近江鉄道は滋賀県の湖東地方を走るローカル私鉄で、その歴史は古く最初の区間の開業は1898年のことだといいます。
西武グループの創業者の堤 康次郎が滋賀県旧愛知郡の出身だったため、近江鉄道は西武グループの傘下にあり、西武鉄道の中古車両を再利用したりしている。
赤字路線のため鉄道の存廃が検討されながらも、存続して市民の足となっている鉄道です。
その近江鉄道の愛知川駅の駅舎には「るーぶる愛知川」という小さな美術館があり、4週間ごとに様々な作家の作品を展示しています。
現在、るーぶる愛知川では現在「奥田誠一個展」が開催されており、奥田さんは先日開催された安土町の浄厳院での「現代美術展」にも作品を出品されていた方です。
作品は焼け焦げた和紙を貼り合わせて造形したヒトガタで、宙に浮いていることもあれば、床や壁から生えていたり、椅子に腰かけていたりもする。
それらヒトガタをインスタレーションとして室内に展示してあるので、入口から向き合った時のインパクトは強烈なものを感じます。
ヒトガタはほぼ全員女性のようであり、躰に無数に空いた穴の中は空洞となっており、生まれ出づる者にも見えるし、朽ちていく者にも見えます。
「浄厳院現代美術展」では2年連続で見て寺院の空間との相性の良さを感じましたが、白い壁とフローリングのシンプルな部屋でも映えて見えます。
壁の上の方には腰かけて視線を正面に向けている女性のヒトガタ。
作品の顔などから西洋彫刻のような整った印象を受けますが、それもそのはず奥田さんは大学卒業後は高校で美術の教師をされているとのこと。
造形の完成度が素人の当方が見ても高く感じるのは、美術の専門家ゆえのことなのでしょう。
壁から上半身だけ出ている女性は、動物の首の壁掛けのヒトガタ版のようでもあり、別の次元から生まれ出るような姿でもあります。
焼け焦げて穴だらけの体でありながら、生命感を感じてしまうのはなぜなのでしょうか。
壁から情念によって浮き出してきたかの如くの作品。
力強い両手は、何を掴もうとしているのか。
もしヒトガタをシルエットで見れたら、よくできた美術品の銅像か彫刻に見えるのではないでしょうか。
どのヒトガタも少し上に視線を向けながら正面を見ているのでよりリアルさを感じます。
「るーぶる愛知川」に来るのは2度目ですが、次々と美術展が開催されているのにも関わらず、開催情報が伝わってこないのは残念です。
ところで、「ルーブル愛知川」で面白そうなチラシを見つけました。
「湖東 妖怪封印 ARラリー」という湖東地方に点在する妖怪スポットにいる「淡海の妖怪」を封印して巡るというイベントです。
妖怪スポットは全10カ所ありますが、今回は近江鉄道の沿線に潜む妖怪を封印して回りました。
豊郷駅の近くにある「犬上神社」には大蛇の妖怪が棲んでいるといい、まずはこいつから封印です。
封印は現地でスマホに現れた妖怪をタップして固定し、スマホで「五芒星」を描くように封印アクションで印を結んで封印します。
犬上川上流の大瀧神社にある「大蛇ヶ淵」へ稲依別王命が愛犬小白丸と狩りに出かけ、昼寝をしていた処、小白丸が狂ったように吠え続ける。
命は怒って犬の首を刎ねてしまうが、刎ねた犬の首が松の木の上で命を狙っていた大蛇の喉を喰い破り命を助けたという。
命は忠犬の首をはねたことを悔やみ、祠を建て胴を埋めた場所に松を植えたといい、首は犬上川を流れ豊郷に流れ着いたと伝わります。
ヴォーリズ建築で建てられ観光客に人気の「豊郷小学校旧校舎群」では「平将門の首」を封印しました。
平将門の首が落ちたとされる場所はいくつかありますが、愛荘町にも将門の首伝説が伝わるようです。
平将門は、藤原秀郷に東国で殺されて首級をあげられたが、秀郷が中山道でこの地まで来たとき、目を開いた将門の首が追いかけてきたという。
秀郷は、将門の首に対して和歌の勝負を提案すると、将門の首は答えられず力尽き、橋上に落ちたと伝わる。
藤原秀郷こと俵藤太には“瀬田の唐橋の大蛇”や“三上山の大百足”の伝説が有名ですから、将門の話は秀郷のスピンオフの話にも思えます。
高宮駅では「おたまさん」という聞き慣れない名前の妖怪を封印です。
「おたまさん」というのは別名「ケセランパサラン」という毛玉の妖怪で、どこからともなくフワフワと飛んで来て、いつのまにかいなくなる妖怪らしい。
「おたまさん」は悪さをするわけでなく、見つけてこっそりと箱の中などにしまっておくと幸運に恵まれるが、やがてどこかへいなくなるという。
近江鉄道沿線の妖怪封印は電車で移動した訳ではありませんが、次は多賀大社前駅から多賀大社に進んで「先食烏(せんじきがらす)」を封印です。
多賀大社では祭理の前に本殿の脇に据えられた先食台という木の台に神饌の米をお供えすると、烏が飛んできて、神饌に穢れがないとこれを啄ばむという。
もし烏が啄ばまない場合は神饌を造り直したといい、八咫烏(やたがらす)と同じく吉事の前触れを指す存在として信仰されていたようです。
近江鉄道の北の始発・終点は米原駅になりますが、途中で彦根駅にも停車します。
彦根城のお堀にはかつて「河太郎」という河童がいて、この河童は頭の上に皿のない妖怪とされていたようです。
かつての彦根城のお堀は今よりも深かったとされ、近づくと人を水に引きずり込む河太郎にやられると子供たちに注意喚起していたようです。
10カ所の妖怪スポットに棲む「淡海の妖怪」のうち、近江鉄道沿線の5妖怪を封印しましたが、そんな妖怪がいたんだと初めて知った妖怪の方が多かった。
湖東地方の他の妖怪たちは、国道307号線沿いに棲んでいるといいます。
全部封印したら特典プレゼントがあるようですので、湖東をぐるっと巡ってみるのも楽しそうですね。
西武グループの創業者の堤 康次郎が滋賀県旧愛知郡の出身だったため、近江鉄道は西武グループの傘下にあり、西武鉄道の中古車両を再利用したりしている。
赤字路線のため鉄道の存廃が検討されながらも、存続して市民の足となっている鉄道です。
その近江鉄道の愛知川駅の駅舎には「るーぶる愛知川」という小さな美術館があり、4週間ごとに様々な作家の作品を展示しています。
現在、るーぶる愛知川では現在「奥田誠一個展」が開催されており、奥田さんは先日開催された安土町の浄厳院での「現代美術展」にも作品を出品されていた方です。
作品は焼け焦げた和紙を貼り合わせて造形したヒトガタで、宙に浮いていることもあれば、床や壁から生えていたり、椅子に腰かけていたりもする。
それらヒトガタをインスタレーションとして室内に展示してあるので、入口から向き合った時のインパクトは強烈なものを感じます。
ヒトガタはほぼ全員女性のようであり、躰に無数に空いた穴の中は空洞となっており、生まれ出づる者にも見えるし、朽ちていく者にも見えます。
「浄厳院現代美術展」では2年連続で見て寺院の空間との相性の良さを感じましたが、白い壁とフローリングのシンプルな部屋でも映えて見えます。
壁の上の方には腰かけて視線を正面に向けている女性のヒトガタ。
作品の顔などから西洋彫刻のような整った印象を受けますが、それもそのはず奥田さんは大学卒業後は高校で美術の教師をされているとのこと。
造形の完成度が素人の当方が見ても高く感じるのは、美術の専門家ゆえのことなのでしょう。
壁から上半身だけ出ている女性は、動物の首の壁掛けのヒトガタ版のようでもあり、別の次元から生まれ出るような姿でもあります。
焼け焦げて穴だらけの体でありながら、生命感を感じてしまうのはなぜなのでしょうか。
壁から情念によって浮き出してきたかの如くの作品。
力強い両手は、何を掴もうとしているのか。
もしヒトガタをシルエットで見れたら、よくできた美術品の銅像か彫刻に見えるのではないでしょうか。
どのヒトガタも少し上に視線を向けながら正面を見ているのでよりリアルさを感じます。
「るーぶる愛知川」に来るのは2度目ですが、次々と美術展が開催されているのにも関わらず、開催情報が伝わってこないのは残念です。
ところで、「ルーブル愛知川」で面白そうなチラシを見つけました。
「湖東 妖怪封印 ARラリー」という湖東地方に点在する妖怪スポットにいる「淡海の妖怪」を封印して巡るというイベントです。
妖怪スポットは全10カ所ありますが、今回は近江鉄道の沿線に潜む妖怪を封印して回りました。
豊郷駅の近くにある「犬上神社」には大蛇の妖怪が棲んでいるといい、まずはこいつから封印です。
封印は現地でスマホに現れた妖怪をタップして固定し、スマホで「五芒星」を描くように封印アクションで印を結んで封印します。
犬上川上流の大瀧神社にある「大蛇ヶ淵」へ稲依別王命が愛犬小白丸と狩りに出かけ、昼寝をしていた処、小白丸が狂ったように吠え続ける。
命は怒って犬の首を刎ねてしまうが、刎ねた犬の首が松の木の上で命を狙っていた大蛇の喉を喰い破り命を助けたという。
命は忠犬の首をはねたことを悔やみ、祠を建て胴を埋めた場所に松を植えたといい、首は犬上川を流れ豊郷に流れ着いたと伝わります。
ヴォーリズ建築で建てられ観光客に人気の「豊郷小学校旧校舎群」では「平将門の首」を封印しました。
平将門の首が落ちたとされる場所はいくつかありますが、愛荘町にも将門の首伝説が伝わるようです。
平将門は、藤原秀郷に東国で殺されて首級をあげられたが、秀郷が中山道でこの地まで来たとき、目を開いた将門の首が追いかけてきたという。
秀郷は、将門の首に対して和歌の勝負を提案すると、将門の首は答えられず力尽き、橋上に落ちたと伝わる。
藤原秀郷こと俵藤太には“瀬田の唐橋の大蛇”や“三上山の大百足”の伝説が有名ですから、将門の話は秀郷のスピンオフの話にも思えます。
高宮駅では「おたまさん」という聞き慣れない名前の妖怪を封印です。
「おたまさん」というのは別名「ケセランパサラン」という毛玉の妖怪で、どこからともなくフワフワと飛んで来て、いつのまにかいなくなる妖怪らしい。
「おたまさん」は悪さをするわけでなく、見つけてこっそりと箱の中などにしまっておくと幸運に恵まれるが、やがてどこかへいなくなるという。
近江鉄道沿線の妖怪封印は電車で移動した訳ではありませんが、次は多賀大社前駅から多賀大社に進んで「先食烏(せんじきがらす)」を封印です。
多賀大社では祭理の前に本殿の脇に据えられた先食台という木の台に神饌の米をお供えすると、烏が飛んできて、神饌に穢れがないとこれを啄ばむという。
もし烏が啄ばまない場合は神饌を造り直したといい、八咫烏(やたがらす)と同じく吉事の前触れを指す存在として信仰されていたようです。
近江鉄道の北の始発・終点は米原駅になりますが、途中で彦根駅にも停車します。
彦根城のお堀にはかつて「河太郎」という河童がいて、この河童は頭の上に皿のない妖怪とされていたようです。
かつての彦根城のお堀は今よりも深かったとされ、近づくと人を水に引きずり込む河太郎にやられると子供たちに注意喚起していたようです。
10カ所の妖怪スポットに棲む「淡海の妖怪」のうち、近江鉄道沿線の5妖怪を封印しましたが、そんな妖怪がいたんだと初めて知った妖怪の方が多かった。
湖東地方の他の妖怪たちは、国道307号線沿いに棲んでいるといいます。
全部封印したら特典プレゼントがあるようですので、湖東をぐるっと巡ってみるのも楽しそうですね。
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