「蓬莱山」は比良山地の中央辺りにある1173.9mの山で、比叡山と共に「日本三百名山」に数えられ、比良山地では武奈ヶ岳に次ぐ高峰とされる。
比良山地は南北約20キロ、東西15キロの山地で、南に比叡山・北に野坂山地とつながり、近江八景でいう「比良の暮雪」で知られる景勝地です。
これまで比良山地の山に登る機会がなかったのですが、少し前の「蛇谷ヶ峰」登山に続き、「蓬莱山」に登ることにしました。
コースは「キタダカコース」で初心者でも登れるコースとされていますが、コースタイムは登りで3時間くらい予定しておかないといけない山です。
びわ湖テラスに駐車場はありますが9時からしか開門されないとのことで、清林パークに車を停め、まずは登山口までのロード歩きから始まります。
行きと帰りでロード歩きのルートは違う道を歩きましたが、結構な距離を歩かないと登山口や駐車場には辿り着けません。
分かりやすい登山口の看板から山道へ入ると、途中までは林業用かと思われる砂利道が延々と続きます。
素人なので林業のことはよく分からないものの、きちんと整備された植林地のように感じられます。
砂利道の林道を20分くらい歩くと山道らしい道に変わりますが、石ころがゴロゴロとした道になります。
蓬莱山は登山中に“”ご褒美のない山”と言われますが、それは途中に眺望が全くなく、打見山の山頂まで標高差千m強をひたすら登るからなのでしょう。
つい先日登った「蛇谷ヶ峰」も稜線に出るまで景色なく登りのみでしたので同じような傾向の山です。
通れるように整備はされていますが、倒木は何度も見かけます。
また根を包む土の部分が崩れ落ちて、根の部分に空洞がある樹が多かったことも倒木しやすくなっている理由なのかもしれません。
登山口から1時間ちょっと登った辺りから時折ケルンを見かけるようになります。
このケルンは登山中に最初に見たケルンになり、蓬莱山はびわこバレーがあるので観光のイメージがありますが、かつては比良山修験の山であったといいます。
景観はないけど傾斜のある道をひたすら登っていくと、楽しみにしていた「天狗杉」のある場所に到着します。
サイズは不明で樹齢は800年と書かれたものもありますが、幹周の太さもさることながら、荒々しくも猛々しい印象を強く受ける巨樹です。
山道を1時間以上登らないと見ることが出来ないスギであり、天狗杉は蓬莱山キタダカコースの見所の一つだと思います。
比良山には「比良山次郎坊」という天狗が棲んでいたといい、次郎坊は最初は比叡山に棲んでいたものの、比叡山に延暦寺が建立されて比良山に移動してきたという。
そんな次郎坊の伝説が「天狗杉」の名につながっているのかもしれません。
登山道の途中にはお地蔵さんでしょうか。
大きな岩の上にお地蔵さんが祀られ、その周辺にもケルンが積まれています。
この先で天狗杉と共に楽しみにしていた「クロトノハゲ」に到着します。
クロトノハゲは赤坂山の「明王の禿」のような感じかと思っていましたが、予想より規模は小さかったですね。
ここから打見山の山頂までは約30分といったところ。
上方に打見山の稜線が見えてきて気持ちよく駆け上がろうと思ったものの、ここからの急登が中々苦しい。
ただ、ある程度の標高まで登って来ると、葉っぱの形状からしてイワカガミの群生が多くみられる。
春の花シーズンには山頂近くの場所にはイワカガミが咲き誇っているのではないかと推測したりもします。
崖側に突き出したような岩があり、手前には賽銭箱、横にはかつて鳥居だったと思われるものが置かれている。
ここはかつての磐座だったのだろかと考えてしまうと、岩の上には乗れない。
猛り狂っているような枝ぶりの樹の下には不動明王の石像。
今の蓬莱山の信仰なのか、かつての信仰の名残りなのか...。
少し道を外れて登って行くと「天命水」の扁額の掛けられた鳥居があり、一番奥にはここにも不動明王の石像が祀られていました。
蓬莱山には強い信仰の形は見られませんが、所々に山岳信仰や修験道の痕跡があります。
打見山の山頂まではあとわずかでしたが、始発のロープウエイが動き始めましたので写真を撮る。
手前右側には打見山。山続きで左に見える山が蓬莱山です。
打見山(ロープウエイ山頂駅)まで来ると軽装の人が想像以上に多くおられ、登山スタイルの当方は浮いた感じになってしまいます。
登山スタイルの人も僅かにおられましたが、登山道では誰一人出会っていませんので、別のルートから登ってきた人なのでしょう。
びわ湖テラスと呼ばれる施設にはロープウエイが到着する度に人が集まってきます。
テラスに腰かけている方で座る場所がないほどでしたが、この日は山頂の天気は悪くはないものの、下界はガスってしまっていて白いモヤの中。
居心地が悪いので蓬莱山の山頂に向かって歩き出すことにしますが、ゲレンデの坂がなかなか急なので休み休みしながら登ります。
リフトがあるものの営業は10月までなので運行されていなかったこともあって、蓬莱山の山頂まで来る人は少なく、逆に落ち付けました。
山頂表示のポールは字が読み取れないほと傷んでおりましたので行き先標示板で代用します。
後方に続く道は小女郎峠へつながる道のようで、下って行く登山者が何名かと6~7頭の鹿の姿が見えました。
小女郎峠から小女郎ヶ池、薬師滝を経由して下りる周回コースやさらに縦走していくコース、北へ向かって武奈ヶ岳へ縦走も出来るらしいので比良は奥深い。
蓬莱山の山頂には、一等三角点「比良ヶ岳」があり、登頂は完了です。
山頂には「彼岸の鐘」というモニュメントがあり、登山の無事を祈る塔だという。
ゲレンデにも音階の付いた鐘があって、鐘を鳴らせる場所が多く、あちこちで鐘の音がする山でした。
山頂の広場の一角に鳥居があり立ち寄ってみると、鳥居に「山の神」の扁額がかかっている。
ここは「比良大神奥宮社」という神社で、比良大神を御祭神として祀っているとされます。
それでは蓬莱山を後にして下山道やロープウエイ山頂駅のある打見山に戻ります。
足はそれほど疲れてはいなかったのですが、ピストンで同じ道を下りるよりもロープウエイに乗って紅葉を見ながら下山する方に気持ちが傾いてしまいました。
ロープウエイでは琵琶湖側(先頭)はガスってしまって景色はダメでしたが、後方から眺める紅葉はこの日見頃でした。
紅く染まる有名寺院などの紅葉の華やかさとは違いますが、山の色とりどりの紅葉は豊かさや多彩さがあって美しいと思います。
動画はロープウエイの中から見た紅葉です。
比良山地は南北約20キロ、東西15キロの山地で、南に比叡山・北に野坂山地とつながり、近江八景でいう「比良の暮雪」で知られる景勝地です。
これまで比良山地の山に登る機会がなかったのですが、少し前の「蛇谷ヶ峰」登山に続き、「蓬莱山」に登ることにしました。
コースは「キタダカコース」で初心者でも登れるコースとされていますが、コースタイムは登りで3時間くらい予定しておかないといけない山です。
びわ湖テラスに駐車場はありますが9時からしか開門されないとのことで、清林パークに車を停め、まずは登山口までのロード歩きから始まります。
行きと帰りでロード歩きのルートは違う道を歩きましたが、結構な距離を歩かないと登山口や駐車場には辿り着けません。
分かりやすい登山口の看板から山道へ入ると、途中までは林業用かと思われる砂利道が延々と続きます。
素人なので林業のことはよく分からないものの、きちんと整備された植林地のように感じられます。
砂利道の林道を20分くらい歩くと山道らしい道に変わりますが、石ころがゴロゴロとした道になります。
蓬莱山は登山中に“”ご褒美のない山”と言われますが、それは途中に眺望が全くなく、打見山の山頂まで標高差千m強をひたすら登るからなのでしょう。
つい先日登った「蛇谷ヶ峰」も稜線に出るまで景色なく登りのみでしたので同じような傾向の山です。
通れるように整備はされていますが、倒木は何度も見かけます。
また根を包む土の部分が崩れ落ちて、根の部分に空洞がある樹が多かったことも倒木しやすくなっている理由なのかもしれません。
登山口から1時間ちょっと登った辺りから時折ケルンを見かけるようになります。
このケルンは登山中に最初に見たケルンになり、蓬莱山はびわこバレーがあるので観光のイメージがありますが、かつては比良山修験の山であったといいます。
景観はないけど傾斜のある道をひたすら登っていくと、楽しみにしていた「天狗杉」のある場所に到着します。
サイズは不明で樹齢は800年と書かれたものもありますが、幹周の太さもさることながら、荒々しくも猛々しい印象を強く受ける巨樹です。
山道を1時間以上登らないと見ることが出来ないスギであり、天狗杉は蓬莱山キタダカコースの見所の一つだと思います。
比良山には「比良山次郎坊」という天狗が棲んでいたといい、次郎坊は最初は比叡山に棲んでいたものの、比叡山に延暦寺が建立されて比良山に移動してきたという。
そんな次郎坊の伝説が「天狗杉」の名につながっているのかもしれません。
登山道の途中にはお地蔵さんでしょうか。
大きな岩の上にお地蔵さんが祀られ、その周辺にもケルンが積まれています。
この先で天狗杉と共に楽しみにしていた「クロトノハゲ」に到着します。
クロトノハゲは赤坂山の「明王の禿」のような感じかと思っていましたが、予想より規模は小さかったですね。
ここから打見山の山頂までは約30分といったところ。
上方に打見山の稜線が見えてきて気持ちよく駆け上がろうと思ったものの、ここからの急登が中々苦しい。
ただ、ある程度の標高まで登って来ると、葉っぱの形状からしてイワカガミの群生が多くみられる。
春の花シーズンには山頂近くの場所にはイワカガミが咲き誇っているのではないかと推測したりもします。
崖側に突き出したような岩があり、手前には賽銭箱、横にはかつて鳥居だったと思われるものが置かれている。
ここはかつての磐座だったのだろかと考えてしまうと、岩の上には乗れない。
猛り狂っているような枝ぶりの樹の下には不動明王の石像。
今の蓬莱山の信仰なのか、かつての信仰の名残りなのか...。
少し道を外れて登って行くと「天命水」の扁額の掛けられた鳥居があり、一番奥にはここにも不動明王の石像が祀られていました。
蓬莱山には強い信仰の形は見られませんが、所々に山岳信仰や修験道の痕跡があります。
打見山の山頂まではあとわずかでしたが、始発のロープウエイが動き始めましたので写真を撮る。
手前右側には打見山。山続きで左に見える山が蓬莱山です。
打見山(ロープウエイ山頂駅)まで来ると軽装の人が想像以上に多くおられ、登山スタイルの当方は浮いた感じになってしまいます。
登山スタイルの人も僅かにおられましたが、登山道では誰一人出会っていませんので、別のルートから登ってきた人なのでしょう。
びわ湖テラスと呼ばれる施設にはロープウエイが到着する度に人が集まってきます。
テラスに腰かけている方で座る場所がないほどでしたが、この日は山頂の天気は悪くはないものの、下界はガスってしまっていて白いモヤの中。
居心地が悪いので蓬莱山の山頂に向かって歩き出すことにしますが、ゲレンデの坂がなかなか急なので休み休みしながら登ります。
リフトがあるものの営業は10月までなので運行されていなかったこともあって、蓬莱山の山頂まで来る人は少なく、逆に落ち付けました。
山頂表示のポールは字が読み取れないほと傷んでおりましたので行き先標示板で代用します。
後方に続く道は小女郎峠へつながる道のようで、下って行く登山者が何名かと6~7頭の鹿の姿が見えました。
小女郎峠から小女郎ヶ池、薬師滝を経由して下りる周回コースやさらに縦走していくコース、北へ向かって武奈ヶ岳へ縦走も出来るらしいので比良は奥深い。
蓬莱山の山頂には、一等三角点「比良ヶ岳」があり、登頂は完了です。
山頂には「彼岸の鐘」というモニュメントがあり、登山の無事を祈る塔だという。
ゲレンデにも音階の付いた鐘があって、鐘を鳴らせる場所が多く、あちこちで鐘の音がする山でした。
山頂の広場の一角に鳥居があり立ち寄ってみると、鳥居に「山の神」の扁額がかかっている。
ここは「比良大神奥宮社」という神社で、比良大神を御祭神として祀っているとされます。
それでは蓬莱山を後にして下山道やロープウエイ山頂駅のある打見山に戻ります。
足はそれほど疲れてはいなかったのですが、ピストンで同じ道を下りるよりもロープウエイに乗って紅葉を見ながら下山する方に気持ちが傾いてしまいました。
ロープウエイでは琵琶湖側(先頭)はガスってしまって景色はダメでしたが、後方から眺める紅葉はこの日見頃でした。
紅く染まる有名寺院などの紅葉の華やかさとは違いますが、山の色とりどりの紅葉は豊かさや多彩さがあって美しいと思います。
動画はロープウエイの中から見た紅葉です。
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