左側に摂社「吉住稲荷社」の朱色の鳥居が見えてきます。
石作の鳥居に注連縄が掛けられていますが、こちらはオーソドックスに三本の藁が垂らされたものでした。
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「吉住稲荷社」の裏側付近にあるのが「奥石神社」の御神木のスギで、幹周が約4.8m・樹高30m・推定樹齢が400年の真っすぐに伸びたスギです。
奥石神社の周辺に広がる広大な「老蘇の森」は、万葉の時代から歌に詠まれてきた森で、鬱蒼とした森の中には巨樹が何本か見える。
そのため御神木が一際目立つ巨樹といった印象は感じにくいが、古社にある堂々たる御神木です。
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不思議に感じたのは、境内の何本かの木に小縄のようなものが勧請縄のように吊るされていたこと。
しかも木の根っこ部分には円錐状の木が紅白の紐で結ばれて捧げられている。
円錐の木には線がひかれていて、これも数えてみると12本の線があります。
この12という数は年間の月数をあらわしているのか、あるいは方位を示すものなのか、意味するところは不明です。
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「老蘇の森」への入口にも小縄と円錐状の木が捧げられています。
伝説によると、昔この地方は地裂け水湧いてとても人の住めるところではなかったが、石部大連が樹の根を植え神々に祈願したところ大森林となり、大連は齢百数十歳まで生きたという。
その大連の伝承から「老蘇」(老が蘇る)として、「老蘇の森」の名で呼ばれるようになったとされ、国の史跡にも指定されています。
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拝殿へ向かうと周辺に雪が残っていて少し意外に感じます。
近江八幡周辺はあまり雪は降らないと思っていましたが、近江八幡市でも正月の寒波の時には積雪があったのでしょう。
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本殿は安土桃山時代の1581年に織田信長の寄進により、柴田家久(勝家の一族)が造営して再建したとされる建築物で国の重要文化財に指定されている。
奥石神社は中世より「鎌宮神社」と称されたことがあったという歴史から、御神紋が「左り鎌」となっています。
「鎌宮神社(かまみや)」は「蒲生野宮(かなふのみや)」がなまって名付けられたものと考えられていると神社の説明版にはありました。
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ところで、奥石神社に過去に参拝した時の写真を見ると、1月の後半頃だったはずですが参道に「勧請縄」は吊るされてはいませんでした。
「勧請縄」がないということは奥石神社の勧請縄は、12月に吊るされて正月期間が終了すると取り外されるということなのか。